昨年末で、ほぼ起業時から続けてきたAlfresco Software社とのパートナーシップを解消してしまいました。弊社WebサイトからもAlfrescoのロゴは取り下げてあります。
パートナーシップがなくなること自体は残念なことですが、今後も自社内に蓄積したノウハウを活用してAlfresco導入企業様への支援は引き続き行っていきますし、これまではできなかったCommunity版のユーザ様に対する支援などにも挑戦していくつもりです。
解消に至った理由や経緯などはなかなかご説明しにくいところもあるのですが、Enterprise版のAlfrescoが現在パッケージとして手に入るECM製品の中でも最良のものであるという考えに変化はありません。ただ、日本法人も立ち上がり、よりハイエンド向けに高価格化をしていくなかで、我々がターゲットとしているエンタープライズ向けアプリケーションを導入する企業としてはコストコンシャスであったり技術ベースのリスク評価を実施できるだけの成熟度を持った企業様に対してのマッチ度合いは以前に比べると少し低下してきている面もある、と考えています。今後は、そういった企業様に対して、AlfrescoのEnterprise/Communityあるいはその他の製品を比較するところから改めてご支援をさせて頂くつもりです。
Liferayに関しては引き続きパートナーシップを継続しておりますし、その意味ではCommunity版のユーザ様への支援の予定はありません。そういう意味では、期せずしてECM機能が強化されたLiferayや弊社の自社製品であるNemakiwareを含めて幅の広い提案ができるようになったとも言えます。製品サポートが必要な場合は、Alfresco Enterprise(我々を通じてではない形で別途ご購入頂く必要があります)、Liferay Enterprise あるいはNemakiwareを、サポートは不要だが豊富な機能とカスタマイズ性をいかしたソリューション開発が必要な場合はAlfresco Communityを利用した提案をさせて頂くことになると思います。Liferayはリポジトリを中心としたカスタマイズに関してはAlfrescoに及ばない点がありますが、ECMとしての基本機能も追加されていますし、何よりポータルエンジンとしての基盤が強力であり、画面そのものを作り込む場合などはむしろAlfrescoよりも有利な点も多々あります。
私個人としては、製造元の商用サポートつきオープンソースアプリケーションの企業導入にある種の拘りを持って取り組んできたつもりがあるため、今回の結果はもちろん残念に思っています。オープンソースはお金になるのか、という陳腐な議論への関わり方としても、ちょっと苦いものがあります。しかし、外資のソフトウェアを取り扱う上で、こういった突然のパートナーシップ解消というのは当然予期されるシナリオの一つでありますし、オープンソースであることを脇において考えれば、世の中にありふれた事象でもあります。オープンソースモデルの製品においても、他のソフトウェアと同じく、現地法人設立→既存のパートナーとの契約解消という流れが起きたというのは、それはそれで感慨深いというべきなのかもしれません。(Liferayに関しては末永く継続したいと思っています。もちろん!)
次回の投稿では、これを機に、企業向けオープンソース製品のビジネス、特に提案の現場でこの数年考えてきたことなどについて触れていこうと思います。
(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)