OASIS Web Experience Management Interoperability (WEMI) Technical Committee | Charter
以前も簡単にそういう規格が持ち上がりかけてますよ、というお話を紹介させて頂いたことがあったかと思いますが、Liferay関係のポストを稼ぐためにその続報をごく簡単に。
ECMの世界にSQLのような業界標準規格を、ということで策定されたCMISを追って、ということでしょうか、Webエクスペリエンスの相互運用規格についての議論がOASISのお墨付きを目指して進められているようです。弊社aegifのパートナーでもあるオープンソースエンタープライズポータル製品Liferayの製造元であるLiferay社も参加しています。
Webエクスペリエンス管理、という概念事態も賛否両論あるようで、ただのジャーゴン・バズワードだと言い切る人もいれば、ビジネス上必須の概念であると言い切る記事やWebinarもあるようです。ざっとWeb上の関連記事を見渡したところ、特にこのWEMI規格に力を入れている会社として、Hippo CMSの製造元であるHippo社の記事が目立っているように感じます。ApacheファウンデーションのOpenSocial製品Raveなどに取り組んでいる会社でもあるようです。CTOのBlogに参考になりそうな記事があがっていました。ざっくりとポイントをまとめると、「これまでのWebコンテンツ管理はSEO、つまり如何にしてサイトまで来てもらうか、に注力していたが、これからは来てもらった後のこともちゃんと考えなければいけない、それがWebエクスペリエンス管理が目指すところだ」、という主張ですね。「マルチチャネル出力だけでは不十分だ」とも言っています。確かにWCM市場の現状を明確に反映した意見で、総論としては正しい主張であるように思います。(ただ、このような規格を定めて相互運用性を高めることがゴールにどう繋がっていくのかについては、少なくとも私はまだよく飲み込めていません。)
WEMIのチャーターから、狙いを理解する上でキーとなりそうなところを簡単に引用したいと思います。Scope of Workという項目で、作業スコープに含めたユースケースと、あえて外したユースケースを3つずつ列挙してあります。
スコープに含まれているユースケース:
- WCMからのコンテンツの表示とマッシュアップ
- コンテンツとメタデータのインデックス
- 全コンテンツのエクスポートと移行
スコープに含めなかったユースケース:
- アクセス権管理
- バージョン管理とレコード管理
- データ投入と書き込みオペレーション
こうして並べてみると、どのユースケースも、「複数のコンテンツリポジトリを取り扱わざるを得ない」という状況を前提にしないと効果を実感しようがなく、国内市場でそのような前提条件を充足している環境がどれだけあるのか、っていうことが問題になりそうですね。これは相互運用性規格一般の性質であって、CMISも同じような条件だったことを考えると、数年もすれば色々とアプリケーションが揃ってくるのかもしれませんが・・・
(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)