tag:blogger.com,1999:blog-72309629660097479102024-03-14T05:44:50.160+09:00aegif CTO Blog株式会社イージフ CTO 副社長 石井昭紀のBlogです。
ITコーディネータで、移動式クレーン運転士です。
ECMやOSS関連コンサルティングの話題を中心に投稿頻度に波のある運用を続けています。Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/11568508688302375742noreply@blogger.comBlogger462125tag:blogger.com,1999:blog-7230962966009747910.post-44735883751980342642016-10-25T14:43:00.001+09:002016-10-25T14:43:23.896+09:00ECMサミット2016を開催しましたまたもやかなり時間をあけてしましました。その上、事後報告ですが、日本文書情報マネジメント協会JIIMAのイベントでECMサミットをやりましたので、そのご報告をしたいと思います。<div><br></div><div>今回のテーマは『ワークスタイル変革とECM』でした。パネルディスカッション形式にさせて頂きました。パネリストとしてご参加頂いたのは、IBMの三ツ谷さん、OPENTEXTの市野郷さん、Hylandの金井さん、そして富士通総研の小林さんの4人の有識者の方々です。私は、事前のナビゲーションと司会を担当しました。</div><div><br></div><div>色々と反省点の多いイベントとなってしまいましたが、以下私がナビゲーション部分で表現し切れなかった部分を含めてテーマの趣旨やそこで語られた内容についてご紹介したいと思います。</div><div><br></div><div>ECMサミットのテーマは毎回ECM委員会のメンバーが定例会の中でディスカッションをして決めています。都度のアンケートの中でリクエストがあればなるべくそれに沿ったものにしたいと思いますが、毎回それなりに苦労と議論があります。今回は確か、AIIMがDigital Transformationなどより幅広いテーマに乗り出して頑張っているという話をきっかけに、Digital Transformationというと大袈裟でバズワードに見えるがワークスタイル変革では現在進行形のどの企業にとっても現実的に取り組みを始めているか検討中の地に足がついたテーマと言えそうだということでまとまりました。実際、日頃の提案でも取り扱うことがある題材です。</div><div><br></div><div>ただ、当日もお話させて頂きましたが、ワークスタイル変革自体は例えば労働負荷の軽減など労務的な文脈が強い領域ですし、オフィスレイアウトを見直して創造的な議論を引き出そう、などのおよそECMとは無縁な取り組みもたくさんあります。それでも、ワークスタイル変革の成果を具体的に出していくとためには、文書情報(を含む業務情報)の管理精度の向上が求められるだろうという思いもありましたし、実際に提案の現場での顧客との対話や情報共有を推進した事例などネタとなる情報はそれなりに集められるだろうという手応えを感じていました。</div><div><br></div><div>時短やリモートワークを推進すると、(これまでと比較すると)限定されたリソースで個々の仕事を回さなければいけないケースが増えます。1人の人間に情報を集中させることで情報共有を省略するような働き方は有効ではなくなります。物理的に人と物が集約されていることに依存している業務スタイルは、リモートワークによって確保される労働力を有効活用することができないという大きな弱点を持つと評価されることでしょう。時間的空間的に業務(とそれに必要な情報)を分離可能にする必要があり、それこそ我々が推進してきたECMの価値なわけです。</div><div><br></div><div>(この辺り、内部のディスカッションでは20年近く前からあったサテライトオフィス構想とその当時の顛末などかなり突っ込んだ内容がたくさん出てきて非常に刺激的だったのですが、そのまま外には持ち出せないので関心があるかたは是非JIIMAとECM委員会に加入してください!)</div><div><br></div><div>当日のディスカッションは、上記を結論の先出しにならない程度に希釈したナビゲーションを私が喋り、そこから、</div><div>・ワークスタイル変革をどう捉えているか</div><div>・その成功要因は何か</div><div>・成功要因の根拠となるような事例はあるか</div><div>・反対に注意点や失敗などはあるか</div><div>というような設問に各パネリストからの回答を求めるスタイルで進めました。</div><div><br></div><div>印象に残ったところを幾つかご紹介させて頂くと、唯一コンサルタントという製品ベンダを代表しない立場でご参加頂いた小林さんの「具体的な特定業務の改善はBPR、それ以外の全体を底上げするような取り組みがワークスタイル変革」という整理などは会場の反応も大きく、皆さん感銘を受けている様子でした。(個人的にはこの結論に至る前段階の、「SIerの本分はBPRである」という言い切りが素晴らしいと思いましたが)</div><div><br></div><div>OPENTEXTの市野郷さんからはそれこそDigital Transformationなど広い視点からのトップベンダーらしいコンセプチュアルな説明が整った形で提示されました。それに加えて、ワークスタイル変革の本質は(良い)労働力の確保である、という立ち位置から一貫性のあるご回答を頂けたことにより議論の見通しが良くなったという意味で司会としては非常に助けられました。</div><div><br></div><div>Hylandの金井さんは純外資系ベンダであるにもかかわらず(?)、非常に丁寧に設問の意図にそったご回答をご用意頂きました。そして、実際にアメリカで最先端の(自社製)ツールを活用した在宅ワーク中心の働き方を体現しているという立場からのご発言を頂くことで単なる欧米式礼賛の恐喝的マーケティングになることを回避できた点もとてもありがたかったです。</div><div><br></div><div>同じく体現者の立ち位置から立体的なご説明を頂いたのがIBMの三ツ谷さんです。社内制度を当事者としてご紹介頂き、「信頼」関係の確立が実際どのような形で効いてくるのかをお話いただけました。会場の反応としても、この部分の具体性についてご評価頂くと声がありました。</div><div><br></div><div>全体を通してみると、HylandさんとOPENTEXTさんという専門ベンダからは「統一基盤(プラットフォーム)に揃える」ことのメリットを強調する発言が多く、より統合的な視点にたつ富士通総研さんとIBMさんからは状況に応じたツールの使い分けのお話が出てくるという差異が印象的でした。この辺りの整理は当日は力不足で言及できませんでした。(共通点や差異をわかりやすく提示するのはファシリテーターの役目だと思いますが完全に能力が不足していました)</div><div><br></div><div>相変わらずテキストだけの色気のない投稿ですが、取り急ぎ開催のご報告まで</div><div><br></div><div>石井</div>Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/11568508688302375742noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-7230962966009747910.post-85003031714497257972016-05-09T17:07:00.001+09:002016-05-09T17:07:36.652+09:00AIIM2016に行ってきました<p>毎年恒例(?)の行事として、米国のAIIMカンファレンスに参加してきました。今回もJIIMA(日本文書情報マネジメント協会)からの派遣という形で、ABBYY社のご協力もあってAIIMプレジデントのジョン・マンシーニ氏とも打ち合わせなどをさせてもらいました。詳しいレポートは月刊IMに投稿予定ですが、まずはご報告まで。</p>
<p><a href="http://www.aiimevents.com/events/aiim-conference-2016/event-summary-981cb8aa25d64787b08466904f21a986.aspx">http://www.aiimevents.com/events/aiim-conference-2016/event-summary-981cb8aa25d64787b08466904f21a986.aspx</a></p>
<p> </p>
<p>会場はニューオリンズで、私が初めて参加した3年前と同じ場所でした。プレジデント及びゲスト2名のキーノートセッション、業界の主な視点(ガバナンス、とか、エンゲージメント、とか)毎のパネルディスカッション、ラウンドテーブルセッション、一般的な形式のセミナー、などの基本的な構成は例年と変わらず、といった印象です。</p>
<p>一昨年、昨年と、近未来を見据えて、ECMというキーワードの陳腐化について真っ正面から捉えた言説が散見されていたのですが(昨年にいたっては「何か新しいキーワードが必要」とまで言っていました)、特に新しいキーワードが発表されたかというと、そんなことはありませんでした。概ね落ち着いた調子で業界の新しい動向を共有しあう会であったかと思います。</p>
<p>(むしろ、「記録管理という実験は失敗に終わった」とか「文書管理は死んだ」みたいなストレートな煽りを見かけなくなった印象です。たまたま私が参加した枠になかっただけかもしれませんが)</p>
<p>ゲストスピーカーは、Socialnomics(訳書『つぶやき進化論 「140字」がGoogleを超える! 』)の著者エリック・クァルマン氏と、The Future of Workの著者ヤコブ・モルガン氏のお二人でした。このあたりも、ソーシャルだとかデジタル変革などの伝統的な文書管理・記録管理に収まらない範疇をターゲットとして情報発信を続けているAIIMらしいラインナップであると思います。</p>
<p>プレジデントであるジョン・マンシーニ氏は今年でその席を降りAIIM内では別の役割を担う予定だそうですが、その彼のキーノートセッションではAIIMのテーマは一貫して「People, Process and Technology」である、と強調されていました。ECMコンサルタントの立ち場としては、コンテンツでもドキュメントでもなく「プロセス」が強調されていることにはある種の驚きがあります。実際には、人とプロセスを結びつける技術はすべてAIIMの関心領域に含まれる、ということで、時代によって変遷する技術のところが個別のテーマとして深掘りされる、という建て付けで、コンテンツ・ドキュメントとそれにまつわるツールや手法はそちら側ということのようですが、普段はプロセスとコンテンツをどこまで分離できるかということに頭を使うことの方が多いので、そもそも自分達が相手にする問題領域には先天的にプロセスが備わってるはずである、という視点は非常に興味深かったです。</p>
<p>その他印象的だった点としては、eSignatureのラウンドテーブルで「まだ導入できそうにない」という立ち場で最初にお話をされていた人が日系企業の方だったというちょっと出来すぎなくらいのシチュエーションがあったり、Infomation Governanceはかなり一般的な宣伝文句として各社のブースやパンフレットに記載され特に製品としての競争優位を争うポイントではないように見えたり、デジタル変革の議論ではやたらとDisrupterとかDisruptionという表現が使われているように感じたり、ということがありましたが、その当たりはまた時間があるときに深掘りしてみたいと思います。</p>
<p><br />(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)</p>
<p> </p>Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/11568508688302375742noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-7230962966009747910.post-34295112998318770222016-03-03T11:30:00.001+09:002016-03-03T11:30:03.147+09:00ECMサミット2016(冬)開催しました<p>例によって、かなり出遅れた開催報告です。申しわけありません。</p>
<p>まず一番大切なことから。<a href="http://www.ecm-portal.jp/down/index.html#ecmsummit20160219">資料ダウンロード</a>をようやく開始しました。ご参加頂いた方々も是非またご覧になってください。</p>
<h2>今回のテーマについて</h2>
<p><strong>ECMのミライ〜知識・協働・ディスカバリーの先へ〜</strong>というテーマを掲げました。ミライという言い回しはマーケティングのバックグラウンドを持つ先代委員長梅原さんのお知恵をお借りしてつけたものです。委員会内でのディスカッションにおいて、</p>
<blockquote>「アメリカに対して日本はこんなに遅れている」という一本調子には皆食傷していると思うが、日本でもコンテンツ管理に課せられる責任や課題はとっくに変化している。各企業は新しい課題に個別に対応しつつも、それをコンテンツ管理や文書管理というキーワードと結びつけて考えていないということではないか。</blockquote>
<p>という論点が浮かび、それをサミットのテーマにいかに落とし込むかというご相談をさせて頂きました。</p>
<p>この論点・問題意識は委員会中核メンバーである富士通総研の小林さんの最初のプレゼンで丁寧にカバーされていると思います。</p>
<p>一定以上の規模の組織においてはその管理運用状態は別として、文書管理規程がすでに整備されていることが多いはずです。しかし、ほとんどの場合それは「紙の」「完成した」文書の管理ルールを定めたものか、そのルール自体はそのままに対象範囲だけを「電子的な」文書に拡大しただけのものであると考えられます。言い換えると、</p>
<ul>
<li>いわゆる文書管理規程とは完成された文書に限定された管理ルールである。</li>
<li>それが限定されているのは成立した時点では電子的な文書作成プロセスが現在の様に一般化されていなかったからである。</li>
</ul>
<p>ということになります。しかし、一方で例えば個人情報保護であるとか、情報セキュリティであるとか、ITの普及に伴い各企業において情報全般を管理したり保護したりするためのルールはこれまでも強く要請され、実際にそうした管理体制を整えてきてもいるわけです。これらの<strong>電子的情報に関するルールと文書管理規程は縦割りで完全に分離されている</strong>のが多くの企業の現状ではないでしょうか。</p>
<p>その分離の問題に焦点をあてるというのが、今回のテーマの狙いの1つでありました。</p>
<h2>なぜディスカバリーを取り上げたか</h2>
<p>知識・協働・ディスカバリーという副題に並べたキーワードですが、恐らく多くの人にとってディスカバリーだけが馴染みが薄く、また具体性の高い単語であったかと思います。知識はナレッジマネジメント、協働はコラボレーション、という言い方でこれまでのECM関連の話題の中でもそれなりに触れられてきたものです。(ナレッジマネジメントもコラボレーションも、「完成済み」文書の保管庫としてだけないリポジトリの活用用途の典型的なシナリオと言えます)</p>
<p>それでもあえて具体的にディスカバリーを取り上げたのには理由があります。1つはこれが日本の特に製造業などの輸出産業において非常にクリティカルな問題となり得るのではないかという危機意識です。もう1つは、ECM委員会としてECMというメリットが分かりづらい技術・コンセプトを説明する具体的な事例としての分かりやすさです。</p>
<p>危機意識については詳細は資料等をあたって頂くべきかと思いますが、アメリカの裁判制度においては自身の主張とは無関係に係争のテーマと関係する証拠情報をまとめて期日までに提出する義務があり、それを果たせないとペナルティが科せられる、というの制度上のギャップが問題になります。</p>
<p>今日では電子的な情報はあちこちに残すことができるため、紙の時代では捨てられていたあるいは「捨ててしまった」と主張しても無理がなかったメモや細かいコミュニケーションの履歴も、証拠性を持ち得るとされます。となれば、それらの情報を整理していつでも取り出せたり、あるいは削除すると決めたら確実に削除しているという運用実態を示せないと、本当に関係するかどうかわからないもの含めて全部さらけ出さなければならなくなります。さらに専門家(弁護士)がその1つ1つをチェックするわけです。それにも莫大なコストがかかります。</p>
<p>残念ながら、ECMの様な統合的な管理基盤や、完成済み文書に限定されない文書管理ルールを持つ日本企業はまだまだ稀であると言わざるを得ません。情報の削除についても仮にルールがあったとしても運用実態としては怪しいものがあります。(例えば、メールサーバのメールが定期的に削除されるのでローカル保存をしている、というナレッジワーカーはたくさんいるはずです)</p>
<p>したがって、アメリカのルールでの裁判に巻き込まれた場合、日本企業は大きなハンデを背負うことになるわけです。ここにかかるコストとかペナルティは実際の判決とは無関係だということが重要です。悪意を持って喧嘩をふっかけられた場合、などでも対処の仕方が難しいわけです。このあたりはオープンテキストの大沢さんの講演で詳しく説明がされました。(残念ながら、公開用の資料は頂けなかったのですが)</p>
<p>大沢さんの講演は、パテントトロルなどの例を引いて、以上のリスクが高まっていることを示すと共に、「アメリカのルール」で戦う必要性を却下してもらえた事例などにも言及するなど、ホラーストーリー一辺倒ではない素晴らしいものでした。</p>
<h2>ECMの方向性</h2>
<p>ディスカバリーだけが今回のテーマではありません。IBMの三ツ谷さんからは、クラウド、アナリティクスの領域と繋げて利用範囲を拡大していっている方針が具体的に示されていました。リーダー企業の一角であるIBM社が、ECMリポジトリの技術をサービスラインのどこに位置づけているか、というのは業界の動向という観点では大きな意味を持ちます。</p>
<p>分析・可視化の道具としてのBI、アナリティクスだけでなく、人工知能のエンタープライズユースを進めている中で、今後ECMがどのような役割を演じることになるのか、という点は今後ますます関心を集めるところだと思います。この辺りはAiimにおけるInformation Chaos云々の議論とも深く繋がります。</p>
<p>ECMは非定型データに関してもSingle Place of Truthを実現するための仕組み、と言えるはずですが、その権威が人工知能と組み合わさった時の作用には大変興味があります。</p>
<p>Hylandの新井さんのプレゼンは、前回のサミットのパネルディスカッションでも明示されていたアプリケーションプラットフォームとしてのECM、というテーマにまつわるものでした。</p>
<p>各業務、各アプリケーションによって生み出され利用されるコンテンツに対し、横断的に管理精度を保証するのがECMの役目なのであれば、それらのシステムと併置して連携をとるだけでなくECMの「上に」個々のアプリケーションを乗せるという方向で、もっとシンプルに(アジャイルに)ビジネスニーズを満たせるはずである、という主張だと受け止めました。</p>
<p>業務切片から見た場合にそれが最適解に見えるか、企業のIT投資全体としてECMプラットフォームに依存することが良いことなのか、などの点ではまだ考えるべきことはたくさんありそうですが、少なくともコンテンツ(非構造データ)管理の角度から考えた場合、プラットフォーム(共通基盤)になる、というのはそのメリットを最大化させる方向であると言えそうです。</p>
<h2>その他</h2>
<p>今回、色々と混乱があり、結局最後まで募集ページにはどのようなタイトル・内容の講演が並ぶのかという説明を掲載できませんでした。であるにも関わらず、大変多くの方に集まって頂き、お借りした会場(かなり広いところなのですが)が満席となりました。大変ありがたいことだと思います。</p>
<p>ECMサミットは(無料セミナーであることもあり)JIIMAの取り組みの中でも集客がしやすく、またアンケートの回収率も高いことで(内部では)知られています。そのため、リピーターの方が数多くいらっしゃるものだとばかり考えていたのですが、今回アンケート項目を増やしてこれまでの参加回数を問うたところ、意外にも初来場の方の比率が高いということがわかりました。大変驚いています。また、集計の合理化という観点も含めて、Webフォームのアンケートサイトを用意し、アンケート用紙にもそのQRコードを印刷するという方法をとらせて頂きましたが、回答の半数近くがWeb経由という結果になりました。ご協力ありがとうございました。</p>
<p>引き続き、テーマの募集を行っています。ECMベンダ各社にまとめて聞いてみたいこと、などでも結構です。お気軽にお声がけください。</p>
<p>(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)</p>
Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/11568508688302375742noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-7230962966009747910.post-48977959294556888772016-02-22T13:45:00.001+09:002016-02-22T13:45:24.916+09:00会社設立から10年が経ちましたiPad Proを抱えてスターバックスに来てみました。Bloggerアプリからの初投稿です。<div><br></div><div>弊社、株式会社イージフは今日2月22日で10周年を迎えました。</div><div>20代の終わり頃勢いに任せて作った会社が節目を迎えたことを、まずは素直に喜びたいと思います。</div><div><br></div><div>私ともう一人の取締役である加納は社長の藤井の新卒同期、さらにもう一人の創業メンバーである野口は「会計士としての」藤井の同期で、年齢も近く、ほぼ何の実績も後ろ盾もないところからのスタートでした。</div><div><br></div><div>私はサークルの後輩たちにまで就職活動をしていることを疑われるぐらい実社会向きではないタイプだったはずなのですが、ある日実験の結果がうまくまとまらず純度100%の冗談のつもりで「就職でもしますかね」と言ったのを研究室の先輩(厳密には社会人からの出戻りなので登録上は後輩でしたが)に聞きつけられてしまいました。その先輩の代理エントリーの結果、気がついたら外資系のコンサルティングファームに就職していました。(当時は「お姉ちゃんが勝手に申し込んだ」ミスコンやアイドルオーディションのようなものだ、と言っていました)</div><div><br></div><div>就職した先のコンサルティングファームでの仕事は中々刺激的でしたし、幸いコンピュータに関しては実家の手伝いで小学生の頃から表計算やCADのマクロを書いたり、当時流行りだったネットベンチャーでのアルバイトで中小企業向けのシステムを組んだりしていたので最低限の知識はあり、新人なりに役に立てることがあるという意味でもやりがいがありました。(大手企業や大規模システムと自分の知識の間を埋める、ということが入社時点での自分の目的になってました。あまり主体的な目標設定ではないんですけどね)</div><div><br></div><div>ただ、大規模なERP導入のプロジェクトでECM関連サブプロジェクトに従事させてもらっている中で、一つの残念な事実に気がつきました。どうやらこの職場・業界では<b>プログラムが書ければ書ける程給料が安い</b>のです。当時は、技術系のキャリアの先がプロマネだけでいいのか?ということが問題になり始めた頃で、例えばアーキテクトというロールもあり得るのではないか、なんて話があちこちでされていました。一方で大企業の発想や大規模なプロジェクトの力学で中小のそれと一番異なるのはどうやらリスクに対する考え方だ、という結論めいたものも見えていました。(若者らしい薄っぺらい結論だという自覚も一応ありましたよ!)。<b>全体がこけるリスクを抑えることが、部分を積み上げることよりも重視されている。</b>それが技術よりもマネジメントを重んじる理由であると考えました。プロジェクトの全体を見るマネージャーや、それよりも高い視点を持つ経営者が、意思決定のためのより良い情報を持っている、ということが保証される限り、それはそれで良い気もしました。</div><div><br></div><div>しかし、このロジックの中では個々のプロジェクトや企業の視点では「部分」しか見てない扱いになる技術者ですが、その技術は世界中で利用され共通の変化にさらされているわけです。その動勢をマネージャも経営者も把握できていません。(世界共通云々を抜きしても、いわゆる「技術的な負債」を担当マネージャーが把握しきれてないなんてこともあるかもしれません)</div><div><br></div><div>そんなわけで、当時の私は、技術的な知見を持つ人だけが持つ、良い判断材料というものがあるのではないか、その重要性は高まりつつあるのではないか、という(コンサルティング業界の中では)技術寄りの人間だった自分の我田引水的な発想を暖めていたわけです。そこに、一緒に会社を作らないか?という誘いと、仕事で取り扱っていたエンタープライズ向けソフトウェアのオープンソース版ともいうべき製品が、元の製品を立ち上げた本人の手で立ち上がったというニュースが入りました。それが、弊社とAlfrescoの出会いであり、その後、オープンソース技術のエンタープライズ分野での活用というニッチなテーマに取り組むことになるきっかけでした。</div><div><br></div><div>とはいえ、まだ20代。最初の会社でかろうじて覚えたコンサルティング以外の稼ぐ手段をほとんど知りません。地元や大学、新卒時代の友人達の協力を受けながら徐々に仕事の幅を広げていきました。力を貸してくれた人たちは本当に仕事ができる人たちばかりで、長年続いた不景気ムードがなければ、こんな海のものとも山のものともつかない会社に助力なんかしてくれなかったのではないかと思います。今では、技術的な知見についても私はメンバーの水準に達しているのか怪しい限りです。(それでいいのかCTO)</div><div><br></div><div>10年。時代が変わった、と言っても良いと思います。オープンソース技術の価値を真剣に考えるべき役目・ポジションは、やはりそれほど経営層の方向には伸びませんでした(CIOには考えてほしいと思いますが、それが必須であるとは言えません)。クラウドの活用によりITに関する意思決定の形が大きく変わった分野もたくさんあります。技術者の地位は向上しています。しかし、それは一定の格差の出現を伴ったものであるようにも見えます。働き方も変えやすくなったと言われています。自分たちは割と好き勝手にやってきたので、その変化についてはもしかすると鈍感なのかもしれないと感じます。</div><div><br></div><div>節目の年、ということ自体には多分、特別な意味はありません。できる人は毎日でも自分を振り返ったり目標を見据え直したりできるのかもしれません。そんな人はなかなかいなそうな気もしますが、私がそうした意志の強さにおいて人並みの域に達しているかというと、かなり難しいと思います。そんなわけで、今日改めてこれまでの仕事を振り返ってみました。</div><div><br></div><div>私たちの仕事には時として「自分のなら(自分の方が)うまくやれる」という自負が求められることがあります。会社を作ったのも、その一環でした。既存の企業よりも多少なり良い器を作れるのではないかと考えたから「会社」を作ったのです。、、、ということ反省するのを最後にスターバックスをはしごして書き連ねたドヤ顔ポストを締めたいと思います。</div><div><br></div><div>(文責 Ishii Akinori)</div>Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/11568508688302375742noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-7230962966009747910.post-1312433032357416422016-01-21T15:06:00.001+09:002016-01-21T15:06:15.738+09:00ECMサミット2016(冬)やります<p>気がつくと、前回のECMサミット2015以降更新がなかったですね・・・</p>
<p>前回のものについての報告記事は月間IMに書いたのでそちらの紹介なんかもさせて頂くつもりだったのですが、気がついたら次の告知が必要な時期になってしまいました。</p>
<p><a href="http://www.ecm-portal.jp/whatsnew/w16.html">ecm-portal</a></p>
<h2>ECMサミットとは</h2>
<p>くり返しのご案内になりますが、私が委員長をやらせて頂いている日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)のECM委員会主催のイベントで、主要ECMベンダが一同に会して業界の最新動向などをお伝えするイベントです。</p>
<p>ECMは海外での事例の豊富さと比較して、日本ではあまり導入が進んでいない領域です。日本企業のITに対する取り組みや、日本人の就業感など、内外差の理由は色々なところにありそうですが、それらを再検討する上でもこのあからさまに普及度合にギャップがあるソリューション分野というのは興味深いのではないでしょうか。(普及啓発をミッションとしている人間が言ってしまうのは無責任かもしれませんが)</p>
<h3><strong>~ECMのミライ~ 知識・協働・ディカバリーの先へ</strong></h3>
<p>というテーマになっています。</p>
<h2>今回のテーマの狙い 地味な裏メインテーマ『eディスカバリー』</h2>
<p>さて、実は数年前にも少しだけ取り扱ったことがあるテーマでもあるのですが、私自身ここ数年の間、eディスカバリーについてももう一度取り上げたいと考えていました。社内にある文書情報を未整理な状態で放置することが、直接的なダメージになりうる、ということを端的に示したテーマだからです。</p>
<p>残念ながら国内企業の多くは、海外企業(より具体的にはアメリカ企業)と裁判になった場合に、タイムリーに証拠となりうる情報を提出するためのインフラを持ちません。アメリカの裁判制度においては、これは非常に大きな弱点となります。日本における文書情報のあり方がこうした問題に対応するのを<strong>苦手</strong>としていることは、それほど一般に知られていることではないと思いますが、いつの間にかハンデ付きの戦いに巻き込まれてる、という状況をなくしていくために、広く伝えて行く必要を感じていました。</p>
<p>ただ、ECMはディスカバリー(ここでは、アメリカの証拠収集手続を意味しています。それをさらに電子的な情報に拡大したのがeディスカバリー)対策のためのソリューションではありません。ECMを入れることが、ディスカバリー対策の意味ですぐに効果を発揮するかというと、残念ながらそこまでのインパクトはないでしょう。あくまで、対策の土台となる情報の整理ができあがる、というだけです。ディスカバリー自体はあくまで法律分野の問題です。</p>
<p>ちょっと正確性を欠く表現かもしれませんが(ご指摘、お待ちしております)、アメリカのディスカバリー制度では「係争相手が持っている文書」を提出させることができることになっています。我々が想像する裁判は、それぞれが自分に有利な証拠(だけ)を持ち寄って議論を戦わせる、というイメージだと思いますが、アメリカのルールにおいては、裁判の目的に沿っていものであれば本来持ち主が出すつもりのない資料も証拠として無理矢理提出させられてしまうわけです。</p>
<p>これはちょっと不思議な話です。自分に不利になるはずの証拠文書を指定されて開示しろ、と言われても、それは嘘やハッタリの類いかもしれないわけです。実際、該当する資料が無かった場合、当然拒否することになるわけですが、そこで<strong>「悪魔の証明」</strong>、すなわち、その資料が存在しないことの証明責任を求められることになってしまいます。であれば、難癖の付け放題になってしまうのではないか?</p>
<p>しかし、この制度は長きにわたって存続運用されています。もちろん、裁判所の目が光ってるということもあるとは思いますが、「悪魔の証明」がある程度簡略化されている、ということも重要なポイントです。</p>
<h3>「どのような文書情報を、どれくらいの期間、どのように保管しているか」</h3>
<p>というルールを定め、その様に運用していると見做されれば、そして裁判に関係ある情報を全量<strong>とりまとめて提出できる能力</strong>さえあれば、「その中に無ければ無い」と主張できるわけです。</p>
<p>これが、例えばメールはすべて5年で削除というルールがあるのにそれ以前のメールをローカルにバックアップを保存してしまう従業員がいたりすれば、運用実態に疑義が生じてすべてのPCの中身をひっくり返さないと結論がでないことになります。ルール通りに運用されていても、〇〇という製品に関係する資料をすべて、という指定に対してメタデータやインデックスなどの整備がされていないと、本当にすべてを引き出せているかどうかが曖昧になってしまいます。その場合も一目でチェックが必要になるでしょう。(この場合の人目は法律の専門家であることが求められる、とするとその費用が莫大なものであることが想像できると思います)</p>
<p>このあたりの状況を改善するためには、社内の文書情報の管理ルールと、それを支えるシステムの整備が有効である、という結論になるわけです。</p>
<h3>でも、いくら大切と言われても裁判の話に興味がある人なんてごく少数ですよね</h3>
<h2>表テーマ 完成図書管理の限界</h2>
<p>ということで、eディスカバリーからは一旦離れて、サブタイトルに知識・協働・ディスカバリーと並べていることの意味についてご説明させて下さい。</p>
<p>要するに、今の日本企業が持つ文書管理規程、文書に関するルールは紙の文書の取り扱いを前提としていて、そのことと現実世界の要請との歪みがとても大きくなってしまっている。それが端的に表れてるのが、ナレッジマネジメントやコラボレーションなどの生産性向上の取り組みとディスカバリーの領域である、ということです。</p>
<p>電子的な文書の比率はどんどん高まっていますが、文書管理規程とIT関連のセキュリティなどの規程と個人情報に関する規定はすべて独立して構成されていることが多いと思います。施策や、場合によっては運用したり管理したりする組織も違っているかもしれません。</p>
<p>こうした環境の中で、文書管理の規程やシステムの役割は、社内で正式にオーソライズされた文書を恭しく正式の最新版として取り扱う、というところに重点が置かれてしまっています。</p>
<p>つまり、「正式な最新版=完成図書」がコンテンツとして完成するまでの過程については、主な関心領域ではありませんでした。</p>
<p>しかし、このコンテンツの作成過程もITサポートによって効率が向上することは自明です。実際多くのツールが提供されてきました。最近では社内SNSだけでなくチャットツールなどのチーム作業への貢献度が見直されたりもしています。もちろん電子メールにより社内外のやりとりもこの領域の情報をふんだんに含んでいます。</p>
<p>昨今問題になっている日本のホワイトカラーの生産性の問題、特に<strong>個人による仕事(情報)の抱え込み</strong>もここで発生しています。</p>
<p>生産性向上ツールはあると嬉しい。それが会社の正式な文書体系と繋がってるとより美しい。だけれども、投資にあうリターンがあるかどうかは不明だし、従業員も積極的に活用してくれそうにない。したがって様子見、あるいは中央集権的な仕組みには手を出さす部門単位の細かい施策から試す(そして新たなサイロを)、、、というのがECM(だけではなさそうですが)の和製アンチパターンであると言えると思います。</p>
<p>さて、ディスカバリーの話に戻ります。先ほどは、国内企業の不利を正すため、というようなある種きな臭い理由付けをしてしまいましたが、ここにもう一つこのテーマが国内でのECM活用に繋がるはずだ、と私たちが考えるようになったポイントがあります。</p>
<p>完成図書だけが証拠ではないのです。現代の業務環境においては、ディジタル情報の形で文書・コンテンツが生成されていく過程の付帯情報も自動的に大量に生み出され、原理的にはその補足と管理も可能なのです。そして、司法もそのようなかつては揮発してしまった「言った言わない」のような情報までも、証拠性を認めうるとしています。しかも、先述の悪魔の証明の議論までついてくるのです。</p>
<p>eディスカバリー制度というものの存在が、生産性向上のような攻めのニーズだけでなく、コンプライアンス的な守りのニーズの文脈からも、紙を前提とした完成図書管理が時代遅れであることを端的に示している、と言えると思います。</p>
<p>ECMサミットでは私は冒頭のナビゲーションと最後のご挨拶だけですが、より深い知見や経験を元に各社のスピーカーから、さらに具体性をもったお話が聞けるのではないかと思います。</p>
<p>例によって大変冗長な記事になってしまいましたが、是非とも会場に足を運んでいただけらたら、と思います。</p>
<p>よろしくお願い致します。</p>
<p>(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)</p>
Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/11568508688302375742noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-7230962966009747910.post-31669606474030033512015-09-25T16:48:00.001+09:002015-09-25T16:48:40.161+09:00ECMサミット2015、パネルディスカッションやります<p><a href="http://expo.nikkeibp.co.jp/e-doc/2015/forum/">eドキュメントJAPAN 2015 ― 53rd 文書情報マネジメントショウ</a></p>
<p><img src="https://lh3.googleusercontent.com/-R47IOk8IV0U/VgT4L_rpchI/AAAAAAAALUo/wLUk_nssNek/imgres.jpg?imgmax=800" alt="Imgres" title="imgres.jpg" border="0" width="63" height="32" /></p>
<p>ECMサミット自体は年2回の恒例行事、なのですが、eドキュメントJAPANの枠でやるのは年に1度だけです。</p>
<p>今年は<strong>例の規制緩和</strong>があることもあり、各社展示ブースやセミナーも気合いがはいっているのではないかと思います。</p>
<p>ECMサミットもECM委員会なりに力の入った構成のつもりです。</p>
<h2>パネルディスカッション、やります</h2>
<p>ECMサミットは、競合しているトップベンダが一堂に会して同一フォーマットで講演を行うという特徴をもったイベントですが、基本的には各社に一定の時間枠を担当していただいて、連続して講演を聴くというスタイルになっています。この形式に対しては毎度アンケートでは、もっと統一感を出して横串で比較し特徴を見いだせるような形にして欲しいというコメントを多々頂いておりました。</p>
<p>過去には質問形式で議事パネルディスカッションのようなことも行い、高評価だったこともあるのですが、やはり中々登壇者の負担が大きく、毎回の実施にまでは至っていません。</p>
<p>ということで、今回は(主観的には結構頑張っての)パネルディスカッション形式になります。</p>
<p>(すべてのECM活用事例に当てはまるわけではありませんが、)ECMはプラットフォームとして捉えた方が見通しが良い、というのは近年かなり整理されてきた論点だと思います。そこについて各社なりの視点で語っていただくことをメインのトピックと考えています。</p>
<p>インフォメーションハブですとか、ケースマネジメント、デジタルイノベーションなど、比較的新しい言い回し、用語、の真意についてもなるべく分かりやすく語って頂けるように工夫をしていきたいと思います。</p>
<p>10月1日という日程的にはかなり厳しい条件もあるのですが、是非ご来場頂ければと思います。</p>
<p>(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)</p>
Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/11568508688302375742noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-7230962966009747910.post-44989069274328407472015-09-24T09:21:00.003+09:002015-09-24T09:24:07.520+09:00コンサルティングって何? という質問と、論理的思考力とやらの話 aegifは外資系コンサルティングファーム出身の若者(当時)を中心として作った会社なので、それ以外に稼ぎ方を知らないという意味でもコンサルティングファームだったわけですが、今ではソフトウェアベンダとしての顔も持つようになってきていますので、改めて私が考える<strong>コンサルティングサービス</strong>についてまとめてみたいと思います。<br />
あくまで個人的な意見です。仕事仲間にはまったく別のことを考えている人もいますし、自分達の仕事のすべてを以下の要素で説明できるわけではありません。最近この説明しきれない部分についても考え始めたことがあるので、後日機会があればそれもご紹介したいと思います。(そんなことばかり書いている気もする)<br />
今回ここにまとめる内容は、新卒2ヶ月目くらいの時に自分なりに整理した内容がほとんどなので、その程度の薄っぺらさだと思って頂けると幸いです。でもまだ自分の子供たち(小学校3年と1年)にうまく説明できるところまでシンプルにもなっていないのですが・・・<br />
<br />
<h2>
意識は高くなくとも</h2>
ざっくりとコンサルタント、それも外資系出身、と言われた時、どのような人物像が想像されるでしょうか? 英語が喋れて、切れ者で、メンタルが強くて、ハードワーカーで、向上心に溢れている、なんてところでしょうか。いわゆる<strong>意識高い系</strong>という言葉に付随する揶揄のニュアンスや、押しが強くて近づき難い感じとか、抜け目なさそうなところとか、拝金主義的なイメージもあるかもしれません。あとは、頭が良いアピールがうざいとか。<br />
概ね正しい気もするのですが、(他の多くの職業と同じく)全部が全部そのイメージ通りでもなく、実際には色々な人がいます。例えば私の場合は、英語はIT絡みならなんとか、切れ者に見えるかどうかはともかく、メンタルは弱いし、ハードには働けないし、知識欲はあっても向上心は半端です。意識はさほど高くないと言えるでしょう。(頭が良いアピールには余念が無い方だと思いますが)<br />
そんな私であっても、十数年も続けていればコンサルティングサービスに対する一家言と言いますか、地味は地味なりに職業倫理みたいなものを抱えていてもおかしくはありません。ということで、今日はそういう話。<br />
<br />
<h2>
よくある説明</h2>
私が新卒の頃も、コンサルティングには個人の知識や経験を売るグレイヘアードのコンサルティングとファームに所属してチームによる組織力で問題解決を図るコンサルティングがある、だとか、戦略系・会計系・人事系などのファームの色やサービス領域による分類などはよく語られていました。ITに絡むところだと、多重下請け構造のトップに「プログラマ」「システムエンジニア」の上に君臨するポジションとして「コンサルタント」と書かれていたりもします。<br />
ITに絡むところと、絡まないところでは、「コンサルタント」の定義や位置づけは変わるのでしょうか?<br />
プログラマはプログラムを書き、システムエンジニアは仕様書を書きます。「コンサルタント」は? 要件定義書? RFP?<br />
「プログラマ」と「システムエンジニア」は(下請け構造があるにせよ)顧客からみると商流上同じ会社の下に入っていることが多いのに対し、コンサルタントはそうでない場合がままある(というかその方が多い?)ので、それが違いだという説明もあります。<br />
何故そうなるのか。企業のとるアクションを意思決定から遂行に川の様に流れるものとして見た場合、上流の方があいまいでリスクが高い領域であると考えられます。そこで、そこを担当するコンサルタントがより顧客に寄り添ったポジションにいたり、リスクを見込んで高単価であったりというようなことも考えられそうです。また、あいまいさが大きくなればなるほど、ITに絡まないコンサルティングで求められているとの共通点が色々と見えてくるということもあります。<br />
以上のことから、私は個人的にも「エンジニア(システムエンジニアおよびプログラマ)は最終成果物として動くものを納品するという責任の取り方がある。コンサルタントの仕事にはそれがない」という話をよくしています。<br />
<br />
<h2>
では何を売っているのか</h2>
リスクがある領域で勝負しているから単価が高い。というのは、コンサルティングの仕事の性質をある程度反映した説明であると思います。ただこれは、その仕事、働き方を選択する人間の側からの説明であって、顧客が高いお金を払う理由にはなりません。<br />
果たして我々はどんな価値を提供しているのか。意識高くないコンサルタントとしては、<strong>卓越した問題解決能力</strong>みたいなことはあまり言いたくありません。恥ずかしいので。では、何を売りとしているのか。私は、第一に<strong>お客様のプロジェクトの成功確率を上げる(リスクを低減する)</strong>ことだと考えています。<br />
どのような企業にも通常業務と呼ばれる仕事、収益を上げるための活動があります。ルーチンワークと言っても良いかもしれません。そして、基本的にその作業量はその組織に所属するメンバー全員の稼働の限界に近いところで回っていることがほとんどです。そのため、例えば法律が変わったとか、新しい事業を始めたいが社内に適切な経験をもった人材がいないとか、競合会社の新戦略に対抗する施策を打ちたいとか、っていうことを考えたときに、落ち着いてそれら問題に対応できるだけの人的な余裕がないわけです。(その種のピーク時にあわせた雇用をしてしまうと、通常時に収益性が落ち込むことになります)<br />
そこで、それらの本来の業務ではない仕事を<b>プロジェクト</b>として、期限付きの仕事として定義し実行します。このプロジェクトのチームに参画し、その成功確率を上げることがコンサルタントの主要な価値である、というのが私の主張です。<br />
<br />
注)もちろんそれだけがコンサルタントの価値であるわけではありません。知識・経験に十分な市場価値があり、それを展開していく形で活躍されている方もたくさんいらっしゃいますし、問題解決力に特化して「考えること」の価値をマネタイズできているプレイヤーもいます。<br />
<br />
<h2>
プロジェクトの成功確率と論理的思考力</h2>
通常論理的思考力というのは、問題解決力あたりと関連付けて語られることが多い「能力」だと思います。しかし、実際にはブレイクスルーを起こすために求められる思考であるとか、イノベーションに繋がる発想だとかというものは、それほど純粋に論理的なものではないように思います。(論理と感性のバランスが必要、というような話は右脳左脳と結びつけてあちこちで語られています。右脳左脳の論に非常に強い抵抗を感じることもあり、ここでは詳細は割愛します)<br />
思いついたことを、他の人にも理解できるように形にしていく過程においてはもちろん論理的な思考が必要とされるでしょうが、突破力のあるアイディアを引き出すまでの過程は必ずしも論理的であるとはいえないでしょう。(そもそも論理的である必要がありません)<br />
ではなぜ、世の中ではコンサルタントには論理的な思考力が必要とされているのでしょうか?<br />
論理的な思考とは、同じ前提条件を並べられれば同じ結論を導ける、ということを保証するものだと、私は考えます。プロジェクトワークは、多くの不慣れな、あるいは、不完全な意思決定の積み上げによって行われます。作業を進めていく中で新たな事実が判明し、それまでの作業が無駄になる、ということも珍しくはありません。(それをミニマイズするための仕事の進め方を方法論という形でまとめ、活用することも大事ですが、ゼロにはなりません)<br />
いわゆる「手戻り」の発生です。その時その時の影響範囲にもよりますが、手戻りが発生したからといって、毎回その時点まですべての作業を巻き戻していては到底スケジュール通りに成果を上げることはできませし、何より、手戻りの発生はメンバーに混乱をもたらします。誰の責任でこの手戻りが発生したのか、という犯人探し(個人的には、そういうのは犯人探しではなくて、魔女裁判の類だと思いますが)が始まってチームが瓦解しかねません。<br />
だからこそ、各意思決定の時点で、どういう前提条件が見えているのかを把握し、その上で選んだ結論であるということを意識し、記録に残すことが重要になります。後で手戻りが発生するというのは、その前提条件に間違いや不足があったからであり、そこが変化したら結論がどう変わるべきかもクリアに見通せるようになります。こまめにセーブをすると被害が大きくなりづらい、ということですね。<br />
この、細かい意思決定の積み上げ時の前提条件の確認・把握と、その記録というのは、あまり華々しい前向きの仕事ではありません。インタビュー時に会議の勢いを削ぐかもしれないような細かい質問をし、確認を求め、議事録などの文書に残し、関係者の意識から漏れないように注意を払う、というような地味な作業によって成り立ちます。こうしたセーフティネット的な作業をどれだけ、勢いを殺さずに実施できるか、必要十分なレベルをキープできるか、というのはプロジェクト慣れと同時に、前提条件と結論の論理的な関係を見失わない能力がダイレクトに求められる領域なわけです。<br />
だからこそ、コンサルタントには論理的思考力が求められる。これが、意識の低いコンサルタントが論理的思考力を馬鹿にできない理由です。<br />
<br />
本当はソースコード管理と継続的インテグレーションみたいな話と結び付けたいところなんですが、ちょっと話が散らかってしまったので、続きはまた今度。(本当にこんなことばかり書いている)<br />
<br />
<img alt="Consulting" border="0" height="344" src="https://lh3.googleusercontent.com/-5jRjjCvg28U/VfJAGbD6BjI/AAAAAAAALCw/_WMAlGoOUvQ/consulting.png?imgmax=800" title="consulting.png" width="599" /><br />
<br />
(文責 石井昭紀)Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/11568508688302375742noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-7230962966009747910.post-83801262932319988722015-09-11T09:45:00.001+09:002015-09-11T11:18:20.510+09:00EFSSという用語がどこまで浸透しているかは別としてCMSWiREに<a href="http://www.cmswire.com/information-management/enterprise-file-sharing-good-intentions-bad-execution/">Enterprise File Sharing: Good Intentions, Bad Execution</a>という記事が載っていました。直訳すると「エンタープライズファイル共有。意図は良いが、実行は悪い」というタイトルになるでしょうか。<br />
<h2>
EFSSって?</h2>
Enterprise File Sync & Shareの略です。エンタープライズ ファイル共有と同期。我々文書管理を専門とする人間にとってはここ数年頻繁に目にするようになったキーワードですが、一般にはそこまで普及していないのではないかと思います。<br />
要するに<strong>業務で使えるDropboxみたいなツール全般</strong>のことなんですが、例によってくどく説明したいと思います。<br />
まず、本題に入る前に「エンタープライズ」という用語について確認したいと思います。もともとはざっくりと大企業向けと解釈しておけば間違いのない言い回しでしたが、実際にはいくつかのニュアンスが混在したものになってきていると思います。<br />
<ul>
<li>規模が大きい(データ量や処理能力など機械的な意味で)</li>
<li>高い可用性が求められる</li>
<li>業務用である</li>
<li>IT部門によってコントロールされる</li>
</ul>
「高価格」であるとか、日本的SIerの飯の種であるとか、スーツ族の世界であるとかっていう表現も可能かもしれません。<br />
今回の議論とは直接関係ありませんが、もう一つ、ERPやECMの世界では重要な視点があります。<br />
<ul>
<li>中央集権的に全社統一で利用される</li>
</ul>
もちろんここにあげたものはお互いに結びついているコンセプトですが、最後の観点については、Enterprise-wide(全社スコープ)での導入か、Department(部門単位)での導入か、というのが対比で語られる、というのが特徴的であると思います。<br />
話をEFSSに戻します。これは最近できた言葉なので、そこでいうEnterpriseも最近強調されている語感を意識して捉えるべきです。つまり、ここでいう<strong>Enterpriseの対義語はDepartmentではなくConsumerである</strong>ということになります。<br />
<h2>
Enterprise vs Consumer</h2>
数年前から日本ではSIerのキャリアパスへの不安感やWeb上のサービスを行ってるベンチャーの急成長もあって、Webネイティブな技術を牽引しているエンジニアとSIerの多重下請け構造に属しているエンジニアの間の断絶が度々問題になってきました。Web系、という言い方は業務系のシステムも世代はともかくとして同じようなWeb関連の技術を利用することが多くなってきているため、あまり通りが良くないということもあり、横文字を多用する文化圏ではConsumerizationなんていう言い回しも盛んに使われていました。<br />
それまでは、業務向けに開発され磨かれてきた技術が徐々にコモデティ化する中で一般消費者向けにも利用できるようになるというダウンサイジング的な技術の伝播が基本だったのに対し、一般消費者向けに開発された技術の方が業務向けで使われている技術よりも先行しだしている、という状況を説明する用語でした。<br />
Dropboxなどもその典型になります。今ではEnterprise向けのサービスも展開されていますが、基本的には個人利用をベースとして構築され成長してきたサービスです。<br />
冒頭でリンクを貼った記事では、企業のためのEFSSと、現状利用されているファイル共有サービス(Dropbox、OneDrive、Googleドライブなど)を比較するため、後者をCFSS、 Consumer-level File Sync & Shareと位置づけています。EnterpriseとConsumerを対比させているわけですね。<br />
面白いのは、「電子メールにファイルを添付して共有」などの技術的にはさらに古い世代のものも彼ら(?)にとって「あるべき姿」であるEFSSとの対比の意味でCFSSに含まれている、という点ですね。<br />
このBlogでも米国のカンファレンスで<strong>Dropbox問題</strong>という言い回しが一般化していた、というようなエピソードをご紹介させて頂いたことがありましたが、単に黒船が来て場当たり的に反応しているのではなく(多分に見栄が含まれていると思いますが)「もっと大きな視野で解決すべき課題を捉え、それが解決できるソリューションとそうでないものを峻別しているのである」という姿勢には敬意を払いたいと思います。<br />
<h2>
なぜEFSSが必要なのか</h2>
なんとなく想像がついてしまうこと以上の視点はとくにないのですが、(いくら日本が立ち後れていると言われていても)企業内の情報はどんどんディジタル化しています。ディジタル化するということは、余程気を付けない限り、利便性やコストメリットと共に以下の特性を抱え込むということでもあります。<br />
<ul>
<li>すごい勢いで増える</li>
<li>簡単にコピーされる</li>
<li>簡単に消せる</li>
</ul>
要するに<strong>散らかりやすく、漏れやすい</strong>ということです。これはクラウドだからとかモバイルだからとかいう以前の問題です。(もちろんそういう要素が加速する面もありますが)<br />
従来であればECMリポジトリが、この問題に対する一つの解だったわけです。しかし、ディジタル化の波は取り扱うデータの範囲をどんどん広げていますし、社外とのディジタルデータでのやり取りも増える一方であるため、社内に抱え込んだリポジトリだけでは追いつかなくなってきている。そこにさらにDropboxのようなCFSSがシャドーIT(会社のコントロール下にないIT技術利用)的に利用されはじめてしまっているわけです。<br />
同期ツールの利便性は高く、使い勝手の悪い仕組みの利用を強制させるのは困難です。そのため、使い勝手として同等な、しかし安全な仕組みを企業側から改めて提供していく必要がある、というのがEFSSが必要とされる理由になります。<br />
<h2>
宣伝!!</h2>
弊社では、一定の安全性が担保されている社内ECMリポジトリに対して自動同期アクセスをかけることができるデスクトップツール<a href="http://cmissync.com/">CmisSync</a>を開発しています。オープンソースモデルで開発を進めており、単純に同期をするだけであれば無償でお使い頂けます。管理機能を高めたBusiness版もご用意しています。そもそも社内にECMリポジトリなんか持っていないよ、という場合は、シンプルなECMリポジトリである<a href="http://nemakiware.com/">Nemakiware</a>もご提供していますし、そろそろ10年近い付き合いになるAlfrescoの導入支援やCommunity版への独自サポートプログラムなどもあります。お気軽にお声がけください。<br />
<img alt="Imgres" border="0" height="108" src="https://lh3.googleusercontent.com/-NkhZb-etJIg/VfIkAwB1XjI/AAAAAAAALCc/iaWlcNSO9cE/imgres.jpg?imgmax=800" title="imgres.jpg" width="116" />
(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/11568508688302375742noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-7230962966009747910.post-62328654552354985432015-09-07T13:51:00.001+09:002015-09-07T13:59:50.890+09:00浜名湖フォーラムに行ってきましたコンサルティングファーム時代の先輩からChromebookを譲って頂いたので、今日はMarsEditではなくBloggerの標準UIで投稿してみようかと思います。<br />
<br />
<a href="http://www.smb-cloud.org/news/%E6%B5%9C%E5%90%8D%E6%B9%96%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%A0%EF%BC%92%EF%BC%90%EF%BC%91%EF%BC%95%EF%BC%8894%EF%BD%9E6%EF%BC%89-2/">IT経営会議 浜名湖フォーラム2015</a> に行ってきました。これで3回目の出席になります。<br />
<br />
ECMもEIPもBPMも、一般にはアプリケーションとして扱われているにもかかわらず、特定の業務だけをスコープにIT投資を考える場合にはなかなかメリットが訴求できない基盤/プラットフォーム/ミドルウェア的な技術です。これらの技術がもたらす利点を以下に投資企画策定時に理解し取り込んでもらうか、という検討をしている中でIT投資マネジメントを研究されている方々の取り組みを知り、ほぼ飛び入りに近い形でカリアックにお邪魔したのがきっかけでした。(IT資産価値研究会にもそこからのご縁で参加させて頂くことになりました)<br />
<br />
<h3>
自分の発表について</h3>
さて、今年は色々と忙しく、昨年以上に発表の準備に時間をかけることができませんでした。昨年はシステムダイナミクスを使って、疎結合により柔軟性を担保した仕組みの方がモノリシックな仕組みよりも、たとえ初期費用で上回っていても中長期的にはメリットが出る、というお話をさせて頂きました。(厳密には、メリットが出る時の条件を検討する枠組みだけ作った感じでしたけど)<br />
<br />
今年はその延長で、クラウドとオンプレミスを比較し従量制と定額制の組み合わせの最適値をさぐるようなお話を考えていたのですが、思った以上に要素の数が大きく、なぜそれを考えたいのか、という説明だけして撤退、というありさまでした。<br />
<br />
ここでも簡単に説明させて頂くと、<br />
<br />
<ul>
<li>クラウドとオンプレミスは課金モデル以外にも違いが大きすぎて、現在一般に行われているTCOの比較は誠実な検討とは言えないのではないか</li>
<li>クラウドによりスモールスタートを「スタート」しやすくなったが、適用ユーザを広げるとリニアにコストアップになるので結局「スケール」しづらくなってはいないか</li>
</ul>
というようなことを考えています。<br />
<br />
イージフではこれまで一貫して<b>ロックインされない</b>ことを重視し、オープンソース製品の紹介を進めて来ました。私はその経緯もあって、柔軟性とは「将来における選択肢の幅を狭めないこと」であると考えています。今年の発表ではそのあたりのバイアスをうまく整理しきれず、研究会のリーダーである向さんから、クラウドの柔軟性と言われれば聞き手はスケーラビリティのことだと思うよね、という至極順当なご指摘を頂きました。まったくその通りなので、忘れずに反映しないと・・・<br />
<br />
(あと発表内容が難解すぎるので飲み会で語ったIngressとモチベーションの話の方をテーマにしてくれれば良かった、というお言葉を数度頂きました)<br />
<br />
<h3>
他の方の発表について</h3>
<div>
今年も多岐に渡る発表がありました。どこまでこうした場でご紹介していいのかわからないので簡単にキーワードとそれらについての雑感だけ、メモとして残しておきたいと思います。</div>
<div>
<ul>
<li>デザイン思考 ……アイディアの出し方そのものをサービスのネタにすることの難しさや面白さについて、具体的なシーンを元にしたお話を多数聞けたのが有意義だった。</li>
<li>IoT ……CPS(サイバーフィジカルシステム)という表現から迫ったほうが穏当? EDIの置き換え文脈もここに含まれるというのが面白かった。FAXの代替は電子メールではなくECモジュールかも、など</li>
<li>地域支援 ……コアとなる中堅・中小企業の支援。新しく白書もでた小規模企業の支援。国などからの制度設計の視点ではROIを意識せざるを得ないが、現場は「個」の特徴に注目せざるを得ないし、成功事例はその個性を意識したところにしかない</li>
</ul>
<div>
他には、栗山先生の一連の研究にあるプロジェクト成功可否に大きな影響を与える要素としての「経営者」というお話が、改めて非常に示唆に富んだものだと思いました。IT資産価値研究会も単なる財務的な評価ではなく、意思決定に資するようなより実質的な評価を模索しているわけですが、そこには客観的な確からしさが担保される指標だけでは不十分である、という葛藤が常にあるように思います。プロジェクトの成功要因として「経営者のコミットメント」を挙げるのは、お手軽だし正しい。しかし、ワイルドカード過ぎて空虚な話になり勝ちなわけで、そこを掘り下げていくというお仕事の過程をお聞きして、どこか似たような葛藤を抱えておられるような印象を受けました。いわゆるアートとサイエンスの狭間にはありがちな話なのかもしれませんが、なんとか次の締め切りまでには自分の方も何か形にしたいものだと思います。</div>
<div>
<br /></div>
<div>
<span style="background-color: white; color: #666666; font-family: 'Trebuchet MS', Trebuchet, Verdana, sans-serif; font-size: 17.6000003814697px; line-height: 24.6399993896484px;"><gs class="GINGER_SOFTWARE_mark" ginger_software_uiphraseguid="f1b91a64-2c05-48d7-a4ab-c868b06c5ade" id="b07e6a20-571d-48a2-bc80-713c7d531a3e"><gs class="GINGER_SOFTWARE_mark" ginger_software_uiphraseguid="599650ae-dd3a-40c8-8bdc-f071f6378c88" id="5c8dcdd2-f75c-48be-b92e-b873e4356b64">(</gs></gs>文責 Ishii Akinori IT-Coordinator<gs class="GINGER_SOFTWARE_mark" ginger_software_uiphraseguid="f1b91a64-2c05-48d7-a4ab-c868b06c5ade" id="54d13f8b-5dba-444b-af5a-ef668b00db13"><gs class="GINGER_SOFTWARE_mark" ginger_software_uiphraseguid="599650ae-dd3a-40c8-8bdc-f071f6378c88" id="76d09582-a97e-4685-b9ee-2e32f443e373">)</gs></gs></span></div>
</div>
Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/11568508688302375742noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-7230962966009747910.post-74927408756412538872015-08-27T13:24:00.001+09:002015-08-27T13:24:37.414+09:00ECMの過去・現在・未来<p>毎度のご挨拶と化していますが、ご無沙汰しております。</p>
<p>AIIMが「ECMの次」をあからさまに模索している中、改めてECM業界に寄せられる期待について、この15年で感じた変化についてまとめたいと思います。</p>
<h2>ECMってなんだっけ?</h2>
<p>ECM(JIIMAの訳語では統合文書情報マネジメント)とは、企業の文書情報管理の基盤を中央集権的に持ち各業務システムと連動させることで、一貫したポリシーに基づいた文書情報の管理を実現するコンセプトであり手法を意味します。これはかつて流行したIT業界3文字略語の特徴をそのまま備えた用語なので、ERPがそうであるように、手法・コンセプトを意味すると同時に、ツールとしてのパッケージソフトウェアを呼ぶ名前にもなっています。</p>
<h2>過去</h2>
<p>ソフトウェアとしてのECMは、技術的には3つの構成要素から成り立っています。(元々は2つでしたが、今では3つ目もほぼ必須と考えて良いでしょう)</p>
<ol>
<li>文書ファイルを保管するファイルシステム(ストレージ)</li>
<li>文書のメタデータ(属性情報)を保管するデータベース</li>
<li>全文検索インデックス</li>
</ol>
<p>の3つです。</p>
<p>「文書の本体と、その文書に関する付加情報(メタ・データ)を峻別しつつ一貫した管理ができること」という目的に即した構造です。紙文書のファイリングの文化を継承し、正しく分類整理することも重視されました。したがって、当時重視されていた機能は以下の様なものでした。</p>
<ul>
<li>階層化された整理構造に綺麗に文書を格納できること</li>
<li>事前に明確に定義属性情報を一律に関連文書に割り付けること</li>
<li>入力された属性情報に基づき素早く文書を見つけられること(後に全文検索も)</li>
<li>各文書の最新版を明確化するための履歴管理と編集ロックができること</li>
</ul>
<p>他にもそれまではサインや印鑑で担保されていた文書情報の確からしさを担保するためのワークフロー機能や、ユーザの行動履歴を保管する監査証跡などの機能もありましたが、それぞれにトレードオフがあり、すべてのユーザが利用するというところには至りませんでした。</p>
<h2>現在</h2>
<p>主にWebの世界が牽引したその後の情報システムの発展を受け、ECMのコアバリューも変化してきています。今、文書情報のより良い管理手法というものを考える時、紙文書のファイリングを踏襲したものとは異なる視点が導入されました。今、ECMに期待されている機能は以下の様なものです。</p>
<ul>
<li>文書と文書の関連性を保持すること</li>
<li>後から定義された属性項目や任意のタグなどの動的なメタデータを文書に貼り付けられること</li>
<li>他のユーザのアクティビティを把握できること</li>
<li>クラウドに文書を配置しデバイスを問わずアクセスできること</li>
</ul>
<h3>関連性</h3>
<p>文書同士の関連付け情報はAlfrescoで言えばアソシエーション機能、いわゆるリレーションのことで、関連情報の使い方が業務毎にブレ幅が大きいため、以前はそれほど利用されていませんでした。しかし、例えば別々の組織・プロセスが主管している製造図面と施工図面を関連付けることで、メンテナンス時の障害から製品側へフィードバックを返すなどのフォロー業務の漏れをなくすことができたり、設計標準と設計図面を結びつけることで標準を更新したタイミングで影響を受ける図面を洗い出したり、ということができるようになります。</p>
<p>ECM製品は標準UIを持ち、そのままインストールしても文書の保管や版管理、アクセス権管理などのメリットを享受できる作りになっていますが、やはり他の業務システムの共通バックエンドとして利用されることでよりその効果が高まります。関連情報はまさに組織や業務を横断したトレーサビリティを実現する機能であり、その効能が理解されるようになるまでに少し時間がかかったということかもしれません。</p>
<h3>動的なメタデータ</h3>
<p>アスペクトやミックスインなどと呼ばれる、後付けの属性定義を実現する機能は比較的後発のものです。やはり、初期のECM製品はRDBMSへのマッピングが単純だったこともあり、(もちろん、業務ニーズが比較的固定的だったこともありますが)、こうした機能は提供されていませんでした。後付けが可能ということは、文書の分類(文書型定義)とは別に個別の文書に対して貼り付けることが可能ということでもあります。</p>
<p>しかしこの機能は、変化する業務要件に対して追随するための型定義を行っていくということなので、実務上はやはりハードルが高かったと言えそうです。かわりに、最近よく活用されているのが、タグ付けの機能です。</p>
<p>元々、伝統的な文書管理の慣習にのっとって綺麗な階層構造を持たせなくても検索機能さえ十全に備えられていれば管理精度は落ちない、という考え方が少しずつ市民権を得てきていたという経緯もあります。その上で、タグ付けによる情報整理の効能をyoutubeなどのコンシューマ向けのWebサイトで各ユーザが学習してきているので、アスペクトやミックスインのような学習障壁の問題がなく、実際によく活用されている機能と言えそうです。</p>
<p><strong>弊社ではこれらの点も踏まえてNoSQLベースのECMを開発しました!!(宣伝)</strong></p>
<h3>アクティビティ</h3>
<p>監査証跡はとにかくログを残しておいて有事の際に証拠や手がかりとして使おうというものでした。使うかどうかもわからない情報の記録に毎回コンピュータリソースを消費し、ストレージも占有するということもあって、よく吟味した上で適応を見送る、というケースも散見されました。</p>
<p>各製品のWeb化が完了した後の世代になるとWriteイベントは補足するがReadに関してはWebサーバのアクセスログで代替する、なんていうケースもありました。</p>
<p>SNSの台頭と、タイムラインビューの一般化を受けて、自分や同僚の直近の活動履歴を表示共有することのコラボレーション上のメリットが注目され、現在では監査証跡よりもこちらにより強い関心を持たれてるという印象です。(もちろん業務領域によっては監査証跡の方が有効であるケースはあります)</p>
<h3>クラウド(とモバイル)</h3>
<p>数年前まではECMベンダ各社ともクラウドは重要なトレンドだがECMへの適用は後回しになるだろう、と主張していました。現在では、クラウドに乗せるべきものは積極的に乗せてそのメリットを享受しよう、という主張が一般的です。</p>
<p>Dropboxライクな環境を業務システムの世界に導入するための、EFSSなんていうキーワードも出てきています。</p>
<p>ただ、やはりあくまでハイブリッド、使い分け、というのがECM業界全体のスタンスということではありそうです。すべてがクラウドに乗るわけではない、と。</p>
<p><strong>弊社ではオンプレミスリポジトリに対してもファイル同期を行える製品をご提供しています(宣伝)</strong></p>
<h2>そして、未来</h2>
<p>将来についても幾つか考えていることがあります。整理しきれていませんが、簡単に頭出しだけ。</p>
<p>まず、ソーシャル系の機能、例えばいいね!ボタンなどは現在の製品にも搭載されていて場所によっては使われています。しかし、その本格的な活用はまだこれからだと思います。</p>
<p>次に、アナリティクス系の機能、これも現在進行形の商談のスコープに入ってきているという認識ですが、やはりまだまだ発展途上だと考えます。ログや全文検索インデックスへの解析には一定の成果がありますが、機械の主張・助言を業務上どのレベルの「確からしさ」があると判断するのか、というハードな問題をこれから段階的に解いていく、というのが事の本丸ではないかと考えています。</p>
<p>次に、ソーシャルグラフとアグリゲーション。友達の友達まで開示、などという権限モデルは現在の通常の業務システムにはないものですが、「なんでも完全公開というのはナンセンスだが、なるべく共有は進めたい」という考え方はそれなりに一般的なものであるので、一定のニーズがあるのではないかと思います。さらに、アクティビティやここのコンテンツについても、自分以外のメンバーに「読んでもらう」「気がついてもらう」ということに意識的な仕組み作りの必要性もあるのではないかと考えます。詳細はまた機会があれば!</p>
<p>最後に、プルリクエスト。少し前に就労規則をGithubで公開、さっそくプルリクも! というニュースがありました。文書に関してもプルリクエストベースのコラボレーションの効能というのは間違いなくあると思います。問題は、差分ベースのコンテンツ管理というのは、ECMの基本思想とある意味で正面からぶつかるということですね。ECMは、広く多様な業務にかかわるコンテンツを抱え込むために文書本体には手出しをせず外側に管理情報を付加するという手法を採用してきました。対立するコンセプトとしては例えばXMLデータベースなどではタグ単位での差し替えなどが可能でしたし、ソースコード管理システムを下敷きにした差分管理に特化したソリューションなどもありましたが、これまでのところECM以上の成功を収めてはいません。もしかしたら単に早すぎただけかもしれませんし、中央集権的なリポジトリを実現するためにはやはり「中身」に入り込むと破綻するのが世の真理なのかもしれません。しかしながら、差分情報を複数のユーザが取り交わせるという業務スタイルの強力さは、人を引きつけるものがあると思います。これも深掘りすると長くなるので、詳細はまたということで・・・</p>
<p>(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)</p>
<p><img src="https://lh3.googleusercontent.com/-PKWKPrEwou4/Vd5_lvRbCdI/AAAAAAAAKv0/wliKhjYl5BE/ECMGlyph.png?imgmax=800" alt="ECMGlyph" title="ECMGlyph.png" border="0" width="584" height="450" /></p>
Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/11568508688302375742noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-7230962966009747910.post-36245648196251300872015-07-06T15:04:00.001+09:002015-07-06T15:04:02.798+09:00コンサルティング研修に参加できなかったので...<p>コンサルティング合宿に引き続き、日帰りのコンサルティング研修をやりました! という報告記事を書きたかったのですが、土曜参観とバッティングして参加できませんでした。(休日出勤イベントに役員不参加のブラック感、いやもちろん代休は出ると思いますけど…)</p>
<p>準備の様子を遠くの方からチラ見している中で、自分の中でのコンサルティングサービスのメンバーに対する期待事項みたいなものが見えてきた気がするので、ここにメモを残したいと思います。</p>
<p>私自身が社会人生活をコンサルタントとしてスタートさせたのが15年くらい前のことになります。正直言って自分自身の成長の実感というのはほとんどなく(今できることは中学生ぐらいの頃から全てできた気がする、と周囲にはよく言っています)、その意味ではうまいロールモデルなんか示せそうにないのですが、落ち着いて考えればさすがに幾つかはこの仕事をしてなければ気がつかなかったであろうこと、身につかなかったであろうこと、があるんだなと改めて気がつきました。</p>
<p>ということで、自社メンバーに一般常識として身につけておいて欲しいと思っているものを幾つか並べたいと思います。</p>
<h3>WBS</h3>
<p>プロジェクトマネジメントの基本ですね。我々新卒でコンサルティングファームに入社したような<strong>「自分自身の知識経験がそのまま売り物になるわけではない」</strong>コンサルタントというのは(逆に売り物にできる人達をグレイヘアードコンサルタントと呼ぶ、と新人の頃に習いましたが、その後その単語を目にしたことは一度もない気がします)、プロジェクト型のワークスタイルに習熟している、ということが第一の価値であると思います。</p>
<p>そのプロジェクトの基本となるのがWBSで、これが自分で作って、その製作意図をちゃんと説明できるかどうか、というのは仕事を任せてもらう上で非常に大きなポイントになってくるはずです。</p>
<h3>時間管理のマトリクス</h3>
<p>『7つの習慣』が出典らしい、と聞きますが多分未読なので(読んだような気もするんですが)、細かいところはわかりません。仕事を、「緊急度」「重要度」の2軸で分類しよう! って奴ですね。で、重要でないけど緊急な仕事ばっかりやって、仕事をしている気になってしまうのが一番危ないよ、と。ナレッジワーカーの生産性、なんていうテーマのお仕事も多いので、提案や顧客とのディスカッションでもよくでてくる概念です。</p>
<p>仕事上での立ち場によって見え方が違うツールかもしれませんが、自分の仕事の「重要度」がどのようにして決まるのか、という点で上位者の視点が織り混ざってくる、のが面白いところだと思います。</p>
<p>細かいTIPSとしては、緊急度ドリブンで仕事をしている現場の人に対するリスペクトを忘れないようにしたいですね。</p>
<h3>GTD</h3>
<p><a href="https://ja.wikipedia.org/wiki/Getting_Things_Done">Getting Things Done</a>です。仕事術的なものとしてはもはや常識の類いな気もするのですが、意外に周囲にも細かい出自等は知らない、という人が多かったので、念のためにWikipediaへのリンクをはっておきます。</p>
<p>要するにToDoリストを使いこなせるようになるための条件が現代的な形で整理されている、ということなんだと思っています。もの凄く乱暴な説明をすると、紙の手帳でもスマホでもWeb上のサービスでもなんでもいいから、すべての作業が登録されているという「信頼できるシステム」を1つ持てば、ToDoリストを頭から追い出すことができる。そのメリットは非常に大きい、と。</p>
<p>個人的には<a href="http://www.mailboxapp.com/">Mailbox</a>にすべての仕事を集約する運用をしています。私にとっての<strong>「信頼できるシステム」</strong>はGmailインボックスっていうことですね。同名のGmailにそれこそ同様のアプリがありますが、今のところDropboxに買収されたこっちの方のツールを使っています。(自分自身起点のタスクは自分へのメール送信で起票という前世紀的なライフハックでもあります…)</p>
<p>ただ、この運用が成り立っているのは、今現在の私がぐるっと回って個人で完結できる仕事ばかりになってきてるから、に他ならないと思います。他人に依頼した仕事の顛末のトラッキングが重要なポジションである場合は、ちょっと最適なツールであるとは言い難い気がします。</p>
<h3>結び</h3>
<p>3つ並べたもの全てが、仕事に対する上での「立ち場」に依存するというか、それを意識するきっかけになったり、そうすることでよりちゃんと使いこなせるようになる、という性質を持っているのが面白いかな、と個人的には思いました。(ま、大抵のツールはそんなものかもしれないですけど)</p>
<p>ということで、次は<strong>BPMこそ組織のためのGTDである</strong>みたいな話を...</p>
<p>(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)</p>
Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/11568508688302375742noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-7230962966009747910.post-46360556485288172992015-06-16T09:57:00.001+09:002015-06-16T09:57:48.031+09:00今年も超交流会に行ってきました<p><img src="https://lh3.googleusercontent.com/-uwuHxzO9etg/VX9t54or8cI/AAAAAAAAJAA/JY1Ui1Jw_hY/NewImage.png?imgmax=800" alt="NewImage" title="NewImage.png" border="0" width="76" height="45" /></p>
<p>ということで、<a href="http://cto-blog.aegif.jp/2015/06/blog-post.html">前回</a>予告した通り、京大情報学同窓会 超交流会に行ってきました。</p>
<h2>予想を上回る大盛況</h2>
<p>最初から最後まで話を聞いてくれたのは、2人かな。それでも歴代最少にはなってないらしいです。恐ろしいイベントだ…</p>
<p>旧交を温めることもできたし、仕事上でもストレートに参考になる話も聞けたので、もちろん行って良かったですけどね!</p>
<h2>印象に残った話</h2>
<p>と言ってもこういう所に書いてよいものかどうか悩ましいのも結構ありました。</p>
<p>佐賀県の救急車にiPadを載せた話の詳細パワーアップ版の裏に垣間見えた、アイドル研究会の矜恃とロマサガ世代の拘り(こちらはプレゼン以外のところで聞いた話ですけど)は熱かった。この話はあちこちで吹聴したい。</p>
<p>もう1つは、<a href="http://www.yamauchi.net/books/index.html">「闘争」としてのサービス</a>の山内先生の講演。</p>
<blockquote>
<p>サービスは高級になるほど、笑顔、情報量、迅速さ、親しみやすさなどの所謂「サービス」は減少します。これらの「サービス」はサービスの本来の価値を低下させます。</p>
</blockquote>
<p>寿司屋での客の緊張感などを、定量的に分析していった話が本当に面白かった。この闘争の構造に対する感度には個人差があるよな、っていうのが店員恐怖症患者としての反射的な感想だったけど、お仕事的にはこの議論がSIやコンサルなどの「サービス」に関する組織的購買活動に対して当てはめるとどうなるのか、がもの凄く気になるところ。</p>
<p>でも、すきやばし次郎のエピソードで始まって、「(お造りを)切りますか?」に対して「はい」はWrong Answerで、何を出して欲しいかちゃんと答えないといけない、その時点で不慣れな客と見なされる、、、なんて説明が入ると、<strong>ニンニクいれますか?</strong>という呪文だけが脳内を駆け巡ってしまいますよね。</p>
<p>突っ込み待ちかと思いながらも、耐えきれずについ質問して確認しちゃいましたけど、確かにラーメン二郎の話はよくこのテーマを聞いた人からは言われるらしいです。が、二郎プロトコルに対してそこまで明確な意図があったわけでもないそうです。</p>
<p>(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)</p>
Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/11568508688302375742noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-7230962966009747910.post-55619657537445622412015-06-03T11:00:00.001+09:002015-06-03T11:00:24.989+09:00セミナー続き<p><a href="http://www.jiima.or.jp/seminar/jiimaseminar2015.html">JIIMAセミナー2015 クラウド・ビッグデータ時代の文書情報マネジメント~加速する紙から電子の社会~</a>: "AIIMカンファレンス視察で捉えた米国ECM業界の最新動向と方向性"</p>
<p>またまた、間が開いてしまいました。5月はまるまるお休みだった格好ですね。</p>
<p>↑のリンクにある通り、先日JIIMAセミナーでAIIMカンファレンスについての報告をしてきました。月刊IMへのレポート提出も済んだのでようやく一段落と言ったところです。(ちょっとペースがのんびりしすぎてる気もしますが)</p>
<p>今月は、本日自社で開催する<a href="http://aegif.jp/seminar/150603.html">ミニセミナー</a>に加えて、京大情報学同窓会<a href="http://www.johogaku.net/">超交流会</a>もあるので、なにやらセミナー続きという印象です。喋ること自体は嫌いではないのですが、人前となると緊張してしまうので、講師仕事は全く得意ではありません。上手な人達に聞くと、とにかく練習・リハーサルが大事ということらしいんですが、そういう事前の準備をしっかり積み上げていく、という行為自体が、人前で話すことよりももっと苦手なので、どうしようもありません。</p>
<h2>派手なところに地味な話をしに行きます</h2>
<p>というわけで、超交流会に対する意気込みなのですが、私の講演タイトルは「領収書が『PDF保存』で良くなるゾ! (仮)」です。先輩に(押し)つけて頂いたものに何の反応も返せぬまま今日に至ってしまったため、(仮)すら取れていません。地味なテーマに勢いだけ乗っけて頂いていますが、他の講演プログラムにIoTだとかグローバルスタートアップだとか「未踏」経験者だとか、見目麗しい感じのキーワードが並んでいるのに比べると恐ろしく地味です。本当に聞きに来てくれる人はいるのでしょうか?</p>
<p>(本当に正直なことを言うと、私は同じ時間に設定されている講演を聴きに行きたいです。2つあってどっちも魅力的)</p>
<h2>話す内容はこれから考えますが...</h2>
<p>e-文書法関連の税務関係書類スキャナ保存の要件緩和、というJIIMAとしても今最も熱い話題を中心に話をすることはタイトルがこうなっている以上間違いありませんが、果たして超交流会に来るような人にとって興味がある話題かというと、なかなか難しい気もします。(あえて、魅力的な他の2つに行かずにこちらに来るという意味では、それはそれでありな気もしますが)</p>
<p>前回の超交流会では、B2BのITビジネスについてのパネルディスカッションに参加させてもらい、その後も色々とフィードバックをもらって勉強になったので、もう少しそちらの方面の話を膨らませたいという気持ちもあります。</p>
<p>昨今では食傷気味の話題である日本のSIer中心のIT業界の構造、ガラパゴス云々のテーマとも近くなりますが、スキャナや文書管理の業界から見ることによって際立つ日本市場の特徴というのもあるので、そのあたりを具体的に紹介できれば、なんてことを考えています。</p>
<p>ということで、当日お会いできる方、よろしくお願いします。(こっちに来てね、とは申しません。あくまで)</p>
<p>(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)</p>
Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/11568508688302375742noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-7230962966009747910.post-59401473737793784992015-04-08T15:53:00.001+09:002015-04-08T15:53:54.357+09:00AIIM Conference 2015 今年も行ってきました<p><a href="http://www.aiimevents.com/events/aiim-conference-2015/event-summary-b5182b0ad5914646996e43ff61112e74.aspx">AIIM Conference 2015 - About the Event</a>: "Digital Transformation: Embrace the Chaos"</p>
<p>(Via <a href="http://www.aiim.org/">aiim</a>.)</p>
<p>また、かなり間があいてしまいました。その上、カンファレンス出席からも結構な時間が…</p>
<h2>恒例の定点観測に</h2>
<p>JIIMAのECM委員会からの派遣という形で、今回も米国はAIIMのイベントに行って参りました。今回で3回目です。(今回からは立ち場が委員長なので、自分を派遣するっていうのが、ちょっと微妙な気もしないでもなかったのですが、年度末の忙しい時期に身体を空けられるという点でご理解を得ました)</p>
<p>今回の会場はサンディエゴです。過去2回が、ニューオリンズとオーランドでしたし、次回もニューオリンズらしいので、この手のカンファレンスの会場としてはある種の定番ということなのかもしれません。暖かい、良いところでした。</p>
<p>カンファレンスの全体については、今では電子配信されている月刊IMにそのうちレポートが載る予定ですので、特に気になったところだけご紹介できればと思います。</p>
<h2>ECMは斜陽産業か?</h2>
<p>過去参加した2回では、<strong>記録管理は死んだ</strong>、<strong>記録管理という実験は失敗に終わった</strong>、なんていう煽りを含んだプレゼンがありました。今回も、ECM悲観論に対するカウンターの様な発表で面白いものがありました。<a href="http://www.slideshare.net/lptacek/business-process-the-future-of-ecm">ECM Is Not Doomed for Failure</a>、リンク先資料の15ページ目「『ECMの死』の歴史」、です。</p>
<p>今まで3回、ECMの終わりを告げる<strong>波</strong>があった、と。</p>
<h3>最初の波はSharePoint</h3>
<p>高額な伝統的ECM製品群に比べて桁が違う価格帯の製品で、しかも当初は「簡単」という触れ込みでした。確かに、データベースやアプリケーションサーバの設定をそれぞれ行った上に高可用性を実現するミドルウェアやユーティリティの設定まで行わないとインストールすらままならない、いかにも手間がかかりそうな製品と、Microsoftとの間に適切な契約さえあればウィザードにチェックをつけるだけで導入できそうに見えるSharePointの比較において、比較的「簡単」であるということに嘘はありません。管理者に求める人物像やその所属組織などを勘案すると、このメリットは今でもなくなってはいないと思われます。</p>
<p>しかし、ECM導入の難しさは何も技術面、それもインストール時のそれだけではないので、SharePointが安価で簡単に手に入るようになったからと言って、ECM製品の存在意義がぐらつくようなことは結果としてはほぼ起きなかった、と言えそうです。</p>
<p>(このテーマについては、AIIMが積極的に「ECMとしてのSharePoint」という議論をリードしていった経緯であるとか、日本において文書管理系の利用があまり進んでいないように見えることなど、論点はまだまだ色々ありそうですが、ここでは割愛します)</p>
<h3>次の波はソーシャル!</h3>
<p>AIIMなどの情報源にあたっていると、ECMの利用方法としてコンプライアンス対応や統制(コントロール)方面の「堅い」利用法と、コラボレーションやエンゲージメントなんていう生産性向上や情報共有などの「柔らかい」利用法の2つが併記されることが多いように思います。また、元々は堅い基盤だったもの土台として、柔らかい方へ手を伸ばしていった格好である、という点も業界の人にはある程度共有されている見方だと思います。</p>
<p>まず、堅い要件なども安定し、説明責任も果たしやすい適応領域があり、エンタープライズワイドにコンテンツ管理を一本化するという理念を追求したり、適用範囲を広げてビジネスを拡大するために、その後の展開があった、と。(ソフトウェアビジネスとしてのECM業界の変遷を眺めた場合のことを言っています)</p>
<p>折角入れたシステムも使われないと意味が無く、堅い仕組みは面倒くさいので余程のモチベーションか強制力がないとなかなか使ってもらえない。だからこそECM業界ではAdoption、利用・受入の推進が常に問題となっていました。</p>
<p>ソーシャル系の技術はまさにそこに対する回答であると同時に、システムアーキテクチャ自体が堅い要件前提で中央集権的に作られた伝統的ECM製品のそれを否定する可能性があるものでした。その点で、ソーシャルソフトウェアがECMの死を呼ぶ、という話には一定の説得力があったのですが、YammerにしてもJive!にしても現時点ではそれほどの影響力を発揮するポジションには着かなかった、ように思います。</p>
<h3>今はクラウド、ファイル同期の時代</h3>
<p>前回のAIIMカンファレンスでも度々話題になったDropbox問題です。エンタープライズ系でもDropboxが優勢というニュースが流れたり、box社の展示面でのプレゼンスが落ちて、ECMベンダのEFSS エンタープライズ・ファイル・シンク・アンド・シェア ソリューションが出揃ったり、という変動もありましたが、やはり今アメリカのレコードマネージャや文書管理系ソリューションのプロバイダが最も気にしているテーマはこれだろうと思います。</p>
<p>プライバシーやコントロールの問題ももちろんありますが、利用推進という意味で強力なソリューションであることは間違いありませんし、ECMの様な(社内)中央的な考え方とスタート地点ではかなり距離を持っているということが逆に「社外とのコラボレーション」という積年の問題の解答たり得ることの期待感に繋がっているという印象もあります。</p>
<p>そういう意味ではECMリポジトリそのもののクラウドオファリングよりも、EFSSの方がより喫緊のテーマとして扱われている印象でした。(単なるクラウドデプロイメントは今更話題たり得ない、という気もしますが、やはりECM業界は製薬金融をはじめ法的要件がややこしいところも多いので、それほど単純ではないはずなので)</p>
<p>(この件に関してはもちろんCmisSyncとの関係を語りたいところですが、長くなりすぎたのでやはり割愛します)</p>
<h2>そしてアナリティクス</h2>
<p>AIIMは基本的にはミーハーというか、新しいもの好きな傾向があると思うのですが、それにしてもインサイトであるとかアナリティクスというキーワードの台頭ぶりは印象的でした。</p>
<p>情報カオスに対する統制、対応策として、技術面からできることを考えていくと、自然言語処理や機械学習などの領域との接近がもっとも自然である、ということだと思います。</p>
<p>現行のオファリングとしてはやはりIBMのバンドル商法(?)がコンセプトの完全性という意味では先行している印象ですが、今後蓄積する情報とそれを分析するための手法ツールの進歩のスピードを考えるとそのアドバンテージは現時点ではなかなか決定的なレベルにまでは到達しえないのではないかと思います。</p>
<p>アナリティクスは、そこから引き出した結果を行動に結びつけなければ意味が無いわけで、文書管理領域におけるそのルールメイキングというのは、中々タフな議論を要求するものであるに違いありません。そういう意味では、素直に今後数年の展開が愉しみである、と思える視察だったと言えそうです。</p>
<p>(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)</p>
Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/11568508688302375742noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-7230962966009747910.post-33786579646665151072015-03-04T15:58:00.001+09:002015-03-04T15:58:00.062+09:00ECMサミット、やりました!<p>JIIMA ECM委員長としてのお仕事のご報告です。</p>
<p>先日、2月25日に恒例の第11回となるECMサミットを開催しました。今回は、OnBaseのHyland Softwareさん、LivelinkのOPENTEXTさんという専業ベンダ2社、IBMさんとOracleさんのビッグベンダ2社、にご参画頂きました。</p>
<h3>そもそもECMサミットって?</h3>
<p>公益社団法人 日本画像情報マネジメント協会(<a href="http://www.jiima.or.jp/">JIIMA</a>)のナレッジ系委員会であるECM委員会が主催する、セミナーイベントです。競合関係にある主要ECMベンダが呉越同舟的に同じテーマに沿ってプレゼンをするという特徴を持っています。概ね年に2回ほど実施しています。今回のような冬開催枠では例年キヤノンマーケティングジャパン様から会場をお借りしています。(もう一方はJIIMA最大のイベントであるe-ドキュメントJAPANにあわせて開催しています)</p>
<h3>今回のテーマは?</h3>
<p>11回目ともなると<strong>恒例行事</strong>です。今回は、これまでのECMサミットのテーマの遍歴とアンケート集計結果などを参考に、少し変化球的なテーマを設定しました。<strong>~主要ベンダー、インテグレータが振り返る成功事例~ECM導入プロジェクトの落とし穴</strong>です。このテーマには3つの狙いがありました。</p>
<ul>
<li>事例紹介がもっとも集客力のあるコンテンツである</li>
<li>泥臭い具体的な話を聞きたいというニーズに対してプロジェクトの立ち場から応えることができるかもしれない</li>
<li>プロジェクトの担い手であるインテグレータの視線から語ることで参加ECMベンダに対して立体感のある描写ができるかもしれない</li>
</ul>
<p>セミナーイベントをやるからにはたくさんの人に聞いて欲しいですし、我々は「普及啓発」をミッションとする委員会ですので、その趣旨においても集客力は重要なポイントです。とはいえ、呉越同舟的なイベントという特殊性のこともあり、ベンダ各社の発表の負担を大きくすることも避けたいところです。どうしても営業・マーケティング部門を通じてご相談させて頂くため、製品のメリットを解説する講演になりがちで、実際そうした指摘も度々なされてきました。(これは我々が技術を軸に集まっている集団であって特定の業種のお客様を集客する器ではない、という点からくる面ももちろんあります)</p>
<p>今回は、各社のパートナに客観的になぜその製品・会社をパートナに選んだのか、なんていうスタンスで語ってもらうことで、このあたりのハードルを少しでも躱していきたいと考えました。また、事前の説明無く当日各コマの前に<strong>「他社との違いを一言で説明して下さい」</strong>というリクエストを入れることで、串刺しできる視点を持ち込むという試みにも(勝手に)チャレンジさせてもらいました。</p>
<h3>どんな講演があった?</h3>
<p>いくつかの資料は<a href="http://www.ecm-portal.jp/">ECMポータル</a>からダウンロード可能になるので、そちらを見て頂くのが良いかと思います。各社、事例の具体性も、発表の分担の仕方も、成功要因と考えている部分やその表現の仕方も、それぞれに異なっていました。ただ、あえていうのであれば、やはり専業ベンダとビッグベンダの間の違いが大きいという印象を私は持ちました。</p>
<p>講演のタイトルは、専業ベンダ2社のものが「業務は現場で起きている」「ECM実践例とプロジェクト成功のための勘所」という非常に抽象的なものである一方で、ビッグベンダ2社は「いよいよ公開!保険会社における先進ケース管理」「国内グローバル製造業が実現した販促物の配信と効率的なマスター管理」というかなり具体的なものを掲げていました。</p>
<p>このあたり、ECM(OPENTEXTさんはそれを拡張したEIMのコンセプトを打ち出していますが)を専門としているか、自社ソリューションラインナップのあくまで一部分として捉えているか、という違いがよくでていたと思います。</p>
<p>しかし、専業ベンダ2社の発表内容が抽象的だったかというと、もちろんそんなことはありませんでした。専業ベンダとしての蓄積と自信から抽出された言葉というのは、結果として抽象的な表現になるんだな、という感想を持ちました。Hyland SoftwareさんとパートナPFUさんの発表は、(紙からの)電子化文書についての多数の経験からでてきた具体的な「検討漏れ」のお話でしたし、OPENTEXTさんとパートナであるキヤノンマーケティングジャパンさんの発表は短期間では実現不可能な統合管理のメリットをいかに具体的に道筋をつけて実現していくのか、という示唆に富んだものでした。</p>
<p>対する2社の発表は、まさに満を持した形で発表された先進ケース管理(動的ケース管理、アダプティブケースマネジメントなどとも呼ばれます)の国内事例と、誠実にメタデータ設計を考えるときに常に問題となるマスター管理という、いわば玄人好みなテーマでした。さらに、Oracleさんの発表の実態はさらに検索性能への拘りという、非常にテクニカルである一方でエンドユーザの理解という意味ではかなり重みのあるテーマを扱ったものでした。</p>
<h3>まとめ</h3>
<p>さきほど、アンケートの集計がようやく終わったのですが、お陰様で過去の実績とくらべても好意的なフィードバックを多く頂いてるようでした。ご来場頂いた皆様、ありがとうございました。残念ながらご参加頂けなかった皆様、次回は是非よろしくお願いします!</p>
<p>次回は、今月18日からのAIIMカンファレンスについてのお話になると思います。</p>
<p>(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)</p>
Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/11568508688302375742noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-7230962966009747910.post-72528314132222757242015-02-12T13:17:00.001+09:002015-02-12T13:17:16.112+09:00ECMサミット2015(冬)のお知らせ!<p><a href="http://www.ecm-portal.jp/whatsnew/w_new22.html">ECMサミット2015(冬)</a>: "ECMサミット2015(冬)
~主要ベンダー、インテグレータが振り返る成功事例~
ECM導入プロジェクトの落とし穴
第19回ECM研究会 開催のお知らせ"</p>
<p>(Via <a href="http://www.ecm-portal.jp/">ECMポータル</a>.)</p>
<p>委員長を務めさせて頂いている、JIIMA ECM委員会の最大のイベントが近づいて来ました。ので、告知的な記事を書きたいと思います。</p>
<h2>ECMサミットとは</h2>
<p>大手ECMベンダ各社様に、呉越同舟的に共同参加していただいているセミナーイベントです。年2〜3回実施しているので、今回で第19回目となる恒例イベントです。</p>
<p>ECM委員会自体はECMの普及啓発を目的とした委員会ですので、国内の関係者に向けてECM関連の情報を広く伝えるという目的で実施しています。このBlogでは再三話題に出ているように、日本国内と諸外国ではECMの受け入れられかたには大きな違いがあります。ECM市場全体としての<strong>パイの拡大</strong>の必要性が共有されているからこその特殊なイベントであると思います。</p>
<h2>今回のテーマ</h2>
<p><strong>主要ベンダー、インテグレータが振り返る成功事例</strong>というテーマを設定しました。このテーマには3つくらいの意図が含まれています。</p>
<ol>
<li>事例の紹介であること</li>
<li>導入プロジェクトにフォーカスすること</li>
<li>インテグレータにも登場してもらうこと</li>
</ol>
<p>まず、事例というポイントですが、これはもう顧客ニーズがあるから、観客の動員が引きやすいから、という理由が一番です。お客様は事例情報を第一に求めているという認識を持っています。やはり、各社のプレゼンが連続しますので、ややもすると営業トークを連続して聞かされるだけ、という印象を持たれてしまうリスクもあります。事例情報については、そのリスクが非常に小さく、お客様にとって有用な情報の密度が高まる、と期待されているようです。</p>
<p>次に、導入プロジェクト、という切片についてですが、これまではECMを導入した結果、プロセスがどう変わったとかコストがどう削減できた、とかっていう事前事後を比較した正攻法の事例をソフトウェアベンダの立ち場からご紹介いただくということをしてきました。しかし、ECM製品もソフトウェアですし、その性格上導入に際してコンサルティングやカスタマイズを行うプロジェクト体制が敷かれるのが一般的であると言えます。プロジェクトには困難がつきものですので、その観点からの成功体験を聞くことでよりECMというものに対する理解が深まるのではないかと期待しています。</p>
<p>最後にインテグレータの登場について。プロジェクトにフォーカスを置きましたが、その担い手はベンダではなくそのパートナ(であることが多い)システムインテグレータです。そこで、今回はご紹介頂ける事例の際の導入パートナにも可能な限りご登壇をお願いしています。これによって、導入現場のより具体的なお話が聞けたり、なぜその製品・ベンダをパートナとして選んだのか、なんていう多面的なお話も出てくるかもしれません。</p>
<h2>内容予告、仄めかし</h2>
<p>正式な情報は今日にも上記サイトで公開予定ですが、いわゆる大量の紙を出発点とした電子化文書のECMへの取り込みの話もありますし、今注目が集まってるアダプティブ(アドバンスド)ケースマネジメントについての具体的な事例も聞ける予定です。他には属性値の取り扱いの際にかならず問題になるマスター情報についての先進事例も登場します。それぞれにまったく別のアプローチになりそうなので、当初テーマを検討した時に漠然と期待していた内容以上の回になるのではないかと思います。</p>
<p><strong>2月25日午後</strong> よろしくお願いします。</p>
<p>(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)</p>
Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/11568508688302375742noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-7230962966009747910.post-47359790248177722602015-02-04T17:47:00.001+09:002015-02-04T17:47:21.764+09:00平成27年度 税制改正大綱の衝撃<p>またまた投稿の間隔が空いてしまいました。</p>
<p>さて、ECM業界的にも株式会社イージフとしても、とても大きなニュースがありました。タイトルにも書いた<a href="http://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/">税制改正大綱</a>です。</p>
<p>私がECM委員長をやらせて頂いている日本文書情報マネジメント協会 JIIMAでもかねてから政策提言を行ってきた規制緩和の<strong>とても重要な部分</strong>が反映されています。</p>
<p>e文書法対応で領収書のスキャナ保存が可能に! というようなニュースをもしかするとどこかで読まれた方もいらっしゃるかもしれません。e文書法は範囲の広い法律なのですが、今回はとくに税にまつわるお話で、話の見通しはあまりよくないかもしれませんが、業界的にはこれは結構大変な出来事であったりします。</p>
<p><strong>これまで税金(に繋がる経理)関連という理由で電子化が進まなかった領域が一気に合理化され、リモートワークなどを含めた生産性向上施策に大きな弾みがつく可能性があります。</strong></p>
<p>弊社にとっても、</p>
<ul>
<li>スキャンデータを法的要件に適う形で管理するためのソフトウェア基盤(と関連サービス)を商材として持っている</li>
<li>緩和対象の条件となっている「適性業務要件」に関する内部統制の知見と実績を広く持っている</li>
</ul>
<p>という特徴を活かす、機会だったりします。</p>
<p>今現在、非常に多くの方が「経費精算」のために紙のレシートを管理し、会社に提出していると思います。領収書という証跡を<strong>紙で保管</strong>するルールがあるからです。誰の目にも、非効率とうつるマニュアルプロセスです。実は、何年も前からこれをスキャナで読み取って電子的に保管することで紙そのものは廃棄しても良いという制度はあるのですが、ほぼ全ての企業で活用されていない実情があります。帳簿データを電子保存している会社の中でも証跡のスキャナ保存まで行っている企業は0.1%未満です。</p>
<p>なぜ、こんなことになってしまうのか。技術的な要件が厳しすぎるからです。10年前の制度設計において重視されたのは、紙の証拠能力に極力近い環境を実現し新たな不正の穴を作らないこと、だったからだと考えられます。しかし、今はITの活用とホワイトカラーの生産性向上が喫緊の課題として認識されているので、今回のような緩和が実現したのだと思われます。</p>
<p>細かい論点はたくさんあるのですが、ここでは我々が考える最大の緩和ポイントである「電子署名」のところだけご説明したいと思います。</p>
<p>これまでは「いつ、<strong>誰が</strong>、どのように」この文書をスキャンしたのか、という情報を保持するという要求の中で、まさに<strong>誰が</strong>の部分にフォーカスしたルールが作られてきました。現行ではスキャニングを行う<strong>個人</strong>の公的個人認証を求めています。「○○係」とか「○○担当」という役割ではなく、石井昭紀なら石井昭紀という自然人の特定を求めているわけです。こうなると、スキャニングという仕事を担当する可能性がある全てのスタッフ(含外注先)の電子署名を公的個人認証サービスから取得して運用しなければならず、分散入力などの合理化などは夢のまた夢となります。(業界の人は、この状況をさして個人の「実印」相当のものを求めている、と表現していました)</p>
<p>この<strong>実印</strong>の部分が撤廃される見込みです。認印、すなわち企業システム内で管理されるユーザIDの情報さえしっかり管理されていれば、<strong>誰が</strong>については把握できていると見なすわけです。もちろん、改竄は防ぐ必要があるのでタイムスタンプによるチェックができる体制は求められますし、ユーザIDそのものの情報の信憑性を担保する意味でも「適正業務要件」が満たされる(=一定水準の内部統制が備わっている)ことを求めるわけですが、<strong>実印</strong>を要求する仕組みよりも格段に合理的であると考えられます。</p>
<p>弊社ではAlfrescoとタイムスタンプサービスの連携モジュールの実装実績もありますし、今であればNemakiWareとの連携も可能です。適正業務要件についての不安についてもご相談にのることが可能です。これを気に電子化・合理化のボトルネックとなっていたプロセスから、改善していくご提案をさせて頂きたいと思います。</p>
<p>(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)</p>
Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/11568508688302375742noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-7230962966009747910.post-32041839123836681182014-12-22T17:50:00.001+09:002014-12-24T08:27:55.698+09:00超個人主義? の話。<p>また、少し間が空いてしまいました。</p>
<p>最近、身近なところで<a href="http://gqjapan.jp/column/column/%E7%8C%AA%E5%AD%90%E5%AF%BF%E4%B9%8B/20141127/trotting-arround-asia-136">チームラボの猪子社長の記事</a>が話題になって、「もしかしたら最近自分が考えてる(色んな人に話をしてもいる)事」と関係があるかも、と思ったのですが、実はあまり関係なかったので、改めてBlog記事を書くことにしました。(猪子さんは、自分と同じ年に生まれてるんですね、凄いなー ...って同年代で立派な仕事をしてる人なんて他にも沢山いるわけですけど)</p>
<p>さて、実際にリンク先の記事を見ても本文には載っていないのですが、記事のタイトルは「アメリカはチーム主義、日本は超個人主義」というものでした。日本人の個人主義というテーマについては、自分達のビジネスである業務用アプリケーションパッケージ、特にECMについて国内での活用がうまくいっていないという状況の説明として、これまでずっと考えてきたことだったので、似たようなことを言っている人がいるのかな? と思ったわけです。実際には私が考えていたような就業観だとか企業文化といった話ではなく、教育の話でした。(それはそれで面白かったですし、共感するところもあるお話でしたが)</p>
<p>最近、この就業観についての話をする機会がとても多くなりました。ECM委員長なんて肩書きをもらったからかもしれません。どういうお話かというと、日本においてはカンバン方式的に<strong>「後工程(上司など)が本当に必要とするまでタスクを自分のところにキープする働き方」が当たり前だし、場合によっては奨励されている</strong>ということです。</p>
<p>
<img src="http://lh5.ggpht.com/-iqu_arP_cxI/VJfcrAbNQmI/AAAAAAAAENs/YfDrcb7cr_g/4koma.png?imgmax=800" alt="4koma" title="4koma.png" border="0" width="445" height="968" /></p>
<p>4コマ漫画的なものを描いてみました。ここで仕事を指示された人は、「別の仕事を振られたら面倒くさい」というネガティブな意味においても、(漫画では表現しきれませんでしたが)より現場に近い見地から上司が把握していないだろう状況の変化にともなう変更の発生時のフットワークを重視するというポジティブな意味においても、最後まで主体的に成果物の提出をしていません。<strong>結果的に当初期日よりも提出行為自体のタイミングは遅くなっています。</strong></p>
<p>日本の場合はこれでよしとされるケースはままあるんじゃないかと思います。提出をしてなくても正味の仕事自体はちゃんとやっていた、と考えられるからです。</p>
<p>しかし、欧米で設計されている業務システム、例えばECMやBPMの場合、この辺の感覚が違っているように感じます。チーム/組織/会社に対して自分に与えられた分の仕事の結果を届けてはじめて仕事の区切りがつく。それは、それ以上の仕事はやりませんよ、というディフェンシブな態度にも見えますが、何かあったときに自分以外の人が対応をとれる状況を作っている(属人化を防いでいる)とも言えるわけです。</p>
<p>この2つの考え方の違いは、今では後者の方が説得力を増し始めていると感じますが(そして我々が導入支援を行っているコンセプトも技術も原則その立ち場に立つものだったりしますが)、本来はどちらか一方が正しいという性質のものではないように思います。ただ、ことITに関する限り、こういうものはグローバルにあわせておいた方が色々と合理的だとは思いますけどね!!</p>
<p>(追記 12/24)ごめんなさい。4コマ漫画的なものを「描いて」みました。って書いちゃいましたが、絵自体はツールのシェイプをそのまま貼っただけです。</p>
<p>(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)</p>
Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/11568508688302375742noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-7230962966009747910.post-3476491200170539712014-11-18T09:56:00.001+09:002014-11-18T09:56:04.370+09:00コンサルタント合宿をやってみました@三浦半島<p>写真は泊まった部屋のバルコニーから見えた日の出です。</p>
<p>弊社の半分は技術系でできているので、いわゆるエンジニア的な合宿はこれまでにもやったことがあるのですが、今回はそうではないコンサルタントを中心にした合宿です。三浦半島に行ってきました。</p>
<h3>コンサルタントとは?</h3>
<p>今回私の担当は<strong>プロフェッショナルマインド</strong>でした。あまり得意な分野ではありませんが、これは我々の場合は突き詰めると「コンサルタントとは何か」という問いに行き着く領域だと思っています。</p>
<p>私や弊社の他の取締役がこの業界に入った2000年代の頭頃というのは、「新卒でコンサルティングファームに入社する」という選択肢が急激に一般化したタイミングでした。ですので、当時は、何故なんの経験も持たない新卒がコンサルティングなんていういかにも知見を必要としそうな業務を担当するのか(できるのか)ということについて数多の言説が流通していました。当事者でなくなったせいかもしれませんが、最近ではそういう話はあまり目にすることがなくなったような印象があります。いずれにしても、私個人として、社会人デビューの時期に「コンサルタントとは何か」という問いを何度もぶつけられたという経緯があるわけです。また、諸先輩方からも色々な考え方を聞かせて頂きました。恐らく、皆が自分なりの回答を獲得する必要があったのだと思います。</p>
<p>一方で、これは今でも感じるのですが、<strong>大手ファーム出身者信仰</strong>とも言えるような、「新卒の時にコンサルティングファームを経験した人材は使い勝手が良い」というバイアスが案件をご紹介いただける提携先やお客様先にも確かにあります。時として手っ取り早く評価を勝ち得る手がかりになるので、その便益を享受してしまってる立ち場ではあるんですが、2つの意味でモヤモヤとした気持ちにもなります。</p>
<ul>
<li>大手ファーム出身者もそれぞれ異なるコンサルタントの定義を持っているように見えるのに、結論だけ都合良くまとめちゃってる気がする</li>
<li>他業種からの転職者で活躍している人達も多数存在する</li>
</ul>
<p>求人時に学歴を参考にするかどうか、というのと同じく、それらが確定的な要素と考えているわけではなく、あくまでうっすらとでも相関を感じていればそれを意思決定に反映したい、という思いなのだというのは理解できます。しかし、コンサルタントというのは個人単位での評価を細かく受ける仕事でもあるので、個々の評価のタイミングで経歴要素が不当なバイアスとしてかかっている可能性、みたいなものを排除しきれないのは、多少気持ちが悪いわけです。</p>
<p>個人として、評価をする立ち場からこの気持ち悪さを乗り越える方法は、私もまた自分なりのコンサルタントの定義を相手に伝え、その定義と結びつけた評価を行っていくしかないと考えました。</p>
<p>なかなか時間的な制約もあって、今回の合宿でもらったコマの時間内ですべてを表現することはできませんでしたが、今後もこういう取り組みは続けていこう、ということになりました。</p>
<p>(私が具体的にどういう定義を採用しているのかについては、また今度機会があれば書いてみたいと思います)</p>
<h3>BPMもやりました</h3>
<p>本題です。1日目は上記の私の講義(?)と各コンサルタントからのプロジェクトの成果などについての報告、そしてボードゲーム大会…だったのですが、2日目には最近何度かここでも言及しているクエステトラのサービスを使ったワークショップをやってみました。</p>
<p>チームに別れて、対象業界を定義し、簡単な(プレ)提案資料とデモを作る、というワークショップです。事前に少しだけ座学っぽいセッションも入れましたが、基本的には朝から夕方までまるまるグループワークです。もしかすると丸一日かけなくても同じようなことはできるかもしれませんね。さすがはクラウドサービス。</p>
<p>これまでエンタープライズ系のパッケージ導入支援なんかをやっていたコンサルタントのメンバーから見ると、PDCAサイクルをお客さんに近いところで回せる、っていうところが大きな価値に見えるようでした。このあたりはちょっと深掘りしてみたい論点です。</p>
<p>普段はついつい、 PDCA? 英語圏でもPlease Don't Change Anythingとか揶揄されてる奴? みたいな似非無頼を気取り勝ちな私ですが、基本に忠実に、という美徳を思い出す良いきっかけであったように思います。反省しました。</p>
<p>(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)</p>
<p><img style="display:block; margin-left:auto; margin-right:auto;" src="http://lh5.ggpht.com/-F3LFi14zRd8/VGqZIbd55nI/AAAAAAAADcg/bJfj7Dtt_cQ/IMG_0323.jpg?imgmax=800" alt="IMG 0323" title="IMG_0323.jpg" border="0" width="600" height="450" /></p>
Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/11568508688302375742noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-7230962966009747910.post-72963173645559970032014-11-15T15:47:00.001+09:002014-11-15T15:47:33.999+09:00ワークショップに参加するためにまた京都へ<p>11月12日に<a href="http://www.mijs.jp/archives/2939">MIJS京都ワークショップ2014</a>に行ってきました。今回のイベントは、パートナーでもあり大学院の先輩の会社でもあるクエステトラさんが幹事をやられていたそうです。</p>
<p>うちは(まだ?)MIJS会員企業ではないので、あくまで一般参加です。</p>
<p>MIJSはその名もMade in Japan Softwareコンソーシアムという組織で、圧倒的な輸入超過状態にある日本のソフトウェア産業の担い手達が、切磋琢磨しつつ海外市場へ乗り出していくためのグループ、、、だそうです。</p>
<p>大規模向けの業務パッケージソフトウェアは基本的に海外製である、というお話は実は私も折に触れてあちこちでさせてもらっていますが、それはあくまでパッケージソフトウェア導入コンサルティングという仕事の内容や特徴を説明するためであって、主体的に「自分達が日本製のソフトウェアを盛り上げていく」という立ち場にたって考えるということはほとんどしたことがありませんでした。(そもそも、自社でパッケージソフトウェアを開発するという、という立ち場にたったのも最近のことですし…)</p>
<p>日米の市場を比較して、日本ではパッケージソフトウェアそのものがほとんど導入されていない! というお話がありました。私自身はERPのトレーニングを受けてその導入プロジェクトに参加した後で、そこからECMに流れていったので、<strong>「日本ではERP(やCRM)はちゃんと入ったのに、ECMは全然売れていない!」</strong>という枠組みで考えがちでしたが、もうちょっと視野を広げるとそもそもパッケージという枠組み全体での日米格差っていうのは確かにあったわけです。この辺はECMのことをよくご存じでない方々とお話する上では改めて留意すべき点であるように思いました。</p>
<p>あ、でもうちの製品はむしろ海外からの方が買ってもらってますけどね! って全然規模が小さいわけですけど。</p>
<p>(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)</p>
Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/11568508688302375742noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-7230962966009747910.post-34195751931794352292014-11-09T20:09:00.001+09:002014-11-09T20:09:39.946+09:00騎士団の招集に応じて(?)<h3>OOTB!</h3>
<p><a href="http://orderofthebee.org/">OOTB</a>という文字の並びを見ると、私の場合は『アウト・オブ・ザ・ボックス』かな?と思います。パッケージ製品をカスタマイズせずに利用する、というニュアンスの言葉で、いわゆるIT系の人が相手でも通じるとは限らない表現である気もします。(Python界隈の人だと『バッテリーインクルーデット』っていう別の表現もありますが、あくまで「カスタマイズ」の有無に関するものなので、実際には全然違う意味で使われる言葉になっています)</p>
<p>さて、妙な前置きが長くなってしまいましたが、<strong>パートナーシップは解消したものの</strong>依然として弊社のビジネスの中核を担う技術であるAlfrescoのお話です。</p>
<p>ここをご覧になっている方は大抵よくご存じであると思いますが、弊社がそのパートナシップの環から外れた後もAlfrescoは順調に業績を伸ばし、経営陣も入れ替えてIPOに向かって邁進し、業界に確固たる地位を築いています。国内でもパートナー企業が増えているので、以前に比べより多くの人にその情報が届く状況になってきたかと思います。</p>
<p>ハイブリッドクラウド構想とハイエンド指向を推し進め、大規模案件でも不安のない製品としてのポジションをオープンソース製品が勝ち得たことは非常に大きな意味があると思います。</p>
<p>そうした派手な方向とはまた別の指向で、そこまで大規模ではない事案へのフォローですとか、開発者コミュニティの育成という意味での<strong>コミュニティの活性化</strong>という面でAlfrescoが話題になることはこれまであまりなかったように思います。強いて言えば、ecmarchitect.comの管理人でコミュニティアワードを受賞していたジェフ・ポッツ氏がコミュニティオフィサーという肩書きでAlfrescoにジョインした時くらいでしょうか。(そのジェフさんも先頃退職されてしまいましたが)</p>
<h3>蜂の騎士団の結成</h3>
<p>ようやく本題です。OOTBとはOrder of the beeの頭文字を並べたものです。ハリーポッターのフェニックス騎士団と同じ訳し方をするのであれば蜜蜂騎士団、という感じでしょうか。Alfresco Software社とは独立した形でAlfrescoのエコシステムを成長させていくために集ったコミュニティメンバーの組織です。その中には顧客側の人もいれば、Alfresco Software社の社員もいます。独立したエンジニアもいれば、我々のような会社もいるようです。</p>
<p>私自身も個人の名前で登録してもらっていますが、会社も<a href="http://orderofthebee.org/professionals/">プロフェッショナルネットワーク</a>のページに載せてもらいました。再び<strong>アジア初</strong>だったみたいですね。</p>
<p>(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)</p>
<p><img style="display:block; margin-left:auto; margin-right:auto;" src="http://lh3.ggpht.com/-wfQMLAb9Byc/VF9LcM_D2jI/AAAAAAAADbk/Lu7fyAkwtkQ/NewImage.png?imgmax=800" alt="NewImage" title="NewImage.png" border="0" width="70" height="68" /></p>
Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/11568508688302375742noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-7230962966009747910.post-54536946127827260422014-10-30T09:54:00.001+09:002014-10-30T09:54:32.965+09:00韓国のu-Paperlessというイベントで講演をしてきました<p>人生初の釜山です。<a href="http://upc.dca.or.kr/">u-Paperless 2014</a>という韓国のDCA Digital Content Associationという日本で言えばJIIMAにあたる団体主催のイベントでドキュメントプロセスアウトソーシング DPO Document Process Outsourcingというテーマで講演をしてきました。(ちなみに、すごく正直なことを言うと、DCAに対しては韓国はこういう活動に政府の後押しがあって羨ましい、という気持ちを持っています。イベントも立派でした。)</p>
<p>様々なトラブルがあったのですが、なんとか生き延びました。</p>
<p>ECM委員長になっての初仕事というつもりで半ば軽い気持ちで引き受けたのですが、(あ、初仕事はeドキュメント JAPAN版ECMサミットでしたね)、思いの外立派な会場で、完全に気合い負けしてしまいました。講演後の食事の席などで、各国の皆さんから暖かい言葉をかけられ、個別に深掘りしたような話もできたので、会場で見られただけの他の出席者の方には大変申し訳ないのですが、私としては収穫の大きいイベントでした。</p>
<p>講演したテーマについては勝手に資料を公開して良いのかどうかまだ判断がつかないので、簡単にここにまとめてしまいますと、</p>
<ul>
<li>DCAより歴史の古い(!)JIIMAの視点からみると、文書管理にはマイクロフィルム・デジタルイメージング・ボーンデジタルの大きな潮流あるいは「時代」があったと言える</li>
<li>マイクロフィルムはアナログからアナログ、デジタルイメージングはアナログからデジタル、ボーンデジタルは文字通り始めからデジタルのものの取り込み</li>
<li>それらの技術の提供者がオペレーションまで一括で引き受けるアウトソーシングには結構な歴史がある</li>
<li>技術者依存、ハードウェア依存、ソフトウェア実装、という形で後に行くほど取り扱いに(つぶしが利かない技術という意味での)専門性が不要になっていく</li>
<li>アウトソーシングの分野でもBPO一般の事業をやっているプレイヤーや、所謂一般事務派遣に強い会社からのドキュメント関連プロセスへの参入がある</li>
<li>e-Governmentのランキングなどから見ても韓国はボーンデジタルへの移行という意味で日本の先を行っている</li>
<li>日本の場合はドキュメントイメージングが主戦場であるという認識だが、そこにボーンデジタル時代の技術が援用できているという面白さもある</li>
<li>例えば(現地で紹介した事例)では3、4ヶ月でこれだけの処理能力があるセンターが立ち上がっている</li>
<li>新しい技術の活用とともにスキャニング前の事前準備の段階にノウハウの集積があるという点も重要である。このステップで時に10倍近くの生産性の差が生じると言われている</li>
<li>ドキュメントイメージングの必要性は今更指摘するまでもないところだが、このように事業者側の組織的な学習の実態もあるので、業界全体は今後も成長を続けると考える</li>
</ul>
<p>というような内容でした。いや、絶対こんなにちゃんと喋れてないですけど。後で英訳してメールも送っておこうかな…</p>
<p><img src="http://lh5.ggpht.com/-6zCYTZe0k84/VFGMPAYP-iI/AAAAAAAADa8/Xhi9I_eavxo/IMG_0279.JPG?imgmax=800" alt="会場であったBEXCO" title="IMG_0279.JPG" border="0" width="600" height="450" /></p>
<p>(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)</p>
Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/11568508688302375742noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-7230962966009747910.post-37279951625442302022014-10-25T15:12:00.000+09:002014-10-25T20:25:22.352+09:00経営情報学会で発表してきました。新潟に来ております。<br />
お邪魔し始めてからそろそろ1年ちょっとたつIT資産価値研究会(経営情報学会の部会になっているんです)の方々と一緒にグループ発表をしました。<br />
<iframe frameborder="0" height="400" marginheight="0" marginwidth="0" scrolling="no" src="//www.slideshare.net/slideshow/embed_code/40705060" width="476"></iframe><br />
<pre> </pre>
見るからにマニアックなテーマですが、一応真面目に検討をしています。業務システムのコンサルティングの現場では、経営層や、あるいは時としてプロジェクト首脳部が、十分な技術的裏付け無しでの意思決定をしているようにしか見えない場面、というのに出くわすことがあります。少なくとも、現場レベルではありふれた愚痴の一つと言えると思います。<br />
<br />
現場サイド、技術サイドが常に正しいとは限りません。それぞれの立ち場から見えるものだけを材料に判断せざるを得ないのは誰にとっても同じです。ただ、より上位の意思決定者の方が、単純な広さ(深さ、ではなく)という意味で、現場からは見えない幅広い情報(懐具合とか)を含めた意思決定をしているだけです。そういう意味では「大人はわかってくれない」式の愚痴でしかないのかもしれません。<br />
<br />
大人は子供だったことがあります。子供はまだ大人になったことがないわけですから、ここには非対称性がある。しかし、どの大人も「今日の」子供であったわけではない。それに、忘れてしまっていることもありますし、単にしがらみが増えて自由度が落ちていることもあるわけですから、常に大人の方が正しくものを見てると考えるのは危険です。<br />
<br />
ITシステムの話に戻すと、意思決定者であるビジネスサイドが適切な技術レベルの効果やリスクを理解できてないケースが非常に多いのではないか、という問題意識があります。(コストについては、こういう相互不理解はほとんどないと思いますが)<br />
その最たるところが、<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8A%80%E8%A1%93%E7%9A%84%E8%B2%A0%E5%82%B5">技術的負債</a>というものに対する評価だと思います。これは(原義とは異なりますが)ビジネスサイドの要望に応えるために、技術サイドが抱え込む「負債」です。負債なのにその意味がわかっているのは技術サイドだけ、という構造です。<br />
<br />
そこで、<strong>「初期費用をケチらずに良い設計をしたら、後でどれだけ良いことがあるのか」</strong>を定量的に評価する試みをしてみました。題材は、初期費用をかけて開発段階でモジュラー化を十分に検討し、疎結合なアーキテクチャを採用すると、後の改修時(ビジネス環境の変化スピードが高くなればなるほど、多く発生するはずです)に、修正点を絞り込めるので工数もそれだけ減る。という構造をそのままモデル化しています。<br />
<br />
まだまだ、こういう前提を勝手におくと、5年くらいでトータルコストが逆転するよ、とかっていう話しかできていませんが、ゆくゆくは現実のメトリクスなどを参考にしながらモデルの精緻化をしてみたいと思います。<br />
<br />
その後で、(ECMやポータルエンジンなどの)筋の良いプラットフォームを導入することのメリットを定量的に説明できるようにして行きたいです。いつになるかはわからないんですが…<br />
<br />
(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/11568508688302375742noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-7230962966009747910.post-76028110262657867002014-10-23T10:06:00.001+09:002014-10-23T20:06:02.318+09:00ポータルの方のMagic Quadrant<p><a href="https://www.liferay.com/ja/web/bryan.cheung/blog/-/blogs/liferay-s-thoughts-on-the-2014-gartner-magic-quadrant-for-horizontal-portals">Liferay's Thoughts on the 2014 Gartner Magic Quadrant for Horizontal Portals</a> というLiferay社CEOであるBryan CheungのポストがLiferay Blogに上がっていますね。</p>
<h3>Magic Quadrant?</h3>
<p>ここを見て頂いている方の多くには説明が不要かもしれませんが、Gartner恒例のマジッククワドラントという各ソリューション領域毎のベンダ評価マップとそのレポートに対応した記事です。マジッククワドラントは横軸にCompleteness of Vision(ビジョンの網羅性)縦軸にAbility to Execute(実現能力)をとった4象限のグラフに各ベンダを配置したもので、それぞれ、両軸共に優れたポジションにいるリーダー(右上)、ビジョンは優れているが実行能力や実績でリーダーに劣るビジョナリ(右下)、限定された領域で優れた実行能力を示しているチャレンジャー(左上)、それ以外のニッチプレイヤー(左下)に分類されます。</p>
<p><img style="display:block; margin-left:auto; margin-right:auto;" src="http://lh6.ggpht.com/-2nYIbMxGraQ/VEjhF8GOv2I/AAAAAAAADVM/KPPlmy4xZMI/Untitled%2525201.png?imgmax=800" alt="MagicQuadrantの見方" title="Untitled 1.png" border="0" width="299" height="298" /></p>
<p>この分類においてLiferayはリーダーに位置づけられています。Liferayがこの象限に入ってからもう何年もたつので若干驚きが薄れてるところもありますが、これは実は結構凄いことです。</p>
<p>まず、リーダーには他にどんなベンダがいるのかを見てみると、IBM・SAP・Oracle・Microsoftと<strong>業界の4巨頭のみ</strong>です。Liferayの様にポータル専業の会社は他にありません。</p>
<p>また、IPOで盛り上がっているという意味でも、大規模案件への対応力をしっかり示しているという意味でもこれまで以上にプレゼンスを高めているAlfrescoが、ECMのマジッククワドラントでは6年連続のビジョナリ(それだって凄いことなのですが)ということからも、オープンソースモデルの専業ベンダがこの象限に入っていることが如何に快挙であるかということがわかると思います。</p>
<p>昨年は、MicrosoftとIBMとOracleに対して実行能力で差を付けられた形の4位(ビジョンの評価はOracleよりもやや高かったのですが)ぐらいのポジションでしたが、今年はLiferayよりも高いスコアを出しているのはIBMだけです。</p>
<h3>Gartnerはどんなことを言ってる?</h3>
<p>実際には<a href="http://www.gartner.com/technology/reprints.do?id=1-22PHCII&ct=141002&st=sg&submissionGuid=16a44220-6aa6-4778-9f8f-d4e35b8080ea">原文</a>を見て頂くのが良いと思いますが、各ベンダの強みと脅威についてのコメントが出ています。</p>
<p>Liferayに関しては、この数年<strong>Javaベースのポータル製品としては最も高い成長スピード</strong>を見せているし、無償版とEnterprise版をうまく両立させているという評価がまずあります。さらに強みとして、大規模案件にも怯まず実績を積んできていること、モバイル・ソーシャルへの集中投資を続け素早い機能強化を成し遂げていること、顧客満足度が高いこと、を挙げています。</p>
<p>一方脅威としては、ライヴァルと比較して会社が小さい(さすがにあのラインナップでは!)こと、ユーザがオープンソースベースのアップグレードやサブスクリプションのモデルに馴染みがないことが(未だに!)あり得ること、エコシステムが拡大しているが小さい会社も多くスキルセットも分散気味(ごめんなさい!)であること、標準で提供される機能が競合に比して少ないこと、などが書かれています。</p>
<p>とりあえず、脅威に関しては、日本で弊社が支援しながら導入を進めていく、という意味では、特に問題はなさそうですね。(標準機能は多い方がいいですが、個々の機能についてグループウェアなどと直接戦うのにも限界がありますし)</p>
<h3>Liferay CEOのメッセージは?</h3>
<p>これも冒頭のリンクから原文をあたって頂くのが良いと思いますが(公式の翻訳ではないので)、幾つか面白いと思った点を紹介したいと思います。</p>
<p>まず、なぜGartnerのこのポータル領域のレポートにいわゆるWebコンテンツ管理製品(WCM、CMS)のベンダが名前を連ねているのか、という点についてのコメントがあります。要するに、現代の企業Webサイトは一方通行の情報発信ではなく、<strong>顧客体験にフォーカスせざるを得なく</strong>なっている。結果として、匿名のアクセスを捌くための従来型からあるWCMの機能とリアクション(分析とか追跡とか)を行うデジタルマーケティングの機能と、ユーザの登録・認証前提の体験、いわゆるポータルやカスタマーサービスのための機能の両方が必要になってきている、と。</p>
<p>その上で、<strong>それなら、はじめからログイン前提の使われ方(後者)の方で鍛えられてきたプラットフォームの方が有利だよね?</strong>と言っているわけですね。</p>
<p>次に、リーンなユーザ体験(Lean UXP)というキーワードに対してもコメントを残しています。これはちょっとまた話がそれてしまいますが、要するに、「Web配信のために素材や記事を溜め込んで、使い回したり、ワークフロー承認したり...」という従来的で重厚なCMSよりも、もっとスピードを重視しつつA/Bテストをはじめユーザの挙動を分析して露出面をどんどん練り上げていく方が大事だよね、という新しいトレンドにどう対応するか、というポイントです。これについては、その重要性を受け止めつつ、従来的なフレームワークの価値を手放さずに実現する手段として、<a href="https://www.liferay.com/ja/marketplace/-/mp/application/43707691">Audience Targeting EE</a>というアプリを紹介しています。</p>
<p>アジャイルな方向に攻めすぎると管理が疎かになるので、これは良い方向性だと思います。(それでも、もっとリーンに攻めたい、っていうニーズはあるかもしれないですけどね)</p>
<p>最後に、ポータル領域の3大シナリオ、というGartnerのニーズの整理について言及しています。パブリックなWebサイトは<strong>デジタルマーケティング</strong>、サービスポータルは<strong>顧客体験</strong>、従業員向けイントラネットは<strong>生産性と知識</strong>、と言った感じで3つのポータルのコアなユースケースに対するフォーカスポイントを示しています。このあたりは、我々が感じている顧客ニーズの方向性とも一致していると思います。</p>
<p>Blogの引越を試した流れで調子に乗って書いてみましたが、例によってちょっと冗長というか長すぎますね。図もないし...</p>
<p>(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)</p>
Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/11568508688302375742noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-7230962966009747910.post-78886519343036632842014-10-21T06:41:00.000+09:002014-10-22T20:08:34.779+09:00ECM : 文書管理ソフト なら ( ) : ワークフローソフト の空欄に入る言葉は?<p>先週金曜日、<a href="http://www.questetra.com/ja/">Questetra クエステトラ</a>さんの矢作さんにパートナー向けのトレーニングを実施して頂きました。</p><br /><br/><p>営業向けセッションと技術系セッションの2本立てということでしたので、弊社側も(業務改善系などの)コンサルティングチームのリーダーやOSSコンサルティングのメンバー、それにマーケティングの人間を巻き込んで色々とお話を聞かせてもらう会になりました。</p><br /><br/><p>なんとなく想像はついていたことではあるんですが、やはりBPMあるいはBPMSのビジネスも「他のもっと安そうな奴」との比較にさらされるという難しさがあるようです。具体的には、いわゆる「ワークフロー」のツールと言われる、「簡易的に帳票フォームを作り、ユーザ好みの申請・承認フローに流せる」というソフトウェアとの比較、ということになります。</p><br /><br/><p>詳しい話はここでは割愛しますが、今回お聞きした色々な話は、我々がECMのビジネスを行う上でいわゆる「文書管理」のための国産ソフトウェアとの比較で説明に苦慮していたのと同じような構図にある、ということがとにかく印象的でした。あるいはエンタープライズポータルと「グループウェア」の比較、でもいいかもしれません。</p><br /><br/><p>プラットフォームかプロダクトか、という話題がLiferayのプレゼンなどにもよく出てきます。その上に独自の専用アプリをくみ上げていけるような環境を提供するのか、「箱を開けてすぐに使える」完成品を提供するのか。パッケージソフトウェアのビジネスも、実は、「パッケージ」なんだから完成品だろう、というような簡単な割り切りができるようにはなっていなかったりします。</p><br /><br/><p>例えば、Liferayはどちらの路線も捨てずに取りに行く、と宣言しています。プラットフォームとしての価値を確固たるものにするための技術的な努力と、「すぐに使えるアプリ」を提供していくことでエンドユーザにとっての魅力を高め導入スピードを速める努力、の両方を製造元の責任と捉えているということだと思います。</p><br /><br/><p>公的なマーケティングメッセージはプラットフォームとしてもプロダクトとしても価値のあるものを提供する、ということになりますが、私はより本質的な価値はプラットフォームとしての部分にあると考えています。個別のアプリケーションは、ユースケースや適用業界を絞ることでより洗練された設計と実装工数の節約ができます。(プラットフォーム指向ではない)専門アプリケーションの方が、多くの場合ではそこだけ見れば「できがよく」「価格も安い」。</p><br /><br/><p>ただし、それらの仕組みは新たなサイロを生み出します。</p><br /><br/><p>エンタープライズポータルにしてもECMにしてもBPMにしても、わざわざ「サイロを作らない統合的なシステム作り」を支援するような仕組みを大げさに持ち出すアプローチは、これまではコスト的なオーバーヘッドも大きく、プロジェクト単位の投資ではなかなか正当化が難しかった面がありますが、OSS製品やクラウドサービスの台頭によりシステム構築規模に比較するソフトウェアライセンスの金額的なインパクトが小さくなってきたことで、どうにか乗り越えられそうな素地が出来てきていると思います。</p><br /><br/><p>「新たなサイロができてしまうとしても、安くて導入が早いものを入れる」という判断がビジネス的に正しいというケースもたくさんあり得ます。私たちとしても単純な脅し文句として「サイロ」という単語を乱発したいわけではありません。新たなサイロが生み出す技術的な負債の評価ができているのか、ということだけが問題です。</p><br /><br/><p>そこで節約したコストと得られたスピードは、将来の維持コストの増大や潜在的な適用分野に関する制約(ある一定以上の範囲に広げようとすると技術的な無理が急激に増すとか、別製品への引越が必要になるとか)と見合うものなのか。</p><br /><br/><p>ECMやBPMなどの3文字略語の「意識高い系(? 今日的な揶揄も込めて)」は、以前はビッグベンダや大手SIerによる安心料的な高コスト体質と不可分でしたが、今では違います。コストは如実に下がっていますし、クラウドの無償プランやOSSを組み合わせて、その気になれば自社でも検証や構築ができてしまうわけです。自社のシステムを長期の視点で主体的に育てていく気があるのかどうか、ということが実質的な分水嶺になると思います。</p><br /><br/><p>うーん、うまくまとまらない。一番言いたいのは、LiferayもQuestetraも、プラットフォームとしての目線の高さは維持したままプロダクトとしてすぐに使えるソリューションの提供に腐心しているから、最後のとこだけ見てる人から見るとその足枷が無い(逆に言えばそのソリューション領域に専心している)ツールに対して分が悪いこともあるかもしれない。でも、この目線の高さは、思った以上にすぐにメリットとして返ってくるもんですよ、ってところなんだけど。</p><br /><br/><p>表題は、イギリス:牛乳 = ロシア:( )の方が良かったですかね?<br />それとも、オランダ:靴 = ( ):樫鳥で、ローカライズの困難さ問題に切り込むとか。</p><br /><br/><p>(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)</p><br /><br/><br/>Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/11568508688302375742noreply@blogger.com