2012年6月7日木曜日

Liferayロードショーもどき

Liferay社のグローバルオペレーションの責任者であるMichael Han氏が諸国行脚と途中、来日して弊社オフィスにも来てくれました。


バージョン6.1や今後の計画についての情報共有が主な目的だったのですが、6.1は控えめなバージョンナンバーの割に大きな変化を持つバージョンであるように見えました。特にAlfrescoのパートナーでもある我々としては慎重に正しい使い分けのあり方について提案できるようにしていかないといけない側面があると思います。


6.1ではコンテンツ管理、文書管理の機能が大きく強化されています。メタデータ管理やワークフロー管理については特に顕著にその傾向が見て取れます。しかし、想定されている利用方法は、Alfrescoのそれとはある意味で正反対のものであると考えられます。


Alfrescoは本格的なECM製品であり、シリアスな用途においてやはり最後はカスタマイズを完全に避けることはできない、という前提が暗黙に存在しているように感じます。だからこそ、ワークフロー定義のGUIなどECMのコアサービスの可能性を制限してしまいそうなモジュールはなかなか実装されませんでしたし、最も安定的にメタデータ管理の実装を行う方法は現在でもXMLファイルの編集によって行われます。それに対して、これらの機能の標準パターンだけをうまく使いこなせれば、ファイル管理の方法として成果をあげられそうな、ECM文脈でいうところの「シリアス」な用途とまではいかない規模のニーズというのも一定量存在するのは事実であり、Liferayの文書管理機能の強化はその領域を意識して設計実装されている、と考えられます。


また、6.1ではソーシャルビジネスシステムであるLiferay Social Officeも配布物としては同梱されるようになりましたし、実事例も増えていくのでは無いかと思います。その当たりも含めて継続的にご紹介していきたいですね。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2012年5月30日水曜日

久しぶりに合宿に行ってきました

技術系のメンバーを引き連れて、というか、実際には後ろからくっついていくイメージでしたが、久しぶりに社内行事としての合宿を実施しました。場所は越後湯沢で、期間は(たったの)1泊2日でした。


ベンチャー企業の合宿というと「開発合宿」的なものをイメージされる方も多いかと思いますが、残念ながら今回はそういうノリではなく、今後のチームの方向性なんかを議論したり確認しあったりということをメインとしたイベントになりました。開発系のイベントもやっていきたいところなので、そのうちそういうご報告もできれば、と思います。


そこでの議論のほとんどは外に向かって発信するような内容ではありませんが、1つ私個人に振られた(振られ直した?)タスクがあります。このBlogにおけるLiferayに関する情報発信です。思えば、確かにAlfrescoとECMに関する情報に偏向していたきらいがありますね。個人のキャリアとしてECM製品を取り扱うプロジェクトの比率が1番大きかったのは事実ですが、ポータル製品についても継続的に取り組んできているので(製品ベンダの公式トレーナーをやっていたこともあります!)、そちらの側の話題も積極的に取り入れていきたいと思います。


最後に、越後湯沢合宿の総合的な感想ですが、おにぎりとうどんすきは確かに素晴らしかったです。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2012年5月23日水曜日

Alfresco日本法人設立イベントを終えて

日本における事例とベストプラクティス、というお題で講演をさせて頂きました。ただでさえ、あがり症で何を話して良いかわからなくなりがちな上に今回は準備にも練習にも時間がとれず(毎回同じようなことを言ってますし、練習に関してはやれたことの方が圧倒的にレアなケースになってしまうんですが)、来て頂いた方にはお見苦しいところをお見せしてしまいました。


言い訳がてら、ここで講演資料の意図についてくどくどと補足をさせて頂こうと思います。


まず、全体としては、「aegifの自己紹介」「事例の類型の提示と個別事例の紹介」「ベストプラクティス」という3つの要素を盛り込んだつもりです。以下その構造に従って補足をしていきたいと思います。


「aegifの自己紹介」


もちろん、この項目を最初に持ってきた理由は、講演者がどこの馬の骨なのかを明らかにする、というところにあります。ただし、今回、Alfrescoの日本法人の設立に際して、Alfrescoという製品がそのブランドを持たない若い会社が扱ってもビジネスを継続することができたような「本質的な競争力を持つ製品」であることと同時に、今後Alfrescoを導入されるお客様やエコシステムを共に形成していくことになるであろうパートナー企業の皆さんに対してうちの会社が持つ強みを知って頂きたいという気持ちがありました。そこで、弊社の技術サイドにおける基本的な戦略として、我々がOSSのメリットを単なるTCOの削減ではなくサービス品質の向上やエンジニアを尊重し長期的な競争力を得られるなどの部分に見ているという、本題からすると少し冗長な説明を挟ませて頂きました。


「事例の類型の提示と個別事例の紹介」


土壇場で時間が少し短縮されてしまったため、駆け足になってしまったところですが、Foresterのレポートを参考にして類型の提示をさせてもらいました。導入部分がこなれておらず少々唐突な印象を持たれてしまったかな、と反省はしているんですが、ECMの機能や利用方法をFundamental、Transactional、Business、Persuasiveの4つのタイプに分類するというやり方は実務的な感覚をよく反映していると思うので、これからもリファレンスしていきたいと考えています。もしかすると、日本の事情を考えるともう少しスマートな分類がありえるのかもしれませんが。


会場にはお客様やパートナーさんもいらしていたので、もう少し丁寧に掘り下げたご紹介をしたかったのですが、かないませんでした。またの機会があれば、と思います。


「ベストプラクティス」


事例を踏まえてのお勧めについて簡単に触れました。ここも時間の制約をあおりを受けた面が否めません。パッケージベースのITコンサルティングを行っている身としては、「カスタマイズ」の取り扱いは常にプロジェクトの中心的な関心事であるといえます。実際にはパッケージ選定の重要なインプットでもありますし、コードベースを複数の顧客で金銭的な負担を分けあうという経済的な意義からすると、パッケージを推奨しつつカスタマイズを奨励するというのはある種の綱渡り的な危うさがある議論です。繊細な議論であるため、具体的な前提条件もなしにこういったところで結論がだせるたぐいのものではないのですが、講演においては非常にざっくりとした意見として、「Alfrescoを選んだのであれば、GUIのカスタマイズはむしろ積極的にやってしまってもよいのでは?」というような煽りを入れてみました。乱暴すぎる一般論ですが、Alfresco関連のプロジェクトに関してはそれで不幸になる人は少ないと思います。


 


その後も会場でお会いした皆様と色々なご相談をさせて頂いております。今年はAlfrescoもLiferayも国内市場においても色々と大きな変化がありそうです。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2012年5月16日水曜日

Alfresco日本法人設立イベント

表題のイベントが、明日開催されます。


私も国内の事例について話をしてきます。スライドを十分に練り込む時間がなかったのが悔やまれます。大きな枠としてはテクニカルセッションの中で事例紹介っぽい話をメインに、というリクエストを頂いていたのでこれまでの事例のカスタマイズポイントなどを具体的にご紹介する形を考えているのですが、どうしてもテキスト情報が多くなってしまいます。ECMベンダのイベントとしてはやたらと印刷をして紙を配るのも難しいところもありますし、悩ましいですね。


いきなり個別の事例を話しだすのではなく、我々のような何の実績も無い若造(当時)がかついでもそれなりのビジネスを展開してこれたという点についても、一通り冒頭でご説明させて頂くつもりです。ECMにはどんな価値があるのか、パッケージソフトウェアのフルスクラッチ開発に対する合理性と、国内市場においてそのメリットを活かすためにオープンソースモデルが有効であったというような話になる予定です。


先ほどまで、Alfresco社の会長John Newtonと話をしていたんですが、今後のロードマップについても面白い話が聞けました。それは主に技術面での話でしたが、ビジネス面においても日本法人設立の勢いをうまく利用していけそうですし、これからますます忙しくなりそうです。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2012年4月25日水曜日

パンク

暖かくなってきたので自転車通勤を再開したのですが、天候・仕事の都合・体調などの理由によって週一回乗れれば良い方、という状況が続いています。

電車か自転車か、の判断のタイミングは当日朝に改めてするのですが、その結論次第では、前日まで使っていたカバンとは別のものを持ち歩くことになるということもままあります。

何が言いたいかというと、自転車というものは、スペアのチューブや携帯用ポンプを持っていない時に限ってパンクするということです。ついでにいうとその悲劇がまさに今日起きたということでもあります。

実は、aegifのブロガーランチの日と決められている水曜日は技術系メンバーの週次ミーティングの日でもあります。今日はそのミーティングに間に合いませでした。このミーティングでは、一週間の作業内容と今抱えている課題を共有しています。内容や、頻度が、適切かどうかわかりませんが、今の所最大10人程度の技術系チームではそういう対面ミーティングを行っています。社内で情報共有を行うツールもあれこれと活用しているんですが、対面かつ定期的に実施というところがドライブする要素もある、とみなしているわけですね。

このあたりの議論は情報共有ツールの使い方の議論の中で改めてご紹介させていただくこともあるかもしれませんが、今日のところは遅刻の言い訳を優先してここで終わりたいと思います。

#久しぶりのiPadからの投稿なので署名は省きます




2012年4月13日金曜日

企業内情報システムにおけるユニバーサルデザインについて(?)

実は5年くらい前から持っていながら全然実行に移せていないアイデアなんですが、ECMのようにアクセス権管理を主とするシステムのUI設計には、ユニバーサルデザイン的なガイドラインを作る余地があるのではないかと思います。


「全体に公開」「グループにのみ公開」「自分のみアクセス可能」な情報・コンテンツは一貫して色分けしておくことで、アクセス時に直感的にその領域の管理状況が把握できるようになる。


のではないでしょうか。


ではどんな色に? と考えると、3段階の公開レベルですので青赤黄の信号機カラーにすれば良さそうです。それについては反対意見はあまりないのではないかと思います。しかし、ここで1つ問題があります。果たして最もオープンな「全体に公開」と、最も安全な「自分のみアクセス可能」はどちらが青(グリーン)であるべきでしょうか?


一般的には、前者の青(グリーン)とみなす人が多いかなとは思うのですが、(特にECMのインプリの現場では)自明だとは言えないのではないでしょうか。アクセス権の絞り込みを機密性の観点で、「部内費だからグループ限定」などの目的で設定している場合もあれば、情報共有の観点で「まだドラフト状態なので自分のみアクセス可能」という目的で設定している場合も両方あり得る、というような、ECM自身が抱えている各機能がリポジトリの上にのるアプリケーション・業務プロセスによって異なる使われ方をする、という特徴によるものであると思われます。(アプリケーションとしてもミドルウェアとしても利用される、と言い換えても良いかもしれません)


ということで、誰か先行事例があればそこにあわせようと思っていたのですが、なかなかこれというものに巡り会わないうちに、世の中がソーシャルブームになってしまいました。こうなってくると、部署内ではなく「友達」もしくは「友達の友達」への開示が「黄」ゾーンという形になるでしょうか? Google+のサークルの色分けが参考になるかとも考えましたが、やはり目的が違うのでスマートな印象の青や緑のタグがつくデザインになってしまっています。


ソーシャル系のツールが本格的に企業内に入ってきて、BYODも進んでいってしまうとなると、どの範囲でつぶやいているのか、つぶやかれているのか、を直感的に示すデザインには一層のメリットがありそうだと思うのですが。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2012年4月11日水曜日

ご無沙汰しておりました

独創性のない言い訳で情けない話ですが、公私ともに多忙を極めていたためまたもや2ヶ月も放置してしまっていました。その間に弊社のBloggerランチミーティングも曜日が金曜日から水曜日へと変わってしまったようです。


もちろん2ヶ月も間があけばその間にも色々なことがあったわけですが、中でもフォローの必要性を感じながらも手を付けられなかったのが、Alfresco社の日本法人設立と2つ前の記事でご紹介していたECM Summitでの講演です。


Alfrescoもいよいよ日本市場に本格的に力を入れることになりました。Alfrescoのパートナーとしての活動を始めてから6年以上たちました。ローカライズを中心とした作業から、トレーニングビジネス、OEM向けの技術コンサルを含む国内導入、サポートの代行、パートナーリクルートメントと本当に色々な形のお仕事をさせてもらいました。今後はAlfresco社がダイレクトにマーケティング活動などにもリソースを投入してくれるでしょうし、ますます活用の幅が広がっていくのではないかと思います。(そういえばLiferayも日本中心のAPAC担当者がアサインされたようです。日本語ができる方です。ここにきてまた動きが活発化しているように思います)


ECM Summitについては私が特に苦手とする多人数を前にした講演で、うまくまとめ切れなかったという反省が大きいのですが、イベントそのものについては成功と言えそうです。アンケートの結果や出席率を見る限り、国内ECM市場界隈で「ソーシャル」というキーワードを取り扱うことは決して時期尚早ではない、ということだと思います。事前の企画段階においては、そこは議論があったポイントでした。といっても、ネガティヴな意見表明があったわけではありません。JIIMA ECM委員会は日本参入前からKindleを所有している人が何人もいるような「新しもの好き」が揃った委員会で、たとえば最近ではビジネス系の講演イベントでもみかけるようなUstreamやTwitterハッシュタグなんかも何回か前に実施して出席者の反応の鈍さに萎える、という先行ぶりを見せてるくらいですので。(私は新参者なので、こんな形で知った風な口を効くべきではないかもしれないんですが、日本画像情報マネジメント協会という堅い名前から受けるイメージとは一線を画したチームである感があります)


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)