2013年4月2日火曜日

AIIM Conference 2013 #AIIM13

AIIM Conference 2013 #AIIM13: "The AIIM Conference 2013 is ONLY for those who are ready to think strategically about information management on a massive scale"


(Via AIIM.)



JIIMA ECM委員の1人として、先日行われた北米AIIMのAIIMカンファレンス2013の視察に言ってきました。別途レポートを月刊IMに寄稿する予定ですし、イベントでも報告させて頂くことになるとは思いますが、こちらにも簡単にご紹介を。



AIIMはJIIMAと同じくマイクロフィルムの普及を目的として設立された団体で、JIIMAよりもさらに10年長い歴史を持っています。その後、電子的な文書管理、ECMなども世界最大の業界団体として引き受け、拡大していったため、これまでは見本市とせっとで恒例のカンファレンスをやっていたのですが、今年からはカンファレンスのみの開催となっています。


よりインタラクティブなやりとりが重視されるということで、あまり英語、特に英会話に自信がない身としてはかなり緊張したのですが、折角の機会ですので視察員として立候補してしまいました。(立候補なんて何年ぶりだろう、と思いましたが、よく考えたら学生時代も特にそういう華々しいことはしていませんでしたね・・・)



実は、ここ数年、AIIM関連のイベントや、関係者のBlogなどでは「ECMは終わった」というようなメッセージをよく見かけていたので、「じゃあ、今後はどうするんだ?」という関心もありました。JIIMAの方々もそのあたりには強く興味を持っているようでした。



結論としては、従来のECMのビジネスは今なお継続しているし、簡単になくなるものではない、というある種予想通りの回答がそこにはあったわけですが、一方で、この2,3年彼らが主張してきた『ECM時代の終焉』というテーマについての議論もずいぶんと整理されてきたような印象も受けました。


今回のポストではこのあたりについて簡単に触れたいと思います。
まず、例えばAlfrescoあたりが主張していたSocial Content ManagementやCloud Connected Contentという標語からも見て取れるように、いわゆるソーシャル・モバイル・クラウド(・ビッグデータ)というIT業界全体のトレンドとの絡みがあります。これまで、こうした波が押し寄せてきた結果、従来型のECMが通用しなくなるよ! という危機感の煽り方がなされてきたわけですが、今回のカンファレンスの発表ではこのあたりのロジックがもう少し丁寧になっていました。


例えば、ソーシャルコンテンツとレコードマネジメントの組合せが何度か例として現況されていました。レコードマネジメントは、それこそ紙からマイクロフィルム、スキャンされた電子データ、Born Digitalと言われる初めから電子形式で作られる文書ファイル、とその対象範囲を広げてきました。ただ、これまでは対象の「形式」が増え、検索などの「機能」も拡張されてきましたが、基本的には紙文書の代替物として理解できるコンテンツというところに大きな変化はありませんでした。しかし、ソーシャルの仕組みが導入されると、文書としての態をなしていないコンテンツが業務上の意味を持つというケースが出てくるわけです。これはレコードマネージャにとって非常に難しい課題であると言えます。



似たような議論として、情報爆発についての言及も繰り返し行われていました。今、ECMのエンドユーザである一般的な企業ユーザの1人1人が処理しなければならない情報は加速度的に増えていっています。エンゲージメントを巡る議論、社内SNSで組織活性化!、などの話題は国内でも馴染みのものですが、なぜ活性化をする必要があるのか、という点についての踏み込みが感じられました。情報過多が人々を疲弊させている、というストーリーがまずあって、適切に情報をフィルタリングする仕組みを入れることでその課題を解決する、という建て付けになっているようです。日本だと、雰囲気不景気で人々が疲弊しているのは所与の条件というムードがあって、わざわざ何故疲れているのかっていう話しにはならないですからね・・・
いずれにしても、思った以上に分析や自動分類がECMの基本機能として取り込まれていきそうな感触を受けました。


人々を情報流による疲弊からガードしつつ、管理のための管理作業(メタデータ入力など)から解放するという方向性ですね。
あ、予定から外れて『ECMの終焉』まで到達できませんでした。続きは次回にします。



��文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)