2009年12月29日火曜日

仕事納め

イージフは明日まで営業ですが、私 石井はお休みを頂く予定ですので、今日が仕事納めです。


社長BlogIFRS関連Blog某AlternativeBlogなどの弊社の各Blogライタ達に対するプレッシャという目的も含めて、毎営業日を目標に投稿している本Blogも本日で2009年分は終了です。


不況ですが、幸いにしてこの2009年、aegifもAlfrescoも好調を維持したまま終えることができたようです。ブランド力やマーケティングコストによるプレミアムがない分、不況下においてオープンソース製品が勢いを持つ、というのはある種の説得力を持つ話ではありますが、やはり我々が勢いを失わないまま今年を乗り切れたのはお付き合い頂いている多くの皆様のおかげであると考える方が、当事者としてもしっくりきます。(大局的に見て比較的正しいであろうアプローチを取っているという自負がないことはないのですが、実際にお仕事を頂ける時に、それが勝因だという実感は当然ないわけでして、、、)


来年もよろしくお願い致します。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年12月26日土曜日

Shareのコラボレーション機能について

Alfresco Shareにはコラボレーションを主眼にリファインされたファイル管理基盤の文書ライブラリの他にも、ディスカッション(掲示板)、Wiki、Blogなどの機能があります。Shareの操作モデルにおいては”サイト”という単位が重要で、例えばBlogの機能を使って記事を書いた場合も、そのままでは当該サイトメンバだけがその記事を読める、という状況になります。これはいわゆるBlogの使い方としてはあまり一般的なものとは言い難いかもしれません。


そういう状況もあって、Alfresco ShareのBlogは一体何のための機能なのか、というような質問を受けました。


まず、(リアルタイムではない)テキストベースのコラボレーションを考えた時に、まずは一般的なユーザが受け容れられる操作モデルとして「Wiki」「ディスカッション(掲示板)」「Blog」の3種類があった、のではないかと思います。特定のトピックがあった時に、一人の執筆者のコントロールで記事を完成させるのがBlog、複数の執筆者によるフラットな共著体制を実現するのがWiki、まとまった記事というよりは投げかけられたトピックを中心としたやりとりの蓄積そのものに意味を持たせるディスカッション、というようにそれぞれ違った特色をもったアプローチができるようになっているわけです。


(Wikiと比較した場合は特に、)Blogには時系列的に並ぶ、という特徴もありますね。


サイトという環境の中で、そのグループがかかえる関心事・トピックをどのような方式で形にしていくのがいいのか、というのはグループ毎トピック毎に異なるはずですので、こういった形でフラットに幾つかの選択肢が提示されているというのは価値のあることだと思います。


また、Blogに関しては外部Blogへの配信機能があるので、コラボレーションモデルに対応したある種のBlogエディタとして活用することも可能です。グループが著者となるBlogサイトが外部にある場合には便利だと思います。


次のバージョンである3.3からShareはAlfresco Explorerの代替として活用できるように機能強化が進められていく予定です。(4.0までにほぼ全機能を移植するという計画のようです)。そういう情報のご紹介も必要ですよね・・・


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年12月24日木曜日

15 Ways to Tell Its Not Cloud Computing


[From James Governor's Monkchips » 15 Ways to Tell Its Not Cloud Computing]

昨日の続きです。15の理由を簡単に訳してみます。



  • ラベルに「グリッド」とかなんとか書いてあったら、、、 それはクラウドではない


  • 40頁からなる要件定義書をベンダに送りつけなければならないのだとしたら、、、 それはクラウドではない


  • 個人のクレジットカードで支払いができないようなら、、、 それはクラウドではない


  • ハードウェアの購入を勧められるようなのであれば、、、 それはクラウドではない


  • APIが公開されていないのであれば、、、 それはクラウドではない


  • 他の自社システムまでアーキテクチャの見直しが必要になるのであれば、、、 それはクラウドではない


  • 領域確保に10分以上かかるのであれば、、、 それはクラウドではない


  • 10分未満で領域解放ができないのであれば、、、 それはクラウドではない


  • マシンがどこにあるのかがわかっているのであれば、、、 それはクラウドではない


  • 部屋にコンサルタントがいるのであれば、、、 それはクラウドではない


  • マシンの台数を指定しなければならないのであれば、、、 それはクラウドではない


  • 単一のOSしか走らないのであれば、、、 それはクラウドではない


  • 自分のマシンから接続できないのであれば、、、 それはクラウドではない


  • 利用時にソフトウェアのインストールを要求されるのであれば、、、 それはクラウドではない


  • ハードウェアをすべて所有しなければならないのだとすれば、、、 それはクラウドではない


  • 説明するのに20頁もあるスライドが必要なのであれば、、、 それはクラウドではない


プロビジョニングの訳はこれでよかったのでしょうか、、、


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年12月22日火曜日

それはクラウドではない?


Companies use the term "cloud computing" a lot these days. Too much, really. The term is hyped to no end.

[From Alfresco: How Refreshing - A Real Example of Cloud Computing - ReadWriteEnterprise ]

3.2Eのご紹介は延期して、AlfrescoによるRight Scale社とのクラウドコンピューティングについての取り組みが記事になっていたのでご紹介したいと思います。


Right Scale社はクラウドインフラに対するマネジメントツールを提供している会社で、最近MicrosoftのAzureへの対応も発表していますが、Alfresco Cloud TrialはAmazon EC2を使っています。Alfrescoの公式WebサイトにあるTrialのページでメールアドレスを登録すると、数分後にAmazonのクラウド上に展開されたAlfrescoリポジトリへのアクセスが可能になります。


#念のために今メールを登録してみましたが、以前に登録したアドレスと重複してしまったのか、まだ反応がないですね。


クラウドコンピューティングは昨今最もインパクトがある「バズワード」です。元記事も、その状況に批判的な読者像を想定しているようです。そこで、「それはクラウドコンピューティングではない、というための15の方法」という記事から、クラウドコンピューティングの判断基準を引用する形で、Alfrescoというエンタープライズ向けのソフトウェアのクラウド対応についての紹介を行っています。(15の方法、については後日ご紹介したいと思います)


今回のAlfresco Cloudの紹介記事には15のうち3つが引用されていました。



プロビジョニングに10分以上かかるようなら・・・ それはクラウドではない (厳しいですね。)



部屋にコンサルタントがいたら(in the roomなのでコンサルタントが介在する余地があったら、ですかね)・・・ それはクラウドではない (弊社としてはますます厳しいですね。サービスの位置づけにもよるのでしょうが)



マシンが何処にあるのかわかるようであれば・・・ それはクラウドではない



(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年12月21日月曜日

Alfresco Enterprise 3.2

19日にAlfresco社からUpgrade Alertが送られてきて、18日にEnterprise版の3.2がリリースされたことを知りました。


公式のWebサイトなどではあまり大きく扱われていないような気がするのですが気のせいでしょうか。


Alfrescoは機能追加をCommunity版に先行させる形で行っているため、有償ユーザ向けのEnterprise版はむしろ機能は少ない傾向にあります。(不安定な機能を取り外すということと、その時点ではCommunityの最新版はさらに先へ行っている、という2つの理由があります)


もちろん、品質は向上しているのですが、かなり土壇場になって機能が削られるということも理屈の上ではありえます。師走のこの時期になって検証しなければならない項目が山積み、というのは、ちょっと苦しいですね。新しい安定バージョンがリリースされること自体はすごく喜ばしいことなんですが。


詳しい内容はまた後日にご紹介したいと思います。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年12月18日金曜日

Open Source brings more flexibility and saves cost


47.7% of the companies responding (from US, Europe, Asia, etc.) said that the current economic climate hasn’t changed their attitude towards adopting open source, 46.5% however said they are more likely to adopt open source

[From EOS Blogs » Blog Archive » Open Source brings more flexibility and saves cost]

Optarosが運営する企業向けのオープンソースソフトウェアのディレクトリサービスEOSに、451グループによって最近発表されたCAOSレポートの内容が紹介されています。(もちろん、オープンソースでビジネスをやっている人間にとって都合のようニュースだったとわけですが)


最新の調査結果では47.7%の人がこの経済危機によってオープンソースの製品に対する態度を変えることはない、と回答したそうですが、その一方で46.5%の人はオープンソース製品を採用しやすくなった、と答えています。そしてその主な目的は、当然1位はコストの節約で43.9%なのですが、次ぐ26.7%のグループが「柔軟性を求めて」ということだそうです。


そして実際採用した人の87%以上がその決断に満足をしているとのことです。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年12月17日木曜日

True Elastic Cloud Computing with Alfresco and RightScale


[From Alfresco Fresh Talk… » True Elastic Cloud Computing with Alfresco and RightScale]

複数のメディアで情報発信がされているのでかえって分かりづらい感じになっていそうですが、一番図がわかりやすそうなLuis Sala氏のBlog記事にリンクを貼っておきます。


先日のAmazon EC2イメージの公開に続いてAlfrescoのクラウド戦略がさらに進展しました。RightScaleとのパートナーシップにより、クラウド上にスケーラブルなAlfrescoサービスを簡単に構築できるようになるようです。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



Sustainable Integrated Development Environment


SIDE stands for Sustainable IDE, an open source project founded by Blue XML, the Alfresco Technology partner.

[From Alfresco Webcasts » Blog Archive » Sustainable Integrated Development Environment: Graphical Tools for Alfresco Developers and System Integrators]

以前にもご紹介したAlfresco用のIDEです。Alfresco社がWebcastを公開しています。


Spring以降のアプリケーションにはある程度共通した課題だと思いますが、Alfrescoも開発実装時にXMLの設定ファイルを編集ミスが開発生産性に与える影響は無視できないものがあると思います。(慣れれば勘所がわかってくるんですが、Java等のコーディングミスに比べてエラーメッセージがあてにできない事が多いので) そういった問題は専用ツールを使うことで、かなり完全されると思います。


前回のリリース時には手元の環境ではなかなか素直に動いてくれませんでしたが、今は改善されているということでしょうか。近いうちに検証してみたいと思います。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年12月16日水曜日

Enterprise CMS Usage Scenario: Case Management Frameworks


Case Management is generally a collaborative process with a number of contributing users, and a single overall manager. Tasks, data objects, documents and even processes can be added at anytime, depending on a change in the status of the case in question, all of which need to be traced and tracked if a successful resolution is to be achieved, with a strong emphasis on information sharing.

[From Enterprise CMS Usage Scenario: Case Management Frameworks]


CMSWireに面白い記事が載っていました。「ケースマネジメント」のシステムを構築する際にECMを活用するというシナリオについて、です。


ケースマネジメントとは保健、法律、金融などの分野で言われているもので、サービスを提供するにあたって、「ケース」毎に関連する情報をケースファイルに取りまとめつつプロセスを進行させていく際の具体的な進め方を規定するもののようです。(もう少し具体的に、日本では「ケアマネジメント」と言われている、社会福祉 介護保険制度のことを指す、という話もあるみたいなので、上のように一般化した解釈が適切なのかどうかはよくわかりません)


いずれにしても「ケースマネージャ」「ケースチーム」など複数の関与者が、ある特定の単位(「ケース」ですね)にまつわるタスク、データ、文書などを統一的に扱いたい、というニーズについてはある程度理解できます。


元記事ではLiveLink、Documentum、SpringCM(そういえばあまり言及していない気もしますが、SaaSモデルでECMにアプローチしている企業の中では代表格、ですよね)を題材にして、最近の製品ラインナップに言及しつつ、何故BPMSベースではなくECMベースでケースマネジメントを論じるのか、などの点を説明しています。


例えば、ケース(マネジメント)と一般的なBPMSとの違いとして、「バリエーションが多い」「顧客指向」「単一のストレージに格納される(べき?)」などの点に言及しています。ケース毎の分類を厳密に行って、それによって予め定義されたワークフローがかっちりと動き出す、なんていうイメージではないということですね。とりあえず関連する物はまとまった形で管理したいが、そこにある情報を対象にして動くプロセスはその場その場で大きく異なる、、、ということであれば、確かにECMをベースにコンテンツ指向のアプリケーションとして実装するのが合理的であるように思えます。


#やはり元記事をいくら読んでも介護に限定されている話には読めない気がします。「ケース」を作り、そこに多用なコンテンツを登録し、ステータスを管理し、「クローズ」となったらその「ケース」は「レコード」になる。という一般化された流れが説明されています。英語圏で介護に関する概念が一般化されたのか、単に福祉分野だけが先行してこの概念を輸入したのか、ちょっと調べただけではわからなかったので、その究明は諦めます。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年12月14日月曜日

Alfresco Co-Founder & CTO named to AIIM Board of Directors


“John brings years of experience in all facets of the document and content management history. His extensive knowledge of this industry is second to none and he will be a welcome addition to our board. I look forward to John’s participation and counsel,” states, AIIM President, John Mancini.

[From Alfresco Co-Founder & CTO named to AIIM Board of Directors]

週末のニュースですが、AlfrescoのCTO/会長のJohn Newton氏がAIIMのディレクターボードになったそうです。


これでCMISの普及にも一段と弾みがつくといいですね。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年12月12日土曜日

Spring Surf続報

続報、というほどでもないのですが昨日はまったく内容に触れることができなかったので、、、



Spring Surf provides several useful modules for developers, including the following:




  • Surf - A scriptable, content-oriented framework for defining pages, templates, components and layout of a web application

  • Web Scripts - A scriptable, content-oriented framework for building remote REST interfaces

  • Web Studio - A visual design environment for drag-and-drop assembly of Surf pages, layouts and components

  • Sample Sites - Spring 3.0 PetClinic and Spring 3.0 Spring Travel sample sites (built and delivered using Surf)

  • Spring Roo Add-on - A command-driven installation and generation of Surf scripts and configuration for either new or existing Spring projects

  • SpringSource Tool Suite Plugin - Wizards and additional template types for Spring Surf projects

  • PHP and Groovy scripting for Spring Web Applications - Mix and match technologies as required to quickly assemble and delivery your Spring MVC web application



ということで、簡単に翻訳をしますと、


Spring Surfは以下のような開発者向けのモジュールを提供します、



  • Surf…Webアプリのページ・テンプレート・コンポーネント・レイアウトをスクリプトで定義するためのコンテンツ指向フレームワーク

  • Web Scripts…リモートのRESTインターフェースを構築するためのコンテンツ指向スクリプティングフレームワーク

  • Web Stuido…Surfのページ・レイアウト・コンポーネントをドラッグアンドドロップで構成してWebサイトを作るためのビジュアル環境

  • サンプルサイト…Spring3.0のサンプルアプリであるペットクリニックと旅行会社のサイトのSurf対応版

  • Spring Rooアドオン…コマンドドリブンのスクリプト生成ツール。既存のSpringプロジェクトに適用することも可能

  • SpringSource Tool Suiteプラグイン…Spring Surfプロジェクトのためのウィザードと追加のテンプレート

  • PHPとGroovyのスクリプティング(対応モジュール?)…Spring MVCのWebアプリケーションを軽快にMixするためのテクノロジ


一部訳が怪しいところがありますが、なんとなく概要をイメージしていただけるでしょうか?


うーん1度サンプルを動かすワークショップか何かをしたほうが良さそうですね。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)




2009年12月10日木曜日

Spring Surf | SpringSource.org


Spring Surf is a view composition framework for Spring MVC that plugs into your existing Spring applications. It provides a scriptable and content-centric approach to building web applications.

[From Spring Surf | SpringSource.org]

SpringのサイトでSurfが公開されています!


Alfrescoというリポジトリモデルを離れたところで、Surf Webscriptsによるスクリプティングがどのように使われることになるのか、少しイメージするのが難しい部分もあるのかな、と思っていましたが、あくまで”コンテンツ指向”がキーワードになっているわけですね。


今細かい調査をする時間がとれない状況ですので、詳細はまた後日ということで。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年12月9日水曜日

Trends: A reality checklist for vendors


"WE GET IT" CHECKLIST FOR VENDORS

[From Trends: A reality checklist for vendors]

少し前の記事ですが、CMSWatchでWCMのソフトウェアベンダに対するチェックリストという記事があがっていたようですね。(他の製品のBlogを巡回していて今更気がつきました)



  1. Our software comes with an installer program. (インストーラが提供されている)


  2. Installing or uninstalling our software does not require a reboot of your machine.(インストール中あるいはインストール後にマシンを再起動させなくても良い)


  3. You can choose your locale and language at install time, and never have to see English again after that.(1度ロケールを選択した後はもう英語メッセージを読まなくて良い)


  4. Eval versions of the latest edition(s) of our software are always available for download from the company website.(ウェブサイトからいつでも最新リリースの評価版をダウンロードできる)


  5. Our WCM software comes with a fully templated "sample web site" and sample workflows, which work out-of-the-box.(サンプルのWebサイトとそのまま使えるワークフロー定義が同梱されている)


  6. We ship a tutorial.(チュートリアルがある)


  7. You can raise a support issue via a button, link, or menu command in our administrative interface.(標準のUIから簡単にイシューの報告ができる)


  8. All help files and documentation for the product are laid down as part of the install.(ヘルプファイルやドキュメントがインストーラに同梱されている)


  9. Our salespeople understand how our products work.(営業マンが自社製品の中身をしっかり理解している)


  10. We run our entire company website using the latest version of our own WCM products.(自社Webサイトは自社WCMの最新版を使って管理している)


  11. Our software does what we say it does.(製品は説明した通りに働く)


  12. We don't charge extra for our SDK.(SDKの利用に追加コストがかからない)


  13. Our licensing model is simple enough for a 5-year-old to understand.(ライセンスモデルは5歳児でも理解できるぐらいにシンプルである)


  14. We have one price sheet for all customers.(価格表は1つしかなく、すべての顧客に対して共通である)


  15. Our top executives are on Skype, Twitter, or some similar channel, and: Feel free to contact them directly at any time.(経営陣がSkpeやTwitterなどのアカウントを公開していて、気軽にコンタクトをとることが可能である)


100%の遵守は難しいところもあるかもしれませんが、我々が日頃提案の現場で遭遇する顧客ニーズともかなりマッチした内容であるように思いました。「もう英語メッセージを読まなくて良い」が完遂できれば良いのですが・・・


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年12月8日火曜日

ParaScale 新バージョンリリース


Storage teams in 2010 are going to face the issue of getting ready for growth with budgets and headcount frozen at 2009 levels. How are they going to pull off this magic?

[From ParaScale Introduces Open Private Cloud Storage Platform ]

以前Alfrescoのソリューションショーケースのご紹介の中で触れさせていただいた4.0TBまで無償利用可能なストレージクラウド製品ParaScaleの新しいバージョンが発表になりました。


バージョンR2.0では、



  1. RESTfulとSOAPのWebサービスAPIによる管理タスクの実行


  2. マルチテナントベースの同期(8つまで同期コピーを残せる)


  3. マルチテナント利用可能なプライヴェートクラウドの実現(使い方によって異なるサービスレベルを設定可能)


  4. モニタリングとプロアクティヴなレポーティング機能


などを特徴的な新機能として盛り込んでいるそうです。


詳しい内容は検証してみないとわからない部分もありますが、異なるサービスレベルの領域を設定できるのであればECM上に設定されたライフサイクルにあわせてストア領域を動的に変えていくようなことも可能かもしれませんね。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年12月7日月曜日

Document Management a Priority in Asia/Pacific CMS Market


Demand for document management and record management software is set to grow by over 7% every year for the next five years in the Asia/Pacific excluding Japan (APEJ) region, according to new research by IT market research company IDC

[From Document Management a Priority in Asia/Pacific CMS Market]

IDCの調査結果についてです。アジアパシフィック地域の文書管理ニーズ! と思ってかなり気合いを入れて記事を読もうとしたのですが、"Asia/Pacific excluding Japan(APEJ)”「日本を除くアジアパシフィック地域」ということでした。


これから5年間、APEJ地域では文書管理・レコード管理に関して毎年7%以上の成長が見込まれる、とのことです。(フォレスターとAIIMのレポートをベースにした試算だそうです)


また、この領域におけるIDCの別の報告書では、シェアの58%までが米国ベンダによるものである一方、Newgen(インド)やCyberdime(韓国)などのローカルなベンダが存在感を増している、とされています。


その他、APEJ地域における文書管理のまとめとして言及されているところを簡単に列挙しますと、



  • 58.8%の調査回答者が現行の文書管理システムの投資を増額するか、新たに投資を開始する予定であると回答。


  • レコード管理については50%が同様の回答をしている。


  • Webコンテンツ管理に特化したソリューション(WCM)については34%強が同様の回答をしている。


  • 文書管理にまつわる課題のトップ3は、「コンテンツの最新性の確保」「長期保管(と計画的な廃棄)」「業務アプリとの連携」。


  • インド、シンガポール、中国、オーストラリアではWebコンテンツ管理が主な関心事となっている。


  • オーストラリアと中国ではDAM(デジタルアセットマネジメント)が第2位の関心事。


といったところのようです。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年12月5日土曜日

SugarCRM 5.5


New Features Enable Users to Create New Themes and Custom Mobile Views, and Strengthens Integration Capabilities around Industry-Leading CRM Platform

[From SugarCRM Announces General Availability of Sugar 5.5 - Yahoo! Finance]

SugarCRMの新バージョンが発表されています。Webサービスのフレームワークが強化されたというのが気になりますね。


Alfrescoとの連携モジュールもあまり活発とはいえないメンテナンス状況だったと思うので、これを期に仕切り直しを考えたいところです。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年12月3日木曜日

Alfresco Maven Repo


I’m proudly announcing the institution of an Alfresco hosted Maven Repository, capable of consolidating and bring the Maven Alfresco Community to the next level.

[From Dreams come true … launching the Alfresco Community Maven Repository :) ]

先日のCMIS Webinarの講師Gabriele Columbro氏のBlogに、Alfresco Community Maven Repositoryの話題が出ていました。次のWebinarでAlfrescoとMavenにまつわる話を色々と語ってくれる予定のようですが、まず現時点ではCommunity版のソース類一式がMavenサイトに正式に載りました、というところが一番大きなニュースであるようです。Sonatype Nexusを使ったサイトは中々見栄えも良いですね。


ところで、もう1つ気になる話が出ていました。Alfresco SURFとAlfresco WebscriptsのプロジェクトがSpring Frameworkプロジェクト移管されるようです。既にExtensionとしてJIRAサイトもできています。確かにテンプレートとスクリプトを組み合わせてWebサービスを増設していく仕組みは非常に一般的で強力なものですので、ECMの世界を飛び越えて色々なジャンルに適用可能なものだと思います。もっと事例が増えて、”SURFやWebscriptsは元々Alfrescoの為の仕組みだった”という言い方がセールス上もインパクトを持つようになってくれるといいな、と思います。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年12月2日水曜日

ECM俳句


364 days ago, we launched our first contest: ECM as Haiku. Let’s bring the year to a close with a final round before turning to new challenges (and contests) in 2010. (Besides, we really like reading your submissions.)

[From AIIM - Infonomics Weekly - December 1, 2009 ]

外国人もサラリーマン川柳みたいなことをするんですね、、、


不勉強なことに第3回になるまで気がつきませんでしたが、AIIMでECM as Haikuというコンテストを実施しているみたいです。去年の結果なども記事として読むことができます。



We chose a new tool

But didn't change our workflow...

Missed it by that much!



季語がないなら川柳ではないか、というのは無粋なんでしょうね。日本人としては色々言いたくなる気持ちもありますが。(あるいは、We chose a new toolが”年度末”の季語になる、とか)


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



How to get started with an ECM project - Digital Landfill


I'm often asked about how to "get started" with an ECM project.

[From How to get started with an ECM project - Digital Landfill]

ECMプロジェクトの始め方、です。8 thingsシリーズを掲載しているBlog、Digital Landfillの7月の記事です。Digital Landfillは、AIIMのプレジデント、John Mancini氏のBlogです。


8 thingsではなく、10 stepsです。ECMプロジェクトの始めるための10のステップ、ですね。



  1. ECMシステムの提案


  2. プロジェクト憲章


  3. システムスコープ


  4. システム要件定義


  5. 費用対効果分析


  6. SOW(作業範囲記述書)


  7. プロジェクト計画書


  8. RFP


  9. RFP評価


  10. プロジェクトの実施とそのコントロール


以上10のステップが示されています。記事にはステップの名前だけが書かれているんですが、もう少し詳細を記述したPDFへのリンクがあります。


国内のプロジェクトに関して言えば、やはりプロジェクト憲章というのは省略され勝ちだと思います。プロジェクト計画書と一体にしようとすることが多いので。(これはPMIの周辺でもよく聞く話なのではないかと思います)。このステップが2番と7番と大きく離れているのは面白いですね。


小規模なプロジェクトだと提案段階にある程度SOW的な内容を書き込んでしまって、SOWそのものを作成しないケースも結構あるんじゃないかと思います。(弊社だけ、、、ということは多分ないと思います)


特にAlfrescoを扱いだして以降は期間が短いプロジェクトが多く、機動的な対応を求められるため、「省略すること」の圧力あるいは我々側の言い訳がより強くなっているのかもしれません。


PDFによる詳細版の方ももう少し突っ込んでご紹介させて頂いた方が良いかもしれないですね。著作権まわりがどうなっているのかも気になりますが。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年12月1日火曜日

8 Things to Consider when Looking at ECM Consultants - Digital Landfill


Content Management outsourcing is gaining popularity, particularly due to the various options that are available to those who are seeking assistance - such as project-based consulting or staff augmentation.

[From 8 Things to Consider when Looking at ECM Consultants - Digital Landfill]

数日前の予告通りに8 thingsシリーズの紹介をしていきたいと思います。「ECMコンサルタントを評価するための8つのポイント」といったところでしょうか。国内ではECMのコンサルタント、と呼ばれる存在はメジャーなものではありません。大手コンサルティングファームの「何でも屋」以外でベンダフリーのサービスを展開しているのは、うち以外では大和さんくらいしか心当たりがないです。もちろん、弊社もコンサルティングファームかつECMスペシャリストを複数人抱える企業ではありますが、Alfrescoに対するコミットが大きいので胸をはってベンダフリーとは言いづらいものがあります。(「Alfrescoではない製品を使った方が良いと思われるケース」はかなり厳密に識別しているつもりですが、そこに当てはまる事例が少なすぎてほとんどの場合はAlfrescoが最適解であると言わざるを得なかったりします。2009年11月現在。)


では、以下元記事に挙げられているポイントと具体的なチェックの方法を紹介していきます。



  1. 経験 … あなたの業種、業界、今抱えている特定の課題、想定されるシステム規模などについて経験を持っているか


  2. 方法論 … ECM導入の方法論を有しているか。プロジェクト文書の雛形を示すことができるか。複雑なプロジェクトをその方法をんをつかって取り回した実績はあるか


  3. 期間/予算にあったサービスを提供できる能力 … 文字通りの要件だが、残念ながら非常に多くのコンサルタントがこの観点で不合格となる(具体的なチェック方法の記述なし)


  4. (財務的)安定性 …  長期的なサポートをする能力があるか、柔軟なSLAオプションを提供しているか、管理者向けトレーニングがあるか、要件が変わった時にエンハンスやリプレースを実行する能力があるか、人材の流動性が高くないか、対象領域に対して複数のエキスパートを擁しているか


  5. 業界での評判 … 何らかの賞を受賞しているか、業界イベントに参加しているか、オンラインコミュニティでの活動を行っているか


  6. ソフトウェア業界との親和性 … スタッフ各人が資格や認証を得ているか、その認証は今なお有効か、ソフトウェア企業の様々な階層とコミュニケーションを取れているか、Partner Advisory Councilの一員か


  7. ドキュメンテーション能力 … サンプルを入手する、「ボイラープレート」型のテンプレートを確認する


  8. あなたの組織との相性 … プリセールス担当がプロジェクトメンバとして参画するか、しない場合はとにかく面談を

もちろんこのリストの妥当性そのものもよく考えないといけないのでしょうが(AIIM系なので、業界団体的な活動を重視している部分なんかはニュートラルじゃない可能性がありますよね)、ざっと見渡してみて、自分たちがどういった評価をされるのかを考えなおさないといけないな、と感じました。

(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年11月28日土曜日

CMIS Query Language | Old School Techie


[From CMIS Query Language | Old School Techie]

ほぼ自分のためのメモですが、CMISのクエリ機能だけをとりあげたBlogポストがAlfresco Blogsに挙がっていたので、リンクを貼っておきたいと思います。


CMISではクエリの機能はオプショナルという扱いで、この機能が実装されていなくてCMIS互換を名乗ることはできる作りにはなっているのですが、やはりCMIS自体がECMの世界にSQLのような共通言語を、というスローガンと共に推進されている以上、比較的関心が高い機能と言えるのではないかと思います。


ここで紹介されているように、基本的にCMISのクエリはSQL-92の拡張です。DocumentumのDQLをご存じの方であれば、イメージが摑みやすいかもしれません。コンテンツタイプの継承関係(テーブルが継承関係を持つような形になります)の解決ができたり、あるフォルダの直下あるいは下階層という形で階層構造上の位置を切り口にした条件指定ができたり、ある属性が複数の値を持つケースに対してのフォローがあったり(RDBMSの発想では第1正規化もできてない状態になるわけですね)、というのが主だった差分になるかと思います。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年11月27日金曜日

Alfresco Delivers Governance


“Alfresco Records Management Module has the ability to transform the way in which government and commercial organizations approach their governance, retention and compliance strategies, as the open source pricing model will significantly reduce the barrier to regulatory compliance,” said John Newton

[From Alfresco Delivers Governance]

Alfrescoの公式サイトのPressリリースの紹介をしばらくさぼっていました。


ちょっと機会があってレコードマネジメントのモジュールについて調べていたのですが、そこでDoD 5015.2 Certificationの話題をスルーしていることに気がつきました。


国内でレコードマネジメントをやられている方の感覚としては、「何故DoD?」という感覚のようですね。やはりISO系の認証を得るためのレコード管理という案件が圧倒的に多いという現実があるわけです。その会話の中で仮説として提示していただいたのが、「ISOは自社でルールを決めなければならないが、DoD 5015.2であればルールが具体的で、実装しやすかった」という解釈だったのですが、これはかなり説得力があるのではないかと思います。


プレスリリースで取り上げられているのは最新バージョンのAlfrescoがDoD 5015.2のCertificationを取得したという話ですが、実は以前にも似たような発表がされています。何故今また発表があったかといいますと、基本的にこのCertificationがソフトウェアのバージョンがあがると再取得しないといけない性質のものだからなのだそうです。そのため途中のバージョンでは機能的にはRecord Managementのモジュールをバンドルしていながら、公式には対応を謳っていないという時代もありました。SharePointも同時期に取り組みを強化しているようですし、AIIM関係でもよく記事を見かけるのでまた米国ではレコードマネジメントがブームになっているのかもしれません。


もう少し調査した上で詳しいご報告をさせて頂きたいと思います。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年11月26日木曜日

Alfresco Events - CMIS Virtual Training


In order to support education and training on CMIS, Alfresco is hosting the first CMIS virtual training session designed to explore the specification and share CMIS expertise.

[From Alfresco Events - CMIS Virtual Training]

昨日、といいますか厳密に言えば日本時間の今朝1:00から、Alfresco社のCMISに関するヴァーチャルトレーニングセッションがありました。WebexベースのWebinarです。そのうち録音されたバージョンがダウンロードできるようになると思います。


ここ数ヶ月の間に世界各地で実施されたMeet Upイベントで使ったネタの使い回しのようでしたが、CMISの現状がよくまとまった形で提示されていました。(トレーニングというよりも単なる説明で、特に何かを手元で動かすとかデモがあるというわけではなかったです)


AlfrescoのAspectがPolicy扱いで実装されているとか、CMISのミーティングの現場でどんな議論があったかとか、Apacheファウンデーションで作っているリファレンス実装についてのAlfresco社員の貢献についての話などもありました。講師のGabriele Columbro氏はAlfrescoのコンサルタントとしてアーキテクトのDavid Caruana氏とともにApache Chemistryプロジェクトに参加しているのだそうです。(Gabriele氏は特にMavenに詳しく、AlfrescoでMavenを利用した取り組みもほとんど彼がやっているみたいですね)


CMIS 1.0を迎えて色々と新しい情報もでてくるのかと思いましたが、流石に大幅な変更はないみたいですね。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年11月24日火曜日

KM World Announces Finalists for 2009 Promise and Reality Awards


Alfresco (news, site) which doesn’t really need an introduction, is an open source enterprise content management system with a flexible architecture that provides document management, web content management and collaboration software to enterprise customers worldwide.

[From KM World Announces Finalists for 2009 Promise and Reality Awards]

KM Worldの2009年 Promise and Reality賞という賞のファイナリスト5つが発表されています。KM Worldは文書管理、コンテンツ管理、ナレッジマネジメントなどを専門とする業界誌 KM World Magazineの発行元で、年1回のカンファレンスを恒例としていて今年のイベントがKM World 2009、そこで毎年Promise賞とReality賞を発表している、ということのようですね。


AlfrescoがノミネートされているのはPromise賞の方のようです。


他に挙がっているのは、Autonomy、Cabinet NG、Cormine Intelligent Data、eTouch SamePage、Expert Systemといった顔ぶれで、元記事ではABC順で表記されているため、Alfrescoが筆頭になっています。


上に引用した部分を簡単に翻訳しますと、「Alfresco、今更紹介するまでもないオープンソースECM製品です。柔軟なアーキテクチャを持ち文書管理、Webコンテンツ管理、コラボレーションの環境を世界中のエンタープライズクラスの顧客に対して提供しています」といった感じでしょうか。直後に続くAutonomyが「Autonomy、もう一つの紹介を必要としない、、、」という書き出しなのが他人事(?)ながら少し嬉しいですね。(AutonomyはAlfresco DMでいうところのDocumentumにあたるAlfresco WCMのお手本、Interwovenを買収した会社です)


ファイナリストに残ったというだけで受賞したわけではありませんし、実際に受賞とならない限りはこのBlogで続報を伝えることもないとは思いますが、海外での認知度がますます向上していることを実感しました。(受賞イベント自体はむしろ以前の方が多かったと思いますが、「紹介を必要としない」という扱いになったのはつい最近のことだと思うので)


よく読むとファイナリストはまだまだいるみたいですね。5社をピックアップしたのはCMSWireの判断なのでしょうか。(KM Worldのサイトを直接確認してみました。ここでは紹介のしかたも少し違うみたいです)


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年11月20日金曜日

8 Things SharePoint 2010 Needs to Be a True ECM System - Digital Landfill


For SharePoint 2010 to become the ECM category killer and truly threaten the market share of Open Text, EMC Documentum, IBM FileNet and others, the new version should have the following eight things:

[From 8 Things SharePoint 2010 Needs to Be a True ECM System - Digital Landfill]

8 thingsシリーズから「SharePoint 2010が真のECMシステムになるためには何が必要か」という記事をご紹介したいと思います。



  1. 永続リンク


  2. 1ソースマルチユース


  3. レコードマネジメント機能の改善


  4. メタデータ管理機能の改善


  5. 検索テンプレートと結果の保存


  6. アクセス管理(セキュリティ機能)の改善


  7. 使いやすい監査証跡機能


  8. さらなる業務システムとの連携


以上の8つがあがっています。


単純にECMを名乗るためには性能が足りないとか機能が足りないという話ではなく、実際に従来のSharePointを使いながらその他のECMとのギャップを解決してきた人の立場からの提言になっています。例えば、アクセス管理(セキュリティ機能)のところでも、すでにSharePointには十分強力な制御機構が備わっているが、実際の要件にあわせて権限の割当をおこなっていこうとすると、非常に手間がかかってしまう、という点を指摘しています。


永続リンクに関しての記述からは、SharePoint 2007では個別のコンテンツにユニークなURIを当てはめて外部とリンクをとることができなかったという点を大変重視しているということが読み取れます。通常のECMであれば各コンテンツにはユニークなIDがついているので、それをキーにしてやればいいがSharePointはパス名的な位置情報をからめたIDを使ってしまうので同じ感覚で使おうとすると難儀する、ということのようです。確かに他システムとの連携時に場所とIDが分離されていないのは少し苦しい物があるかもしれませんね。


2010に対する期待がいろいろな角度から表明されているという現状がよくわかりました。


#告知:私たちはMicrosoft SharePointの競合製品でもある英国Alfresco Software社のAlfrescoというオープンソースECM製品をAlfresco社とのパートナーシップに基づいて取り扱っています。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



「業務の可視化、は誰の責任か」


「業務の可視化、は誰の責任か」という問いから

[From aegif blog: 「業務の可視化、は誰の責任か」という問いから考えた事 (1)]

先日のポストに対し、「結局、誰の責任なの?」というある種もっともな質問が寄せられました。


先日の記事は、あくまでその問いに触発されて考えた事を書き散らしたものなので、問いそのものに答える意図はなかったのですが、確かにそこを無視した記述をしてしまったのは「看板に偽り」の類と見なされてもしかたがないかもしれません。


しかし、率直に言って「状況による」としか言いようがない話であることも事実です。こういう場合は、どういう状況によるのか、をもう少し掘り下げてみるべきですね。



  • 何のために可視化をするのか。システム化か、業務改善か、制度対応か。


  • システム/業務/統制などの各観点を網羅的に理解している人材がいるか。いないとしてそのポジションに一番近いのはだれか。


得意な人、目的に関してポイントを外さない記述ができる人、がやった方が良い、という原則は1つあると思います。


ただ、そもそも業務の可視化や要件定義の文書化に関してユーザ部門側の負担が増えて来つつあるのは事実です。特にパッケージベースのシステムが増えてきた中で、そのメリットを十分に受けるためには、現業部門との緊密な協力体制が必須です。システムサイドの人材の独断により現業部門にとって使用に耐えないシステムができあがってしまう、という悲劇は過去に何度も繰り返されています。その意味で、現業部門を強く巻き込むアプローチ自体には大きな意義があると言えるでしょう。


その意味で、やはり現業部門といいますかユーザ部門がオーナーシップを持つべきタイプのタスクであり成果物であると考えます。スキルや時間的なリソースの問題で対応する余裕がないということであれば、(かなり我田引水ですが)我々のようなコンサルタントを使うという方法もあります。最近ではBABOKという「ビジネスアナリシス」の知識体系も公開されています。こうした技術を活用して、品質の高い業務の可視化と評価を行いつつ、システム側にシステム要件定義を渡していく、というのが現状妥当と考えられているフローになるのではないかと思います。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)




ERPって何?

30分くらい書けて書いていた記事のデータが消えました。 ectoのリッチテキストエディタモードとタグ入力モードの切り換えをやっただけだったのですが、、、


気持ちを切り換えてより短い文章で取り急ぎまとめてしまいたいと思います。


ITコンサルティングのお仕事の中では、業務アプリケーションの評価、パッケージの選定などを支援させて頂くことがあり、そうした文脈でECMだけでなくERPというのがどういうものなのか、という説明を求められるケースがまだまだ結構あります、というお話です。


ここ数年で中堅企業向けの業務パッケージはほぼすべて「ERP」を名乗るようになりました。しかし、SAPやOracle EBSを取り扱っている方々からみると、それらの中堅向け製品の多くは「本物のERPではない」ということになるようです。では、本物あるいは本格的なERPとして認められるための条件とはなんでしょうか。私は以下の3つの評価基準があり、それぞれの基準に対する合格ラインの設定の仕方が人によってまちまちなので、「本物」「偽物」なんていう議論が生じているのだと思います。



  • 「統合」の度合い


  • 「パラメータ設定」の適用範囲の広さ


  • 「グローバル/大規模」への対応力


の3つの基準に対して、それぞれレベルが設定できます。


「統合」



  1. 製品ファミリに一通りのモジュールがあってメニューも統一されている


  2. 内部で各モジュールがデータ連係している


  3. 内部的にも1ファクト1プレースが徹底されている(モジュール間で重複するデータを持たない)


「パラメータ設定」



  1. 特にパラメータ化されていない


  2. パラメータで業務の流れなどを細かく調整することができる


  3. 導入時のパラメータ設定を効率化するテンプレートが提供される


「グローバル/大規模」



  1. 規模の大きい会社には対応できない


  2. 規模が大きい会社にも対応できる


  3. グローバルな企業グループにもそのまま対応できる


それぞれの項目に対する評価が1であっても、ERPを名乗っているようなソフトは沢山ありますし、それが不誠実であるとも思いませんが、通常ERPと言った場合にはそれよりも少し上の製品群を期待するケースが多そうだということは理解しておく必要があると思います。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年11月18日水曜日

8 things e-book series


[From 8 things e-book series]

今までもいくつかご紹介してきましたが、AIIM関連のBlogでは「8 things of...」というフォーマットでのECMにまつわる記事が沢山公開されています。「情報管理について知っておくべき8つの事」「ECMにおけるコンテンツ分類についての8つの事実」などなど、です。


その一連の記事をまとめた電子ブックが無料で公開されています。Amazon Kindleを初めとして、何故か国内版ではPDFが読めなかったSonyの電子ブックなど複数のフォーマットがダウンロードできるようになっています。(私もiPod touchのStanzaで読んでみたのですが、どうも情報量に違いがあるような・・・)


英語圏での電子ブックの普及を実感します。日本でもKindleが購入できるようになりましたが、Googleブック検索から日本が除外されるなど、まだまだ目が離せない分野です。専用端末が普及するとILMの考え方にも影響があるかもしれません。


これからしばらくは8 thingsシリーズのご紹介をしてお茶を濁していきたいと思いますので、よろしくお願いします!


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年11月16日月曜日

Trends: Is the SharePoint bubble going to burst?


I may well be wrong, but I am starting to get the distinct impression that the SharePoint bubble is about to burst. Or at the very least, that enthusiasm for SharePoint is waning and demand for the platform set will begin to plateau.

[From Trends: Is the SharePoint bubble going to burst?]

CMS Watchの記事を読んで考えるところがあったので、ご報告まで。


Microsoft SharePointは弊社がパートナーとして国内展開をつとめさせて頂いているAlfrescoの言わば競合にあたる製品です。Alfrescoは今ではEMC社の一部であるECMリーダ企業の1つDocumentumからのスピンアウト組を中心として構成された会社ですので、Documentumこそがまずもっての競合(仮想敵)であったわけですが、今ではECM業界全体におけるSharePointのプレゼンスが高まっているため、SharePointを競合と見なすケースが増えて来ています。


もう少し詳しく説明させて頂くと、元々電子的文書管理システムEDMSと言われていた製品群をベースとしてEnterprise Content Management(企業向けコンテンツ管理、統合コンテンツ管理)と言われる分野が北米を中心としたITマーケットで台頭してきました。金融や製薬といった業界を中心に広がった市場ですが、日本での市場規模が諸外国に比べてかなり小さいことが知られています。多くの分野で日本のマーケットが北米の後追いの傾向を示すと言われている中で、ECMの国内市場での伸びは予想よりも低いと言うことがよく指摘されています。(これをビジネスチャンスと見るか、ECMが日本市場に受け容れられない、恐らくは「文化的な」、特殊事情があると考えるかは、議論があるところです)


国内国外問わず、ECMについて言われてきたことに、「(ライセンスの)価格が高い」という問題があります。ECMによって得られる便益のほとんどは直接的に利益に反映されるものではないため、コンプライアンスやデータ保護に高い関心を持ち十分な予算を割り当てることができる業界・企業にしか導入されてきませんでした。ECMというコンセプトそのものは、比較的広くその意義を認められましたが、実際の導入スピードは(海外であっても)その評価と比すると決して早いものではなかったと思います。また、技術的にも機能面での差別化が難しい領域であり、各ECMベンダはマーケティングによりシェアの奪い合いを重視した結果、徐々にビッグプレイヤに買収されていくことになりました。


このある種閉塞した状況に対して、もたらされた変化が、Microsoft SharePointの台頭であり、オープンソースECM Alfrescoの登場だったわけです。SharePointは元々はポータルを作るためのツールで、コンプライアンス面よりも業務の効率化に重点がおかれた製品ですが、価格が安いため従来のECM製品ではマッチしない領域にどんどん食い込んでいきました。(説明が前後しましたが、ECMベンダは一時「柔らかい文書管理」ということでコラボレーションツールをファミリ製品として発表したり買収したりという動きを各社一斉に見せていました。このあたりの製品群はSharePointとのオーバーラップ領域が非常に大きかったと思います)。


実際、(ECM業界団体として最大規模を誇る)AIIMでもSharePointに対する注目は年々増していますし、AIIM関連のブロガーの記事でもSharePointを専門に扱ったものをよく目にします。今回引用したのもそういったコミュニティの一端をなす記者によるものです。(オープンソース製品であるAlfrescoよりも、Microsoft製品であるSharePointの方が業界団体としての盛り上がりに勝っているというのは少し意外ですが、Alfrescoはオープンソースモデルではあっても新興ソフトウェア企業であるAlfresco社の製品でもあるということを考えるとさほど不自然なことでもないのかもしれません)


SharePointがバージョンアップを繰り返し、ECMの領域に進出することで、今までライセンスコストの面で「足切り」にあっていたような領域にも導入の機会が訪れたというのは大きなビジネスチャンスです。元記事「SharePointバブルは弾けようとしているのか?」から読み取れるのは、大企業もその利用法に関心を示し、いわゆる「銀の弾丸」的な扱いを受けていたという時期が確かにあった「らしい」ということです。(あくまで北米での事情だと思うので)


元記事は、SharePoint 2010は素晴らしい製品になると予想されるが、思ったよりも反響が冷めているのではないか、という観点で書かれています。大企業はやはりデフォルトでついてくるものとしてSharePointのライセンスを手に入れるが実際には使っていないケースもかなりあるのではないか、SI企業はかつてSharePointがECM市場に対する「銀の弾丸」であることを期待していたが今はもう幻滅しているのではないか、と指摘しています。SharePointはECM市場の間隙をうまくつきもの凄いスピードで市場を席巻しましたが、その結果ユーザもSI企業もSharePointの強みと限界をよく知ってしまったので、新しいバージョンに対する期待も押さえられてきている、という意味で、その成長が頭打ちになる可能性があると考えたようです。(具体的な書かれ方はしていませんが、従来型ECMの隙間を埋めるための答えはSharePointだけではない、他の選択肢もでてきている、という指摘もありました)


コメント欄には、こうした懸念は実態に即したものでなく、プラットフォームとしての需要はむしろまだまだ増える方向にあるのではないか、というような反論も投稿されています。


恐らく、どちらの言っていることも正しいのでしょう。いまやSharePointはよく知られたツールになり、ここ数年ほどのインパクトを与えることは難しくなってきています。これまでと同じような「勢い」はなくなっていくと考えるのが妥当だと思えます。しかし、たかだか5,6年で埋めきられる程、コンセプトとしてのECMの適用分野が狭いということも考えにくいと思います。ライセンス出荷ベースでの成長は鈍るかもしれませんが、SharePointを含む広い意味でのECM製品をプラットフォームとしたソリューションは今後も増えていくだろうと思われます。(そうしたソリューションの規模感や事例数を含めた市場データがうまく取得できると面白いと思うんですが・・・)


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年11月14日土曜日

Alfresco XTM


Fully integrated Open Standards based translation environment, offering automated translation for all popular document formats (Ms Office, Open Office, HTML, Frame Maker, inDesign, ~Visio, XML etc.).

[From Alfresco XTM]

現時点でのソリューションショーケースの紹介はこれで最後となります。XMLベースの翻訳メモリとAlfrescoリポジトリを統合することで、翻訳に関するワークフローをトータルに管理するソリューションAlfresco XTMです。


例えば弊社でもAlfrescoの関連ファイルを翻訳するにあたって、翻訳メモリと呼ばれるツールを使っています。(ちなみに私たちは今のところOmegaTを使っています)


翻訳メモリは原文と訳文のデータベースを構築することで類似の表現に対して一貫した訳語訳文をあてることを保証しつつ翻訳作業の生産性を向上させるツールです。この分野では「データベース」の形式も標準化が進んでおり、Alfresco XTMでも他のツールからの移行にも対応できると思われます。(弊社でも導入を検討すべきかもしれません。OmegaTは個人使用を前提としたツールですので)


XML-INTL社のXTMという翻訳メモリツールとAlfrescoリポジトリの連携ソリューションということで、翻訳メモリのメリットを活かしつつ、データ保護やワークフロー管理の統合を進めることができるようです。Picasa上でスクリーンショットも公開されています。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年11月13日金曜日

OpenMigrate


TSG's OpenMigrate is a unique migration utility developed for our Alfresco customers that addresses typical one-time and ongoing migration challenges such as applying unique business rules and migrating from different data sources.

[From OpenMigrate]

ソリューションショーケースも残すこと後2つです。


前回に引き続きTechnology Services Groupのソリューションです。私が初めてこの会社の名前を目にしたのはこのソリューションについての紹介記事でした。


DocumentumやSharepointからAlfrescoへの移行につかえるツールを公開しています。コンテンツ移行を抽象化し、実際にコネクタまで実装しているというのは素晴らしいです。(手元ではDocumentumしかトライしていませんが、色んなケースを試してみたいです)


そういえば日本語化も提案しておいて放置状態です。なんとかしないと。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年11月11日水曜日

IT Market Clock


[From あの技術はもう寿命か?「ITマーケット時計」ガートナーが発表 - Publickey]

「ハイプサイクル」を発表しているガートナーから新しいチャートが公開されたようです。


Advantage → Choice → Cost → Replacementというライフサイクルをぐるっとまわる形の時計型のチャートです。(リンク先のPublickeyでは先進、選択肢、お手頃、リプレースという訳語をあててますね)


Advantageの定義は、時計で言えば12:00から3:00、エマージング市場から次のステージまで。需要が少ないため競争も少ない。市場でのポジションは評価対象とならず、購買活動はそれが提供する価値そのものを評価した結果でのみ実施される。


Choiceの定義は、時計で言えば3:00から6:00、初期メインストリーム市場に至るまで。需要の成長スピードはこのフェーズがもっとも高く、それに応じて価格も落ちていく。


Costの定義は、時計で言えば6:00から9:00、初期メインストリーム市場から成熟メインストリーム市場まで。コモデティ化が急ピッチで進む。購買活動は主に価格を重視して行われる。


Replacementの定義は、時計で言えば9:00から12:00、レガシー市場を通過して市場の終焉まで。購入するにしても運用するにしても技術がメインストリーム市場から外れてしまっているためコストが膨らんでいく。ビジネス要件を満たすめ多くの顧客が代替案を求めているという状況になる。


ReplacementにはCRTモニタ(ブラウン管)とWindows 2000が挙がっています。これは確かに納得できます。デスクトップPCがCostからまもなくReplacementに入ろうとしている、というのは据え置き型作業環境の優位性を信じる古いタイプの人間としては少し危機感を感じますね。(仕事上のメインマシンはMac Book Proなのですが、自宅では外付けモニタを利用してデスクトップ的に使用しています。このやり方が結局もっとも生産性が上がると思うので)


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年11月10日火曜日

High Performance Interface (HPI) - Search


HPI Search increases user productivity by enabling less user training, fewer user errors and improved output capacity with an intuitive, streamlined interface.

[From High Performance Interface (HPI) - Search]

ソリューションショーケースも残りわずかになってきました。Technology Services Group社のHPI(OpenContent High Performance Interface)です。


CMISベースで開発されたエンドユーザ向けの作業環境ということのようなのですが、今ひとつリンク先のショーケース内のページだけでは内容が把握できなかったので、Technology Services GroupのWebサイトも見てみました。


元々Documentum上で動作する金融機関向けのソリューションだったようですね。セントラルスキャナからの取り込みやDocumentum等のシステムアカウントを統合したインボックス(受信箱)もつ「ダッシュボード」に加え、フォルダとファイルの管理、ワークフロー、テンプレート、ノート、関連文書リンク、2面表示のビューワといったDocumentumの機能を使いやすくするためのオルタナティヴクライアントとしての「デスクトップ」と、今回ソリューションショーケースとしてAlfresco対応が謳われている「サーチ」の3つのコンポーネントがあるようです。


OpenContent HPI全体としては、DocumentumファミリのTaskSpaceと比較されるようなカテゴリの製品で、WDKなどのEMC独自の技術に依存せずOut of the box(カスタマイズなしの、標準のという意味のIT業界でよく使う表現ですがOOTBって略すこともあるんですね。このページではじめて気がつきました)のDocumentumさえあれば動作する、ということをメリットとしてあげています。SpringベースでSOAP Webサービスを意識した作りになっているということなので全体がCMISベースのソリューションとしれリファインされ、「サーチ」以外のものもAlfrescoに対応する日もそう遠くないかもしれませんね。


、、、と思ったら HPI now supports Alfresco! というリンクを見付けました。リンク先のPDFファイルを読むと、ソリューションショーケースにあった「サーチ」にあたるであろう”Configurable Search and Retrieval”というコンポーネントと"HPI Admin"という管理者向けのコンポーネントの紹介とスクリーンショットが含まれていました。Documentum向けに開発されたすべての機能が網羅されているわけではありませんが、Alfrescoの弱点の一つである管理者支援の弱さを保管するソリューションになっているようです。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年11月7日土曜日

Accounts Payable


This solution will lower the cost and time of invoice processing by 50% or more.

[From Accounts Payable]

またもやソリューションショーケースのお話に戻ります。


スペインのQueres Tecnologias社のソリューションで、買掛金管理システムのようです。請求書を取り込んでリポジトリに格納し、アドバンスドワークフローを通じてERPに接続するという仕組みで、業務にかかる時間は50%以上削減され、紙の保管と収集のコストが90%節約できる、とうたっています。請求データは電子であっても紙であっても対応できるそうです。


連携相手のERPに関してはmost common ERPsという表現になっているので主要ベンダの製品には一通り対応可能ということでしょうか。(そこに関しては都度カスタマイズということかもしれませんが)


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年11月6日金曜日

「業務の可視化、は誰の責任か」という問いから考えた事 (2)

昨日の投稿をざっと見返してみると冗長な表現が多く、少し落ち込みました。


さて、ややもすればコンサルティングの価値の源泉の1つとも言えそうな「業務の可視化能力」「抽象的な評価能力・表現力」のようなものが、実はより単純そうに見える「表記ルールの遵守」ができるかどうかに依っているように見える。そして、その見かけ上の矛盾は、実は「表記ルールの遵守」というのが意外に難しいってことで説明がつくのではないかと思っています、というところまでご説明したところでした。


業務の可視化というお仕事の成果物は、多くの場合フロー図です。(マジカは非常に美しい例外だと考えるべきだと思います。少なくとも今この瞬間においては)。そして、フロー図そのものが作業のゴールであることというのは非常に稀です。フロー図に従って、業務を分析する、新しい業務に切り替えてもらう、システムを設計する、などの後続の作業があるのが普通です。そして、それらの目的をかなえるためだけであれば、何も細かく表記ルールに準じている必要はないとも言えます。実際、細かい文書作成に時間をとられるくらいなら開発作業を先に進めましょう、という提言には十分な説得力があります。


したがって、「表記ルールの遵守」というのは、多くの場合「絶対にやらなければならないこと」とは思われていない、ということが言えそうです。そして、そのことが難易度を上げ、できない人を生み出しているのではないかと思うのです。


「絶対にやらなければければならない」という認識がなければ、細かい表記ルールに気を配ったり、既に書いてしまった成果物との整合性を常にチェックして矛盾を回避したり、という地味な作業にはどうしたって力が入りません。その意味で「表記ルールの遵守」を「絶対にやらなければならないこと」だと思えるかどうかが、業務の可視化スキルの有無を決定づけているのではないでしょうか。


いわゆるコンサルタントと呼ばれる人間が、お客様側の担当の方やSEと呼ばれる人達に比べて業務の可視化というジャンルでアドバンテージを持てるのだとすると、その理由には2つあるのではないかと思います。1つは、フロー図そのものが仕事上の最終成果であるケースがままあるということです。お客様担当者であればその先の業務そのものが、SEであればシステムの開発が、より上位のゴールとして見えています。もちろん、コンサルタントもより上位の目的を忘れないように心がけているはずですし、むしろそう言う視点も価値の源泉の1つであるとされることも多いと思うのですが、フロー図を作った時点で納品、その成果物の品質で仕事の評価が決まってしまう、というプレッシャが後続タスクが明示されていない分だけより大きくなるはずです。そのため、フロー図の世界の中での品質を追求する=表記ルールも極力重視する、という結果に繋がります。


もう1つは、陳腐な例えですが、いわゆる”煉瓦を積む人”のようなお話です。やはりコンサルタントの方が、そうでない人に比べて「表記ルールの遵守」がプロジェクトの成功確率を押し上げる、というある種教科書的なテーゼをちゃんと信じている、という傾向があると思います。何故その表記ルールが制定されているのかという背景を理解し、そのことにより将来のどういうリスクを抑えているのか、ということを踏まえた上で作業を行います。そのため、単純に強制される作業ルールとして「表記ルール」を課されているという立場の作業者に比べると相対的に遵守レベルは高くなることが期待できます。(この辺りは、細かく1対1でルールの意味を咀嚼しているとは限らず、人によっては感性でその意義を嗅ぎ取っているとしか思えないようなケースも多々ありますが)


逆に言うと、それが自身の評価に繋がるという環境があり、またルールを遵守することが成功に繋がるという理論的バックボーンに対する信頼感を寄せていない限りは、「表記ルールの遵守」というのは中々難しいことなのではないかと思うわけです。


くどい話を続けた上で最後は精神論か、と言われてしまいそうですが、私は以上のような理由から、「業務の可視化」を実行できるかどうかは個別の知識や技能によるというよりも、むしろコンサルタントですとかビジネスアナリストなどの役割を与え、その役割の意義をしっかりと理解させられているか、という点に大きく依存するだろうと考えています。そしてその役割に耐えられるかどうかが弊社のメンバに期待する条件の1つともなっています。


#でも、例えば中途採用の面接でその対応力が計れるかというと、難しいんですよね。。。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年11月5日木曜日

「業務の可視化、は誰の責任か」という問いから考えた事 (1)

先日、営業で伺った会社さんで、「20年くらい前まではSEと言われる人が『業務の可視化』の責任を持っていた。しかし今ではそれはユーザ側の責任だ、と言われてしまう。で、作ってみるとこれではシステム化に十分な情報が盛り込まれていない、となる。昔の仕事の仕方の方が効率的だったのではないか」という趣旨のご指摘を頂きました。


そのお話をお聞きした時に、私がコンサルティングサービスの現場で感じている問題との関係に思い至ったので、今回は趣向を変えて「オープンソース」ではなく「コンサルティング」のお話をさせて頂こうと思います。(因みにその場では、「我々の先輩にあたるコンサルタント諸氏がパッケージシステムの隆盛に乗じてSEと呼ばれる人達からその業務を引きはがした結果」という説を提示すると共に、教科書的な「ユーザ参加の意義」を指摘するという少々煮え切らないお答えをしてしまいました)


我々はコンサルタントとして、時にこの「業務の可視化」の部分のみをお仕事として受けることがあります(実際にはパッケージシステムとのフィット・ギャップ分析の一部として実施されることがほとんどですが、フェーズで区切ればまさに可視化だけを粛々とやることになるわけです)。プロジェクトメンバであるお客様側のご担当の方が文書を書く作業をアドバイザリという立場で支援させて頂くこともありますし、我々が主体となってインタビューから記述まですべてやらせて頂くこともあります。こうした経験の中から1つ言えるのは、確かに「業務の可視化」という作業は人を選ぶ作業に見える、ということです。


#議論が発散しがちな領域なので、以下ではERP導入プロジェクトにおける「プロセスマップ」やSOX法対応における「業務フロー図」のようなフロー図を描く作業を「業務の可視化」と呼ぶことにします。非常に乱暴ですが、ToBeかAsIsか、という違いすら考慮しないこととします。


お客様側にも(残念ならが)我々のようなコンサルタントを生業とする人間にも、品質の高い文書をすぐに描き出すことができる人もいれば、そうでない人もいます。個人差はかなり大きいと感じられます。特にこの種の作業を苦手とする人が陥り勝ちな問題としては、



  • 用語が統一できない(同じ文書や部門などの名前が場所によって違っている)


  • 粒度が統一できない(あるところでは「箱」1つで表現している作業が、別の場所では2つ以上の「箱」の連なりとして表現されている)


  • 語尾などの語法が統一できない(体言止め、などのルールがところどころ破られている)


という表現上のルール違反があり、これらが大部分を占めているとも言えると思います。


もちろん、そもそも何を書いたら良いのかわからない、自分の業務を抽象的に評価することができない、という問題を抱えているように見受けられる人もいます。そういう人は最後まで図を描き上げることが難しいので、お客様が主体となって作業をするタイプのプロジェクトでは別の担当を立てて頂くことになりますし、我々が主体となって作業をするケースではインタビューが紛糾することになります(もちろん、なるべく効率良く情報を収集するためのテクニックも存在しますが、やはりこうした作業に対して相性が良い担当者様の方がインタビューも簡単に済むのは間違いありません)。前者のケースで、引き継ぎ時などに途中まで書いたものを見せて頂くと、ほぼ間違いなく上記の「ルール違反」が含まれている、、、ような気がします。

「業務を抽象的に評価・記述できない人」は表記ルールを遵守できない(ことが多い)、という結論になりますが、これは少し実感に反する結論です。

表記ルールが遵守できる人なら、「業務を抽象的に評価・記述できる」のでしょうか?


すぐにYESと回答することはできない問いではないかと思います。単純にイメージの問題としても、「表記ルールの遵守」のために必要なスキルセットよりも「業務の抽象的評価」に要求されるスキルセットの方が高度であるというのが、一般的な認識だと思われます。つまり、より簡単と思われる要求が、より難しいと思われる要求の「十分条件」にあたるという主張になっているわけです。


この違和感の原因を考えると、(少なくともここまでの理屈の上では、)「表記ルールの遵守」というのが実は結構難しい、あるいは、「業務を抽象的に評価・記述できる」というのはそれほど難しくない、のどちらか、もしくはその両方、ということになりそうです。そして、私は「表記ルールの遵守」が意外に難しい、という立場でもう少しこの問題を掘り下げてみたいと考えているわけです。


続きます、珍しく


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年11月2日月曜日

Plutext Word Document Collaboration


Plutext enables simultaneous editing of Microsoft Word documents in Alfresco, so everyone on the team can work on a document at the same time.

[From Plutext Word Document Collaboration]

ソリューションショーケースのご紹介を続けます。


未だに賛否両論という状況が続いているような気がしてならないOffice 2007系ですが、Word 2007を前提とした「リアルタイムコラボレーション」を実現するためのオープンソース製品、Plutextが紹介されていました。


Word 2007のアドインとして動作するプログラムなのですが、サーバ側はAlfresco+拡張モジュールで実装されているみたいです。


私自身は、契約書ぐらいでしかWord形式でがちがちの変更履歴+コメント編集を行っているところに係わることはないのですが、(ExcelやPowerpointの方が「協同作業」上は触れる頻度は圧倒的に高いです)、試み自体は面白いと思います。


PlutextのWebサイトはその他のソリューションに比べるとあまりビジネス寄りな感じがしませんね。(Tracサイトに誘導されます)


Office 2010 LiveやGoogle Waveなどが本格的に利用されるようになってくると、この辺りの協同作業環境は劇的に変化するのではないかと思いますが、Wordをそのまま使える+AlfrescoのECM機能がそのままほぼすべて活用できる、というのは面白い特徴だと思います。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年10月31日土曜日

オープンソース業界で影響力を発揮する企業家たち


“We’re extremely flattered that open source industry insiders have named two of our key executives to MindTouch’s impressive list of open source innovators,” commented Ian Howells, CMO, Alfresco Software.

[From Alfresco’s John Powell and Matt Asay Listed]





Alfresco Webサイトのプレスリリースに新しい記事がのったのでご紹介します。


オープンソースWikiソフトウェアベンダのMindTouch社のBlogで、「今日のオープンソース業界に最も影響力を与えている企業家たち」のリストが公開され、一部で評判になっているようです。50人の欧米オープンソース企業のCxOとVPからの投票で決定されたランキングのようですね。(そもそもは、MindTouch社が”オープンソースベストプラクティス調査”の一貫として行ったアンケートのようです)


Alfrescoからは社長のJohn PowellとVPのMatt Asayの名前があがっています。


複数のメンバが選出された企業はAlfrescoとSun Microsystemsだけだったようです。Matt Asayが評価された理由はAlfrescoに関するものだけではないと思いますが、Alfresco社のプレゼンスがますます高まっていることを実感しますね。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年10月30日金曜日

eドキュメントJAPAN 2009:47th 画像情報マネジメントショウ


[From eドキュメントJAPAN 2009:47th 画像情報マネジメントショウ]

JIIMA主催のeドキュメントJAPAN 2009へ行ってきました。単なる見学者として、ですが、久しぶりの見本市です。


あまり時間がなく細かく各ブースを見て回ることはできませんでしたが、色々と勉強になりました。弊社ではカバーしきれない紙文書やマイクロフィルムの管理業務アウトソーシングについての発表と、グループウェアまわりを中心に見てまわりました。


Alfrescoなどの海外製品のように理念的なものが先行しすぎて具体的な利用のシーンが(若干、だとは思いますが)見えにくくなってきているものとくらべて、やはり国産のツールはシナリオがかなり具体的であるように思えます。逆に、想定と異なる業務フローやユーザ規模、文書規模の場合、どういう対応が取れるのか、そしてその対応は現実的なアプローチと言えるのか、という問いに対してどういう答えが用意されているのか、という点では難しい面があるんじゃないかと思います。(単純に見本市のブースでは説明しきれないだけ、っていう面もあるとは思いますが)


ITPRO EXPO 2009も同時開催されていて、製品版のWindows7には今日Dellのブースで初めて触れました(ベータはいじったことがありましたが)。Windowsとは3.1が出る直前くらいからの付き合いなのですが、今では発想が完全にMacユーザになってしまっているのか、単にベータを見ていたためか、あまりこれという感慨はありませんでした。やはり「XPモード」が露骨にエミュレーションになっているんだな、ということだけは確認しましたが。


うちが次に出展するときのこともちゃんと考えなくてはいけませんね。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年10月29日木曜日

ParaScale Cloud Storage Software


Enterprises just need to setup one cloud infrastructure which runs the Operating System, ParaScale Cloud Storage Software and the Alfresco ECM software.

[From ParaScale Cloud Storage Software]

ソリューションショーケースのご紹介の続きです。


ストレージクラウドを実現するソフトウェアベンダのParaScale社のソリューションです。純粋なソフトウェアのみによるストレージクラウドインフラの上にAlfrescoリポジトリを実装し、スケーラビリティと管理性の向上を実現するというソリューションです。


(しかし、Requirementsの欄にバーコードリーダなどと書いてあるのは、よくわかりません。誤字でしょうか)


ParaScaleのソフトウェアは4TBまでであれば無料で使うことができます。今のところUIは英語だけですが、ストレージの中に格納されるデータの言語は問わないはずですので、要件に規模によっては実機での性能評価をやってみたいですね。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年10月28日水曜日

IFRS セミナ


[From セミナー|aegif]

” IFRS適用への準備事項”という題名で、国際会計基準についてのセミナを開催することになりました。


武田公認会計士事務所 所長、株式会社スリー・シー・コンサルティング コンサルティング事業部 部長の武田雄治さんと、弊社取締役 野口由美子のそれぞれ1時間ずつの講演と質疑応答から構成される2時間半のセミナです。


2009年11月20日(金) 14:00-16:30 <13:30開場>


市ヶ谷健保会館【東京都新宿区市谷仲之町4-39】


以上、非常に簡単な告知でしたが、関心をお持ちの方は是非よろしくお願いします。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年10月27日火曜日

ActiveVOS


ActiveVOS offers project teams implementing BPM -- business analysts, developers, enterprise architects, operations staff, end users and managers -- a number of important innovations to develop and deploy process applications.

[From ActiveVOS]

ソリューションショーケース、2009年10月26日現在の上から2つ目、のご紹介です。(以前から知られているソリューションですが、このページの発足当初はなかったのではないかと思います。)


Active Endpoint社のBPM製品、ActiveVOSとの連携です。組み込みのjBPMによるワークフローはフロー定義のGUIが十分でないなど「システム管理者」がメンテナンスする上では技術的なハードルが高すぎるという問題点があります。(例えば、アイ・ティ・フロンティアさんのOluOluではこの問題は独自のWF定義アプリケーションを追加することでクリアされています。残念ですが、Alfrescoのよく知られた「弱点」の1つと言えそうです。)


今回のソリューションは、この問題に対するアプローチの1つとなっています。


しかし、ここでもCMISによる連携が実現しているんですね。我々も同様のソリューションを国産BPMエンジンとの間でやってみたいと思っています。


#ワークフローについての日本独自の事情の整理についても、また近いうちに触れてみたいですね。ECM関連のお仕事をしていると、どこのお客様でも似たような問題にぶつかることがあるので、こうした論点はどこかで整理しておいても良いのではないかと考えています。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年10月24日土曜日

Alfresco 4.xの噂


[From Alfresco sets course for 4.x at Alfresco Community Meet up in DC - Russ Danner’s Blog]

Alfrescoパートナーの1つ、RivetLogic社のBlogで先日のAlfresco Community Meet-upの様子が取り上げられていました。(残念ながら私は不参加でした)


このイベントの中で、Alfrescoの次世代バージョンの方向性がある程度明かされたようです。


言わば孫引きのような状態ではありますが、気になったところを簡単に日本語でまとめますと、



  • WebScript、SurfのフレームワークをApache Software Foundationライセンスで公開する。


  • VMWare社によるSpringSource社の買収後もSpringとの連携体制に変わりはない。


  • デプロイメント関係の機能の一部がEnterprise限定となる予定である。


  • CMISには引き続き注力していく。ECMにおけるSQLというスローガンにも現実味がでてきている。


  • WCMのAVMストアを廃しし、DM/CMISと同じストレージエンジンに統合される。


Alfresco社からまた正式な発表があればまたお伝えします。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年10月23日金曜日

OpsMailmanager


OpsMailmanager automates the filing of email messages and attachments into Alfresco’s Enterprise Content Management (ECM) software.

[From OpsMailmanager]

ソリューションショーケースの紹介は基本的にAlfrewcoのWebサイト上での表示順にやっているつもりなのですが、追加があるのか、すでにところどころ漏れがありますね、、、


飛ばしてしまったところをフォローしたいと思います。Opsera社のメール統合ソリューションOpsMailmanagerです。Opsera社はオープンソースソフトウェアを専門に取り扱う会社で、このOpsMailmanager以外にはOpsViewというモニタリングツールを取り扱っています。


Alfrescoも最新バージョンではIMAP接続の機能をサポートしているので、単純にメールクライアントを使って添付ファイルをリポジトリ登録するというだけであれば、標準機能だけで実現可能です。OpsMailmanagerでは、自動的にファイルを分類したり、重複ファイルを見付けてストレージ領域を節約したり、メールクライアントによるフォルダの購読を設定したり、といった機能を実装し付加価値を提供しているようです。


タイムスタンプ、電子署名、暗号化などの機能は含まれていないため、いわゆるメールアーカイブシステムとしてみてしまうと物足りない点もあるかもしれませんが、メール本文をリポジトリ登録し検索の対象とする機能は持っています。開発者サイドとしても、第一義的にはコラボレーションの効率化のためのツールと位置づけているようですね。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年10月22日木曜日

Content Management, Ecommerce Services, Assembled Web Solutions


There was a time when an organization's web presence was comprised of a singular web site, but those days are long gone.

[From Content Management, Ecommerce Services, Assembled Web Solutions]

また、ソリューションショーケースのご紹介に戻ります。Optaros社の2つ目のソリューションです。


Webサイトのような「(実質的な)コンテンツ管理の塊」を複数抱えているような現代的企業に対し、サービス指向コンテンツマネジメントというコンセプトを導入し、成功を収めている、ということが主張されています。


旧来のCMSベンダは、複数のコンテンツ管理手法や(管理されていない)コンテンツ群が存在している状況に対しては、すべてを自社のテクノロジの上に再構築するのがベストであるという説明を繰り返してきました。しかし、それは現実的なシナリオではありません。


そこでOptarosが提唱するSOCM(Service-Oriented Content Management)では、コンテンツサービスという観点から複数のCMSを俯瞰し、検索・フィード・CDN・アクセス解析その他のコンテンツ指向サービスを共通のサービス基盤上で利用できるようにラッピングしていくという手法を取っているようです。ここでもCMISが活用されていたりして技術的にも興味深いところです。


参考ページ) http://www.optaros.com/solutions/service-oriented-content-mgmt


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年10月20日火曜日

Liferay Portal 5.2 システム管理者本のレビュー(の紹介)


[From Open4Dev - Piergiorgio Lucidi's Website - Journal - Liferay Portal 5.2 Systems Development Book Review]

以前、Alfrescoの開発者向け書籍のレビューをご紹介した、Piergiorgio Lucidi氏が『Liferay Portal 5.2 Systems Development Book』のレビューをBlogに投稿していたので、こちらも簡単にご紹介したいと思います。


弊社でもLiferayを使った案件が動いており、キャッチアップのために同書を読もうとしはじめていたところなのでちょうど良かったです。(読後に自分なりのレビューを書くのが本筋だとは思うのですが、そこまでこぎ着けることができるかどうかはまだわかりません)


以下、簡単にまとめてみたいと思います。語学力、読解力、表現力などの問題で、元記事の意図から離れている部分もあるかもしれませんが、ご容赦ください。


全体的な感想



  • 開発者向けのリファレンスとして使える書籍である。特にポートレットのカスタマイズについては。


  • Javaのソースコード中心の説明であるためシステム管理者には向かない。


  • JSR-286の解説が充実している。


  • しかしその他のMVCフレームワークベースのポートレット開発についてのフォローには不足が感じられる。


各章の概要と感想



  • 1章、「Liferayのフレームワークとアーキテクチャの紹介」は、機能概要や各種標準規格、カスタマイズに利用できる拡張点の列挙などで構成されている。


  • 2章、「JSR-286の活用」は、JSR-286ポートレットの開発に必要な情報が網羅され、他のポートレットコンテナ向けの開発にも適用できる内容になっている。


  • 3章、「拡張環境の利用」は、開発環境のセットアップ手順を説明している。他のエンタープライズオープンソース製品に比べLiferayの開発環境はセッティングが難しいためこの章は非常に役に立つ。


  • 4章、「Strutsポートレットの体験」は、StrutsブリッジやLiferayのライブラリを使ったポートレットの作成方法を説明している。一般の開発者はStrutsのポートレットにはあまり興味がないんじゃないかと思う。


  • 5章、「ページの管理」は、Liferayの標準ポートレットを拡張する方法が説明されている。Strutsブリッジの理解が必須となる。この章は例が豊富である。


  • 6章、「WYSIWYGエディタのカスタマイズ」は、エディタなどの個別機能の拡張方法を説明している。この章を読むとLiferayの限界、のようなものが見えてくるように思う。ポータルのフレームワーク、というにはここで取り扱われる拡張の方法はトリッキーでわかりづらい。ヘルパ類やAPIを組み合わせるというよりは具体的なロジックをソース上で追いかける必要がある。


  • 7章、「CMS、WCMとしての利用」も、APIや標準規格によらない内容になっている。Liferayライブラリの特定の要素の利用方法を直接学んでいく形式である。ソースコードが多すぎるし、過度に製品に依存した内容になっていると思われる。


  • 8章、「パーソナライズコミュニティの構築」は、コミュニティ機能の拡張方法を説明している。UGCサイトの構築方法を知ることができる。基本的なポータル機能を拡張したい開発者はこの章も読んでおく必要がある。


  • 9章、「レイアウトテンプレートとテーマの開発」は、カスタムレイアウトの作成方法を説明している。レイアウトをいじりたい場合は他のポートレット製品でも似たような手順を踏む必要がある。


  • 10章、「ソーシャルオフィスの構築」は、SVNからソーシャルポートレットを入手してそれをカスタマイズするという手順で進められる。ユーザプロフィールなどのソーシャルオフィス構築に必要そうな機能の実装方法が理解できる。


  • 11章、「ステージングとパブリッシング」は、WCMコンポーネントによるワークフローの基本を説明している。カスタマイズの方法も理解できるようになっている。ステージングの機構についてとても良い説明がなされている。


  • 12章、「Common APIの利用」は、具体例をともなったAPIの紹介記事になっている。Solr、Terracotta、SharePointとの連携など。しかし、記述の深さが十分でなく、紹介されているAPIも断片的であるように思う。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



DoCASU


The goal of DoCASU is to provide to the Alfresco Community a Custom Alfresco UI with a strong focus on User eXperience.

[From DoCASU]

引き続きソリューションショーケースのご紹介です。Alfrescoの事例紹介の中ではかなり頻繁に顔をだす米国Optaros社のソリューションで、Alfresco標準Webクライアント(Alfresco Explorer)に対する代替クライアントです。DoCASUはバージョン2.x系の頃からForge上で開発が進められていた製品で、現在ではバージョン1.6.2までが公開されています。


AMPファイルが配布されているので、デプロイ済みのAlfrescoに追加でインストールするような形になります。


Alfresco ExplorerはAlfrescoリポジトリに実装されている機能に対して少しずつUIを追加実装していきながら全機能の網羅を目指す、という方向で作られてきた経緯もあり、結果的にエンドユーザのことだけを考えて評価した場合にはまだまだ改善の余地があると言えそうです。そこで、そのエンドユーザにフォーカスしてゼロから構築したクライアントがDoCASU、ということのようです。(類似の代替クライアントは実は他にもいろいろあるのですが)


GUIプロダクトですのでざっくりとデザイン上の特徴にだけ触れておきますと、全体を横に並んだ3つのペインに分割しています。リポジトリ全体のツリー表示、カレントフォルダのリスト表示、選択アイテム毎の詳細表示、と行った具合です。Shareでは若干改善している部分もありますが標準のAlfresco Explorerではアイテム毎の詳細ページは画面遷移後に表示される作りになっているので、詳細表示へ頻繁にアクセスすることが想定されれる場合はDoCASの優位性がはっきりと出てくると言えるのではないかと思います。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年10月17日土曜日

Scanning to Alfresco using Multi-Function Devices


This solution enables businesses with network-capable Multi-Function Devices (Scan/Print/Fax) to scan directly into Alfresco.

[From Scanning to Alfresco using Multi-Function Devices]

また、ソリューションショーケースの紹介に戻ります。OA Solutionsによる複合機連携のソリューションです。(MFD マルチ・ファンクション・デバイス、と表記されてますが日本ではMFP マルチ・ファンクション・プリンタと呼ばれることが多いのではないかと思います。もしかすると違う定義が割り当てられているのかもしれませんが)


複合機から取り込まれた文書が監査証跡情報とともにリポジトリに格納され、自動的にメタデータが割り振られます。ワークフローの起動も自動化されているようです。これらの機能はバーコードによってコントロールすることもできます。


現時点では、コニカミノルタのBizHub C353のみ実績があるとのことですが、Alfrescoの場合他の機器に展開するのは比較的容易なのではないかと思います。(実際にページにもそういうコメントがついていますね)


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年10月16日金曜日

DoD 5015.02 対応


“Alfresco Records Management Module has the ability to transform the way in which government and commercial organizations approach their governance, retention and compliance strategies, as the open source pricing model will significantly reduce the barrier to regulatory compliance,” said John Newton, CTO of Alfresco Software. “The DoD standard has become a benchmark for electronic records management systems and this certification demonstrates our commitment to delivering cost-effective technology to help organizations preserve official records in accordance with the strict legal requirements needed to manage vital company information.”

[From Alfresco Delivers Governance]

バージョンアップによる再取得などで正式なアナウンスが遅れていた米国国防省レコード管理基準DoD5015.02サポートが正式にアナウンスされています。


今年末までにリリース予定のEnterprise 3.2から正式にサポートされる形になります。


今までのバージョンでも機能的には搭載されていたものですが、改めてその特徴をあげますと、



  • シンプルな単一リポジトリによるレコードマネジメント


  • 使い勝手の良いWebベースのインターフェース


  • 簡単につかえるメールファイリング機能


と言う点にあります。(と、リンク先の記事に書かれています)


国内ではあまり事例を聞かないレコード管理ですが、メールファイリングと有効期限管理+ワークフローという部分ではこういった標準モジュールによる追加機能は国内ユーザにとっても有用だと思われます。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年10月15日木曜日

Integrating Kofax, Google and Oracle Financials


This solution captures incoming paper documents via Kofax and releases them into Alfresco for inclusion into a workflow.

[From Integrating Kofax, Google and Oracle Financials]

すっかり記事の更新を忘れていたので、簡単に。Micro Strategies社のソリューションは昨日のものに追加してもう1つ挙がっていました。


KofaxおよびGoogleアプライアンスとの連携です。


MSI Profilerが抽出したメタデータをOracle Financialsに登録する、という説明がされています。自動化されたプロセスによりメールがリポジトリに登録され、添付ファイルが独立した文書として識別されます。Oracle Financialsの情報と照合する、ということもやられているようです。ワークフローの途中で、Googleアプライアンス経由でAlfrescoリポジトリに格納された文書にアクセスする、という機能についても言及があります。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年10月13日火曜日

Document and Forms Workflow


This solution receives documents via fax and e-mail, automatically imports them into the repository and executes the appropriate workflow based on the information pulled from either the content of the document and or the name of the document.

[From Document and Forms Workflow]

再びソリューションショーケースの紹介に戻ります。MicroStrategies社のDocument and Forms Workflowです。あまりマーケティングを意識した名前ではなく、ただ実現したシステムそのものを表現する呼び名のようですね。


FAXサーバと連携してFAXを受けとったり、メールへの添付というかたちで文書を受けとった後で、リポジトリに格納し、ワークフローを起動するというオーソドックスなソリューションです。Interwoven TeamSite上などで動作していた同社のMSI ProfilerのGUIを使って操作を行うことができるようです。


また、PDFフォームをインプットとして自動的に入力フォームを作る機能なども用意されているようです。


FAXサーバ連携と、ワークフロー機能と統合されたダッシュボードが特徴であるように見えます。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年10月9日金曜日

Alfresco’s OEM Partner Program Continues Ecosystem Expansion


“Alfresco’s OEM partner program is designed to enable our partners to accelerate the speed and success of their go-to-market offerings,” said Martin Musierowicz, Vice President, Alliances at Alfresco Software Inc. “We look forward to working with new OEM partners and enabling them to achieve the success of our existing partners, including Adobe, NetPace, Ingres and Remote-Learner.net.”

[From Alfresco’s OEM Partner Program Continues Ecosystem Expansion]

ソリューションショーケースの紹介を1回お休みして、Alfrescoのプレスリリースのご紹介を。OEMパートナプログラムの拡大について発表しています。2009年だけで20件の新規契約があったということのようです。


現在、Alfrescoはグローバルで50を超える数の企業とOEMパートナシップを結んでいます。これらのパートナにとってのAlfrescoのメリットは以下の4つです。



  • 標準規格に準拠していることによる連携の容易性(CMISなど)


  • コンテンツ管理、ワークフロー、コラボレーションなどの機能


  • 商用ライセンスとも矛盾しない形での組み込みモデルOEMライセンス


  • Alfrescoエキスパートによるサポートとトレーニングの提供


また、OEMパートナプログラムの具体的な内容は以下の5つになります。



  • OEMライセンス(オープンソースを強制せず、組み込み、修正、リブランド、配布を認めています)


  • 開発支援


  • 製品サポート


  • トレーニング


  • ジョイントマーケティング


CMIS以後ますますコンテンツサービスに対する要件の共用化が進んでいます。弊社としても、こういった取り組みをつかって車輪の再発明を避けるという方針の合意性を今後もアピールしていきたいと思います。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



Engineering Data Management


Our capabilities and experience, particularly in the areas of engineering drawing management, technical document management, and secure collaboration, have helped both small organizations as well as large global enterprises manage their most important information assets.

[From Engineering Data Management]

これはちょっと珍しいケースかもしれません。図面管理などで実績を持つformtekが、SIパートナとしてAlfrescoを使った(図面管理を中心とした)ソリューションという形で登録しています。formtek社にはformteck | Orionという製品が別途存在するのですが、顧客のニーズにあわせてAlfrescoも選択に入れるということなのでしょうか。


#ただ、よく考えてみるとDocumentumにしろLiveLinkにしろ文書管理製品を自社製品として持っているような大手SIerによる導入事例が過半であったことを考えると、「珍しいケース」という言い方はあたらないのかもしれませんね。


残念ながらショーケース内の記述やformtekのWebサイトおよびblogからは詳しいソリューションの中身を伺い知ることはできませんでした。機会があれば問い合わせをしてみたいと思います。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年10月8日木曜日

Sheetster Web Spreadsheet


Edit spreadsheets right in your browser with Sheetster. Sheetster was the first web spreadsheet to support the Excel 2007 file format and continues its innovative approach to maximizing the power of data.

[From Sheetster Web Spreadsheet]

GoogleDocs以降脚光を浴びているブラウザでのコンテンツ直接編集技術ですが、Alfrescoと正式に連携ソリューションを発表している製品もあります。(Excelだけを対象としたソリューションですが、Wordはリッチテキストで代替できることが多いと思われるので、実効性は高いと思われます)


Extentech社のSheetsterはExcel 2007フォーマットに対応した最初の「Webスプレッドシート」だそうです。グラフ描画の機能も備えています。Alfrescoと同じくサーバサイドJavaの技術でカスタマイズも可能です。これは是非手元でデモ環境を構築してみたい製品ですね。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年10月7日水曜日

ViewONE Pro


ViewONE Pro is a completely modularized - the first zero-installation Module-On-Demand™ viewer, specifically designed to take advantage of web technology so that you can view, zoom, magnify, scroll, pan, rotate, flip and print a variety of image document formats easily and quickly.

[From ViewONE Pro]

引き続きソリューションショーケースの紹介です。Daeja Image Systems社のビューワ製品ViewONE Proとの連携です。


ViewONE ProはJava Appletベースの製品で、エンドユーザのクライアント端末に対するインストールが不要で、先進的なキャッシュ機構を備えてパフォーマンス面でのメリットも享受できるというもののようです。インストールが不要というのはAlfrescoのゼロフットプリントポリシーとの親和性が高く好感が持てます。


その他の特徴としては、プラガブルなアーキテクチャで新しいファイルフォーマットに対応させるようなカスタマイズの余地があるということ、追加モジュールによってファイルの分割配信(TiffやPDFを想定しています)やアノテーション機能などを備えていること。サーバ製品でありユーザ数課金ではないこと、などがあげられています。日本語にも対応しているみたいですね。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年10月6日火曜日

Content Circles


By acting as a “bridge” between Alfresco and parties outside an organization, Content Circles provides auditability for content originating from Alfresco while eliminating the need for e-mail/FTP “workarounds” with outside parties.

[From Content Circles]

以前ご紹介したことがありますが、P2PベースのコラボレーションサービスのContent Circlesも、ソリューションショーケースにあがっています。


Content Circlesはマルチプラットフォーム対応のP2P製品で、CIFSが使えないような遠隔地拠点間で「コラボレーション」を行う場合には有力な選択肢となりえそうです。(CIFSを利用する場合双方をVista以降の世代に揃えないと遅延が積み上がってしまいます。サーバ側であるAlfrescoのCIFSライブラリであるJLanもまだそのバージョンのプロトコルには対応していません)


クライアント側へのインストール行為が必須となる製品ではありますが、遠隔地コミュニケーションに関する課題を解決するアプローチとして、技術的には納得性が高いものであると思います。後は、オープンソースやSaaSに加えて「P2P」にも理解を示して頂かないとビジネスが進まない、という部分をどう解決するかですね。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年10月3日土曜日

Contract Lifecycle Management Solution


CIGNEX Contract Lifecycle Management solution enables people in various departments within the corporation to work on contracts following Contracting Process, ensuring Contract Compliance and adherence to corporate guidelines on contract management and approval authority.

[From Contract Lifecycle Management Solution]

ソリューションショーケース2つ目は、インドのCIGNEXです。トレーニングなどでここのエンジニアと同席したことがあります。Liferay連携やWCM案件などでも名前をよく聞きますね。


改行がすべてはずれていて読みづらいのですが(2009/10/02現在)、Insight Now原稿の転載をしたときには私も同じミスをしているので、文句は言いづらいですね。


今回紹介されているのは契約書ライフサイクル管理ソリューションということのようです。契約書の作成、交渉、実行、管理そして分析までを一元的に管理、と書いてあります。



  • データ移行のツールをつかって既存の契約書のデータも一括で取り込む。


  • 契約書のテンプレートを整備して業務効率をあげるとともにリスクを低減する。


  • 複数言語バージョンがある契約書の管理にも対応する。


  • 契約書のファイリング、ドラフト作成やレビューに関するワークフローのベストプラクティスを導入する。


  • 契約書に使われる用語の一部をキーワードとして登録しトラッキングを可能にする。


  • 全文検索可能にする。


  • 適時メール通知を行う。




などの特徴が列挙されています。



契約書はコンテンツ指向のビジネスプロセスの例としては典型的なものの1つですね。ワークフローというとまず稟議書が具体例として提示されることが多く、それはそれで効果的で適合性が高い分野ではあるのですが、社内稟議であれば文書の様式自体を自由に決めることができるので必ずしも非定型データとしての文書に拘る必要がないとも言えます(RDBベースの定型データに帰着しやすい)。それに対して契約書は他社との間の取り決めであるため、文書の形をとる必要がありますし、その体裁も相手によって千差万別です。ECMの活用例として参考になると思います。



(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)





2009年10月2日金曜日

Digital Channel Enablement


Additionally, we build customized solutions on top of Alfresco to help our clients manage all of their digital assets and share them securely internally and with partners.

[From Digital Channel Enablement]

予告通り、Alfrescoのソリューションショーケースを順番に紹介していきたいと思います。まず、Acquity GroupのDigital Channel Enablementから。


Acquity GroupはWebに特化したコンサルティングの会社です。(正確に言えば、インタラクティヴエージェンシってことになるようです。双方向マーケティングの広告代理店ですね)。デザインやソーシャルメディアの活用方法に関する専門性に加えて、Alfrescoリポジトリを使ったコンテンツ管理までをカバーしているというのが強みになっています。


Digital Channel Enablementと名付けられたソリューションは、技術調査(Technology Assessments)・オープンソース評価(Open Source Evaluations)・設計/実装(Design & Implementation)・オープンソーススタータキット(Open Source 'Starter Kits')から構成されています。


技術調査では、オープンソース、プロプライエタリパッケージ、既存システムなどの選択肢を広く評価し、将来を見据えてもっともコストエフェクティブな組合せを導き出します。オープンソース評価では、長期的なROIモデルに基づきオープンソース対プロプライエタリパッケージの比較分析を行います。設計/実装では大規模サイトの運用実績に裏付けされたスキルセットを活用して実際の開発を行っていきます。スタータキットは、一般にプロプライエタリよりも選択肢が多く複雑になりがちなライセンス体系や保守サポートの仕組みまでフォローした形でオープンソース製品に組合せを提案/提供します。


特にオープンソース評価のあたりは弊社でも力を入れている分野です。Community Meetingなどで会うことがあれば詳しい話を聞いてみたいですね。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年9月30日水曜日

ソリューションショーケース


The Solution Showcase highlights how leading companies are solving critical business problems using solutions built with Alfresco.

[From Solution Showcase]

Alfrescoの公式サイトにソリューション事例を列挙するページができています。


実際に作り込みを行ったパートナの名前も出てきていますし、うちも何か事例を載せてもらうようにした方が良さそうです。


明日以降このBlogで、このページに載っているソリューションを面白そうな所から日本語で紹介していってみたいと思います。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



ACTIVISION事例のその後


About Old School Techie

[From Great Webinar on Combining Drupal and Alfresco | Old School Techie]

リアルタイムでは参加できませんでしたがOpatarosのWebinarを視聴しました。WCMの方の事例ではなくDrupalとAlfresco DMを組み合わせたイントラネット構築の事例紹介でした。


CMIS(そういえばシーミスって発音するんですよね、SQLをシークルと発音する人達なのでそのまま真似をするのが妥当かどうかは議論の余地がありそうですが)を使っている よね。その意味でも注目の事例です。CMISはまだ更新がありそうな状況ですが、実際に事例化されていっているというのは非常に心強いです。


プレゼンテーション層はPHPベースのDrupalを使い、そこで提供されているモジュールも必要応じて積極的に採用する。コンテンツサービス層はAlfrescoを使い、安全性を高めるだけでなくワークフローなども担わせる。検索にはGoogle Search Applienceを使っている、ということのようです。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年9月28日月曜日

SharePointからGoogle Sitesへ


The Google Sites Data API has just been announced. But there's been a Google Apps Data API for awhile. One vendor has used this API to design a migration solution called SharePoint Move for Google Apps.

[From Google Goes After SharePoint with New Sites API]

Google SitesのAPIがバージョンアップし、コンテンツモデルに対するCRUD操作がやりやすくなっています。元記事はSharePointとの関係性を軸に紹介していますが、Web上にコンテンツを格納できてRESTful APIを使ってそのコンテンツに対する操作を行うというモデルはAlfrescoとも無縁ではありません。(CMIS一般の興味と考えるべきかもしれませんが)


Google SitesのData APIではなく、Google AppsのData APIを利用して、SharePointからGoogle Appsへ移行を行うプログラムを提供している会社もありますが、こういうAPIが普及してくると、単純にSharePointの標準機能を使って管理されているデータを移行するだけでなく、その上に構築されているアプリケーションなども移行対象に入ってくることになるんでしょうね。数年後には今のようにNotesやDocumentumなどをベースにしたアプリケーションの「新しい技術によるリプレース」だけでなく、SharePointからの「オープンな標準によるリプレース」の提案もしていかなければならなくなりそうです。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年9月26日土曜日

Packt社のアワード


“I am excited and honored to win the award,” said Potts, “especially because I know there were several popular and well-written books among the finalists.”

[From Packt News & Articles ]

Alfresco Developer Guideを執筆したJeff Potts氏が出版元のPackt社からAuthor of the Yearを贈られたようですね。確かに非常に良い本です。また、Alfrescoに対する関心の高まりをますます実感しますね。


ノミネートされていた執筆者とその著作のリストを引用しますと、



  • Drupal Multimedia by Aaron Winborn


  • Learning Drupal 6 Module Development by Matt Butcher


  • Learning Ext JS by Shea Fredrick, Colin Ramsay and Steve "Cutter" Blades


  • Object-Oriented JavaScript by Stoyan Stefanov


  • Service Oriented Architecture with Java by Vincenzo Caselli, Binildas A. Christudas and Malhar Barai


不勉強なことに一冊も読んでいませんが、どれも気になるテーマを扱っています。DrupalはAlfrescoとCMISを経由した事例があるので、うちでも是非取り扱ってみたいと思っています。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年9月25日金曜日

連休明け

さっそく、毎営業日更新という目標を忘れ、深夜をまわってしまいました。


明日からは頑張りたいと思います。


この大型連休は、社の中心メンバーが長期休暇をとって海外旅行に行ってしまい事務手続に若干の混乱が生じたり(成熟度の低い会社で申し訳ありません、、、ご迷惑をおかけした皆様、この場でもう一度謝罪させてください) 、トレーニングでシンガポールにでかけていたりと、にわかに海外づいている感じがします。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年9月19日土曜日

Amazon EC2上のイメージ公開


Alfresco Software Inc., the leader in open source enterprise content management (ECM), today launched its Cloud Content Application Developer Program.

[From Alfresco Launches Cloud Content Application Developer Program]

Alfresco社がAmazonEC2ベースのクラウドコンピューティングについて、アプリケーション開発プログラムの展開を発表しました。


今のところAlfresco Community 3.2の32bit版が、Ubuntu上にインストールされているイメージだけが公開されています。


CMISを使ったコンテンツ指向アプリケーションのプラットフォームとして活用してもらうことを狙いとしているようです。


そういえば以前CPU課金が基本のAlfresco Enterpriseのサポート料金算定が、仮想化環境のもとではどうなるのかをAlfresco社に問いあわせたところ、見かけ上(実質的な)評価、すなわち「もし通常のマシンでやっていた場合」におきかえて考えよう、という回答が返ってきたことがありました。(あくまで暫定的な処置というニュアンスだったと思います)


Alfrescoの場合クラスタ構成をとって複数サーバのサブスクリプションを契約しようとすると(ボリュームディスカウントがあるわけでなく)逆に1台あたりの単価が高くなるという価格構成になっています。これはクラスタリング構成をとった場合の方がサポートの負荷が高くなるというサービスの実態に即したシステムだと説明されていて、確かに一定の説得力はあるのですが、商習慣上は少し馴染みづらいものがあります。オープンソース製品をベースとしたサポートビジネスというのはやはりまだ試行錯誤である部分がありますし、仮想化・クラウドなどの環境変化を考えると、今後も色々とルールの変更が生じそうです。我々もこうした分野ではAlfrescoと緊密に連絡を取り合う必要があると考えています。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年9月18日金曜日

Alfrescoの重点提案領域

最近、Alfrescoの提案活動の中で、力を入れている分野をご紹介したいと思います。


1つめは、ILM連携です。情報流出リスクというわかりやすい「課題」に対するソリューションでもありますし、システム連携の容易性というAlfrescoのアドバンテージが活かせる領域だと考えています。実際、社内でもWebサービス連携によってPDFにポリシーを設定するデモ環境などを作って検証をしています。


2つめは、Webコンテンツ管理です。せっかくトレーニングの資格も取得しましたし、最近のバージョンでの性能強化が顕著であることもあって、ついに重点領域扱いをすることにしました。今まではほとんど情報発信もしてきませんでしたが、国内でも引き合いを頂くケースも出てきました。


3つめは、Lotus Notesからの移行です。弊社には幸いNotesに詳しい技術者もおりますし、海外での移行案件の事例・ノウハウの情報が手に入るようになってきています。Alfrescoに関しては目下国内SIパートナーを絶賛募集中なので、そういった方々と共同提案を行うにあたって好適なソリューションになるのではないかと期待しています。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)





2009年9月17日木曜日

『Enterprise Open Sourceの実力』

本日、表題の通りの題名の無料セミナを実施しました。


Alfresco - aegif、SugarCRM - オープンソースCRM、Pentaho - KSKソリューションズの3本の発表を行いました。当然、私が担当したのはAlfrescoの部分ですが、2つ程意識していままでの発表とは違う内容を織り込んでみました。


1つ目は、短いながらもWCMの紹介を挿入した、という点です。せっかく公式とレーナにもなったことですし、今後は国内での実案件に結びつけていきたいと思います。


もう1つは、事例紹介の比率を高めた、という点です。資料化してお配りすることはまだできませんが、関心を持って頂くに足るだけのインパクトのある事例に触れることもできたのではないかと思います。(時間が足りずに少しはしょったので、うまく印象付けられた、とも思えない状況ではありますが)


各方面との合意がとれれば、実事例についてこちらでも触れていきたいと思います。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年9月16日水曜日

Twitterタグ #ECM #ERM #E20 #WCM


53 #ECM #ERM #E20 and #WCM Blogs to Watch -- From Twitter Followers

[From 53 #ECM #ERM #E20 and #WCM Blogs to Watch -- From Twitter Followers - Digital Landfill]

社員旅行に続けてお休みを頂いていました。小さな子供(2歳10ヶ月と8ヶ月)がいるので、月曜日もお休みして連泊する形をとりました。軽井沢というと、今まではどこかの帰りに寄るという感じでしか行ったことがなかったので、ゆっくりと見て回るのは今回が初めてでした。整備された「現役の」別荘地エリアが拡がっていて、商業施設も陳腐化・老朽化している様子も特になく、改めて軽井沢ブランドの力を実感しました。(ブランド力や、”一強”がカスタマベースや開発者コミュニティを事実上占有するという状況に結びつけて、何か我田引水的な話を展開してみようかとも思いましたが、せっかく堪能したリゾート気分に自ら水を差すのも野暮ですので、こういう感じにちらつかせただけに留めたいと思います。)


さて、引用先の記事ですがTwitter上で業界に絡んだキーワードでタグ付けされたポストをフォロワー数で並べたリストです。Alfrescoに関連したものが1位に輝いて(?)いました。Alfresco Blogsのうちの1つ、Alfresco from the trenchesです。筆者のPeter Monksは主にWCMを担当しているAlfrescoのサービス部門のメンバです。


最新のポストを見ると、Vignetteに対する墓碑銘(?)を見ることができます。


Twitterは個人では利用していますが、今のところaegifとしての情報発信の場としては使っていません。(個人のつぶやきも非公開にしています)。何が何でも新しいツールに飛びつけば良いというものではありませんが、こうしてぐずぐずしているとチームとして公開すべきコンテンツに乏しい組織なんではないか、と不安になる部分もあります。何か考えないといけませんね。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年9月11日金曜日

買収されたVignetteのその後

No Migrations, Not That Much Overlap



[From Open Text Starts Vocalizing Vignette Plans]

CMSWireにOpenTextの今後のWCM戦略についての記事が出ていました。


OpenTextは元々RedDotというWCM製品を持っていましたが、去年末あたりにそのブランドを棄てWCM Solutionsファミリという複数の製品群を展開するようになっていました。今回のVignetteの買収で、それらの製品群とVignetteの取扱がどうなっていくのかが注目されていたところです。


WCM製品というのは、バックエンドでDBMSをどう使うのか、配信時に動的なページ生成を行うのか(あるいは静的なファイルを出力することを基本とするのか)など、ECM製品以上にアーキテクチャのバリエーションに幅があります。RedDotとVignetteでは全く性質が違うので、既存の顧客ベースを考えると簡単に片方に寄せるということもできないと思われます。


とりあえずVignetteのブランドはRedDotと同様になくなってしまうことになりそうですね。双方のブランドの「歴史的な強み」を活かしつつあたらしい共通基盤を築いていくということのようです。(結局のところ、まだなにも言っていないに近いとも思いますが)


OpenTextはどちらかというとEnterprise 2.0だとかSocialの路線を中心に据えていると思っていたので、この流れは少し意外ですが、確かにIBM・EMCと比べてOpenTextがWCM分野の製品ラインの拡充で一歩先にでたような印象を持ったので、戦略としては正しいんでしょうね。後を追うOracleもWeb系の発表をしたばかりですし、AlfrescoもWCMとECMのバランスの良さが売りでもあるので、これからまた面白い展開があるのではないかと思います。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年9月10日木曜日

「ECMパッケージ」シェア/キーマンズネット


ミック経済研究所の調べによれば、2008年度のECMパッケージ市場は、前年対比4.8%増の48.0億円となった。2009年度には更に6.0%増の50.9億円が見込まれる。




[From 「ECMパッケージ」シェア/キーマンズネット]

キーマンズネットでECMパッケージの国内シェア調査の結果が公表されています。


IBMが1位で2位3位がほぼ同率でOpenText、EMC、そこにOracleが続くという状態のようです。IBMは旧来のContentManagerと買収したFilenetの2本立てと考えれば良いでしょうか。(最近周囲ではContentManagerの話を聞くことがなくなりましたが、先日評価環境にAdobeのRightsManagementを導入したときにConnectorの同時インストールオプションを見ました。評価環境は最新のバージョンで構築しているので、まだまだ現役とみて良いということでしょうね)


不況下にも成長を続けたという点では、ECM市場が以前拡大傾向にあるということが言えると思います。各社とも「基盤」「連携」などの言葉が近況の説明として並んでいます。IRM以外も積極的にソリューション連携をはかり、Alfrescoの国内シェアを「その他」の中からすくい上げたいものですね。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年9月9日水曜日

eドキュメントJAPAN 2009

[From eドキュメントJAPAN 2009:47th 画像情報マネジメントショウ]


AIIMの日本版であるJIIMAのイベントが告知されています。一度、「オープンソースECMの紹介」ということで講演をさせて頂いたことがありますが、弊社はまだ(?)会員ではなく、出展もする予定がありませんが、ECMに深く関連する展示会としては国内で最大(というよりむしろ唯一というべきかもしれませんが)のイベントです。


9月には名古屋や福岡で「統合文書マネジメントのトレンド」というセミナーも開催されるらしいですね。


本当ならこういうイベントにもっと参加しなければならないはずなのですが・・・


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年9月7日月曜日

ecto購入しました

お陰様でお仕事が忙しくなってきたため、気持ちを盛り上げるという意味もこめて送金手続をとってしまいました。(ある種の衝動買いであることは、実感として間違いないと思うのですが、Web上でのこうしたやりとりにどの程度ストレス解消効果があるのかはわかりません。いや、そもそも本当に衝動買いがストレスと結びつく行動なのかどうかもよくわかりませんが)


個人でアカウントをとっているサービスに対しても、このツールで情報発信をしていきたいと思います。


ectoの良いところはまず対応しているサービスが多いところだと思います。Amazonアフィリエイトをしている人にはそれ専用の支援機能もあるようです。(私はやっていないのでわかりませんが)


HTMLのビューと入れ替えながら作業できるのも、安心感があります。


ただ、WYSIWYGモードの作業では文字修飾(引用や箇条書きも含む)を指定する時の挙動が直観的ではないように思います。また、最近デフォルトのブラウザをOperaにしたのですが(概ね3ヶ月に1度くらいでメインブラウザを入れ替えることにしています)、ブックマークレットがそのままではうまく動作しませんでした。


もうしばらくの間は意識して運用方法を練り込んで行きたいと思います。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年9月4日金曜日

新しいオープンソースポータル

[From GateIn Portal - JBoss Community]


JBossグループが新しいポータル製品についての発表を行っています。eXoシリーズの1製品としてeXo Portalを開発してきたeXo社と、JBoss PortalのJBossが、共同で新しい製品を作り上げていく、という試みのようです。製品名はGateIn Portal、だそうです。


Alfresco からみた場合、かつてはJBossバンドル版にはJBoss Portal経由でAlfresco Portletを表示するという設定が標準化されていましたが、最近ではLiferayと連携してシングルサインオンを実現する、という事例の方が圧倒的に多かったのではないかと思います。やはり、JBoss Portalには出来合のポートレットが少なく、インストールしただけである程度使えてしまうLiferayの方が連携のデモを行う上でも見栄えが良いので、我々もそちらのパターンの方がどちらかといえば馴染みがあるというのが正直なところです。


今回、GateIn PortalでもAlfrescoやJasperとの協力体制が発表されています。具体的に動くものが見えてきた段階でまた細かいところをご紹介したいと思います。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



"Alfresco 3"本の書評

[From Open4Dev - Piergiorgio Lucidi's Website - Journal - Alfresco 3 ECM Implementation Book Review]


ミラノ出張の時に一緒にコースを受けたイタリアSourceSense ローマ本社のPiergiorgio Lucidi氏がBlog上でレビューを発表しているのを見付けました。(5日間一緒に作業をし、宿も同じで朝食もほぼ一緒にとっていたのですが、最後まで彼の名前を発音することはできませんでした)


今少し時間がないので、彼が内容の紹介ではなく彼自身の評価として語っていた部分を抜き出しますと、



  • リポジトリの設定とWebクライアントの設定をしっかり峻別できるような説明になっていないのは良くない。


  • 管理者向けなのに突然開発者的なサンプルが入ってくるのには違和感がある。


  • CMISやShareについての言及がしっかりされているのが嬉しい。


  • 「第6章 Implementing Business Rule」はフォルダ構造とルール機能やJavaScriptを組み合わせてビジネス要件を実現していくやり方がわかりやすくまとめられていて、素晴らしい。


  • マルチテナントについてはよく知らなかったので勉強になった。


  • 総論としては、非常にお勧めできる本である。


、、、翻訳しないといけないですよね。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)




2009年9月3日木曜日

InfoWorldのベストオープンソースソフトウェア大賞




[From Best of Open Source Software Awards 2009 | Open Source - InfoWorld]

今年もInfoWorldのBest of Open Source Software Awardsが発表されていますね。(表題は適当に訳したものにしてみました。もしかしたら定訳があるのかもしれませんが)


残念ながら、今回はAlfrescoについてはIntalioとの絡みでしかでてきていない様です。


昨年に比べてERP製品がまた存在感を増しているような印象です。不況の影響で再度注目を浴びたということなのでしょうか?



  • Compiere


  • DimDim


  • Drupal


  • Intalio


  • Jasper


  • Magento


  • OpenBravo


  • Pentaho


  • Piwik


  • SugarCRM


  • Wordpress


会議システムのDimDimの名前があがっていますね。昨年来の注目株で、弊社も遠隔拠点を作った時には是非導入してみたいと思っていました。ボストンのオフィスと直接やりとりをした方からうかがった話によれば、かなりフットワークの軽い会社のようなので、システム連携などを含めて面白い取り組みができるかもしれません。(遠隔地拠点、とまでいかなくても在宅ワークのサポートとしても使えるでしょうし)


不勉強なことに、Piwikだけは評価もしたことがありませんでした。アクセス解析のツールで、phpMyVisitesの後継なんですね。Google Analyticsもとりあえず導入するだけしてまともに活用できていない状況なので、まだすぐに手をつけるということはないと思うのですが、名前だけは覚えておきたいと思います。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年9月2日水曜日

Alfresco CMIS- Now and Nextの話




[From Alfresco CMIS » Blog Archive » Alfresco CMIS Implementation - Now and Next]

数少ないリクエストにお応えするためにCMISの話を。


とはいえ先日の0.62以後は特に表立った発表はないので、Alfresco BlogのCMIS関連ポストのうち比較的新しいものをご紹介したいと思います。6月24日の記事ですね。


まず、その時点での「今」の話から。だいたい以下のようなことが書かれています。



  • 3.2 LabsのSVN HeadのバージョンでCMIS関連の機能が強化されました。v0.61の必須機能とオプショナル機能の大部分を実装しています。


  • 表面上だけラップしたものではなくエンジンの深いところから対応させています。


  • ActiveVOSのエンジニアにも「Alfresco CMIS Service just works」と高評価を受けました。


  • テストツールも作って品質向上に努めています。他のCMIS実装とも共有できるかもしれません。


  • 特に「売り」なのがクエリ機能です。(Joinには非対応ですが)


  • SQLクエリの中でAlfrescoの新しい全文検索クエリ言語であるAlfresco FTS Languageを使うこともできます。しかも、この言語セットはAlfrescoリポジトリから離れてスタンドアロンでも利用可能です。


そして、「次」の話。



  • とにかく、Alfrescoとしては積極的にCMISに投資しています。


  • CMISのAPIとSURFプラットフォームを活用してAlfresco Share上にレコード管理のアプリケーションを構築しました。


  • これによりAlfresco以外のCMISリポジトリにShareからアクセスする、という図式にも一歩近づいたといえるでしょう。


ということで、技術的には結構面白いことになっているのではないかと思います。個人的にはFTSの方が気になりますが(DocumentumでいうところのDQLのRepeatフィールドみたいなことができるということでしょうか?)、元記事が強調しているのは「次」の方でしょうね。実際、このCMISクライアントとしてのAlfresco製品という取り組みに関しては、専用のスライドまで用意されています。余裕があればこれも日本語化したいですね。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年9月1日火曜日

Blogエディタ変更


Mac OS X用のBlogエディタとして先日まで利用していたkakuではなく、ectoの試用版を使ってみることにしました。


Typepadだけを使っている分にはxml-rpc対応のkakuで十分なのですが、atom APIのみに対応しているサービスも利用してみようと考えているので、双方に対応したBlogエディタが欲しくなってきました。(markdown記法なども使えるkakuは非常に優れたソフトウェアだと思います)


#本当はリクエストに応えてCMISの状況を伝えるべくこのツールを立ち上げたのですが、ネットワークの状況が思わしくなく、CMIS Projectにうまく接続できませんでした。明日あたり、再度挑戦したいと思います。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年8月29日土曜日

Web Form作成の参考になるサイト Dr. Q’s Workshop


Dr. Q’s Workshop







Alfresco WCMのトレーニング時に講師の方からご紹介頂いたBlogがありました。Dr. Q's Workshopです。



最近の投稿はもっぱらAlfresco Tech Talk Liveに関するものばかりですが、過去にはiPhoneクライアントやLearning Alfresco Web Forms by Examplesというシリーズの記事がありました。その名の通りサンプルファイル付きの解説記事になっていてるので学習時には非常に参考になります。(テンプレートやスクリプトは修正してすぐに試せるので、サンプルがあると学習速度が格段に上がるのではないかと思います)



(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)







2009年8月27日木曜日

Alfresco Shareの日本語化

最近各方面から問い合わせを頂くので、Alfresco Shareのメッセージ日本語化について簡単にご紹介したいと思います。



まず、非常に残念な事実からお話をはじめなければなりません。Alfresco Shareはまだ十分に多言語化されているとは言い難い状態です。Alfrescoの標準クライアントである、Alfresco Explorer(以前はAlfresco Webクライアントと呼んでいました)の場合はログイン時に言語を選ぶことでUIメッセージの言語を変えることが出来ますが、現時点のAlfresco Shareではそういった機能は提供されていません。実は前バージョンまではロケール毎に別のメッセージファイルを持つこと自体ができなかったので、英語メッセージを日本語で置き換えるという処置をしていました。



また、現時点ではshare/WEB-INF/classes/alfresco/message直下は_ja_JPではうまく選択されないため、他のメッセージファイルと違って_jaだけをサフィックスとして追加した状態でデプロイする必要があります。



Shareのメッセージファイルは各Webscriptの単位で区切られたフォルダに分散して格納されているため、ランゲージパックのファイルのコピーも少し面倒になっています。(特に、フォルダコピーが置き換えになるMacのFinderでは厳しいです) そのため、現在のランゲージパックも以前から英語メッセージの置き換えのために同梱していたシェルスクリプトを同梱した状態で公開しています。



また、公開しているランゲージパックは無償版の最新リリースにあわせて作成した初版なので、Enterprise用の品質チェックを通したものではない、ということと、Alfresco Share自体のメッセージファイルのリソースバンドル化がまだ十分ではないという2つの理由から、現時点での日本語UIにはまだ不自然なところが残っています。お気づきの点があれば是非メールやフォーラムへの投稿でフィードバックしてください。



よろしくお願いします。



(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)







2009年8月26日水曜日

仮想化を巡る動き、SpringSource続報 InfoQ: SpringSource Cloud Foundryが公開される


InfoQ: SpringSource Cloud Foundryが公開される





先日、ここでも取り上げたVMWareによるSpringSourceの買収ですが、さっそく次の動きが見えてきましたね。

SpringSourceがCloud Foundryの買収とSpringSourceの名を冠したSpringSouce Cloud Foundryという製品の概要を発表しました。

Cloud FoundryはSpringベースのJavaアプリケーションやGrailsアプリケーションをAamazon EC2クラウドにデプロイし管理するツールを提供しています。今後はSpring Tool Suite、Roo、Mavenなどによるビルドにも対応させていく予定だそうです。

Springベースのアプリケーションの管理手法が整備されていく流れが綺麗に描かれていると感じますが、実際にVMwareとのシナジーが出て、”プライベートクラウド”へのアプローチが明確化されるのはもう少し先なのかもしれません。如何にもバズワード、な感がある「仮想化」「クラウド」ですが、我々も立場上真面目に評価のフレームワークを考えておかないといけません。(仮想化されたJVMで従来のJ2EEアプリの延長にあるソフトウェアを動作させるという方法と、初めから分散環境に特化した技術で1からソフトウェアを書き起こすという方法の対立は、RDBMSとXMLDB/OODBの対立に近いものがあると思います。なので、そこをとりあえずの出発点と考えています。が、この対比についてはすぐボロが出そうなので、Blog上は深追いするとしても別の機会にします)

いずれにしてもすぐ結論がでるようなことではないようですね。元記事でもVMWareについては、”リソースが増えた”って側面にまず触れる形のようですし。

��文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)

コンテンツ移行の負荷を決める要因PCM.Blog » Factors Impacting Content Migration



PCM.Blog » Factors Impacting Content Migration









PCM.Blogでコンテンツ管理システムのデータ移行についての記事があがっていました。こうしたまとめがあると、プロジェクトの時に検討の抜け漏れのチェックができて便利ですね。




  • 移行元のコンテンツ

  • コンテンツの型(タイプ)

  • コンテンツの品質

  • コンテンツの量

  • 移行先のシステム

  • 変換もしくは価値の付加

  • ユーザとロール

  • 自動化の余地

  • ロールアウト計画(スケジュール)

  • 並行運用

  • インフラと回線品質



「コンテンツの品質」や「インフラと回線品質」などは評価が難しいところですね。このあたりのフォローは経験が活きる領域だと思います。(方法論にのっとって分析から流していく流れに載りづらい、という意味で個人的に「要注意」という印象を強く持っているだけのような気もしますが)



(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)







2009年8月24日月曜日

最良のライセンス形態、についてのディベート

FOSSLC Brings Together Open Source Thought Leaders to Educate and Entertain Regarding the Importance of Licensing







Alfresco社、Eclipse ファウンデーション、Coverity社、Ingres社そしてカナダの法律事務所であるGowlingsがスポンサーとなって、“Which Open Source License Is the Best”というディベートを行うそうです。AlfrescoのWebサイトに告知が出ています。8月31日、場所はオタワだそうです。(さすがに気軽に参加できるイベントではありませんが、面白い試みだと思うので、記事のご紹介だけ)



イベント自体はThe Free and Open Source Learning Center (FOSSLC)が主催するようですね。



論者のプロフィールも紹介されているのが、簡単に日本語化して書いておきます。



Matt Assay氏。Alfresco社のVPでオープンソースビジネスストラテジスト、です。ここではあまりくどくど紹介する必要もありませんね。この議論を通じて、ビジネス上適切なライセンスを選択するためのガイドポイントを確立していきたい、と発言しています。(イベントの公式サイトではGPLの立場からの発言を期待されているようですね)



Mike Milinkovich氏。Eclipseファウンデーションのエグゼクティヴディレクタです。恐らくはEclipse Public License(EPL)を代表する立場から発言することになるのではないかと思います。自由であることがキーになっていることはすでに広く同意が取られていると思うが、オープンソースのライセンス形態についてはまだまだ議論すべき多くの「ニュアンス」がある。ライセンスの選択から派生するビジネス上の価値についても、こうした議論から学ぶべきことは多いだろう、というようなコメントを寄せています。



David Maxwell氏。Coverity社のオープンソースストラテジストにしてNetBSDファウンデーションのボードメンバです。当然、BSDライセンスを代表する発言が期待されているということになるでしょう。プロプライエタリとの違いについてもまだ十分に世の中に認識されているわけではない、という認識や、BSDライセンスを代表することにはなるだろうがそれだけに拘るわけではなくこの議論に取り組んでいきたい、というコメントを表明しています。



その他司会(GowlingsのThomas Prowse氏)や審判を務める4人についても、イベント公式サイトで紹介されているようです。



後で、結果の共有資料などが出てくることがあればまたご紹介したいと思います。



(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)