2010年7月29日木曜日

Day買収


[From 072810AdobetoAcquireDaySoftware]

Adobe社によるDay Software社の買収が発表されています。AdobeはAlfrescoをOEMで採用していますし、コンシューマ向けの文書共有サービスにおいてもAlfrescoのリポジトリを自社利用している巨大ユーザでもあります。それだけに今回の買収のニュースには驚きました。Alfrescoは高すぎて買えなかったということなのでしょうか?


DayはJCR対応リポジトリとして有名で、Documentumとのブリッジ製品なんかも出ていました。個人的に持っているイメージはWebDAVにおいてXythosが占めているポジションをJCR JSR-170規格において占めている製品であり企業である、というものでした。


今後のAdobeの動きが気になります。また、CMISの普及に対してこのての動きがどう影響を及ぼすのかも興味深い点だと思います。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)




2010年7月22日木曜日

iPadから投稿

iPad。発売日に入手し、極力これだけで外出時の仕事は完結させようと色々と試行錯誤をしています。あちこちで言われていることですが、やはりViewerとしては非常に優れたデバイスであるように思います。Kindleは持っていないので実はすでに世の中にはもっと快適な環境があるのかもしれないのですが、洋書を読むための環境は格段に改善されました。



iWorkのシリーズも一通り購入しました。結論としては、Keynoteは若干期待外れ、Numbersは予想以上の出来栄え(ただし利用シーンはあまりない)、Pagesは予想通り、といった感じでしょうか。



読むだけじゃなく、文書を作るツールとしての可能性をちゃんと評価していかないといけない立場だと、自分では勝手にそう考えているのですが、なかなか実態が追いついていません。極力外付けのキーボードに頼ることなく仕事の仕方を工夫して対応して行きたいと思います。



(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2010年7月21日水曜日

Liferay Portal 6 GA Released - Blog - Liferay.com


Whew. Just finished the upload the Liferay Portal 6 GA!

[From Liferay Portal 6 GA Released - Blog - Liferay.com]

Liferay CE(Community Edition)の6.0.3 GA版がリリースされています。少し古い情報で恐縮ですが・・・


先日、CEOのBryan氏とも相談をしたのですが、Liferay社は社風としてギリギリまで新機能を詰め込もうとするらしく、ランゲージパックのためにコードやランゲージパックそのものをフリーズするという文化がほとんどないのだそうです。今後やり方をいろいろ工夫していくとして、今回のバージョンも弊社のエンジニアの貢献が全面的に行き届いた版とはなっていない部分がどうやらありそうです。(それでも、弊社参画以前よりは改善しているというコメントも頂いています。ありがとうございます)


今後のLiferayの国内展開にどうぞご期待ください。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)





2010年7月17日土曜日

セミナにご参加頂いた皆様、ありがとうございました

昨日、”米国Liferay社CEO 来日記念セミナー”というタイトルで、セミナを実施しました。


予想よりも多くの方にご参加頂けました。アンケート調査等々を見る限り、概ね好評であったようなので、ほっとしております。(もちろん、Liferay製品がそれだけの魅力を持っているということであって、我々が具体的に何らかの価値を提供できるところにまではいたっておりませんが)


今回、CEOのBryan氏のスタイルやプレゼンテーションの題材を考慮して、専門の通訳の方ではなく英語に関してはまったくの素人である私が通訳を務めるという、ある種無謀な方式にチャレンジしました。ご参加頂いた方にはお聞き苦しい点が幾つもあったかと思います、この場でもお詫びしたいと思います。通訳というのはつくづく大変なお仕事であると痛感しました。現時点では、もう二度とやりたくない、という気持ちと、次にチャンスがあればもう少しまともな通訳ができるのではないか、という気持ちの両方があります。


LiferayはAlfrescoと同じく、当該分野のシステム投資を検討する担当者あるいは責任者の方が無視することが許されない製品になっていく(あるいはすでになっている?)と考えています。何か余程特殊な事情が無い限り、今では業務アプリケーションの世界でも「オープンソース・オルタナティヴ」を製品選定の対象に含めることは避けて通れない道になって来ています。そこまで含めて初めて、「システム検討を誠実に行なった」と言える、という発想が広く共有されるようになってきたと感じます。


コンテンツ管理の要素を持つシステムを構築する場合、自前でコンテンツと属性・アクセス権の解決のロジックを開発するのはナンセンスです。かと言ってプロプライエタリの製品をエンジンとして使うとライセンス料が係る上に生産効率が下がる、また、つぶしの効かない特殊な技術での仕事になってしまうという問題があります。こうした場合、Alfrescoを採用して頂くのが、サポート体制と生産効率そしてコストの見合いを考えればベストである可能性が極めて高いだろうと言えます。(例外は自前で開発しても対処できるくらいにコンテンツに絡む要件が少ない場合くらいでしょうか)


同じことが、認証基盤との統合やパーソナライゼーション機能、ソーシャルコラボレーション機能などの要素を持つシステムを構築する場合、Liferayに対して当てはまります。Struts2やSpringなどのいわゆる標準的なWebアプリケーションよりもさらに具体的な道具立てが揃った、高水準フレームワークとして利用できます。この使い方に関して、Bryan氏も再三プレゼンテーションの中で強調していましたが、私も今後、より分かりやすい実例などをご紹介していきたいと思います。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)





2010年7月15日木曜日

CMIS Blog- Content Management Interoperability Services


Struts2CmisExplorer is a further web-based CMIS explorer. The lead developer of this client is Nicolas Raoul. Struts2CmisExplorer has also been developed to be forged to Spring.

[From CMIS Blog- Content Management Interoperability Services]

CMIS Blogで、弊社発のプロジェクトstruts2cmisexplorerが紹介されています。当Blogも日本語でCMISについて言及している稀有なサイトとして言及されています。ちょっと嬉しいですね。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)





2010年7月9日金曜日

have to とought to


John Newton, co-founder and CTO at Alfresco, finds the evolution of enterprise control interesting. "The conversation has moved from, 'you have to control everything' to 'you ought to control everything' to 'you can't control anything because people will find work-arounds.'"

[From IT can't control information flow forever - FierceContentManagement]

Alfresco社のサイトのMedia Coverageのページからの動線で、リンク元の記事を読みました。


冒頭でまず、Dropboxの個人利用をITセキュリティポリシーなどの観点から禁止するのはあまり得策とは言えないのではないか、という視点が提示されています。特に珍しい意見ではありませんが、確かにWeb上で個人が利用できるツールはどんどん増えていてますます便利になっていますし、方針やブロッキングによって禁止してもすぐ迂回路が発見されてしまうという実態もあります。


引用部分だけがAlfresco関連だったのですが、Alfrescoの会長のJohn Newton氏が、Enterprise 2.0関係のイベントの席で、「すべてに統制を効かせなきゃいけない(have to)」から「すべてに統制を効かせるべきだ(ought to)」を経て、今や「どうせイタチごっこになるんだから、すべてに完全な統制を持ち込むのは不可能だ」という議論になっていると語ったとのことです。ought toはshouldとほぼ同じ意味だと学校でならったような気もしますが、文意からすればもう少し突っ込んで2番目の文は、「”本来なら”すべてに統制を効かせるべきだ」ぐらいの訳の方が良かったでしょうか。いずれにしても客観的な義務を表現しているはずで、確かにこの変遷というのは現実に存在すると思いました。


結局は総花的あるいは画一的な施策には意味が無いので、ちゃんと重み付けをしましょうね、という話に落ち着いてしまうのですが、統制過多という現状認識からの揺り戻し、というのはITに限らず面白いテーマですね。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)




2010年7月8日木曜日

【7月15日(木)】米国Liferay社 CEO 来日記念セミナー -企業ポータルをオープンソースで実現-|オープソースポータルのLiferay


米国Liferay社 CEOのBryan Cheung氏が来日し、同社のオープンソースポータル製品『Liferay』について紹介するとともに、日本市場におけるオープンソースソフトウェアの展開やロードマップをお話します。

[From 【7月15日(木)】米国Liferay社 CEO 来日記念セミナー -企業ポータルをオープンソースで実現-|オープソースポータルのLiferay]

弊社のOSS事業においてAlfrescoに次ぐ重要性を持っている製品、Liferayの製造元米国Liferay社のCEOが来日します。少し前からWebサイトにも告知を出していますが、協同でセミナを開催することにしました。来週木曜日7月15日、13:30~、場所は六本木ヒルズです。是非ご参加ください。無料です。


Alfrescoに関しては製品自体の黎明期からの付き合いであり、国内に特にユーザのコミュニティもなかった状況からパートナーシップを締結して今日までビジネスを広げて来ましたが、Liferayの場合は少し事情が異なっています。我々が手をあげるまでは国内には正式なパートナーとして商用サポートを提供する会社こそありませんでしたが、無償版のユーザは多数存在しました。そのこと自体は、Liferayの製品の品質の高さ、使い勝手の良さを示すものだと思いますが、弊社の立場の説明を難しくしている面もあります。


弊社は、ある一面では、(SAP ERPに代表される)エンタープライズ向けの業務パッケージのコンサルティングサービスを得意とするコンサルタントを擁するファームであると言えます。誤解を恐れずに限定的な言い方をするのであれば、いわゆる「パッケージ採用のメリット」の実現と業務上の有効性の担保のバランスを取る、という仕事をしています。これには、パッケージに対する技術的にも突っ込んだ理解と、業務側のユーザや経営者を中心とした各ステークホルダへの説明責任を全うできるレベルの、現場での検討の積み重ねが大前提となります。そういった立場から業務システムというものと付き合っている我々から見ると、OSSというのは、かつて「パッケージ採用のメリット」と言われていた理想を、より精緻な形で実現できる可能性をもった製品群であると言えます。


(ちょっと話がLiferayから離れすぎてしまいそうなので、引き戻します。中略。)


Liferayのメリットの1つは、エンタープライズ環境における認証の仕組み(つまりはADなどのディレクトリサービス)と連携可能な、パーソナライズ機能付きのWebアプリケーション基盤である、というところにあります。もちろんポータルエンジンですから、既存のシステムのUIをユーザ管理基盤を同調させつつ統合することもできます。ただし、この種の基盤というのは、OS・ミドルウエア・ブラウザなのどアクセス技術の変遷に追随しつつある程度の後方互換性を維持するという、非常に手間がかかる作業が背後にあってはじめてパッケージとしてのメリットを生み出せる、という事情があります。その上、これはあくまで基盤であるため、いくら手間をかけても、アプリケーション以上のレイヤで実現するような「効果」を新たに生み出すことはできません。だからこそ、専門家に任せようという話になってくるわけです。


そして、その基盤の上に独自のアプリケーションを実装する人の立場にたって考えたとき、「特定の技術やプラットフォームに束縛されない」「製品ラインとして廃止されて利用不可能になるというリスクがない」「いざという時にコードを見て問題解決を図るという選択肢が用意されている」「独自規格にこだわらず業界標準に従った構成・APIを積極的に採用している」といったOSSのメリットが、非常に説得力を持ってきます。LiferayもAlfrescoも、インストール直後からそのまま使うことができる完成された「アプリケーション」ですし、それを製造元の正式サポート契約を整備して安心して使っていただく、ということも我々の大切な使命の1つです。しかし、パッケージそのままではやはり効率的な業務システムとしてエンドユーザの中に定着していくとは難しいのが現実であり、これらの製品を土台として使ってその上層に業務に応じたアプリケーションを実現するというやり方こそ、我々のサービスの第1のターゲットです。


上層にアプリをのせるための土台としてパッケージを評価するのであれば、OSS無償版を自己責任で使い続けるという選択肢はほぼありえません。自分でリスクをとるということは、そのレイヤも含めてコードのメンテナンス対象とするということになってしまいます。しかも、それだけの手間をかけてそのノウハウを蓄積しても、製品ラインに対するコントロールを持っているわけではないので、開発元はどんどん新バージョンとして管理対象のコードを追加してくるわけです。それではせっかくオープンで見通しの良い製品を使っていても、時間ともにメンテナンスの負担がどんどん大きくなってしまいます。


以上のようなコスト構造のお話というのはOSSのしかもアプリケーションよりの製品に携わっている人間にとっては今更目新しいものではありませんが、Liferayのセミナでは、実際にこれらのメリットを理解し、非常に洗練された形でLiferayを活用している実例についても幾つか言及される予定です。国内での事例ももちろんご紹介しますが、特に海外において、これらの基盤としての色合いをもったOSSアプリケーションが理屈通りに価値を発揮しているという実態を、是非より多くの方々に知って頂ければと思います。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)





2010年7月7日水曜日

Why A Case Management Framework?, Cheryl's Nuxeo Blog


Case Management is a hot topic these days. Several of the large ECM vendors have announced Case Management products or strategies over the last few months. But this is not a "me-too" announcement from Nuxeo.

[From Why A Case Management Framework?, Cheryl's Nuxeo Blog]

先日に引き続いてCase Managementのお話を。


Alfrescoのライヴァル、として以前ご紹介したオープンソースECMのNuxeo陣営からCase Management Frameworkが発表されています。Blogの中では、「この数カ月で大手ECMベンダが相次いでCase Managementソリューションを発表しているが、今回の発表はそれらに対する単純なフォローではない」というような旨のことが表明されていました。


基本的にはオープンスタンダードなECM基本サービスを実装したリポジトリをコアに持つ製品群ということですから(その意味でもAlfrescoの競合ですね)、こういった適用分野を絞ったソリューションというのはある種のテンプレートのような形をとることになります。AlfrescoでいうとRecord Managementが似たような発想で作られた製品ラインと言えるのではないかと思います。


あくまでCase Managementですので、これまでも特定の業界(医療など)で構築されていた業務特化型のCase Managementツールをリプレースすることを念頭に作られたフレームワークなのではないかと思われます。その意味では、それがすぐにAdaptive Case Managementを体現したものとはならないのではないか、と。特にKnowledg Workerの仕事に特化して、とか、チェックシートによるCase毎のプロセス修正などの具体的なアイデアなどについても発表資料上は言及がないようです。


ただ、やはりECM、BPMのベンダが、一つの営業戦略としてCase Managementに期待をしているという実態はあると言えそうです。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)




2010年7月6日火曜日

Adaptive Case Management


[From "Mastering the Unpredictable" presentation by Keith Swensonさん (BPMinna) : ATND]

先日、7月2日の金曜日に、Mastering the Unpredictableの主要な著者の1人であるKeith Swenson氏の講演(といってもレストランで実施されたアットホームな取り組みでしたが)イベントに参加してきました。


日本BPM協会の方などが参加されるBPM周辺の意欲的な方々による勉強会、という趣きの会で、色々と刺激を受けました。


Mastering the Unpredictableで提起されているAdaptive Case Management(ACM)は、既存のBPMが効果を出しにくい領域、ドラッカーが言うところのKnowledge Workerの生産性向上を目的とした取り組みである、とされています。これまでのBPMがプロセス中心の考え方で、予めかっちりと定義されたプロセスに、個別のデータを流しこむ形で運用されていたのに対し、ACMではデータが中心にあってプロセスの方がその都度構成される、というデータ中心の考え方になっている、という説明もありました。


具体的なシステムへの落とし込み方法について、明確な解はあるいはまだ存在しないのかもしれませんが、Keithさんが所属しているFujitsu Americaの製品では、Knowledge Workの領域に関しては厳格に定義されたBPMN(あるいはシステム側でいえばBPEL)などではなく、タスクの順番や追加・削除がある程度自由に行えるチェックリストのようなものが都度作成される、という説明がありました。確かに、明らかにルーチンワークであるような仕事でない限りは、チェックリストぐらいの表現力が適しているような気もします。


また、彼らが提唱するAdaptive Case Management以外にも似たようなアイデアが、IBMからはAdvanced Case Managementとして提案され、ForresterはDynamic Case Managementというキーワードで整理を試みている、という紹介もありました。その意味では、まだACMという略語が一般化するかどうかは分からない、という面もあるのかもしれませんが、Mastering the UnpredictableはBPMの領域でキャリアを積み上げてきた錚々たるメンバーによる著作ですし、そのインパクトはそれなりに大きいのではないかと思います。(隣接業界とは言え門外漢なので、本当によく事態を理解しているわけではないんですが・・・ ただ、この本の作者たちが既存のBPMに対する課題意識を議論した場所がAlfresco社のオフィスがある街だったらしい、というところに多少の縁を感じます)


Case ManagementはBPM業界だけでなくECMの分野からの言及も増えてきているようですので、今後も継続してリサーチをしていこうと思います。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)