困ったことになりました。いよいよもって人手が不足しています。受注が重なってしまい、自社開発プロジェクトに深刻な影響がではじめました。そこで、私が担当となって追加の技術要員を探すことになってしまいました。
人材の募集は常に行っているのですが、通常ですとメンバーが業務の隙間時間に面談を繰り返し行い、最後に我々取締役が最終面談、という流れであり、最近は忙しくてなかなか手が回らない状況が続いていました。特に、弊社の場合はコンサルタント要員よりも技術要員の方が実質的なハードルが高い、というやや特殊な状況がどうもあるようで、まずはそのあたりの整理から着手していく必要がありそうです。(ここでいうコンサルタント要員はビジネスコンサルティングの部門の要員という意味で、OSSのコンサルティングは弊社ではどちらかと言えば技術要員の仕事になっています)
ですが、時間がないので最初のところから私が担当することでスピードアップを図りたいと思います。一人で勝手に候補者に会って即決、というわけではなく、今まで通りの面談は実施していく予定ではありますが、時間を短縮することくらいはできるのではないか、と。
せっかくなので何故技術要員のハードルが高くなっているのか、というお話や求める人材像(?)についてもう少し。記事の性格上会社の特徴なんかも必要かもしれませんね。また、無駄に長くなりそうですね・・・
高いハードル
後で会社の特徴としても触れるかもしれませんが、経営陣の一人である私に技術者重視の会社を作りたいという気持ちが元々あること。そのくせ日和って技術畑でない人とのバランスや収益性を考えると、技術者パラダイス的な組織を用意するような器があるわけではないこと。それらの結果として他社がやりたがらない難しい仕事ばかりをやらざるを得なくなっていること。そして何より、現状のメンバーがそれが出来てしまうくらい優秀であること。
結果として、どの仕事も新しい人を割り当ててうまく行くイメージを持てない、という状況がうまれました。
これは、私の、(しかも残念な事に、世の中にはありふれている類いの)失策です。優秀なリーダーと優秀なメンバーに甘えすぎました。
難しい仕事とは
弊社の技術部門の場合は、オープンソースの企業向けソフトウェアの導入コンサルティングや技術アドバイザリ、製品サポート、トレーニング、などがそれにあたります。他社に先駆けて取り扱いを開始したため資料は仮にあったとしても全て英語ですし、複雑な問題解決には開発元の人達との英語でのコミュニケーションが必要になります。その場合、ソースコードが読めることは大前提です。
一方で顧客サイドに対してもまだまだ理解度に濃淡がある「オープンソース」に対する期待をコントロールし、ライセンス費用が無償である分時として逆に期待レベルが上がってしまっているスキルに対する要望に応えていかなければなりません。
こうして仕事の性質を並べて書いてしまうと、とても割の良い仕事には見えないかもしれません。実際、メンバーには負担をかけているところもあります。それでも、ソースコードへのアクセスがある、製造元の技術力やビジョンを直接自分で判断できる、ということのメリットは大きいはずですし、年々顧客サイドの理解も深まっています。何より、弊社のメンバーはその仕事をこなし、今回のような人手不足を生じさせてしまうほどの評価も得ています。
ですから、難しい仕事という言い方は、実は一面的すぎたわけです。
私の反省すべき点
問題なのは、この「オープンソースかつ企業向け」というマーケットの可能性を私自身が十分に信じ切れておらず、事業としてのリスクをメンバーのスキルのみで押さえ込んできてしまった、というところにあります。
このビジネスにはもっと間口を広げて(現状の技術メンバーの大部分のように元々の知り合いで、すでに「できる」ことがはっきりしている人以外にも)もっと人員を多く動員できるだけの余地が十分にあったし、今もある、ということです。
次回予告
やっぱり長くなりすぎるので、求める人材像と会社の特徴の再整理の話は次に持ち越します。上記の話はこれまでやってきたOSSのコンサルティングのビジネスを下敷きにしてしまっていますが、現在の募集はそこだけでなく、より技術志向の強い自社製品開発の部分に重点をおいています。(既存のコンサルティングの募集ももちろんやっています)
次もすぐ書きます。今日か明日には。
(文責 Ishii Akinori IT-Coordinater)