2012年11月30日金曜日

オープンソースのポータルプラットフォームが提供できる価値とは - インターネットコム

オープンソースのポータルプラットフォームが提供できる価値とは - インターネットコム: "われわれは株式非公開の独立系ベンダーとして事業を展開しているため、利益の使い道を含めた意思決定を自由に行える。今後もビジネスと社会貢献を両輪とする企業経営を推進していきたい"


同じようなネタをひっぱりすぎな感がありますが、、、先日のイベントのCEO講演の記事がインターネットコムにあがってました。



  • ポータル専業、プラットフォーム非依存、大規模サイト対応能力、が製品の特色であること

  • 単なる情報システムの寄せ集めではなく、生産性向上や売上げの拡大に成功した事例

  • 非営利団体の支援などの社会貢献や会社運営のポリシー


などのセミナーのハイライトがまとめられています。(2つめの項目はCEOではなく日本法人の成田さんのセッションで詳しく触れられた内容ですが)


個人的には、CEO講演の中にあった、ProductとPlatformの対立軸の話が重要だと考えているので、今後そこについては私の方からも別の機会にフォローをしていきたいと思います。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2012年11月22日木曜日

先日のイベント

外出が続いているのでiPhoneからの更新を、試みてみます。

前回の記事の後、告知させて頂いた日本ライフレイの設立記念イベントに参加してまいりました。

私の講演自体は相変わらず拙いものでしたが、イベントそのものは大変良いものだったと思います。

slideshareにあげた資料

懇親会ではLiferayメンバーが来日して東北でボランティアをした時のスライドが紹介され、同年代の人達が立ち上げた会社や団体の活躍ぶりに改めて圧倒されました。製品やビジネスの面だけでなく、こういうメッセージや具体的なアクションが出せる、ということの価値について、自分としても考えていかないと行けないという気持ちになりました。

我々にも、もう少し日陰者らしさを活かした何か、があり得る気がするんですが、、、

(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)


2012年11月7日水曜日

日本ライフレイ株式会社 設立記念セミナー

ご無沙汰しております。事情があって、AlfrescoともLiferayとも無関係なプロジェクトに取り組んで時間がとれず、またもや本Blogを放置する結果となってしまいました。ここに詳細を書くことはできませんが、その件も含めて、最近、コンサルタントとしての働き方について考えさせられる機会が多くなってきている気がします。
さて、直前となってしまって恐縮なのですが、今週の金曜日に目黒雅叙園で表題のイベントがあります。私も1コマ、弊社の日本でのオープンソースビジネスについて簡単にお話させて頂く予定です。この6年間に現場で感じてきたことをお伝えできれば、と思ってスライドの用意をし始めたのですが、思った以上に薄っぺらい感じに仕上がっています。もうちょっと頑張らないと、、、

https://www.liferay.co.jp/event/smnr/index.php


(文責)
石井 昭紀



2012年8月23日木曜日

Webエクスペリエンスマネジメントの相互運用規格 WEMIについて

OASIS Web Experience Management Interoperability (WEMI) Technical Committee | Charter


以前も簡単にそういう規格が持ち上がりかけてますよ、というお話を紹介させて頂いたことがあったかと思いますが、Liferay関係のポストを稼ぐためにその続報をごく簡単に。


ECMの世界にSQLのような業界標準規格を、ということで策定されたCMISを追って、ということでしょうか、Webエクスペリエンスの相互運用規格についての議論がOASISのお墨付きを目指して進められているようです。弊社aegifのパートナーでもあるオープンソースエンタープライズポータル製品Liferayの製造元であるLiferay社も参加しています。


Webエクスペリエンス管理、という概念事態も賛否両論あるようで、ただのジャーゴン・バズワードだと言い切る人もいれば、ビジネス上必須の概念であると言い切る記事やWebinarもあるようです。ざっとWeb上の関連記事を見渡したところ、特にこのWEMI規格に力を入れている会社として、Hippo CMSの製造元であるHippo社の記事が目立っているように感じます。ApacheファウンデーションのOpenSocial製品Raveなどに取り組んでいる会社でもあるようです。CTOのBlogに参考になりそうな記事があがっていました。ざっくりとポイントをまとめると、「これまでのWebコンテンツ管理はSEO、つまり如何にしてサイトまで来てもらうか、に注力していたが、これからは来てもらった後のこともちゃんと考えなければいけない、それがWebエクスペリエンス管理が目指すところだ」、という主張ですね。「マルチチャネル出力だけでは不十分だ」とも言っています。確かにWCM市場の現状を明確に反映した意見で、総論としては正しい主張であるように思います。(ただ、このような規格を定めて相互運用性を高めることがゴールにどう繋がっていくのかについては、少なくとも私はまだよく飲み込めていません。)


WEMIのチャーターから、狙いを理解する上でキーとなりそうなところを簡単に引用したいと思います。Scope of Workという項目で、作業スコープに含めたユースケースと、あえて外したユースケースを3つずつ列挙してあります。


スコープに含まれているユースケース:



  • WCMからのコンテンツの表示とマッシュアップ

  • コンテンツとメタデータのインデックス

  • 全コンテンツのエクスポートと移行


スコープに含めなかったユースケース:



  • アクセス権管理

  • バージョン管理とレコード管理

  • データ投入と書き込みオペレーション


こうして並べてみると、どのユースケースも、「複数のコンテンツリポジトリを取り扱わざるを得ない」という状況を前提にしないと効果を実感しようがなく、国内市場でそのような前提条件を充足している環境がどれだけあるのか、っていうことが問題になりそうですね。これは相互運用性規格一般の性質であって、CMISも同じような条件だったことを考えると、数年もすれば色々とアプリケーションが揃ってくるのかもしれませんが・・・


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2012年8月8日水曜日

NemakiWareの公開

今日はBlogランチではなく、しかもiPadから更新です。
弊社aegifは基本的にはコンサルティングファームですが、オープンソース製品を扱うために必要となる技術力を持つチームでもあります。そこで、その技術を活用して新しい製品の開発にも乗り出してみました。
#慣れないビジネスモデルへの進出にはリスクがありますが、あくまでオープンソース製品なので、それ程大きなギャップではないのではないか、と考えています。
その製品の名前がNemakiWareです。詳しい情報はWebサイトを参照してください。http://nemakiware.bitbucket.org/
ECMの規格であるCMISをサポートし、バックエンドにいわゆるNoSQL系DBであるCouchDBを採用した、オープンソースのリポジトリ製品です。CMISを使って他のECMと同様にコンテンツのやり取りをできることと、NoSQLを採用することで実現したスケーラビリティが強みであると考えています。
ECM製品は文書管理やコラボレーションのアプリケーションとしても利用されていますが、リポジトリとしてミドルウェア的に活用されるケースも非常に多いわけです。NemakiWareは今のところ基本的に後者のニーズに応えるための製品として設計されています。その意味で(例えばAlfrescoと競合する様な)フルスタックのECM製品というと語弊があります。
まだ大規模なベンチマークをとるような段階ではありませんが、将来的にはNoSQLベースであることのメリットについてもそのうち具体的なお話ができるのではないかと思います。

(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2012年8月6日月曜日

New Alfresco Mobile Features for iPad and iPhone

New Alfresco Mobile Features for iPad and iPhone:



Alfresco Mobile 1.3 launched this week – that’s our fifth mobile app iteration in a year, demonstrating Alfresco’s continued commitment to providing the best mobile experience to our customers to ensure they receive the most up-to-date features to work with their content on their tablets and smartphones.



(Via Alfresco Global Feed)


またも、長期間にわたって放置してしまっていました。社長やエンジニアだけでなく、管理スタッフまでちゃんとBlogを更新しているというのに。


本当はWEMIについて書きたいんですけど、時間がなかなかとれなくて・・・


本題(?)に入ります。AlfrescoのiOSアプリが更新されました。新機能は、「暗号化」「一括アップロード」「メタデータ対応」とのことですが、注目すべきは「暗号化」ですね。企業システムにおけるBYODの問題に関しては、ざっくりと端末管理をがっつりと行っていくアプローチととにかく個人用よりも便利な公式アプリを企業側で提供することで無茶な行動を抑制していくというアプローチがある、なんて話を聞きますが、実際にはこの2つはどちらか一方だけを選んで集中すればOKという話でもないと思います。その意味でAlfrescoのモバイルアプリはどちらの方向性に対しても一定の目配せをしていると言えそうです。


タブレット端末が一般のPCよりもコンテンツの閲覧に関しては便利だ、という評価も一度はかなり固まっていたような気がするんですが、実際には複数の端末を使いこなすための心理的なオーバーヘッドもあわせて考えると、事態はそれほど単純でもありません。そもそもiPadその他のアプリケーションを書ける人は、がっつりとPCを使いこなしているわけで、「あんなことやこんなことまでノンプログラミングで!」とうたうビジネスソリューションを作っているのはプログラマ(=プログラミング言語を効率的に書ける人)、というのと同じ苦しさがありますよね。


久しぶりなので、快調に脱線してしまいました。


Alfrescoは今、タブレット端末でリポジトリ内の企業コンテンツを快適に・適切に閲覧し適切なリアクションを取っていくための環境整備を進めています。この流れの中で、安全性面に関して一歩コマを進めたのが今回公開されたバージョン1.3ということになります。PCベースで暗号化その他の情報漏洩防止ソリューションに投資しすぎて生産性を損なってしまっているケースに対しても、良い処方箋になるかもしれません。その様なケースでは、単純に低い生産性で我慢してモチベーションを下げていくか、下らない(?)ルールを迂回するために無駄なリスクをとるための抜け穴探しに血道をあげるか、という残念な流れに進みがちなわけで、ECMというコンプライアンス推進側でもあるベンダがこうした回答を用意するというのは必要かつ効果的なことだと思います。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2012年6月13日水曜日

WordによるDITA編集

Simply XML | Home: "Let the rest of your organization get the benefits of XML."


最近技術評価作業で協同作業をしていただいている会社さんの製品(と支援体制)に感銘を受けたので、特にオープンソース製品ということではありませんが、ご紹介したいと思います。


XMLで技術文書を作成するための標準規格(という説明で良いのでしょうか?)、DITAに対応したXMLオーサリング環境の選択肢として、「使い慣れたMicrosoft Wordで編集」を実現するソリューションです。DITA1.2のすべての表現に対応しているわけではないのですが、WordでWYSIWYG的な環境でDITAコンテンツを作れるということには一定の価値があると思います。XML以外のコンテンツ形式での編集を禁止したいがフル機能のXMLエディタを全員に配るのは非現実的、なんて状況はよくあるわけですし。


このContent Mapperという製品、残念ながら現時点では日本語に対応していないのですが、製造元のSimply XML社の迅速な対応により我々の評価環境ではすでに日本語(とECMリポジトリとの接続)がしっかり動作するようになっています。まだ、検証段階なんですがSimply XML社のメンバのレスポンスは非常に早く(一度、「今野球を見に来てるから帰宅時まで待ってくれ。あ、でも延長戦だ!」というメールが返ってきたことがありました。なんてアメリカンな・・・)、心強いです。また、彼らのライセンスサーバは使用許諾や課金状況をチェックするだけでなく、ソフトウェアモジュールやテンプレート類の配信管理の機能もあるらしく、バグの報告をする度に修正版をサーバにあげてもらい、次回起動時には自動的に問題が解決する、というフローになっています。Wordを利用!、というコンセプトはEUCよりに見えなくもないんですが、やはりDITA周りではこういったエンタープライズIT的な工夫がしっかりされているもんなんですね。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2012年6月7日木曜日

Liferayロードショーもどき

Liferay社のグローバルオペレーションの責任者であるMichael Han氏が諸国行脚と途中、来日して弊社オフィスにも来てくれました。


バージョン6.1や今後の計画についての情報共有が主な目的だったのですが、6.1は控えめなバージョンナンバーの割に大きな変化を持つバージョンであるように見えました。特にAlfrescoのパートナーでもある我々としては慎重に正しい使い分けのあり方について提案できるようにしていかないといけない側面があると思います。


6.1ではコンテンツ管理、文書管理の機能が大きく強化されています。メタデータ管理やワークフロー管理については特に顕著にその傾向が見て取れます。しかし、想定されている利用方法は、Alfrescoのそれとはある意味で正反対のものであると考えられます。


Alfrescoは本格的なECM製品であり、シリアスな用途においてやはり最後はカスタマイズを完全に避けることはできない、という前提が暗黙に存在しているように感じます。だからこそ、ワークフロー定義のGUIなどECMのコアサービスの可能性を制限してしまいそうなモジュールはなかなか実装されませんでしたし、最も安定的にメタデータ管理の実装を行う方法は現在でもXMLファイルの編集によって行われます。それに対して、これらの機能の標準パターンだけをうまく使いこなせれば、ファイル管理の方法として成果をあげられそうな、ECM文脈でいうところの「シリアス」な用途とまではいかない規模のニーズというのも一定量存在するのは事実であり、Liferayの文書管理機能の強化はその領域を意識して設計実装されている、と考えられます。


また、6.1ではソーシャルビジネスシステムであるLiferay Social Officeも配布物としては同梱されるようになりましたし、実事例も増えていくのでは無いかと思います。その当たりも含めて継続的にご紹介していきたいですね。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2012年5月30日水曜日

久しぶりに合宿に行ってきました

技術系のメンバーを引き連れて、というか、実際には後ろからくっついていくイメージでしたが、久しぶりに社内行事としての合宿を実施しました。場所は越後湯沢で、期間は(たったの)1泊2日でした。


ベンチャー企業の合宿というと「開発合宿」的なものをイメージされる方も多いかと思いますが、残念ながら今回はそういうノリではなく、今後のチームの方向性なんかを議論したり確認しあったりということをメインとしたイベントになりました。開発系のイベントもやっていきたいところなので、そのうちそういうご報告もできれば、と思います。


そこでの議論のほとんどは外に向かって発信するような内容ではありませんが、1つ私個人に振られた(振られ直した?)タスクがあります。このBlogにおけるLiferayに関する情報発信です。思えば、確かにAlfrescoとECMに関する情報に偏向していたきらいがありますね。個人のキャリアとしてECM製品を取り扱うプロジェクトの比率が1番大きかったのは事実ですが、ポータル製品についても継続的に取り組んできているので(製品ベンダの公式トレーナーをやっていたこともあります!)、そちらの側の話題も積極的に取り入れていきたいと思います。


最後に、越後湯沢合宿の総合的な感想ですが、おにぎりとうどんすきは確かに素晴らしかったです。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2012年5月23日水曜日

Alfresco日本法人設立イベントを終えて

日本における事例とベストプラクティス、というお題で講演をさせて頂きました。ただでさえ、あがり症で何を話して良いかわからなくなりがちな上に今回は準備にも練習にも時間がとれず(毎回同じようなことを言ってますし、練習に関してはやれたことの方が圧倒的にレアなケースになってしまうんですが)、来て頂いた方にはお見苦しいところをお見せしてしまいました。


言い訳がてら、ここで講演資料の意図についてくどくどと補足をさせて頂こうと思います。


まず、全体としては、「aegifの自己紹介」「事例の類型の提示と個別事例の紹介」「ベストプラクティス」という3つの要素を盛り込んだつもりです。以下その構造に従って補足をしていきたいと思います。


「aegifの自己紹介」


もちろん、この項目を最初に持ってきた理由は、講演者がどこの馬の骨なのかを明らかにする、というところにあります。ただし、今回、Alfrescoの日本法人の設立に際して、Alfrescoという製品がそのブランドを持たない若い会社が扱ってもビジネスを継続することができたような「本質的な競争力を持つ製品」であることと同時に、今後Alfrescoを導入されるお客様やエコシステムを共に形成していくことになるであろうパートナー企業の皆さんに対してうちの会社が持つ強みを知って頂きたいという気持ちがありました。そこで、弊社の技術サイドにおける基本的な戦略として、我々がOSSのメリットを単なるTCOの削減ではなくサービス品質の向上やエンジニアを尊重し長期的な競争力を得られるなどの部分に見ているという、本題からすると少し冗長な説明を挟ませて頂きました。


「事例の類型の提示と個別事例の紹介」


土壇場で時間が少し短縮されてしまったため、駆け足になってしまったところですが、Foresterのレポートを参考にして類型の提示をさせてもらいました。導入部分がこなれておらず少々唐突な印象を持たれてしまったかな、と反省はしているんですが、ECMの機能や利用方法をFundamental、Transactional、Business、Persuasiveの4つのタイプに分類するというやり方は実務的な感覚をよく反映していると思うので、これからもリファレンスしていきたいと考えています。もしかすると、日本の事情を考えるともう少しスマートな分類がありえるのかもしれませんが。


会場にはお客様やパートナーさんもいらしていたので、もう少し丁寧に掘り下げたご紹介をしたかったのですが、かないませんでした。またの機会があれば、と思います。


「ベストプラクティス」


事例を踏まえてのお勧めについて簡単に触れました。ここも時間の制約をあおりを受けた面が否めません。パッケージベースのITコンサルティングを行っている身としては、「カスタマイズ」の取り扱いは常にプロジェクトの中心的な関心事であるといえます。実際にはパッケージ選定の重要なインプットでもありますし、コードベースを複数の顧客で金銭的な負担を分けあうという経済的な意義からすると、パッケージを推奨しつつカスタマイズを奨励するというのはある種の綱渡り的な危うさがある議論です。繊細な議論であるため、具体的な前提条件もなしにこういったところで結論がだせるたぐいのものではないのですが、講演においては非常にざっくりとした意見として、「Alfrescoを選んだのであれば、GUIのカスタマイズはむしろ積極的にやってしまってもよいのでは?」というような煽りを入れてみました。乱暴すぎる一般論ですが、Alfresco関連のプロジェクトに関してはそれで不幸になる人は少ないと思います。


 


その後も会場でお会いした皆様と色々なご相談をさせて頂いております。今年はAlfrescoもLiferayも国内市場においても色々と大きな変化がありそうです。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2012年5月16日水曜日

Alfresco日本法人設立イベント

表題のイベントが、明日開催されます。


私も国内の事例について話をしてきます。スライドを十分に練り込む時間がなかったのが悔やまれます。大きな枠としてはテクニカルセッションの中で事例紹介っぽい話をメインに、というリクエストを頂いていたのでこれまでの事例のカスタマイズポイントなどを具体的にご紹介する形を考えているのですが、どうしてもテキスト情報が多くなってしまいます。ECMベンダのイベントとしてはやたらと印刷をして紙を配るのも難しいところもありますし、悩ましいですね。


いきなり個別の事例を話しだすのではなく、我々のような何の実績も無い若造(当時)がかついでもそれなりのビジネスを展開してこれたという点についても、一通り冒頭でご説明させて頂くつもりです。ECMにはどんな価値があるのか、パッケージソフトウェアのフルスクラッチ開発に対する合理性と、国内市場においてそのメリットを活かすためにオープンソースモデルが有効であったというような話になる予定です。


先ほどまで、Alfresco社の会長John Newtonと話をしていたんですが、今後のロードマップについても面白い話が聞けました。それは主に技術面での話でしたが、ビジネス面においても日本法人設立の勢いをうまく利用していけそうですし、これからますます忙しくなりそうです。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2012年4月25日水曜日

パンク

暖かくなってきたので自転車通勤を再開したのですが、天候・仕事の都合・体調などの理由によって週一回乗れれば良い方、という状況が続いています。

電車か自転車か、の判断のタイミングは当日朝に改めてするのですが、その結論次第では、前日まで使っていたカバンとは別のものを持ち歩くことになるということもままあります。

何が言いたいかというと、自転車というものは、スペアのチューブや携帯用ポンプを持っていない時に限ってパンクするということです。ついでにいうとその悲劇がまさに今日起きたということでもあります。

実は、aegifのブロガーランチの日と決められている水曜日は技術系メンバーの週次ミーティングの日でもあります。今日はそのミーティングに間に合いませでした。このミーティングでは、一週間の作業内容と今抱えている課題を共有しています。内容や、頻度が、適切かどうかわかりませんが、今の所最大10人程度の技術系チームではそういう対面ミーティングを行っています。社内で情報共有を行うツールもあれこれと活用しているんですが、対面かつ定期的に実施というところがドライブする要素もある、とみなしているわけですね。

このあたりの議論は情報共有ツールの使い方の議論の中で改めてご紹介させていただくこともあるかもしれませんが、今日のところは遅刻の言い訳を優先してここで終わりたいと思います。

#久しぶりのiPadからの投稿なので署名は省きます




2012年4月13日金曜日

企業内情報システムにおけるユニバーサルデザインについて(?)

実は5年くらい前から持っていながら全然実行に移せていないアイデアなんですが、ECMのようにアクセス権管理を主とするシステムのUI設計には、ユニバーサルデザイン的なガイドラインを作る余地があるのではないかと思います。


「全体に公開」「グループにのみ公開」「自分のみアクセス可能」な情報・コンテンツは一貫して色分けしておくことで、アクセス時に直感的にその領域の管理状況が把握できるようになる。


のではないでしょうか。


ではどんな色に? と考えると、3段階の公開レベルですので青赤黄の信号機カラーにすれば良さそうです。それについては反対意見はあまりないのではないかと思います。しかし、ここで1つ問題があります。果たして最もオープンな「全体に公開」と、最も安全な「自分のみアクセス可能」はどちらが青(グリーン)であるべきでしょうか?


一般的には、前者の青(グリーン)とみなす人が多いかなとは思うのですが、(特にECMのインプリの現場では)自明だとは言えないのではないでしょうか。アクセス権の絞り込みを機密性の観点で、「部内費だからグループ限定」などの目的で設定している場合もあれば、情報共有の観点で「まだドラフト状態なので自分のみアクセス可能」という目的で設定している場合も両方あり得る、というような、ECM自身が抱えている各機能がリポジトリの上にのるアプリケーション・業務プロセスによって異なる使われ方をする、という特徴によるものであると思われます。(アプリケーションとしてもミドルウェアとしても利用される、と言い換えても良いかもしれません)


ということで、誰か先行事例があればそこにあわせようと思っていたのですが、なかなかこれというものに巡り会わないうちに、世の中がソーシャルブームになってしまいました。こうなってくると、部署内ではなく「友達」もしくは「友達の友達」への開示が「黄」ゾーンという形になるでしょうか? Google+のサークルの色分けが参考になるかとも考えましたが、やはり目的が違うのでスマートな印象の青や緑のタグがつくデザインになってしまっています。


ソーシャル系のツールが本格的に企業内に入ってきて、BYODも進んでいってしまうとなると、どの範囲でつぶやいているのか、つぶやかれているのか、を直感的に示すデザインには一層のメリットがありそうだと思うのですが。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2012年4月11日水曜日

ご無沙汰しておりました

独創性のない言い訳で情けない話ですが、公私ともに多忙を極めていたためまたもや2ヶ月も放置してしまっていました。その間に弊社のBloggerランチミーティングも曜日が金曜日から水曜日へと変わってしまったようです。


もちろん2ヶ月も間があけばその間にも色々なことがあったわけですが、中でもフォローの必要性を感じながらも手を付けられなかったのが、Alfresco社の日本法人設立と2つ前の記事でご紹介していたECM Summitでの講演です。


Alfrescoもいよいよ日本市場に本格的に力を入れることになりました。Alfrescoのパートナーとしての活動を始めてから6年以上たちました。ローカライズを中心とした作業から、トレーニングビジネス、OEM向けの技術コンサルを含む国内導入、サポートの代行、パートナーリクルートメントと本当に色々な形のお仕事をさせてもらいました。今後はAlfresco社がダイレクトにマーケティング活動などにもリソースを投入してくれるでしょうし、ますます活用の幅が広がっていくのではないかと思います。(そういえばLiferayも日本中心のAPAC担当者がアサインされたようです。日本語ができる方です。ここにきてまた動きが活発化しているように思います)


ECM Summitについては私が特に苦手とする多人数を前にした講演で、うまくまとめ切れなかったという反省が大きいのですが、イベントそのものについては成功と言えそうです。アンケートの結果や出席率を見る限り、国内ECM市場界隈で「ソーシャル」というキーワードを取り扱うことは決して時期尚早ではない、ということだと思います。事前の企画段階においては、そこは議論があったポイントでした。といっても、ネガティヴな意見表明があったわけではありません。JIIMA ECM委員会は日本参入前からKindleを所有している人が何人もいるような「新しもの好き」が揃った委員会で、たとえば最近ではビジネス系の講演イベントでもみかけるようなUstreamやTwitterハッシュタグなんかも何回か前に実施して出席者の反応の鈍さに萎える、という先行ぶりを見せてるくらいですので。(私は新参者なので、こんな形で知った風な口を効くべきではないかもしれないんですが、日本画像情報マネジメント協会という堅い名前から受けるイメージとは一線を画したチームである感があります)


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2012年2月10日金曜日

What's new in Alfresco 4?

What's new in Alfresco 4?: "The enterprise workforce has changed. At Alfresco, we believe that companies need a new approach to content management that is user-focused, mobile, cloud-ready and delivers value to the corporation. We call this new approach cloud connected content."


またしてもご紹介が遅れてしまっていますが、Alfresco 4のエンタープライズが出ました。Alfrescoは商用製品としての特徴付けを強く行っている製品であるため、バージョンアップについてはその機能強化がメジャーバージョンアップに相当するかどうかはビジネス上の駆け引きを生みかねない状況があります(既存ユーザで保守対象からはずれる人達もでてきてしまうので)。しかし、今回のバージョンアップについては文句なく「メジャーバージョンアップ」と言えるものであったのではないかと思います。


クラウド対応、モバイルタブレット対応、ソーシャル機能の充実、といわゆるIT業界のメガトレンドにしっかりと応じてきている各新機能だけでなく、下層レイヤのアーキテクチャを大きく変えてきているという点でも注目すべきバージョンであると言えます。(クラウド対応は、機能よりも下層レイヤの話に近い面もありますが、SaaS的な利用ができるようになってきたという点では顧客から見える機能性にも変化があったと言えるでしょう)


紹介ページの各箇条書き項目を簡単に翻訳しますと


目新しい機能は、



  • Tablets タブレット — どこでも、どんなデバイスからでもコンテンツにアクセス・編集

  • Social Interactions ソーシャルインタラクション — コンテンツに"いいね!"をつけることができ、ユーザを"フォロー"できる

  • Productivity 生産性 — Alfrescoは種々の生産性向上ツールと連携可能なため好きなツールを選べる: Microsoft Office, GoogleDocs, Apple iWork on iPad, Quickoffice, PDF Expert, Adobe Creative Suiteなどなど

  • Social Media Publishing ソーシャルメディアパブリッシング — Alfrescoの中のコンテンツを簡単にソーシャルメディアへ配信

  • Cloud Use Cases クラウドユースケース — クラウド上のAlfrescoならファイアウォールの外のユーザとも協同作業が可能


主要な強化ポイントは、



  • Significant Performance Improvements 目覚ましいパフォーマンスの向上 — コンテンツのアップロード速度が3から4倍、ユーザダッシュボードのクエリが10倍程度高速化

  • New Scalability Options 新しいスケーラビリティオプション— Alfresco Enterprise 4はスケールアップ、スケールアウトの双方に対応するだけでなくデプロイの選択肢も増加

  • Extensibility Enhancements for Developers 開発者向け拡張機能強化 — Alfresco Shareアプリケーションのカスタマイズが容易に。設定項目も増え、新機能の追加も簡単に

  • Web-based Administration Tools Webベースの管理ツール— リポジトリやユーザ、ソーシャルパブリッシングのチャネルまでWebインタフェースで操作が可能


といった感じになります。


個人的にはサプライチェーンマネジメントと混乱してしまうSCM、ソーシャルコンテンツマネジメントという表現からCloud Connected Content (Platform)という言い方を強調してきているように見えるところが興味深いです。ソーシャルコンテンツ管理という言葉であちこちでお話をさせてもらってる手前苦しい面もありますが、コンセプトはコンセプト、マーケティング用語はマーケティング用語なので、そこは割り切って考えないといけないですよね……


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)







2012年1月20日金曜日

第10回 JIIMA ECM研究会のご案内

第10回 JIIMA ECM研究会のご案内: "ECM Summit 2012 in Winter(第12回ECM研究会)は、国内ECM業界をリードするトップベンダー各社にご参集いただき、ワークスタイルを変革するECMの活用について、モバイルECMやテレワーク環境での利用、ECMクラウドの動向など、ECMの最新事例を知ることができる画期的なセミナとして企画いたしました。  コンテンツ管理や社内コンテンツのモバイル環境での利用、ECMの最新動向を知りたいなど、ECMを検討 されている方々にとって必見のセミナ-です。"


年末年始で、またしても完全にBlogの更新をさぼるサイクルができあがってしまいました。


ベンチャー企業の経営陣の一角を担う者としての抱負めいた記事を、ということも考えたんですが、完全にタイミングを失った格好です。


さて、冒頭に告知ページの引用を貼り付けましたが、ECMを取り扱う業界団体であるJIIMAのECM委員会主催で来月無料セミナーが行われます。私もゼネラルセッションという形で登壇させて頂くことになっております。大変光栄なことなので、こうした機会を与えて頂いたことは大変ありがたいのですが、オープンな場での講演が得意な質ではないため今から戦々恐々をしています。


イベント全体のテーマはワークスタイル変革です。モバイル・クラウド・ソーシャルなどのトレンドを受けて、いわゆるデスクワークのあり方も大きく変わろうとしています。デスクワーク、ホワイトカラー、ナレッジワーカーなど似ているようで重心の異なる言葉がいろいろとありますが、従来PCを使って企業システム(及びそこに格納されているビジネスデータ)へアクセスしていた人達が、その第一の当事者と考えてよいでしょう。コンシューマライゼーションや技術ポピュリズム(Tech-Populism)と言われる動きですね。


企業によって整備された機材やソフトウェアよりも使い勝手の良いコンシューマ向けの(無償)サービスに慣れ親しんだエンドユーザが、今度はそれらのツールを自宅だけでなく業務時間も常に身につけて生活をするようになってきている。その一方で、業務上アクセスする必要がある情報もすべてが社内で完結するものでなくなってきている。社外から得る、あるいは一度社外に持ち出した(極端に言えば過去に送信したメールも含まれるかもしれません)情報については、それら個人向けツールの方が快適に扱える。という条件が完全に揃ってしまった今、これまでおおざっぱに組織の壁の中に押し込めていた情報も、整理や条件をつけた上で(つまりはある一定レベルの管理のもとに)、それらのツール群からのアクセスを認めることができれば、さらなる生産性の向上が期待できる、と多くの人が考えるようになってきました。


それこそ「社外」については、これまでのECMの中心的な話題であったとは言いがたいわけですが、社内システムが保持する情報を分類、整理し、適切なアクセス権を付与していくというのはまさにECMがやってきたことなわけです。そして各種モバイル端末からのECMリポジトリへのアクセスという点については各社新しいクライアント製品を揃えつつあります。つまり、新しい世代のテクノロジーを利用して「社内を含む」広範なビジネスデータを操作する、ための道具立てができてきたということです。


ワークスタイル変革というテーマとECMはこうした理由で密接に結びついていると考えます。当日は、主要ECMベンダがこのテーマにそった形でモバイルアクセス新製品の説明やリモートワークの事例などについてお話されることになると思います。みなさんも是非ご参加ください。


#Alfrescoについては私がゼネラルセッションで登壇するので今回ベンダセッションへの参加はありません。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)