2011年1月21日金曜日

コンサルティングという仕事

求人の局面で意味をなしそうなことを連投する、という企画の続きです。


まずは、どんな仕事をしているのか、というお話から。コンサルティング、という言葉は意味が広すぎるので、弊社のサービス内容としての「コンサルティング 」の中身についてご紹介したいと思います。


Webサイトの会社紹介のページにも簡単に触れていますが、私を始めaegifの初期メンバの過半が外資系コンサルティングファームの出身者です。その全員が、部門こそ違っていますが新卒時に総合系ですとか、かつては会計系と言われたファームに入社しました。そのため、実はコンサルティング以外の仕事の経験がほとんどなかったりします。


この時点で、まず1つの分岐があります。世の中一般でコンサルタントといった場合、個人として卓越した知見を持ち、ある種伝道師のようにその知見を求めるクライアントに助言を行う、というスタイルをイメージされるケースがあります。以前はグレイヘアードなんて表現を目にしましたが、最近そういう言い回しはあまり聞かなくなりましたね。我々は新卒時にいきなりコンサルティングファームの門を叩き、コンサルタントになっているので、そういうタイプの仕事をしているわけではありません。新社会人に対して、助言だけで価値を生み顧客の役に立つということ求めるのは無理があります。我々がおこなってきた仕事は、もう少し「システマチック」なものです。


我々が新人だった10年間頃、会計系のコンサルティングファームはSAP R/3などのERPの導入に力を入れていて、私自身もそのトレーニングを受け、大規模な導入プロジェクトにアサインされました。(そこで、たまたま巡り会ったECMパッケージとの縁が今のAlfrescoのビジネスにつながっているのですが、今回の話の筋とは離れてしまうのでここでは触れないでおきます。)


こういったシステム導入のお手伝い、特にパッケージソフトウェアの導入というのは非常に「システマチック」な性質を持つ仕事です。もちろん、情報システムにかかわるから「システマチック」と表現しているわけではありません。プロジェクト(独自性があって、反復を前提としない、期限が切られたアクティビティ)として、様々な意志決定を行い、システムの設計と定着化を目指すにあたって、1つ1つの意志決定の積み上げをいわば積み木のように慎重に積み上げいく必要があります。関与するステークホルダが多い大規模システムの場合は積み上げるべき検討事項の数や依存関係が膨大になり、かなり「きっちりと」積み上げていかないとすぐにあちこちにほころびが生じてしまいます。そこで、プロジェクトの現場で、各検討事項を「きっちりと」捌いて積み上げていく、というお作法になれた人員が求められます。きっちりと定められた手順、要求された品質で、作業成果を積み上げていく、という実態を「システマチック」と表現しました。また、こうした要求に応えられる人たちのことを(ERP)コンサルタント、と呼んでいると思います。



  1. プロジェクトワークの全体像を把握でき、その中での自分の役割を認識できる。


  2. そのパッケージを有効に活用し無用な追加開発をさけることのできる標準機能やカスタマイズ負荷についての知識を持っている。


  3. 抜けもれなく前提条件をおさえ、フェアな意志決定ができるだけの情報を整理し、その仮定を適切に記録して振り返りに対応できる体制を構築維持できる 。(プロジェクトの緊張感をささえる土台となれる、プロジェクトを牽引できる、という言い方をする場合もあります)


などのスキルが求められます。 2.だけがパッケージなどの技術に特化した知識の要件で、実際にはそれ以外の要件は「プロジェクトワークの専門家」であるということにつきます。パッケージの知識については担当領域さえ絞り込めれば比較的短期間に学習することができますし、何より、各技術・知識領域の専門家達が学習のための教材を用意しているケースもたくさんあります。そのため、プロジェクト実行担当者として頼りになるかどうか、が仕事をできるかどうかの判断基準になっています。


もちろん、aegifのコンサルタントにも、こうした実行力を求めています。


(おそらく)つづく、


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)




2011年1月19日水曜日

求人(?)

景気の波、ということでしょうか、おかげさまでこのところ「人が足りない」という贅沢な悩みを抱えています。時折、弊社のWebサイトから直接応募をしてくださる奇特な方もいらっしゃるので、そういう方の参考になるような情報にも触れておきたいと思います。実際、こちらのBlogまでリサーチして頂けるかというとちょっと難しい気もします。仕事で調べている紹介会社の方のほうが、あるいは沢山読んでくださっているかと思いますが、今のところ具体的な候補者なしでのコンタクトは一律お断りしてると思います。(すみません、直接の担当ではないので間違ったことを書いているかもしれません)


今現在(2011年1月)、Webサイト上では”ビジネスコンサルタント”と”会計コンサルタント”の2つの職種について記載しています。今、特に不足しているのは前者のビジネスコンサルタントですが、もちろんOSS領域の技術者の方で弊社に関心を持って頂ける方がいらっしゃればお気軽にコンタクトをとって頂きたいと思っています。(上に牽制的な書き方をしてしまっていますが、人材紹介のコンサルタントの方々には大変お世話になっていますし、今後もともに成長していきたいと考えています。ただ、直接求職者の方からコンタクトを頂いたケースの方がコストがかかりませんし、ベンチャーなのでなんとなくそのことで気分が盛り上がる面もあります。その意味で、うちに限らずベンチャーへの求職者には直接応募を強くお勧めします)


ところで、ビジネスコンサルタント、というタイトルは漠然としすぎている、という批判もありえるのではないかと思います。これは本当に悩ましい問題です。例えば、Webサイトの【求める経験・資格】の欄にも「コンサルティング会社での業務コンサルティング経験」とだけ記載されています。一方で、【歓迎する資格】にはいわゆる外資系のコンサルティングファームではさほど一般的であるとは思えない、中小企業診断士やITコーディネータが列挙されています。これでは弊社がどういう人材を求めているのかよくわからない、という方もいらっしゃるかもしれません。


そこで、小さい会社ではありますが実際にはいろいろなタイプの人間がいろいろな仕事をしているので、本当は私の意見だけに会社を代表させるわけにはいかない部分もありますが、今後数回にわけて、私が考えるコンサルティング仕事の具体的な中身や求めている人材像なんかについて書いていきたいと思います。また、求職者の方からよく質問される、起業した理由ですとか今後の事業戦略なんかについても、まとめられる範囲で書き散らしていくつもりでいます。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)




2011年1月18日火曜日

Some experiences in developing for Alfresco | Generis Blog


Having originally been a Documentum-only shop, we moved onto other platforms a couple of years ago, and I asked the developers to give me some thoughts on the joys and frustrations of developing tools for the Alfresco platform. This feedback is dumped here in no particular order, in case it can help guide others!

[From Some experiences in developing for Alfresco | Generis Blog]

CMISブラウザの1つであるCARAの開発元であるGeneris社のBlogにAlfrescoに対するエンジニアの感想をまとめた記事が載っていました。


CARAはAlfrescoとDocumentumとSharepointの3つのリポジトリに透過的にアクセスできる世界初の(ブラウザベースの)製品と触れ込みで、リリースされています。今後、FileNetやLiveLinkへも対応していこうとしているようです。元々Documentumを取り扱っていたチームが開発を行っているようですね。


そんな彼らのAlfrescoについての雑感が述べられている元記事ですが、



  • コンテンツ保存時に権限や属性値の自動再計算を行うロジックにContentServicePoliciesを使った。クライアント非依存のロジック埋め込みという目的は達することができたが、DocumentumのTBOの方がオブジェクト指向的で良かった。


  • ロジックを「アクション」として実装することで見通しが良くなった。


  • SpringFrameworkを利用して拡張できる。このときAlfrescoのオリジナルコードもソースを見て参考にすることができる、というのも良かった。


  • いくつかバグがあったので報告した(ALF-2705とALF-2837 )。これは良くなかった。


  • DocSecureという別の製品の開発時の話だが、PDFのウォーターマーク追加などの実装にあたって十分なドキュメントがないところはソースコードを直接見るという方法で問題解決を行った。公開されているソースは色々な場面で我々を助けてくれる。


なんていうようなことが書いてありました。


概ね同意できる意見だと感じました。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)






2011年1月15日土曜日

Blogの名称変更

少し前にプロフィールの文言をいじったんですが、今度はBlogのタイトルをaegif Blogからaegif CTO Blogに変えてみました。


公式Blogとしての性格が強い体裁になっていることによる書きにくさを感じる面もあったので、今後は客観的な単なる海外記事の紹介だけでなく、もう少し個人の意見を反映したようなものも書いて行ければ、と考えています。


とはいえタイトル画像の差し替えをする時間的な余裕がないので、見かけ上はほぼ何の変化もない状態になっています。折を見てタイトル画像やデザインも少し手を入れたいと思います。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)




2011年1月14日金曜日

SIWI » Automating the New Alfresco Installers


[From SIWI » Automating the New Alfresco Installers]

最近のバージョンのAlfrescoではTomcatバンドル版が公開されていないため、以前私家版を公開しているBlog記事などをご紹介しましたが、もう少し正当なワークアラウンド(?)についての説明を見つけました。


現行バージョンではBitrockのInstallBuilderが採用されています。いわゆる1ファイルインストーラで、WindowsやLinuxに関してはGUIベースのインストーラでデスクトップアプリのような手軽さ(?)でのインストールを実現しています。(なぜ、Mac OS X版をだしてくれていないのかは別として)


逆にこのオールインワンな感じ、に居心地の悪さを感じるユーザも一定数存在するわけで、Tomcatバンドルはまさにそういった層に支持されていたと思われます。元記事では、そうした人たちはこのインストーラに対するオプションをファイルの形で与えることで従来のTomcatバンドルとほぼ同様の環境を得ることができる、としています。



mode=unattended
enable-components=alfresco,alfrescosharepoint,alfrescorm,alfrescowcmqs
disable-components=alfrescowcm,alfrescoquickr,openofficecomponent

# Install location
prefix=/opt/alfresco_demo

alfresco_admin_password=admin

# Don't install Tomcat
#tomcat_installation_type=existing
# If embedded MySQL is being used, then a password must be specified
# or user input will be required
#mysql_password=aaa
mysql_installation_type=existing

# Use JDBC settings for an existing database
jdbc_url=jdbc:mysql://localhost/alfresco
jdbc_driver=org.gjt.mm.mysql.Driver
jdbc_database=alfresco_demo
jdbc_username=alfresco_demo
jdbc_password=alfresco_demo

# Don't install init scripts
baseunixservice_install_as_service=0

なんていう内容のファイルを予め用意しておくことで、アプリケーションサーバとアプリ本体だけのシンプルな環境が構築されるわけです。これは便利ですね。

��文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2011年1月13日木曜日

Alfrescoの日本語化

現在、Alfresco社のメンバーと共同で、新しいバージョンのEnterprise版の公開にあわせて英独仏伊日のランゲージパックを同時リリースできる体制を構築すべく準備を進めています。


3.4から、いくつかのメッセージが置き換えになる予定です。例えば、Company HomeやMy AlfrescoなどもカンパニーホームとかマイAlfrescoといった表記に切り替えることを考えています。個人的にはアルファベット表記の方が良いと思うのですが、一般ユーザ向けを考えると英語の比率が極力少ないことを求められるという現実も、一方では確かに感じています。悩ましいところです。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)




2011年1月12日水曜日

DeckShare « Alfresco Solutions Showcase


DeckShare is a simple website aimed at helping your users find the information they need quickly.

[From DeckShare « Alfresco Solutions Showcase]


久しぶりにAlfrescoのソリューションショーケースに新しい記事がポストされていました。


ニューヨークのDevConで発表されたMetaservantとTribloom(両方ともAlfrescoのパートナです)による、Alfresco上に構築されたプライベート版SlideShareのような仕組み『DeckShare』だそうです。


WCMまわりの新しいアプリケーションWeb Quick Startを使って構築されています。Alfresco上で特定のカテゴリや属性をもたせたコンテンツをWebサイトから自由に閲覧できるようになる、というコンテンツ公開のためのソリューションです。ソースがGoogle Codeで公開されています。コメントやレーティングはまだ実装されていないようですが、コンテンツモデリング込みのWCMの事例としても、Web Quick Startのサンプルとしても大変興味深いですね。


��文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2011年1月8日土曜日

Alfresco to Host Content.Gov 2011 in Washington D.C.


“The challenges that public sector agencies currently face are more demanding than ever before”

[From Alfresco to Host Content.Gov 2011 in Washington D.C.]


ひさしぶりにAlfrescoのWebサイトの更新内容のご案内を、と思ったのですが、あまり我々とは縁がない話題のようで、少し寂しいですね。


今月20日にワシントン DCで政府公共機関におけるAlfrescoの成功事例の紹介を核としたイベントが開催されるというお知らせです。さすがに気軽に参加できる距離ではありませんが、ダイジェストとしてそれらの「事例」が列挙されているので、そこだけを簡単にご紹介しておこうかと思います。



  • HUD(多分、Department of Housing 住宅都市開発省のことだと思います)は、Alfrescoを使って数百万オーダーのケースレコードを管理している


  • 米国陸軍は、独自開発のレガシーシステムをAlfrescoで置き換えることに成功した


  • 米国科学アカデミーは、多層構造の高機能なWebサイトをAlfrescoを使って運用している


  • デンバー市は、数百万オーダーの件数のレコードを管理するレコードマネジメントシステムをAlfrescoベースで開発することでコストの削減とサービスの拡充を両立させている



といった項目が並んでいます。



公共機関によるOSSの利用というとむしろ欧州の話題の方がよく目にするような印象がありますが、もちろんアメリカが遅れをとっているわけではないということでしょう。ここに挙げられた事例はAlfrescoのこの分野における事例のすべてではありませんが、マーケティング上重要視されているものであると考えるのが妥当だと思われます。とすると、やはり公共分野のECM利用についても、レコードマネジメントやWebコンテンツ管理などの単純な文書管理にとどまらないケースが注目を浴びているということなんでしょうね。



(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)









2011年1月7日金曜日

ご無沙汰している間に

更新をさぼっていた2ヶ月間を振り返ってみると、やはりオフィスの移転が最も大きなイベントであったように思います。同じビルの中を28階から34階へ移動しただけ、なんですが、やはり引っ越しというのは大変なものです。


#インターンの受け入れも大きなイベントだった、ということにここまで書いて思い至りましたが、今回は割愛してしまいましょう。


苦節5年弱、我々はついに専用の会議スペースを手に入れました。憧れの「天井まで届く壁で覆われた」会議室です。これまでは上の方が空隙になっているサーバルーム(通称社長室)と簡易的な間仕切りで囲われた会議スペースしかありませんでしたが、今回は完全独立型の会議室の設置に成功しました。独立型過ぎて一度廊下にでて結構な距離を歩く必要がありますが、そこはご愛敬ということにしたいと思います。部屋を暗くしても誰にも迷惑がかからないため、プロジェクタも導入しました。音漏れなどをあまり気にすることなく会議に集中できます。せせこましい話で恐縮ですが、久々に会社が前に進んでいる感じ、を実感したような気がしました。(実際にはもっと意味のある変化が色々あったはずですが、やはり単純なものの方がインパクトは大きいということでしょうか)


こういう場合、オフィスの写真を掲載すべきなんだと思いますが、手元に適切なデータがないので、また今度、気がついたら対応したいと思います。



��文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2011年1月6日木曜日

あけましておめでとうございます

またも、しばらく放置してしまっておりましたが、新年にあわせて再開したいと思います。


昨年末の弊社オフィスでのパーティでお声がけ頂いた皆様、今度こそ長続きするように頑張りますので暖かく見守ってください。


aegifも6期目に入りました。設立が2月22日なので、丸5周年というのはもう少しだけ先になりますが、やはりそれなりに感慨深いものがあります。最近は少し会社や自分の仕事の領域に対する慣れが悪い方向に作用してしまうことが多くなってきたように思う面もありますので、今年は意識してベンチャーらしい仕事をしていきたいと思います。


今後ともよろしくお願いいたします。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)