2008年8月2日土曜日

Alfresco Gives Microsoft Office Users a SharePoint Alternative

Alfresco Press Releases - Alfresco Gives Microsoft Office Users a SharePoint AlternativeAlfresco.com

こんにちは。aegif技術担当役員の石井です。

ついに、Alfresco無償版の新バージョンの姿が明らかになりました。今までCommunity Networkという名前で公開されていた無償版ですが、今回からAlfresco Labsという名前で公開されています。プレスリリース自体の表題にも含まれていますが、今回は対SharePointの姿勢をより一層強調したバージョンになりました。AlfrescoはSharePointよりも大規模なリポジトリを扱っていたいわゆるEDMSの流れを組む製品ですが、Alfresco自体がオープンソースモデルによって比較的低価格を実現したという点と、AIIMでも話題になるほどSharePointの機能強化やMicrosoft社の強力なプロモーションもあって、SharePointファミリと比較されることが多くなってきています。

これまでのところAlfrescoのメリットとして我々では、「スケーラビリティ」「非MS製品への対応力」「追加開発の容易さ」などを強調してきました。逆に言えば、規模と利用頻度がある程度予測でき、常に最新のWindows OSとOfficeファミリを利用していく方針が正式に決定していて、なおかつ複雑なシステム連携が必要とされない状況であれば、Alfrescoをわざわざ持ち出す理由はないだろうな、という認識でした。やはりすべてを同一ベンダの製品で統一することによる操作感上のメリットというのは否定しがたいものがあります。Alfrescoも独自にWordやExcelのアドインを提供することでそれらの製品から透過的にAlfrescoリポジトリにアクセスできるようにしていましたが、あくまでアドインですので、操作性も完全に統一されているわけではありませんし、なによりAlfrescoのコンセプトの1つであるゼロフットプリントに抵触してしまっています。今回のバージョンでは強力に機能強化されたRESTful APIとスクリプティングの機能を使って、SharePointのサービスと同等のインターフェースを実装する方針を採用したようです。これによりクライアントのWordやExcelはSharePointへ接続しているつもりで(つまりは統一的な操作感を維持したままで)よりオープンで強力なAlfrescoリポジトリへアクセスできるようになります。RESTful APIの強化自体もかなり可能性を感じさせるポイントなのですが、このSharePointコンパチブルという方向性はそれを端的に示すものとしても非常に面白いのではないかと思います。

他にも重要な点としてAlfresco Shareというクライアント製品が同梱されるようになっています。今までのWebclientとは別に、これもまたSharePointライクといいますか、コラボレーション環境としての使い方にフォーカスした作業環境を実現するWebアプリケーションに仕上がっています。Siteという単位で複数のプロジェクト単位の作業領域を作成することができ、そこには文書の保管庫の他にディスカッションやカレンダーが含まれています(以前のバージョンでもプロジェクトスペースとして提供されていた機能が大幅に強化されたイメージだと考えてください)。このSiteはAlfresco上は特殊なスペース(フォルダ)として作成されているので通常のWebclientからも中身を確認することは可能ですが、Alfresco Shareを通じたアクセスをした場合により利便性の高い環境を提供できるようになっています。たとえばSiteごとに「自分がチェックアウト中のファイル」「誰かがチェックアウト中のファイル」などの条件でフォルダ構造を無視したファイルのフィルタリング表示が標準で設定されていて、そこにカテゴリなどの独自のフィルタ定義を混ぜ込むことができたり、Site毎とSite横断のカレンダーイベントを一覧でみることができたり、と文書を中心とした業務ポータルの土台としてかなりの完成度を持っているのではないかと思います。このあたりは近いうちにもっと突っ込んだご紹介(たとえばセミナーなど)をしたいと思います。

��文責 Ishii Akinori ITC)