2010年1月30日土曜日

Gartner predicts that by 2010, the number of IT staff in the profession will shrink by 15 percent


Gartner warned IS leaders to act now to safeguard the value that business technology contributes and predicts that by 2010, the number of IT staff in the profession will shrink by 15 percent.

[From Gartner predicts that by 2010, the number of IT staff in the profession will shrink by 15 percent]

先日ご紹介した、ガートナーの2010年代予想を書いていて思いだしたのですが、2005年に同じくガートナーから、2010年までにITスタッフの数が15%減少する、という予想を出していました。米国国内で15%減、ということですね。(もう5年も経ったのか、と思うと少し呆然としてしまうものがあります)


この予想がどの程度あたっていたのかを統計値と比較して検討しようかと思ったんですが、ちょっと余裕がないので割愛します。そのうち社員研修か何かのネタにして他の人に調べてもらおうかと思います。IEEEあたりの雇用統計を見ながら、年ごとの推移をみて、リーマンショックの分を差し引いた値を出す、という感じでしょうか。こういうケースでリーマンショックだけを差し引くことの合理性とかについても検討が必要になるかもしれませんね、もし研修のネタでやるのだとすれば。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2010年1月28日木曜日

ガートナー、2010年以降に企業に大きな変化を与える9つのポイントを予想 - ITマネジメント - ZDNet Japan


「あらゆるIT投資の判断に対して財務と規制の両面からの監視が強まっている今、これらの影響を受けずに済む組織はほとんどないだろう」Brian Gammage氏




[From ガートナー、2010年以降に企業に大きな変化を与える9つのポイントを予想 - ITマネジメント - ZDNet Japan]

ZDNetに『Gartner Predicts 2010』の日本語での紹介記事が出ていました。



  1. 2012年までにIT資産を自社で保有しない企業は20%


  2. 2012年までに市場をリードする“クラウドアグリゲーター”の中で、インドを中心とするITサービス企業は20%


  3. 2012年までにFacebookがソーシャルネットワークの統合とウェブのソーシャル化のハブとしての役割を担う


  4. 2014年までにほとんどのITビジネスケースに、二酸化炭素(CO2)対策コストが含まれるようになる


  5. 2012年に、新しいPCの有効寿命全体を通じた温室効果ガス排出の60%は、ユーザーが初めて電源を入れる前の段階で発生する


  6. 2015年までにネットマーケティングの規制が進み、2500億ドルに上る全世界のネットマーケティング支出が統制される


  7. 2014年までに世界の成人30億以上がモバイル技術やネット技術を通じて電子取引を実行できるようになる


  8. 2015年までにモバイル環境のコンシューマーサービスにとってコンテキストが重要な役割を果たすようになる


  9. 2013年までに全世界で携帯電話がネットアクセスの最も一般的なデバイスになる


めぼしいキーワードは、クラウド、CO2、モバイル端末+Facebook、、、と言ったところでしょうか。(CO2がらみでいうと5番目の表現はこれだけ抜き出すと補足が必要かもしれません。60%というのは削減後の値で、現在では80%が製造および輸送の時点で発生している計算になるんだそうです。)


Alfrescoとの関連の強さで順位を付けるのであれば、クラウド→モバイルとFacebook(順不同)→CO2でしょうか。クラウドはエンタープライズ向けソフトウェアのビジネスに関して言えば現在でももっとも大きなテーマの1つですので説明を要しないところであると思います。モバイルについては最近特に引き合いのフェーズにおいてモバイル端末対応についての質問をうけることが多いこと、iPhone向けのスタイルシートを備えたクライアントが整備されたこと、AppStoreでAlfrescoクライアントが配信されているのを見かけたこと、などを根拠にAlfrescoとも関連があるトピックだと考えています。Facebookはかなり前からAlfrescoのアプリがあって、SURF、Webスクリプトの可能性をアピールする事例としてよく引き合いに出されています。(Enterprise 2.0なんていう言い方も盛んにされていました。)


しかし、実は個人的に(?)、残りのCO2というキーワードにもAlfrescoとは離れたところで関心を持っています。1つには大学の学部時代に所属していた研究室のテーマが関連しているということもあるのですが、それ以外にもaegifで現在関与させて頂いているプロジェクトの1つにCO2排出量に深く関与した物があるという背景があります。準備さえ整えば、そういったAlfrescoに関係していないプロジェクトの情報もご紹介していきたいので、近いうちに関連する記事を書くことになるかもしれません。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2010年1月27日水曜日

Alfresco DemoCast » Blog Archive » Demo: Alfresco Share Running in the Cloud


[From Alfresco DemoCast » Blog Archive » Demo: Alfresco Share Running in the Cloud]

Alfresco DemoCastの更新が活発化しています。


こんどはクラウド上で実行されているAlfresco Shareのデモで、簡単な機能ツアーのような体裁になっています。



  • クラウド上のトライアル環境の紹介


  • ダッシュボードの設定


  • パーソナルダッシュボード


  • ユーザプロフィール情報の拡張


  • プロジェクトライブラリ


  • プロジェクトベースのリンク管理(共有ブックマーク)


  • プロジェクトベースの掲示板


  • プロジェクトベースのBlogエディタ


  • 新しいコラボレーションサイトの作成と検索


  • ユーザとグループの管理


Alfrescoのトレーニングコースでよく題材になっている仮想の会社Green Energy社をモデルにした環境が構築されているようです。(名前空間接頭辞を作るために省略するとGEになるんですよね)


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2010年1月23日土曜日

Alfresco Webcasts » Blog Archive » SAP and Alfresco Integration with CTAC


A combination of presentation and demo scenarios show just how easy it is to link documents from Alfresco to SAP and start SAP workflows in Alfresco. It works both ways and is seriously clever stuff!

[From Alfresco Webcasts » Blog Archive » SAP and Alfresco Integration with CTAC]

VCがらみの連携かとも思ったのですが、そういうわけでもなさそうですね。


AlfrescoとSAP ERPの連携についてのWebcastが配信されています。思えば私も社会人デビュー時にはSAPの研修を受けさせて頂きました。ECMのお仕事をしていると、各コンテンツ毎の属性値の設定が主要な検討事項になりますが、多くの場合「その時点で最も良い値」を保持しているシステムは定型データを処理する基幹系などのシステムであったりするわけです。SAPには多くのビジネスオブジェクト(買収したBIベンダのことではありません)が予め定義されていてAPIから取り出すこともできるので、ECMを採用したい分野の定義さえきっちり行えれば、連携の効果は高いと考えられます。


今回、連携事例を発表しているのはドイツのCTAC社で、SAP・Alfrescoの双方とパートナー契約を結んでいる会社です。SAPのArchiveLinkのプロトコルとJava Connectorの組合せでCTAC Connectorという製品を開発したそうです。これによりSAP側のオブジェクトの値とAlfresco側のコンテンツの属性のマッピングをグラフィカルに定義することもできるようですね。実際にエンドユーザが使う機能としては、AlfrescoからSAPのワークフローをキックしたり、SAP・Alfrescoの双方から文書を相手側にコピーしてリンクを定義したり、SAP側でもっているWBSの構造をAlfrescoのフォルダ構造として取り込んだり、、、と考えられる連携パターンの大部分がこの組合せで実現できるのではないか、というなかなかにパワフルなもののようです。また、Alfresco側はAlfresco ExplorerとAlfresco Shareの両方に対応しているみたいですね。


是非、我々もチャレンジしてみたい領域ですが、国内企業でこうしたとりくみに関心をお持ちの企業がどこかにないものでしょうか。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2010年1月22日金曜日

Alfresco Share Trial in the Cloud


Free Training Videos will guide you through the trial.

[From Alfresco Share Trial in the Cloud]

「クラウド対応」についてのご質問を受けることが多くなってきました。また、これは最近の傾向というわけではありませんがトライアル環境についてのご質問を頂くこともしばしばあります。Alfrescoは無償版のインストールが簡単にできることもあって、実際にダウンロードして試してみてください、という返答をさせて頂くことが多かったのですが、少しずつこのあたりの状況も改善しつつあります。(Enterprise版もメールアドレスを登録すると無料でダウンロードできます。30日後にリポジトリへの書き込みができなくなる仕様になっています)


AmazonのEC2クラウド上にAlfresco Shareのイメージが立ち上がっています。24時間毎に初期化されてしまうので、長期にわたる検証については従来通りのダウンロード版を試してみて頂くのが良いと思われますが、とりあえず画面の確認だけ、ということであればこのクラウド版トライアル環境でも対応できそうです。(残念ながらこういった環境まで十分に日本語化はされていませんが、Alfresco Shareについてもダウンロードをしてランゲージパックを適用すれば日本語にも対応できます。)


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2010年1月21日木曜日

Alfresco DemoCast » Blog Archive » Demo: Alfresco Records Management Solution


[From Alfresco DemoCast » Blog Archive » Demo: Alfresco Records Management Solution]

昨日に引き続きAlfresco DemoCastのご紹介です。


最近のバージョンのAlfrescoでは以前であればAlfresco Explorerの上にJavaScript主体で構築されたモジュールをインストールすることで実現していたレコードマネジメントの機能がAlfresco Shareから利用できるようになっています。リンク先はその機能を中心にレコードマネジメントの機能の概要を紹介するデモムービーです。


またIMAPの機能を使ってメールを記録として管理したり、リテンション(有効期限管理です)の機能を実際に使ってライフサイクルのルールを適用しているところを見ることができます。


今年は、WCMだけでなくRM(レコードマネジメント)の機能も積極的に紹介していきたいですね。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2010年1月20日水曜日

Alfresco DemoCast » Blog Archive » Demo: IBM Lotus Integration with Alfresco


Demo: IBM Lotus Integration with Alfresco

[From Alfresco DemoCast » Blog Archive » Demo: IBM Lotus Integration with Alfresco]

昨日の続きです。Lotus製品との連携のスクリーンキャストが公開されています。



  • QuikrからのAlfrescoへのコンテンツ受け渡し


  • 統合された文書ライブラリビューワ


  • SharePoint連携


  • レコードマネジメントサポート


  • Lotus Notesコネクタ


の動画を見ることができます。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2010年1月19日火曜日

Alfresco Content Services for IBM Lotus


unlike Microsoft SharePoint®, allowing flexible access for programmers to extend the integration from Lotus Notes, Domino, XPage and Portal applications using a wide choice of languages

[From Alfresco Content Services for IBM Lotus]

今フロリダで開催しているIBM LotusファミリのイベントLotusphereで、AlfrescoとLotusのコラボレーションツール群の連携ソリューションが紹介されています。ハイライトとして、



  • 軽量かつ安価な文書管理の実現


  • 簡易に行えるQuickrとNotesとの連携


  • スケーラブルかつオープンソース


  • 完全なレコードマネジメントと有効期限管理


の4点が挙げられています。まだ詳細を把握しているわけではありませんが、CMISを使ってコラボレーションツール群を補完するというコンセプトで、SharePoint以外の選択肢を持って来ることに成功しているという点がIBMにとっても魅力だったのではないかと思います。もちろん、スケーラビリティや堅牢性というわかりやすい利点もありますが、様々な標準規格に準拠しカスタマイズ作業がやりやすいというのもこういうソリューションにおけるAlfrescoの利点として強調しておきたいところです。加えて今回のソリューションではどうもDoD5015.2準拠のレコードマネジメントというのもキーワードになっているようです。この点は国内への横展開を考えると取り扱いが難しい面がありますね。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)




2010年1月16日土曜日

Alfrescoを補完する技術の模索 株式会社クレアリンクテクノロジーさんとの話


[From セキュリティ・高速通信・安心安全データファイル転送・暗号化・WEB製作/株式会社クレアリンクテクノロジー|HOME]

最近、何度かお打ち合わせをさせて頂いている会社の1つに京都のクレアリンクテクノロジーさんがあります。元々TCP/IPなどの通信の高速化技術を持たれているベンチャー企業で、最近ではそのテクノロジを援用した電子カタログプレイヤなどの製品も展開されています。(電子ブックというとE-ink製品だと思われてしまいそうなので、電子カタログとしましたが所謂電子書籍を作成・閲覧するための製品です)


通常、IRMやDRMの仕組みとAlfrescoなどのECMのコア製品は別れています。Alfresco単体でももちろんユーザ毎の権限管理はできますが、リポジトリ上での「読み取り」権限の保持者は、Alfrescoから当該コンテンツをダウンロードできてしまうため、コンプライアンスに重点をおいたニーズにはそのままだとマッチしないことも多いのが現状です。かといって、あまり重厚な施策や広範なオプションを製品そのものに抱え込むことも得策であるとは思えません。Alfrescoの場合は、案件毎の作り込み部分を極力快適に行えるようにしていく、という対応をとってきています。そうした対応の選択肢として、クレアリンクテクノロジーさんのAeroBrowserが使えるのではないか、ということでご紹介を頂いたのが縁で、何度か社長の水原さんとディスカッションの機会を持たせて頂いてます。AeroBrowser自体も非常に興味深く、またこの主の製品としては珍しく仕様を公開する方向で開発されているので、近い将来連携のソリューションを作ることができるのではないかと期待しているところなんですが、先日まったく別の角度で実りのあるお話をお聞きしたので備忘としてポストしたいと考えました。


別の角度、というのはクレアリンクさんとしてはむしろ本業である、ネットワーク高速化の分野についてです。AlfrescoはCIFSプロトコルのサポートを1つの売りとしていますが、プロトコルそのものの制約故に遠隔地にあるクライアントからの接続にはこの機能はほとんど利用できないという問題点があります。CIFSプロトコルは最近では非常によく使われているプロトコルであるため(だからこそ「無法地帯と化した共有フォルダ」問題、に対する解としてのAlfresco、というストーリーがありえるわけですし)、この問題を解決する製品というものいくつか市場には存在します。要するに専用のキャッシュを積んだゲートウェイを用意するという方式のものが一般的なんだそうですが、クレアリンクさんのように圧縮や最適化による高速化というのも実用段階にあるようです。また、MicrosoftもVista移行ではプロトコルのバージョンを上げる形で、新しいOSの間では問題はある程度解決されて来ています。


今回水原さんから色々と教えて頂いたおかげでWANアクセラレータの動作特性や効果についてある程度定量的な理解ができたように思います。AlfrescoのCIFS問題についても、すべてがすぐに解決するわけではありませんが、対応の指針が見えてきました。是非具体的な検証をしてみたいと思います。


(通常所謂NAT越えが必要な場合はCIFSのかわりにWebDAVを利用することが推奨されています。この場合もクレアリンクさんの製品による高速化の恩恵を受けることができそうです)


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2010年1月15日金曜日

2010 Content Management Predictions from Lee Dallas « Big Men On Content


[From 2010 Content Management Predictions from Lee Dallas « Big Men On Content]

2010年予測の続きです。AIIMのJohn Mancini氏のBlogから参照されていた3つ目の記事になります。



  1. Open TextがさらにECMベンダを買収する


  2. SharePointがECM市場の細分化を促す


  3. 大手ECMベンダは「ECM」のベンダであるというブランディングを止める


  4. 第四四半期にはSharePointのアーカイブが大きなトピックとなる


  5. ECMクラウドのビジネスモデルへの熱狂は落ち着いていく


  6. WCMは以前として退屈なトピックであり続ける


元記事は、Big Men On ContentというLee Dallas氏Marko Sillanpaa氏の二人のコンテンツマネジメントを専門とするストラテジストによるBlogです。


Open Text社とMicrosoft社という2つの大きなプレイヤを中心にかなり踏み込んだ予測を立てていますね。大胆なだけでなく、確かにあり得そうな話でもあります。


ECMという用語そのものがマーケティング上の魅力を失っているという指摘には一定の説得力があります。我々も主に提案の場ではECMをすでに失敗した製品群と捉えていたり、逆に絵に描いた餅で未だ実現されていない製品コンセプトと捉えている方々とディスカッションをすることがあります。こうした反応はやはり、企業システムについて十分な知見を持っていると思われる方に多いという傾向があると思います。中身をよく知って頂ければ、客観的に見てECMを活用することが合理的な分野というのは色々とあるはずなのですが、提案の場となるとすでに具体的な課題を持たれていて、その課題の短期的な解決策を模索されているというケースが多いので、足の長い説明はし辛いという構造的な問題があるように感じています。(ECMの利用が合理的となるケースというのは、やはり評価の時間軸もそれなりに長くとった場合であることが多いという事情もありますし)


しかし、やはりECMとWCMっていうのは似ているようで分断されたマーケットなんですね。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2010年1月14日木曜日

Trends: 2010 Content Technology Predictions


On a whole, we think 2010 will be characterized by a movement by "back to the basics" among technology vendors

[From Trends: 2010 Content Technology Predictions]

今度はCMS Watchの2010年業界予想をご紹介したいと思います。



  1. ECMと文書管理は別々の道を歩き出す


  2. ファセット検索がエンタープライズソフトウェアの世界でも普及しはじめる


  3. DAMベンダがSharePoint連携にフォーカスする


  4. 文書管理とエンタープライズサーチの領域でモバイル端末が活用される


  5. WCMベンダがイントラネットの領域に関心を寄せる


  6. Thickクライアントへの回帰が起こる(チック、でいいんですかね)


  7. クラウドという選択肢がさらに一般化する


  8. ドキュメントサービス(Document CompositionやDocument Output Management)がECMの一部として統合される


  9. ガジェットやウィジェットがポータル業界を席巻する


  10. レコードマネジメントが新たな抵抗勢力に直面する


  11. 組織内外を結ぶソーシャルコラボレーションテクノロジが台頭する


  12. 多言語対応要件が注目される


前回までのポストと違ってタイトルが整理されているので、これだけである程度意味が通りますね。


REST、CMISという形で連携手法が標準化されたことで、ECMを文書管理アプリケーションとして活用するケースとより広範な目的のためのインフラとして活用するケースがより明確に区別できるようになってきている、という意味ではJohn Newton氏の語るところともよく一致しているように見えます。


また、ファセット検索についてはLotus Notesからの移行案件のお話の中でも似たような関心事に遭遇することがあるので、ここしばらくは注目度が高いと考えられるのではないかと思います。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2010年1月13日水曜日

8 ECM Predictions for 2010 - その3

3回連載の形になってしまいました。最終回の今日は、8個と換算すれば7つ目と8つ目にあたるところをご紹介します。実際にはそれぞれ派生的な話題が1つずつぶら下がっているので、全部で4つになります。


「CMIS」もちろん、この話題は避けては通れません。過去2年間OASISの標準化プロセスに付き合った経験から、関与するプレイヤの数が多い場合は、何事も楽観的になりすぎないよう注意する必要がある、と念を押しながらも、2010年にはCMISはますます大きなインパクトを示すだろうとしています。CMISは伝統的なECMベンダにとって、機会であると同時に脅威でもあります。SharPointへの移行を促しうることに言及しながらも、DBMSにおける標準化(SQL)の結果と同じ事がECM業界でも起きると期待できるだろう、と。加えて、Alfresco関連のシステム連携プロジェクトでは、今の段階から原則的にすべてのプロジェクトでCMISの採用を推奨しているとも付け加えています。Drupal、Joomla、Confluenceとの連携はすでに実現していますし、これから他のツールとの連携もますます加速することでしょう。将来対応を考えてもCMISの採用をRFIおよびRFPに織り込むことを推奨しています。多少我田引水的な部分もあるとは思いますが、RFPということを考えるとCMIS対応リポジトリ、という共通の枠組みで製品や提案を比較できるというのは意味があることですよね。


「コンテンツプラットフォームとコンテンツアプリケーション」かつてGartnerと”何をもってECMのビジョナリとするか”という奇妙な議論をしたことがある、と切り出して、高いお金を払ってCEVA(Content Enabled Vertical Application)を購入することが条件だ、という話になっていた、今はそれがComposite Content Applicationという名前になっているかもしれないが、いずれにしてもおかしな話だ、と言っています。(本当はSharepointを引き合いに出して色々と言ってるんですが割愛します)。CEVAにしてもComposite Content Applicationにしても、ECM製品をプラットフォームとして扱う形式であることは同じで、プラットフォーム(あるいはミドルウェア)としてのECMという考え方がますます重要性を高めていく、というのがこの項目の趣旨になっています。ECMはERPやCRMよりもDBに近いものと考えるべきだろう、と言ってます。この辺りは技術寄りの人らしい言い切りですね。その上で、今その方向性を加速する傾向として、CMISによるプラットフォームスタイルのAPI整備・マッシュアップニーズの高まり・サービス統合アプローチのコストメリットの明確化、などを挙げています。


「オープンソースによって奇妙な友情が生まれる」タイトルはAdversity makes strange bedfellows(不幸・逆境が縁で奇妙な友情が生まれる)のもじりです。Alfrescoとしての5年間の実績と、CMISの台頭によりDrupalやLiferayなど以前であればカバー範囲が重なっていることが懸念された製品とのコラボレーションがどんどん自由にできるようになってきた、と言っています。連携の事例はますます増える見込み、と言いつつポータルとの連携は常に求められているという考えを示していて、このあたりは我々の感覚とも一致しているような気がします。


「ソーシャルソフトウェアとECM」ソーシャルソフトウェアをECMベンダから購入すべきか、という問いに関しては、結論は恐らくノーだろう、と言っています。ECMベンダはコンテンツコラボレーションの部分に特化して製品・サービスを整備すべきで、そのメリットを十分に認識した上でソーシャルコンピューティングの連携を考えていく、というやり方を推奨しています。やはりこの項目についても盛んにSharePointに言及していますが、やはり割愛してしまいましょう。2010年の予測としては近年のソーシャルコンピューティングの盛り上がりに言及せざるを得ないというのはわかるのですが、あまり具体的なビジョンが示されているわけではないように思いました。


全体を通しての感想としては、



  • SharePointが強く意識されている


  • CMISに絡んでプラットフォームとしてのECMが強調されている


  • クラウドやソーシャルコンピューティングなどのバズワードとの距離感に苦慮している


という感じですね。(間接的な表現が増えてしまって可読性が低い記事になってしまいました。今後はもうちょっと紹介記事の表現方法を考えないといけませんね)


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2010年1月9日土曜日

8 ECM Predictions for 2010 - その2

昨日の続きです。


「ECMのE、エンタープライズ」エンタープライズという表現自体が若干時代遅れな面がある、と指摘しています。それは90年代の用語で、大規模・パワフル・柔軟であることを意味すると同時に大規模・不細工・高価を意味していて、昨今の高機能なWebサイト上のサービスが比較的低価格な技術の組合せでとてつもない数のユーザ数を捌いている現状を考えると、マーケティング上もあまり魅力的な表現ではなくなっている、と考えているようですね。ただし、ECMが直接いわゆるソーシャルメディアによって駆逐されるかというと、そうとも考えておらず、そのあたりの問題は「コンテンツプラットフォームとコンテンツアプリケーション」の項目で掘り下げたい、としています。


「WCMとECM」ECMが90年代前半に、WCMが90年代後半に産まれて以降、この2つのコンセプトは常に奇妙な関係性の中にあった、、、という導入からはじまって、WCMがその製品の価値は別としても単体のビジネスとしては成り立たず、当時のビッグプレイヤがすでに買収されて独自のブランドを維持できていない、ということをまず指摘しています。それとはまた別に、彼はWCMの方が数多くの製品がひしめきあっているというイメージを持っているようですね。多くのプレイヤ(そしてAlfresco自信も!)WCMとECMの両方の製品サービスを提供している状況下において、その役割分担をうまく整理することはかなり難しいことだと思います。この記事では、企業システムの多くがWebアプリケーションになっている現在では、WCMは「アプリケーション」の管理システムになり得る、という点に注目し、その方向こそがWCMとECMを連携させるモチベーションになる、としています。だからこそAlfrescoのWCMはSpringベースのJava Webアプリケーションをメインのターゲットとしている、とも語っています。それ故DrupalやJoomlaとAlfrescoを連携させるメリットもある、と補足しています。Drupal連携はCMISを経由してAlfrescoをDAMとして使うことが多いようなので、この主張とは整合が取れていますが、Alfresco WCMがSpringベースのWebアプリケーションサイト専用だと解釈されてしまうのは苦しいんじゃないかと思うのですが・・・(Alfresco WCMの仮想サイト機能を使って静的なサイトを多人数で管理する場合のメリットも十分説得力があるものだと思います)


「クラウドとECM」バズワードの取り扱いは難しい面がありますが、まず2年前オンプレミスと比較してクラウドはコストが1/3になると言われていた、としています。今では1/5から1/7なんだそうです。カリフォルニア大学のレポートによれば、と言っています。これは元情報をあたってみたいですね。そして、多くの人が2010年をクラウドの年と考えているのと同様、彼も2010年はECM on Cloudが始まる年だとしています。Steve Ballmer氏がSharePointをMicrosoftのクラウド上で展開していくと昨年10月のカンファレンスで発表していますし、もちろんAlfrescoもクラウドプラットフォームに関する発表をいくつかしています。


残り4つは来週の火曜日に紹介したいと思います。WCMやSharePointに関しては他の論者はまた別の観点から色々と予測を発表しているようなので、John Newton氏以外の予測も追って紹介できればいいな、と考えています。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2010年1月8日金曜日

8 ECM Predictions for 2010 - その1


Why 8? Because no one else is using that number and AIIM can brand around it.

[From 8 ECM Predictions for 2010 - Content Log]

時間が遅くなってしまいましたが、予告通りJohn Newton氏による2010年ECM業界8つの予想、という記事のご紹介をしたいと思います。


まず、冒頭で、AIIMのチェアマンに何故”8つ”なのか、と質問をしたら、他の人達が使ってない数字だからAIIMのブランド構築になる、という返事が返ってきたというエピソードを語っています。つまり、8という数字そのものには本来意味はない、と。というのも彼が挙げた項目というのが実は10個あって、7+1や8+1などという枝番を付けることで無理矢理8つに押さえるということをせざるを得なかったということらしいです。ここではまずフラットにその10個の項目のタイトルを並べてみます。



  1. Economy's affect on ECM.(経済がECMに与える影響)


  2. ECM in the developing world.(先進国以外の市場におけるECM)


  3. SharePoint in 2010.(2010年におけるSharePoint)


  4. The E in ECM.(ECMのE、エンタープライズ)


  5. WCM and ECM.(WCMとECM)


  6. The Cloud and ECM.(クラウドとECM)


  7. CMIS.(CMIS)


  8. Content Platform vs. Content Application.(コンテンツプラットフォームとコンテンツアプリケーション)


  9. Open Source makes strange bedfellows.(オープンソースによって奇妙な友情が生まれる)


  10. Social Software and ECM.(ソーシャルソフトウェアとECM)


とりあえず、今日のところは冒頭3つの概要をご紹介したいと思います。


「経済がECMに与える影響」経済ほどECM業界に強い影響を及ぼす要素はない、基本的に不景気はエンタープライズソフトウェアの購買を強く抑制する、としつつも、経済の回復期はECMにとって非常に大きなチャンスである、と主張しています。回復期は完全に業績が良くなっているわけではないため、人件費をかかえるリスクよりもシステムによる合理化がより魅力的に捉えられるはずだ、というのがその根拠のようです。そして、今後の経済状況自体は相変わらず不透明だがECMに関しては、良い条件が揃っていると主張しています。まあ、このあたりは立場もあるので鵜呑みにはできませんが、彼のようにECM業界を長い間リードしてきた人間が、どう景気の回復期というものを捉えているのか、という点が垣間見えるようで興味深いです。オープンソースビジネスが不景気に強いという話は何度も出てきていますが、この記事はAIIMのコンテキストで書かれていることもあり、この議論についてはオープンソースは関係無く、ECMの特性をどう捉えるかという話ですのでなおさら面白いと思います。


「先進国以外の市場におけるECM」やはりインドと中国があるのでアジアが最も注目される地域という扱いのようです。一般論として先進国がすでに投資したITインフラ技術に関する成果を安価に利用できるため、アジアはもちろん東ヨーロッパのIT市場も予想よりも早いペースで成長を遂げている。結果として情報の量ももの凄い勢いで増加しているためECMの活躍の余地が見えてきている。しかし、プロプライエタリの高価なソフトウェアがこれらの市場に受け容れられることはまずないだろう、、、という感じで、これらの地域におけるオープンソースの可能性について指摘をしています。実際Alfrescoの周辺で考えればインドのパートナはかなり活躍しているので、この指摘には一定の根拠があるわけですが、Alfresco以外のオープンソース”ビジネス”がこれらの市場でより有利に展開できるものなのかどうかは、簡単には結論がでない問題なのではないかと思います。


「2010年におけるSharePoint」SharePointは真のECMではない、という主張をしても始まらない。データを掌握して、ナレッジワーカのためのアプリケーションプラットフォームとして成長を遂げてきている。データベースにコンテンツをまるごと押し込めるというアーキテクチャの上の無理やMicrosoft製品で統一された世界観でなければメリットを活かしきれないという問題点こそあるものの、それ以外の点では例え他のECMベンダが、きめ細かいOffice連携やより良いWeb技術のサポートや新しいレコードマネジメントの機構を備えて見たところで万全とは言い難い。この傾向は次のバージョンであるSharePoint 2010への移行期間を経てますます加速する可能性があると見ているようです。このあたりはAlfrescoの対SharePointマーケティングで主張している内容とほぼ同じですね。確かにMicrosoft製品で統一されたまま今後も運用されていくということが所与の条件なのであれば、他の製品の優位性を主張するのは難しいというのは我々も実感しています。最初から非常に大きなリポジトリを作らなければならないことが明らかな場合であれば、また話が違ってくるところもあるかもしれませんが、やはりスモールスタートがデファクトスタンダードになりつつある状況下では、それは非常にレアなケースと言わざるを得ません。


続きは明日以降にしたいと思います。簡単な内容紹介とコメントを、と思ったのですが、直訳を並べた方が親切だったかもしれないですね・・・ 今更軌道修正は難しいのでこのまま進めるつもりですが


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)




2010年1月7日木曜日

あけましておめでとうございます

年末に引き続いて、挨拶だけの手抜きポストで済ませたいと思います。


あけましておめでとうございます。aegifとしては5期目がスタートしたことになります。まだ経験が浅い我々としては、5年といえば何かまとまった成果がだせる期間であるような気持ちにもなるのですが、それに見合った成果が果たして残せているのか、と考えると、まだまだ十分ではないような気がしてしまいますね。(不十分だと言い切るのも、一緒に頑張ってきてくれたメンバに対して不誠実だと思いますが)


年明け後、このBlogではとりあえずJohn Newton氏を初めとする、コンテンツ管理業界の2010予想記事をいくつか順番にご紹介していこうかと思っています。今年の予想とこれからの10年の予想がもしかすると入り交じる形になってしまうかもしれませんが(まだ細かく読んではいないので)、流し読みをしただけでも結構気になる記述が散見されます。


それでは今年もよろしくお願い致します。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)