2012年6月13日水曜日

WordによるDITA編集

Simply XML | Home: "Let the rest of your organization get the benefits of XML."


最近技術評価作業で協同作業をしていただいている会社さんの製品(と支援体制)に感銘を受けたので、特にオープンソース製品ということではありませんが、ご紹介したいと思います。


XMLで技術文書を作成するための標準規格(という説明で良いのでしょうか?)、DITAに対応したXMLオーサリング環境の選択肢として、「使い慣れたMicrosoft Wordで編集」を実現するソリューションです。DITA1.2のすべての表現に対応しているわけではないのですが、WordでWYSIWYG的な環境でDITAコンテンツを作れるということには一定の価値があると思います。XML以外のコンテンツ形式での編集を禁止したいがフル機能のXMLエディタを全員に配るのは非現実的、なんて状況はよくあるわけですし。


このContent Mapperという製品、残念ながら現時点では日本語に対応していないのですが、製造元のSimply XML社の迅速な対応により我々の評価環境ではすでに日本語(とECMリポジトリとの接続)がしっかり動作するようになっています。まだ、検証段階なんですがSimply XML社のメンバのレスポンスは非常に早く(一度、「今野球を見に来てるから帰宅時まで待ってくれ。あ、でも延長戦だ!」というメールが返ってきたことがありました。なんてアメリカンな・・・)、心強いです。また、彼らのライセンスサーバは使用許諾や課金状況をチェックするだけでなく、ソフトウェアモジュールやテンプレート類の配信管理の機能もあるらしく、バグの報告をする度に修正版をサーバにあげてもらい、次回起動時には自動的に問題が解決する、というフローになっています。Wordを利用!、というコンセプトはEUCよりに見えなくもないんですが、やはりDITA周りではこういったエンタープライズIT的な工夫がしっかりされているもんなんですね。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2012年6月7日木曜日

Liferayロードショーもどき

Liferay社のグローバルオペレーションの責任者であるMichael Han氏が諸国行脚と途中、来日して弊社オフィスにも来てくれました。


バージョン6.1や今後の計画についての情報共有が主な目的だったのですが、6.1は控えめなバージョンナンバーの割に大きな変化を持つバージョンであるように見えました。特にAlfrescoのパートナーでもある我々としては慎重に正しい使い分けのあり方について提案できるようにしていかないといけない側面があると思います。


6.1ではコンテンツ管理、文書管理の機能が大きく強化されています。メタデータ管理やワークフロー管理については特に顕著にその傾向が見て取れます。しかし、想定されている利用方法は、Alfrescoのそれとはある意味で正反対のものであると考えられます。


Alfrescoは本格的なECM製品であり、シリアスな用途においてやはり最後はカスタマイズを完全に避けることはできない、という前提が暗黙に存在しているように感じます。だからこそ、ワークフロー定義のGUIなどECMのコアサービスの可能性を制限してしまいそうなモジュールはなかなか実装されませんでしたし、最も安定的にメタデータ管理の実装を行う方法は現在でもXMLファイルの編集によって行われます。それに対して、これらの機能の標準パターンだけをうまく使いこなせれば、ファイル管理の方法として成果をあげられそうな、ECM文脈でいうところの「シリアス」な用途とまではいかない規模のニーズというのも一定量存在するのは事実であり、Liferayの文書管理機能の強化はその領域を意識して設計実装されている、と考えられます。


また、6.1ではソーシャルビジネスシステムであるLiferay Social Officeも配布物としては同梱されるようになりましたし、実事例も増えていくのでは無いかと思います。その当たりも含めて継続的にご紹介していきたいですね。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)