2009年7月31日金曜日

昨日の振り返り

こんにちは。aegif 技術担当役員の石井です。



リクエストを頂いたので昨日のパネルディスカッションでどんな話をしたのかを簡単に振り返りたいと思います。



まず、昨日のポストではちゃんと書けていませんでしたが、タイトルは『オープンソースビジネスの展望』~業務アプリもオープンソースの時代へ~というものでした。ビル・トッテンさんは別格として、モデレータの日本スケーリックス 大塚さん、オープンソースCRM 内田さん、そして私 石井が海外のOSS業務アプリの日本展開を、手嶋屋 手嶋さんとマインド 屋代さんは自社製製品のOSSモデルでのビジネスを実際に行ってきている、というメンバ構成です。



やはりOSSコンソーシアムということで、サブスクリプションモデルであるとかOSSに対する有償サービスの存在などは既知の情報として取り扱われる傾向があり、「OSSはLinuxなどのOS、ApacheそしてMySQLなどのミドルウェアとシェアを伸ばし、今後はアプリケーションにも拡がる(のかどうか)」という世界観や「品質は良いが、実績がないため顧客からの評価に結びつきづらい。特に日本では」などという比較的陳腐化してそうな課題意識についても特に説明を省略した形ではじまりました。このあたりは組織の色に合わせて、ということなんでしょうね。(とは言え、昨日も触れましたが「OSSのビジネスは難しい、ということを所与の事実であるかのように語るのは辞めてほしい」というような声もあがったので、会場のすべての方に対して共有されている文化ということでもないのかもしれませんが)



個別の話題としては、「最近、プロプライエタリベンダが無償版を提供するというケースも出てきているが、そういった言わば『脅威』に対してどのように考えるか」という質問がありました。ビル・トッテンさんは「ただの誤魔化しなので顧客はついていかないだろう」と断じていました。私は、ECMという特殊な領域をメインにしているので、「無償版でなくともプロプライエタリベンダがダンピング的な入札を行うことはあるが、それはすでに償却が終わった古い製品(当然設計も古い)だからできることなので、実質的な脅威にはならない」というような若干強気の発言をしてみました。その場では時間も限られていたのでうまく説明できませんでしたが、ダンピングが発生しているというのはすでに相手側がOSS(この場合はAlfresco)に脅威を感じているということであり、その時点で相手側の実績とこちら側価格メリットがすでに拮抗状態にあると見なせるだろうという前提を意識していました。その段階で、詳細な比較を行えば技術的な優位性がクローズアップされるので、強気で高値をつけてこられるよりむしろ戦い易いくらいではないか、との思いがありました。



個別の話題を追っていくとひたすら長い記事になってしまいそうなので、各パネラのみなさんの発現内容などを簡単にまとめて、今回の記事は閉じたいと思います。



まず、ビル・トッテンさん。別格としか言いようがありません。長年のプロプライエタリ製品販売ビジネスおよびサポートビジネスの実績の上に立って、OSSを1度1つの脅威と捉えた上での意思決定という背景がよくわかるので迫力がありました。



順番が前後してるかもしれませんが、モデレータの大塚さん。経営および営業サイドからの難しさ・問題意識を提示しわかりやすく場をまとめるということをされていたと思います。今、大変お忙しいはずなので、お身体が心配なところです。



オープンソースCRMの内田さん。内田さんは我々が企業した直後から「先達」としてお話を伺う機会がありましたし、セミナなどでも何度かご一緒しています。SugarCRMにまつわる必要な支援業務はすべてできるようになっていること、また他のコマーシャルOSS製品も取り扱いをはじめられているなど、壇上でも心強いお話が多かったように思います。



手嶋屋の手嶋さん。SpikeSourceに関連して以前一度だけご同席させて頂いたことがあったかと思います。実は弊社でも社内システムとしてOpenPNEを使わせて頂いております。他とくらべ「業務アプリ色」が薄い製品を取り扱っておられる手嶋さんですが、壇上での発言は誰よりもクリアで、非常にビジネス的なトーンであったのが印象的でした。



最後にマインドの屋代さん。屋代さんとも恐らくお会いするのは2度目だったと思います。ご兄弟でビジネスを展開されているということで、実家の工場からドロップアウトしてしまった不肖の長子である私としては非常に羨ましい限りでした。手嶋さんとは逆に、非常に業務色が強いアプリを扱っておられる反面、穏やかかつ素朴な発言をされることが多く、そのコントラストは会場の方にも印象が残ったのではないかと思います。



最後に、壇上でも自己紹介時にお話しましたが、私だけ副社長で代表権がなく、経営者としての迫力にかけていたと思うので、今度同じような機会があったら是非うちの社長にもチャレンジさせたいなと思いました。



(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)







2009年7月30日木曜日

OSSコンソーシアム設立記念イベントでパネルディスカッションに参加してきました

『OSSコンソーシアム設立記念イベント』開催のご案内 - OSSコンソーシアムOSSコンソーシアム Webサイト







こんにちは。aegif 技術担当役員の石井です。



事後報告ですが、OSSコンソーシアムの設立記念イベントに参加してきました。初のパネルディスカッションです。立場上あまりこういうことを言ってはまずいのかもしれませんが、あまり大勢の前で話をするのが得意ではないので非常に緊張しました。



他の参加者は、




  • (株)アシスト 代表取締役 ビル・トッテン氏(OpenOffice.org)

  • オープンソースCRM(株) 代表取締役社長 内田 隆平氏(SugarCRM)

  • (株)手嶋屋 代表取締役 手嶋 守氏(OpenPNE)

  • (株)マインド 代表取締役社長 屋代 真吾氏(MosP)



ということで社長じゃないのは私だけでした。モデレータはスケーリクスの大塚さんで、見知った方がまじっているので、どうにか格好はついたのではないかと勝手に思っていますが、こうした部分のスキルはちゃんと伸ばしていかないといけませんね。



オープンソースでビジネスを行うことも難しさ、というような話題になったときに、場内からコメントが飛び出し、「ビジネス上の困難に、オープンもクローズもない。オープンソースだから即ビジネス的には困難であるという前提でディスカッションするのはいかがなものか」というような趣旨のご指摘を頂いたのが印象的でした。(別件のコメントの構成を頭の中で推敲していたので、もしかしたらコメントの意図を正確にはくみ取れていないかもしれませんが)



(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)







2009年7月29日水曜日

Introduccion a Alfresco SHARE y SURF en Castellano

Introduccion a Alfresco SHARE y SURF en Castellanomindthegab.com







こんにちは。aegif 技術担当役員の石井です。



出張時に知り合いになったスペイン人とのやりとりに触発されてスペイン語のBlogポストをご紹介します。スペイン語で書かれたSURFとShareについての技術的な説明文書が公開されています。



スペイン語はアクセント記号などがよく出てくるので、非英語圏の代表としてよく見かける気がします。いわゆる旧ダブルバイト圏とはまた違うのですが、例えば旧バージョンのAlfresco ShareのWikiのページタイトルに非英語文字が使えない、というバグはJIRA上では「アクセント記号が使えない!」という表現になっていました。アクセント記号はフランス語でも使いますが、こういうQAの場面ではスペイン語圏の人のコメントを見る率が高い様に思います。大したサンプル数をあたっているわけではないので、ほぼ何の根拠もないのですが、ラテン系のおおらかなイメージとQAの場面での貢献というのがギャップがあって面白いですね。



(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)







2009年7月28日火曜日

無事帰国しました

こんにちは。aegif 技術担当役員の石井です。



約1週間のミラノ出張から戻りました。詳しい内容は伏せさせて頂きますが(伏せる必要があるのか確認していないので本当はオープンにして良い話なのかもしれませんが)、各国のパートナが集まって共同作業をするという貴重な機会でした。



他の参加者は、アメリカ、イギリス、スペイン、ドイツ、南アフリカ、インド、オーストラリア、そして開催国のイタリアから集まったAlfrescoのパートナ企業から派遣されてきた人達です。やはり言語の問題で、十分な貢献ができたかどうか心許ない部分も多分にあるのですが、各国の技術者やコンサルタントと直接話をし、連絡先を交換できるのは非常に価値のある経験だったと思います。最近ですと、FacebookやLinkedinがあるので気張らずに連絡先の交換を持ち出せるのが助かりますね。(あまり積極的に「人脈を広げる」タイプではないので)



私と同程度に英語が苦手なスペインからの参加者が、「僕の最初のコンピュータは8bitで日本のものだったんだ」といって彼のFacebookアルバムのMSXの写真を見せてくれたのが一番印象的な事件だったかもしれません。



作業の内容はそう遠くないうちにAlfrescoからの正式なアナウンスに繋がるはずですので、その時になったらまた詳しい内容をご紹介したいと思います。



(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)







2009年7月24日金曜日

Alfresco向けの開発環境

BlueXML SIDE




Enterprise is certified on open source and proprietary stacks, includes SIDE-Alfresco, SIDE-Extensions support (SQL for Alfresco, Facet navigation and Advanced form components) and offers application models. It includes support, bug fixing and maintenance as well on current and previous versions.


こんにちは。aegif 技術担当役員の石井です。



BlueXMLという会社からAlfrescoに特化したEclipseプラグインの紹介メールが届きました。まだ、試していないのですが、後ほど評価してまた結果をお伝えしたいと思います。



Alfrescoに限らずSpring以後ぐらいの世代のJ2EEベースの製品はXMLでの編集項目が多く、XML編集上のミスが生産性を大きく削ぐことがあるのでこういったツールは非常に気になります。はやく試してみたいですね。(今はまだミラノにいて、ネットワーク環境にも恵まれていないので・・・)



(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)







2009年7月23日木曜日

OPEN TEXTによるVignette買収

OPEN TEXTOpen Text Webサイト







こんにちは。aegif 技術担当役員の石井です。



WCMの世界の話になりますが、大手ベンダの1つとして知られるVignette社のOpen Text社による買収が決定したようです。これでまたECMに関連する分野のプレイヤが集約されたことになります。



私が受講したAlfresco WCMトレーニングコースのトレーナも元々はVignetteに勤務していた人でした。(Alfresco WCMの開発社の多くがInterwoven出身というのはよく知られていますが、Vignette経由の人もいるみたいですね)



そういえばコースの中で、Alfrescoなどのエンタープライズ向けの製品を使うような規模のサイトの場合、どこまでのコンテンツを動的に生成し、どこまでをあらかじめ静的なファイルに出力しておくのか、という決断が非常に重要になります。VignetteはInterwovenよりも動的なコンテンツの取扱に長けているが、Alfrescoは両者の良いところを組み合わせられるように工夫している、という説明を受けました。Open Textは、Enterprise 2.0という標語で動的なWebアプリケーションの組合せによる作業環境の充実を強く提唱してきているので、Vignetteとは相性が良いかもしれませんね。(買収したソフトウェアをどの程度自社のラインナップにうまく統合できるか、という意味では会社毎にアプローチもゴールの設定も全く違うので、この場合にどうなるかはまだわかりませんが)



(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)







How KnowledgeTreeLive's Zoho integration provides a complete online work environment for remote users | Document Management Software | Open Source Document Management System

How KnowledgeTreeLive's Zoho integration provides a complete online work environment for remote users | Document Management Software | Open Source Document Management SystemKnowledgeTree Blog







こんにちは。aegif 技術担当役員の石井です。



出張中で作業が溜まっているので、軽めの話題を1つ。(最近ではなるべく毎日の更新を心がけているので)



オープンソースかつECMという意味ではAlfrescoの競合になるKnowledgeTreeですが、SaaS版 KnowledgeTreeLiveとZoho Officeの連携を発表しています。Zohoのオフィススイートの機能を使ってサーバ側で編集ロジックも完結しようという試みです。Office 2010 Live版とSharePointの組合せに対する対抗策といったところでしょうか。



単独でのHA構成が(比較的)実現しづらいであろうKnowledgeTreeの場合、オンプレミス型の市場よりもこういったクラウドベースの領域に注力していくのが正当な進化のありかたなんでしょうね。PHPベースで、Web系エンジニアによるカスタマイズにも対応できるというのも魅力の1つだと思うので、その特色との両立をどうやって図っていくのか(あるいはあえて図らないのか)は興味深いところだと思います。



(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)







2009年7月22日水曜日

ミラノ出張

こんにちは。aegif 技術担当役員の石井です。



タイトルの通り、今出張でミラノに来ています。あまりお酒が得意ではないので、夜はホテルでのんびりBlogでも書こうかと思っていたのですが、あまりネットワーク環境が良くないことに加えて時差呆けによって生来の怠け癖が刺激されたらしく、2晩目の昨夜も部屋に戻るなり眠りに落ちてしまいました。



今、各国のパートナとAlfrescoのトレーニングプログラムや認定制度の在り方についての議論を詰めています。英語力の問題で大した貢献はできていないのですが、インドやドイツの人達も試験問題の翻訳についてはかなり無頓着なようなのでそこについての主張ができただけでも来た甲斐があった気もします。(もちろん、各国のパートナと事例や開発上の落とし穴などについて情報交換ができたのも大きな収穫ですが、こちらの貢献がほとんどないのが情けないところです)



それにしても、ドイツ人と日本人がいる席では自動車の話をするのが世間話のグローバルルールなんでしょうか・・・



(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)







2009年7月21日火曜日

Web版Office 2010のこと

Web版Office 2010の対応ブラウザはIE、Safari、Firefox。史上最大のJavaScriptアプリに(動画デモ付き) - Blog on PublickeyPublickey







こんにちは。aegif 技術担当役員の石井です。



最近発表されたOffice 2010のWeb版ですが、これはECMを取り扱う者としてもOSSを取り扱う者としても無視できないニュースですね。ざっとみたところPublickeyの記事が一番参考になりそうだったので、冒頭のリンクはそのページにしました。



ZohoやGoogle Docsはブラウザによる編集環境だけでなくデータの保管環境や配信・共有のための基盤も提供しています。ブラウザ上に編集環境を実現したことそのものにも、プラットフォームへの依存度を下げたり、肥大化してしまったオフィススイートの再設計という意味である種の軽快さやユーザビリティを獲得したり、といったメリットがあると思いますが、それらは基本的に「データを預ける」ことと引き替えでしか手に入らないものでした。(「データを預ける」ことによるメリットもたくさんあり、配信・共有やデータ保護などが非常に大きな利点を生むと思いますが)



今回の発表によれば、Office 2010ではSharePointのオンプレミス(自社内で環境を保持することで、最近SaaSの対義語としてよく目にします)環境上でも動作するということなので、プライベートクラウド云々の議論すらスキップして、データを預けることなく上記のメリットを享受することができることになります。



もちろんベンダーロックインという問題は残りますが、コスト面さえ折り合いがつけば、魅力を感じる企業は多いのではないかと思います。Web版になる前の2007ですが過去バージョンより使い勝手が悪いという評価を受けることが多いようなので、OpenOffice.orgなどの互換製品だけじゃなく自社製品の過去バージョンとも競合するため、コスト面での評価は相当シビアになるはずですが。



しかし、編集環境自体がブラウザ上に実現し、作られた文書がサーバ上に保管される、という操作モデルがどのようにエンドユーザに受け容れられるのか、ですとか、そういった通常のファイルシステムとしての操作も許されないツール独自のデータ管理の機能だけで企業内のコンテンツ管理ニーズに対応できるのか、など気になる課題はまだたくさんあります。GoogleはGoogle Waveでそのあたりの操作モデル自体を抜本的に再定義することを提案していますが、今回Microsoftは(いつもの通り?)既存資産を活かすという、どちらかと言うと保守的な方向性を打ち出したことになると思います。(Officeが部分的にであれ無料で使えるということになれば、本来これほど革新的な話はないはずなのですが、この場合は比較相手が身軽すぎますね)



この対立は、オフィススイートというもっとも端末寄りの業務アプリの世界の革新と、SaaSモデルによるソフトウェアビジネスそのものの構造変化が、どの程度のスピードで行われるのかによって結果が大きく変わりそうです。我々も無縁ではないはずなので、このスピードを計測するための予測モデルや指標を考えないといけませんね。



(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)







Digital Landfill: 8 Fast Facts About the State of the Document Management Industry

Digital Landfill: 8 Fast Facts About the State of the Document Management IndustryDigital Landfill







こんにちは。aegif 技術担当役員の石井です。



8thingsシリーズから1つ、「文書管理業界の現況に関する8つの事実」というのをご紹介したいと思います。



1. いまやコスト削減がもっとも重要なビジネスドライバである



コンプライアンスや規制を重視する動きは2007年に一端ピークを迎えており、ここ2年はコスト節約の動きが目立っている。



2. 多くの組織においてEメールデータが保護されていない状況にある



55%の組織が重要なメールデータが保護されているとは言い切れないと答えている。(2008年には62%だった)



3. (法的な)証拠開示手続のほとんどが場当たり的なものである



28%の組織が証拠開示手続のための文書作成に平均で1月以上かかっていると回答している。実態としてはさらに長時間かかっていると予想される。



4. SharePointがばらまかれている



ユーザ組織はSharePointを自分たちのコンテンツ管理のニーズや戦略とマッチしている製品と見なしていない。29%の組織では、SharePointは他のECM製品と共存する形で利用されている。



5. レコード管理者がSharePointブームから取り残されている



 (原文ではSharePoint方程式、という言い方になっているようですが、)SharePointを導入している大きな組織の実に36%が、IT部門が導入を推進していてレコード管理部門からのインプットなしで進めたと答えている。さらに14%は、適切なデータの管理者がたっておらず、リポジトリが管理ができていない状況にあると認めている。



6. 単一(統一)ECMシステムのコンセプトは未だに有効である



複数のリポジトリに対するシングルサインオンの実現を計画しているのが33%の組織であるのに対し、35%の組織が単一のリポジトリでECMを実現することを望んでいる。



7. 2009年もライセンス販売自体は堅調である



予測が難しい状況が続いた。Gartnerは8から12%の市場成長を予測していた。調査の結果から判断すると、ライセンス販売自体はスキャナのハードウェアなどにくらべれば景気の影響を受けていない。ベンダが提供するコンサルタントサービスの方がサードパーティのコンサルサービスよりも順調である。また、プロジェクトの失敗要因の第3位とも言われているにもかかわらず、トレーニング費用も削減されてしまったいる。



8. 外から(後から)来たものほどまともに管理されない



調査の結果によると、ビジネス上の重要性とは関係なく(むしろ相反して)、紙文書がもっともよく管理されている。(電子データのOfficeファイル群よりもちゃんと管理されている)。75%の組織では、インスタントメッセンジャのログや携帯電話のSMS、それにBlogやWikiなども管理対象から外れている。



AIIMなどの業界団体は、調査の数値をいろいろと持っているので、こういう投稿でも具体的な数値がでていて面白いですね。



(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年7月18日土曜日

AIIM's official guide to OASIS' CMIS AIIM


AIIM - CMIS, Content Management Interoperable Services
aiim Webサイト







こんにちは。aegif 技術担当役員の石井です。



AIIMのサイトにCMISの専用ページができていますね。CMISもバージョンが0.62に微妙にあがってきていて、BaseTypeまわりなど0.5よりもすっきりしてきているようです。近いうちに差分についても紹介記事を書いてみたいと思います。



さて、AIIMのページですが、CMIS策定に関与しているECMベンダとして、実に21社もの名前が連ねられています。そのこと自体は規格の意味からすると非常に頼もしいことなのですが、我々としてはやはり日本の会社の名前が1つもないということが気になりますね。(国内ECM市場の特殊性については、いろいろと考えるところがあるのですが、それはまた機会を改めて)



このページは、Supplemental Resourcesと題して、各社のCMISについての取り組みへのリンクが整理されていて非常に参考になります。類似の規格との比較記事、講演の内容、ポートレット実装の事例、Windowsクライアント、SAP ECMプラグインなどなど、内容も多岐にわたっていて、その多くが動画です。(しかし、こういう業界団体主導のまとめサイトから発信されるものがYouTube動画である、というのはある種感慨深いものがありますね)



AlfrescoもCMISに関しては牽引する立場を取っているので、類似のサイト Alfresco CMIS Resource Centerを立ち上げていて、そのサイトもOther CMIS Resource Centersとして紹介されています。(複数形ですが今はAlfrescoのものしか載っていません)



Other Resource CentersだけでなくBlogsやProductsのセクションも今のところAlfresco関連のものだけなので、あまり先行しすぎて孤立しないか逆に心配になりますね・・・



CMISよりも先行してECMの相互運用規格を検討していたAIIM iECMの部会もCMISをアシストするということで、リンクが貼られています。



(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年7月17日金曜日

OpenOffice.org 3.1 の新機能

OpenOffice.org 3.1 New FeaturesOpenOffice.org




OpenOffice.org now uses a technique called anti-aliasing to improve the way it draws on screen (lines, circles, etc). You will notice an immediate improvement in the clarity of graphics - particularly charts - wherever they appear throughout OpenOffice.org.


こんにちは。aegif 技術担当役員の石井です。



またもや少し古い話題ですが、OpenOffice.orgがバージョンアップして3.1になりました。メジャーバージョンアップではありませんが、かなり大きな意味を持つ変化があったと思います。日本語の情報源ではCalc(Excelのカウンターパートである表計算ソフトです)のパフォーマンスアップが最大のトピックとなっているようですが(そしてそれが恐らく技術的にも最も大きなトピックなのでしょうが)、私としては「アンチエイリアス」対応がそれにも増して大きなインパクトを持つのではないかと思えてなりません。



OpenOffice.orgは非常に良くできた製品で、オフィススイートで行いたい作業のほとんどすべてはこれで実現できる、、、という話はだいぶ以前から言われています。スクリプト言語の対応レベルもどんどん上がっています。しかし、実際に画面を立ち上げてみると、GUIがどうにもやぼったく、どうにも本格的に代替品として使えるという心証を持つこと困難だったと思います。その中でも最たるものがImpress(Powerpointのカウンターパートです)の図形描画だったと思います。ExcelやWordと違い、Powerpointは図形描画がなければはじまりません(もちろん業界依存はあると思いますが)。その図形がギザギザだと、使ってみようという気にまずなれないわけです。そこで、気持ちがそがれ力を入れて評価から完全リプレースを試みようという気力が持続しなかったという面があったと思います。



弊社ではエンジニアリングを担当するメンバの多くがMacを使っていて、会計士メンバやいわゆる業務コンサルが扱うWindows機との間で体裁のずれなどの問題が多く発生しています。(共にMS純正製品を使っていても、です)。お客様の書式で成果物を納品させて頂く仕事が一定量存在すること、ショートカット類をはじめ古いツールに特化した「生産性の高い」メンバが一定数存在すること、などを考えると、マクロなどを積極的に使っていない企業としてはかなり移行の障壁は高いはずですが、いつかはOpenOffice.orgへ移行したいと考えています。(個人的にはiWorkシリーズを愛用していますが、技術担当役員としての立場はまた別、ということで)



3.1のアンチエイリアス対応で、また一歩その野望に近づいたと思います。後は梅フォントなどを活用してフォント差による体裁の崩れを防止するなどの施策でどこまで再現性を高められるか、ですとか、ショートカット類のエミュレーションなどのサポートをうまく検討すれば、いよいよ現実味を帯びてくるのではないかと期待しています。そのあたりの調査や調整は、率先して自分でやるべきなんでしょうけど・・・



(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年7月16日木曜日

Alfresco Press Releases - Alfresco and Caringo Announce Content Management and Storage Solution Able to Scale to Billions of Files and Petabytes of Data

Alfresco Press Releases - Alfresco and Caringo Announce Content Management and Storage Solution Able to Scale to Billions of Files and Petabytes of DataAlfresco Webサイト




“The availability of an open source interface between Alfresco and CAStor enables organizations to realize the most complete and affordable solution for managing and archiving enterprise content,” said Derek Gascon, Caringo’s VP of Marketing.  “The combined solution gives organizations the ability to manage across the whole of the content lifecycle - from creation through long-term preservation.”


こんにちは。aegif 技術担当役員の石井です。



以前から知られていた話題ではありますが、リリースのタイミングということでしょうか、Caringo CAStorとAlfrescoの連携モジュールの話題が発表されています。



Caringo CAStorはx86アーキテクチャのサーバを高性能ストレージとして動作させることができるソフトウェアで、4TBまでの制限されたバージョンは無料で利用することができます。Alfrescoとの連携モジュールは大分以前から今回の発表の主役でもあるXenit社がAlfresco Forgeに公開していたため、我々もコアズさんと協力して検証などを行ってきていました。



この連携について今回の発表でまとめられた数字をまとめますと、
・数十億件の文書、ペタバイトクラスのデータ量に対応可能
・(ベルギーの大手保険会社の事例では)導入時ですでの数百万の文書を扱っている
・(同事例では)最速で分間一千文書の取り込みに対応している



Caringoは高性能ストレージといわれる製品群の中では極めて高いコストパフォーマンスを誇る製品ですので、Alfrescoと組み合わせることで高価なCASとプロプライエタリECMの組合せとのコスト差は相当広がります。シンプルな要素を組み合わせて高いパフォーマンスを発揮する、というコンセプトも似通ったところがあるように感じています。国内ではまだ公表できる事例がありませんが、なるべく早く実現して、是非とも価格面や性能面のメリットを定量的に提示したいと思います。



(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年7月15日水曜日

Wordpressの自動アップデート問題

こんにちは。aegif 技術担当役員の石井です。



とりあえげるべきかどうか悩んだのですが、OSSで事業を推進していくという立場上無視するのも良くないだろうと判断しました。少し前の話になりますが、オープンソースのBlogエンジンとして有名なWordpressがアップグレードスクリプトに大きな問題を抱えたまま出荷されてしまうという事故がありました。(詳細は、2.8への自動アップグレードを行う際の注意事項



もちろん環境に依存するのですが、自動アップデートの機能を利用するとWordpress自体やWordpressの中の記事データだけでなく、関係ない他のデータやアプリケーションまで削除されてしまう、という深刻な問題でした。自宅サーバ上でWordpressを使ってBlogの運用をしていた私の友人のデータも、この問題によって消失してしまいました。有名なツールだけあって被害を受けた人の数も多く、「レンタルサーバであれば、業者側のバックアップを復元してもらいましょう」というアドバイスが散見される状況です。逆にいえばそれ以外の復旧方法が存在しないわけですね。



もちろん、ビジネスで利用しているようなユーザであれば、バックアップも取得しているでしょうし、テストも実施した上でアップグレードに踏み切るでしょうから、製品側にこういった問題があったからといってそれが即深刻なダメージを与えるとは考えづらい、とは思います。しかし、オープンソースという「配布モデル」を採用し、広範なユーザベースを摑み、事例を広げて、、、という流れの中で、しかもWordpressのようにかなりの普及を果たした製品においてこうした事件が発生してしまうと、オープンソース製品全般の品質に対して大きなマイナスイメージがついてしまうのではないか、と心配になりました。



これが例えば、我々が扱っているAlfrescoで発生した問題だったとしたら、どうだろうか、ということも考えました。Alfrescoがこういった深刻な問題をかかえたまま製品を出荷する恐れというのが、実質的にどの程度存在するのか、という問題はさておき、「事故はありえる」という大前提をおいた上での検討です。



まず、Alfrescoの場合はLabsと呼ばれる無償版が商用サポートを行うEnterprise版よりも先に公開されます。そのため、同じような問題があった場合はまずLabsを使用している環境で発見される公算が高いと思われます。その意味ではオンプレミス運用を前提とする限り、Wordpressよりも、商用利用環境で問題が発生する率は低いと言えるでしょう。(Wordpressも、たとえばWordpress.comのプレミアムユーザに対してはもっと慎重な手を打っているはずですので、オンプレミスに限定、としました)



Labsで実際に同じような問題が生じた場合、やはりバックアップからの復元の方法を解説する以外の手段がとれるかというと難しいと言わざるを得ません。一応、我々もなるべくLabsについても評価を行うようにしているので、そこで問題を発見すればアラートを上げることは可能ですが、Enterprise版で行われているようなテストを実施することは不可能です。自己責任とはいうものの、その場合のマーケティング上のダメージはリスクとして受容するしかないのかもしれません。



次に、Labsには含まれない問題がEnterprise側でのみ発生した、あるいはLabs公開の時点では発見されなかった問題がEnterpriseのユーザで発現してしまった場合、ですね。これはもう、テストの実施とバックアップ/リストアによってダメージを最小化していく、という他ありません。商用ECMのアップグレード手続に比べれば相当簡略化されているAlfrescoのアップグレードですが、やはり作業工程自体は十分に安全性を考慮したものである必要がありますね。アップグレードについての助言という形で、問題の発生を食い止めることになります。



一見、ツール自体は無償であっても導入・運用などのサービスは有償であり、それでこそ十分な価値を提供できる、というOSSビジネスの根幹そのものに直結した「好例」ではあるのですが、実際に障害が発生してしまった状況を考えると、ビジネス上の課題の多さを改めて認識するばかりです。



(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)







2009年7月14日火曜日

Digital Landfill: 10 Fast Facts About Document Management Value

Digital Landfill: 10 Fast Facts About Document Management ValueDigital Landfill







こんにちは。aegif 技術担当役員の石井です。



8thingsシリーズのどれかをご紹介しようと思ったのですが、10 Fast Factsというのが目についたので、そこから手を付けてみたいと思います。2008年10月の投稿ですね。元々は富士通のスキャナ事業部のPam Doyle氏のプレゼンからの抜粋のようです。Doyle氏はAIIMのECMとERMのトレーナとしても活躍されきた方とのことです。



1.企業からみた場合、1つの文書を見付けるためには20ドル、その文書が間違った場所に保管されていた場合には120ドル、消失した文書を再作成する場合は220ドルの労務費がかかる。



2.全文書のうち7.5パーセントは意図せず消失してしまっている。それ以外のもののうち3パーセントは間違った場所に保管されている。



3.専門家はその労働時間の5から15パーセントを文書を読むことに費やしている。しかし、そのうち半分くらいはその文書を探すために浪費されている時間である。



4.平均的な文書は19回コピーされる。



5.全米規模で考えると実に4兆を超える紙文書が存在している。そして毎年22パーセントの率で増え続けている。(プライスウォーターハウスクーパース調べ)



6.2007年時点では、一般的な企業人は1日18MBのメールを受信している。この数値は2011年までには28MBぐらいまで増える見込みである。



7.平均的な1日のメールの件数は送受信をあわせて約133通である。(Radicatiグループ調べ)



8.通常のFAX機は1台につき年間6,200ドル程度コストがかかる。(Captaris調べ)。手作業でFAXを送信する作業は1文書につき約8分である。



9.郵便の平均的なコストは8ドルから15ドルである。(「1パッケージあたりの郵便コスト」ということですが、パッケージと文書の単位の関係はよくわかりませんでした。)



10.オフィスのスペースのコストが19%アップした。(2008年 Office Space Across the World調べ)



どこかで聞いたことがありそうな数字もありますが、多くの人にとってそれなりに新奇性がある事実も含まれているのではないかと思います。



こういった数値をもとに何故ECMが現代的な企業システムにとって必須のモジュールであるかを示すような資料を作りたいと数ヶ月前から考えているんですが、まだ着手すらできていません・・・



(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)







2009年7月11日土曜日

同世代(?)の会社 その2

大和株式会社-The ECM Professionals




こんにちは。aegif 技術担当役員の石井です。LCIさんに引き続いて、私たちの先輩が起業した会社のご紹介をさせて頂きたいと思います。

大和株式会社、業務内容としても弊社と近いフィールドで活躍している会社です。商用ECMのDocumentumを中心として、ECMというキーワードに特化したサービスを展開しています。(うちもAlfrescoを担いでいる以上、ECMの専門家集団ではありますが、どちらかといえば「オープンソース」というキーワードを軸にサービスを広げていくことを考えています)

社長の幡谷さんとは、コンサルティングファーム勤務時代には面識はなかったのですが、その後、私がDocumentumの導入コンサルティングをお仕事をしている時に、ご一緒させて頂きました。実は、当時チームを組んだ優秀なエンジニアのメンバーのほとんどが大和株式会社の創立に係わっています。(私もaegifのことがなければ呼んで頂けたのでしょうか?)

チーム単位で見れば、国内でももっとも優秀なDocumetumコンサルティングサービスのプロバイダだといって間違いないと思います。やはり欧米の市場と比べると国内でのECMの認知度は未だ非常に低い状態です。逆に言えば(楽観的に言えば、と言った方が正確かもしれませんが)、これからまだ成長の余地が十分にあるということで、その流れの中で弊社や大和さんのプレゼンスが高まるようにしていきたいと思っています。

��文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)

2009年7月10日金曜日

Digital Landfill: Titles published so far in my ECM "8 things" series...

Digital Landfill: Titles published so far in my ECM "8 things" series...Digital Landfill







こんにちは。aegif 技術担当役員の石井です。



最近、AIIM関連のBlogに「8 things ...」というシリーズがよくあがっているのを見かけます。少し前に流行った「○○をするための10の方法」などと同じフォーマットのようです。ノウハウをまとめて文章を書くためのテクニックとして、一般的なものになりつつあるようですね。



折を見て、我々の仕事との関連が深そうなエントリをご紹介していこうと思います。



(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年7月8日水曜日

Alfresco Press Releases - New Alfresco Release Cuts Cost of Records

Alfresco Press Releases - New Alfresco Release Cuts Cost of Records, Email, Mobility, Extranets and CMIS SupportAlfresco Webサイト




“Lean times call for a lean, robust and inexpensive ECM system. Alfresco Community Edition 3.2 has been designed to reduce the cost of information handling while supporting corporate Governance, Risk and Compliance (GRC) Management,” said John Newton, CTO, Alfresco Software. “Our aim has been to deliver a content services environment in which users can work the way they want, with the tools they want, enhancing productivity through workforce mobility and future proofing organizations’ content applications with CMIS.”



こんにちは。aegif 技術担当役員の石井です。



Alfresco 3.2のLabs(かつてCommunityと呼ばれていた無償版です)がリリースされて、同時にプレスリリースも公開されています。



今回はレコード管理が特に強調されていますね。DoD 5015.2の認証を9月に取得予定ということだそうです。



メジャーな新機能としてハイライトされているものを簡単にご紹介したいと思います。



レコード管理モジュールの強化



DoD 5015.2の認証こそ9月の予定ですが、レコード管理を実現するための機能強化がなされています。YUIベースのフォーム、メタデータ管理、ライフサイクル管理、CMISベースのクエリ、Eメール取り込み、インポート・エクスポート、監査証跡機能などが追加/強化されているようです。



モバイル機器対応



Alfrescoの標準クライアントはWebアプリケーションですが、今回のバージョンではiPhoneを含む各種モバイル機器からのアクセスを意識したUIを実装しています。



IMAPアクセスとメールアーカイヴ



IMAPプロトコルを使って一般的なメールクライアントから(追加モジュールのインストールなど無しで)リポジトリへのアクセスが可能になりました。当然Eメールのアーカイヴ要件にも対応しやすくなっています。



CMISサポート



CMIS標準の0.61への準拠を果たしました。



外部ネットワークとのコラボレーション



ShareアプリケーションをAmazon EC2上にデプロイして、クラウド化のメリットをダイレクトに享受できるようになりました。



WCMのオーサリングとデプロイ機能の強化



ここ数バージョン続いているトレンドだと思いますが、さらにデプロイ関係の部分が強化されているようです。



(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



Peter Monks » Code Movement vs Content Movement

Peter Monks » Code Movement vs Content MovementAlfresco Blog




Code moves forward. Content moves backward.


こんにちは。aegif 技術担当役員の石井です。



Alfresco Blogの記事の紹介です。content here

というBlogのCode moves forward. Content moves backward.という記事に対するコメント記事です。元記事の書き手はAlfrescoの開発者向け書籍の謝辞で「We miss you」と言われていた人ですね。(先日、トレーニング受講者の方と英語圏の書籍、特に技術書の謝辞には様式があるという話で少しだけ盛り上がったのを思い出しました)



一般にCMS、Webコンテンツの管理システムのメリットとして挙げられるものの第1は、コンテンツとデザイン(レイアウト)の分離を推し進め、コンテンツの書き手がコンテンツそのものに注力できるようになること、だと言えるでしょう。この場合、レイアウトと言われるものは、テンプレートエンジンのテンプレートファイルであったりCSSなどのスタイル情報であったりするわけですが、CMSを導入しているなど高度なサイトの場合はプログラム言語で記述されたモジュールなども最終的なレンダリング結果を左右するという意味で同様に取り扱う必要がでてきます。その意味で、もう少し広くここではコードと呼んでいるのだと思います。



元記事では、コードは開発環境→テスト環境→本番環境(ステージング環境を含む)という順番で「前に進んでいく」方向でデプロイされていくが、コンテンツは通常本番環境上(くどいようですが、ここでの本番にはステージングも含まれます)で日々生み出されているため最新のコンテンツを元に開発やテストをするためには、本番環境→テスト環境あるいは本番環境→開発環境という形で「後に戻る」方向で情報をコピーする必要がある、という点を指摘しています。



CMSにはいろいろな製品があるので、すべての製品について総括的な評価は難しいのですが、1つの哲学として、コードとコンテンツは同じコインの裏表として統一的に管理すべきである、というコンセプトがあります。実際、コード(断片)をコンテンツと同じレベルのオブジェクトとして管理するCMSというのも珍しいものではありません。そして、そこに一定の利便性があることは間違いないですし、なんとなくそれが(教科書的な意味で)戦略として正しいものであるようなイメージを私も持っていました。



今回の記事でも指摘しているように、確かにコードとコンテンツでは作成するチームの人員もリリースサイクルも異なることが多いわけで、そのことは十分承知していたのですが、そこは理論上正しいルールと現実の業務のギャップとして評価し、どこまで理論側に近づけることができるのかという勝負だと考え勝ちだったと思います。



このように韻として馴染みやすい標語をつけてBlogで考えを整理してもらうと、パッケージが持っている思想とユーザの期待のギャップの典型として捉え、分析時やパッケージ選定時の評価フレームワークの一部として利用できるようになるので非常にありがたいです。



(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)







2009年7月7日火曜日

Trends: Lucene can read almost anything: Lucid and ISYS team up

Trends: Lucene can read almost anything: Lucid and ISYS team upCMS Watch







こんにちは。aegif 技術担当役員の石井です。



Alfrescoそのものではありませんが、CMS WatchにAlfrescoが内蔵している全文検索エンジンであるLuceneについての面白い記事がありました。



Luceneはコミュニティ主導で開発が進められているオープンソースの製品ですが、商用レベルのサポートを提供している企業がいくつかあります。(日本ではロンウィットさんのサービスが有名ですね)。その中の一つであるLucid Imaginationが、Luceneと商用検索ソリューションベンダであるISYSのフィルタISYS File Readersの連携ソリューションを発表した、というニュースを受けてのポストでした。



記事上では、これでLuceneはほぼすべてのファイル形式に対応できるようになった、という表現をしています。確かにISYSのFile Readersは非常に多くのファイル形式と言語に対応しているようです(Autocadのファイルなど)。さらに、この記事ではオープンソースの製品とプロプライエタリの製品を補完的に使ってソリューションを構築しているという点を評価しています。たとえ話としてオランダとスペインも16世紀の戦争(独立戦争のことでしょうね)の間にお互いに武器を売りつけあっていた、というエピソードが引き合いにだされていたのはどうかと思いましたが。



戦争のメタファが妥当であるかどうかはともかく、個別の目的を効率よく果たすためにオープンソースとプロプライエタリの製品を組み合わせるという戦略は合理的であり、基本的には賛同できます。ただ、長期的な視座でオープンソースのメリットを語る言説の多くは、たとえ一部であってもプロプライエタリのユーザ側が完全にコントロールすることができないモジュールが組み込んでしまうと矛盾をきたす面も持っているでしょうから、各意思決定毎に「どの期間における最善を目指すのか」という時間的な側面の明確化が重要になってくるのではないかと思います。



投資の合理性という物差しでITを語る以上、期間の明確化は大前提ですが、この記事をきっかけに改めてその重要性について考えさせられました。



(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)







2009年7月3日金曜日

関西出張

こんにちは。aegif 技術担当役員の石井です。



出張で関西に来ています。トレーニング講師のお仕事ですが、早朝の新幹線にのって大阪へ、夜は学生時代のバイト先の一つであるネットベンチャーを訪ねに行くという用事を組み込んで京都のホテルに、という日程を組んでみました。



一口にネットベンチャーという言い方をしてしまいましたが、創業期にあたるころにお手伝いをさせていただいていたの、そろそろ10年あまりのお付き合いということになるということに気がつき、半ば愕然としました。業態、人数規模についてはとりあえず置いておくとして、10年も続くと「ベンチャー」という言葉のイメージからはだいぶ離れてくる気がします。大企業では扱いにくいようなアイデア・技術・スキルを活かして、というコンセプトと会社の存続年数や売上その他の規模は無関係なはずですが、やはり10年という時間には重みを感じました。



当時のメンバは、IBMに行ったり、mixiに行ったり、図書館職員になったり、介護の仕事をしていたり、とバラバラになっていますが、今でもコアメンバは会社に残っているのでオフィスの雰囲気もかわらず、懐かしかったです。



イージフも今年が4期目です。そう考えると5年目はすぐそこですし、10年にはそれまでと同じだけの時間しか残されていないわけです。自分勝手ですが、そう考えると短いですよね。



(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)







2009年7月2日木曜日

Alfresco Press Releases - Alfresco Highlights Customer ROI with Winners of Credit Crunch Innovation Awards

Alfresco Press Releases - Alfresco Highlights Customer ROI with Winners of Credit Crunch Innovation AwardsAlfresco Webサイト



"
These awards honor companies using Alfresco in innovative ways to build IT architectures that are more cohesive, interoperable and ultimately more cost-effective, and we are pleased to acknowledge all of those organizations that have turned to Alfresco to deliver immediate value in today’s cost-conscious environment"


こんにちは。aegif 技術担当役員の石井です。



Alfresco社が、自社顧客の中から数社を選出した「Credit Crunch Innovation Awards」を発表しました。以前、オープンソース軽量BIツールのAdaptive Planningを開発しているAdaptive社が「Recession Survival Kit」を発表した時も、そのネーミングセンスに感心しましたが、欧米企業のキャンペーンは直接的で面白いですね。(ちなみに、弊社は公認会計士とOSSに強いエンジニアが活躍できる領域の一つとしてAdaptive Planningなどを活用した管理会計のコンサルティングやBI導入の支援も行っています。関心がある方は是非お声がけください)



受賞者を転載して行きます。



まずは、Global WinnerとしてHarvard Business Publishing。日本でもよく知られているハーバード・ビジネス・レビューの出版元ですね。プロプライエタリのECMからのリプレースによって、文書管理とWebコンテンツ管理の強化を図ったことが受賞の理由として挙げられていています。よりフレキシブルなシステム構成となったおかげで、記事の公開までの時間が短縮された、というようなコメントも出ているようです。



次は、公共-アメリカ部門としてSmall Business Administration。WCMの導入によりWebサイト管理のコストを下げながら、コンテンツ更新の高速化を図った、とのことです。



さらに、公共-EMEA(欧州・中東・アフリカ)部門としてフランドル政府。元々持っていたオンラインコラボレーションとAlfresco WCMを連携してワークフロー統合を実現しているそうです。面白そうですね。ちょっと具体的な資料をリクエストしてみたいと思いました。単純にWCMを導入して、WCM単体で出せる効果を実現しました、という事例ももちろん大事なんですが、後発製品であることを強く意識せざるをえない日本市場では「すでに顧客が持っているシステム(資産)との親和性」はより強いアピールポイントになるのではないかと考えてしまいます。



次は、コマーシャル-アメリカ部門としてSesame Workshop。以前にもご紹介したセサミストリートのサイトです。Liferayも使っているようですね。とにかくもの凄いコンテンツの量です。100名以上のコンテンツマネージャが3000の動画と400のゲームなど10TBを超えるコンテンツを、、、なんてことが書いてあります。対象国が120ヶ国以上、言語も多岐にわたるので大変です。(因みに、セサミストリートはキャラクタによっては宗教・文化と相容れない恐れがあるケースがあり国毎のバージョンに大きな差異があることが知られています。そのことの反省をもとにマペットシーンを全世界共通で使えるようにしたのが私がこよなく愛するフラグルロックという作品だとも言われています)



さらに、コマーシャル-EMEA部門としてSaint Gobain。日本にもサンゴバン株式会社というアジア・パシフィックの拠点を持つ建築素材のリーダー企業です。ポータル統合を行い、グローバルの文書管理基盤としてAlfrescoの導入を行ったそうです。



それにしても、以上の企業・組織が「今年の」受賞者、としてリストアップされていることが印象的でした。Credit Crunchの影響が後どれくらい続くっていう想定なんでしょうか。OSSでビジネスをやっている人達(我々もその一端ですが)が、これを機にOpen Source Alternative(オープンソースによる代替)の存在感をアピールしたいというのは理解できるのですが。



(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)







バージョン3.2Preview用のランゲージパック

AlfrescoForge: Japanese Language Pack: Project InfoAlfrescoForge







こんにちは。aegif 技術担当役員の石井です。



Labsの3.2Previewを前提としたランゲージパックを公開しました。まだまだ十分な品質チェックを行っていないバージョンではありますが、日本語UIでAlfrescoの最新版の機能を体験して頂くことができるのではないかと思います。



(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2009年7月1日水曜日

Alfresco Press Releases - ParaScale and Alfresco Partner to Deliver Content-as-a-Service in the Cloud

Alfresco Press Releases - ParaScale and Alfresco Partner to Deliver Content-as-a-Service in the Cloud[Alfresco Webサイト]


Integrating the Alfresco ECM solution with the ParaScale cloud storage platform significantly improves manageability and performance for ECM users, while lowering costs both by eliminating a layer of servers to run Alfresco as well by allowing the usage of  commodity priced storage, ParaScale’s storage nodes are standard Linux servers and it took zero effort for Alfresco to bring up their application directly on ParaScale’s storage servers. Alfresco and Vembu are early ParaScale partners in an ecosystem we intend to develop to reduce the total solution costs of storage intensive applications by running qualified applications directly, affordably and scalably on our storage servers.



こんにちは。aegif 技術担当役員の石井です。



今回もAlfresco Webサイトの記事のご紹介です。クラウドベースでストレージを提供しているParaScale社とのパートナシップの発表記事になります。

Alfrescoの機能自体をSaaSモデルで提供という企画自体はよく見かけるのですが、足回りのストレージに技術的アドバンテージを持っている起業とのパートナシップというのは面白いですね。



AlfrescoはJavaベースで比較的素直な実装がされている製品ですので、ストレージに関してもストレージ製品単品で安全性やパフォーマンスを向上させるというアプローチを取ることになります。その意味でも、それが「クラウド」上にあり、スケールさせやすいというのは顧客にとっても非常に価値のある取り組みになると思われます。





引用はParaScale社CEO Sajai Krishnan氏のコメントです。クラウドからのアプローチということでセットアップのスピードアップということにも言及されています。コスト面についてはしっかりとシナリオをたてて計算してみないことには何とも言えませんが、「すぐに使える」という側面は確かに大きなメリットだと思います。Vembuという会社がParaScaleのパートナとして今回の取り組みを実現させているみたいですね。





記事からはParaScale社のWhitePaperを取得するためのページへのリンクが貼られています。メールアドレスを入力するとWhitePaperがダウンロードできるようになっています。ざっと目を通しましたが、DBMSは特に指定されていないようですね。折りをみて評価をしてみたいと思います。





��文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)