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2016年5月9日月曜日

AIIM2016に行ってきました

毎年恒例(?)の行事として、米国のAIIMカンファレンスに参加してきました。今回もJIIMA(日本文書情報マネジメント協会)からの派遣という形で、ABBYY社のご協力もあってAIIMプレジデントのジョン・マンシーニ氏とも打ち合わせなどをさせてもらいました。詳しいレポートは月刊IMに投稿予定ですが、まずはご報告まで。

http://www.aiimevents.com/events/aiim-conference-2016/event-summary-981cb8aa25d64787b08466904f21a986.aspx

 

会場はニューオリンズで、私が初めて参加した3年前と同じ場所でした。プレジデント及びゲスト2名のキーノートセッション、業界の主な視点(ガバナンス、とか、エンゲージメント、とか)毎のパネルディスカッション、ラウンドテーブルセッション、一般的な形式のセミナー、などの基本的な構成は例年と変わらず、といった印象です。

一昨年、昨年と、近未来を見据えて、ECMというキーワードの陳腐化について真っ正面から捉えた言説が散見されていたのですが(昨年にいたっては「何か新しいキーワードが必要」とまで言っていました)、特に新しいキーワードが発表されたかというと、そんなことはありませんでした。概ね落ち着いた調子で業界の新しい動向を共有しあう会であったかと思います。

(むしろ、「記録管理という実験は失敗に終わった」とか「文書管理は死んだ」みたいなストレートな煽りを見かけなくなった印象です。たまたま私が参加した枠になかっただけかもしれませんが)

ゲストスピーカーは、Socialnomics(訳書『つぶやき進化論 「140字」がGoogleを超える! 』)の著者エリック・クァルマン氏と、The Future of Workの著者ヤコブ・モルガン氏のお二人でした。このあたりも、ソーシャルだとかデジタル変革などの伝統的な文書管理・記録管理に収まらない範疇をターゲットとして情報発信を続けているAIIMらしいラインナップであると思います。

プレジデントであるジョン・マンシーニ氏は今年でその席を降りAIIM内では別の役割を担う予定だそうですが、その彼のキーノートセッションではAIIMのテーマは一貫して「People, Process and Technology」である、と強調されていました。ECMコンサルタントの立ち場としては、コンテンツでもドキュメントでもなく「プロセス」が強調されていることにはある種の驚きがあります。実際には、人とプロセスを結びつける技術はすべてAIIMの関心領域に含まれる、ということで、時代によって変遷する技術のところが個別のテーマとして深掘りされる、という建て付けで、コンテンツ・ドキュメントとそれにまつわるツールや手法はそちら側ということのようですが、普段はプロセスとコンテンツをどこまで分離できるかということに頭を使うことの方が多いので、そもそも自分達が相手にする問題領域には先天的にプロセスが備わってるはずである、という視点は非常に興味深かったです。

その他印象的だった点としては、eSignatureのラウンドテーブルで「まだ導入できそうにない」という立ち場で最初にお話をされていた人が日系企業の方だったというちょっと出来すぎなくらいのシチュエーションがあったり、Infomation Governanceはかなり一般的な宣伝文句として各社のブースやパンフレットに記載され特に製品としての競争優位を争うポイントではないように見えたり、デジタル変革の議論ではやたらとDisrupterとかDisruptionという表現が使われているように感じたり、ということがありましたが、その当たりはまた時間があるときに深掘りしてみたいと思います。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)

 

2016年3月3日木曜日

ECMサミット2016(冬)開催しました

例によって、かなり出遅れた開催報告です。申しわけありません。

まず一番大切なことから。資料ダウンロードをようやく開始しました。ご参加頂いた方々も是非またご覧になってください。

今回のテーマについて

ECMのミライ〜知識・協働・ディスカバリーの先へ〜というテーマを掲げました。ミライという言い回しはマーケティングのバックグラウンドを持つ先代委員長梅原さんのお知恵をお借りしてつけたものです。委員会内でのディスカッションにおいて、

「アメリカに対して日本はこんなに遅れている」という一本調子には皆食傷していると思うが、日本でもコンテンツ管理に課せられる責任や課題はとっくに変化している。各企業は新しい課題に個別に対応しつつも、それをコンテンツ管理や文書管理というキーワードと結びつけて考えていないということではないか。

という論点が浮かび、それをサミットのテーマにいかに落とし込むかというご相談をさせて頂きました。

この論点・問題意識は委員会中核メンバーである富士通総研の小林さんの最初のプレゼンで丁寧にカバーされていると思います。

一定以上の規模の組織においてはその管理運用状態は別として、文書管理規程がすでに整備されていることが多いはずです。しかし、ほとんどの場合それは「紙の」「完成した」文書の管理ルールを定めたものか、そのルール自体はそのままに対象範囲だけを「電子的な」文書に拡大しただけのものであると考えられます。言い換えると、

  • いわゆる文書管理規程とは完成された文書に限定された管理ルールである。
  • それが限定されているのは成立した時点では電子的な文書作成プロセスが現在の様に一般化されていなかったからである。

ということになります。しかし、一方で例えば個人情報保護であるとか、情報セキュリティであるとか、ITの普及に伴い各企業において情報全般を管理したり保護したりするためのルールはこれまでも強く要請され、実際にそうした管理体制を整えてきてもいるわけです。これらの電子的情報に関するルールと文書管理規程は縦割りで完全に分離されているのが多くの企業の現状ではないでしょうか。

その分離の問題に焦点をあてるというのが、今回のテーマの狙いの1つでありました。

なぜディスカバリーを取り上げたか

知識・協働・ディスカバリーという副題に並べたキーワードですが、恐らく多くの人にとってディスカバリーだけが馴染みが薄く、また具体性の高い単語であったかと思います。知識はナレッジマネジメント、協働はコラボレーション、という言い方でこれまでのECM関連の話題の中でもそれなりに触れられてきたものです。(ナレッジマネジメントもコラボレーションも、「完成済み」文書の保管庫としてだけないリポジトリの活用用途の典型的なシナリオと言えます)

それでもあえて具体的にディスカバリーを取り上げたのには理由があります。1つはこれが日本の特に製造業などの輸出産業において非常にクリティカルな問題となり得るのではないかという危機意識です。もう1つは、ECM委員会としてECMというメリットが分かりづらい技術・コンセプトを説明する具体的な事例としての分かりやすさです。

危機意識については詳細は資料等をあたって頂くべきかと思いますが、アメリカの裁判制度においては自身の主張とは無関係に係争のテーマと関係する証拠情報をまとめて期日までに提出する義務があり、それを果たせないとペナルティが科せられる、というの制度上のギャップが問題になります。

今日では電子的な情報はあちこちに残すことができるため、紙の時代では捨てられていたあるいは「捨ててしまった」と主張しても無理がなかったメモや細かいコミュニケーションの履歴も、証拠性を持ち得るとされます。となれば、それらの情報を整理していつでも取り出せたり、あるいは削除すると決めたら確実に削除しているという運用実態を示せないと、本当に関係するかどうかわからないもの含めて全部さらけ出さなければならなくなります。さらに専門家(弁護士)がその1つ1つをチェックするわけです。それにも莫大なコストがかかります。

残念ながら、ECMの様な統合的な管理基盤や、完成済み文書に限定されない文書管理ルールを持つ日本企業はまだまだ稀であると言わざるを得ません。情報の削除についても仮にルールがあったとしても運用実態としては怪しいものがあります。(例えば、メールサーバのメールが定期的に削除されるのでローカル保存をしている、というナレッジワーカーはたくさんいるはずです)

したがって、アメリカのルールでの裁判に巻き込まれた場合、日本企業は大きなハンデを背負うことになるわけです。ここにかかるコストとかペナルティは実際の判決とは無関係だということが重要です。悪意を持って喧嘩をふっかけられた場合、などでも対処の仕方が難しいわけです。このあたりはオープンテキストの大沢さんの講演で詳しく説明がされました。(残念ながら、公開用の資料は頂けなかったのですが)

大沢さんの講演は、パテントトロルなどの例を引いて、以上のリスクが高まっていることを示すと共に、「アメリカのルール」で戦う必要性を却下してもらえた事例などにも言及するなど、ホラーストーリー一辺倒ではない素晴らしいものでした。

ECMの方向性

ディスカバリーだけが今回のテーマではありません。IBMの三ツ谷さんからは、クラウド、アナリティクスの領域と繋げて利用範囲を拡大していっている方針が具体的に示されていました。リーダー企業の一角であるIBM社が、ECMリポジトリの技術をサービスラインのどこに位置づけているか、というのは業界の動向という観点では大きな意味を持ちます。

分析・可視化の道具としてのBI、アナリティクスだけでなく、人工知能のエンタープライズユースを進めている中で、今後ECMがどのような役割を演じることになるのか、という点は今後ますます関心を集めるところだと思います。この辺りはAiimにおけるInformation Chaos云々の議論とも深く繋がります。

ECMは非定型データに関してもSingle Place of Truthを実現するための仕組み、と言えるはずですが、その権威が人工知能と組み合わさった時の作用には大変興味があります。

Hylandの新井さんのプレゼンは、前回のサミットのパネルディスカッションでも明示されていたアプリケーションプラットフォームとしてのECM、というテーマにまつわるものでした。

各業務、各アプリケーションによって生み出され利用されるコンテンツに対し、横断的に管理精度を保証するのがECMの役目なのであれば、それらのシステムと併置して連携をとるだけでなくECMの「上に」個々のアプリケーションを乗せるという方向で、もっとシンプルに(アジャイルに)ビジネスニーズを満たせるはずである、という主張だと受け止めました。

業務切片から見た場合にそれが最適解に見えるか、企業のIT投資全体としてECMプラットフォームに依存することが良いことなのか、などの点ではまだ考えるべきことはたくさんありそうですが、少なくともコンテンツ(非構造データ)管理の角度から考えた場合、プラットフォーム(共通基盤)になる、というのはそのメリットを最大化させる方向であると言えそうです。

その他

今回、色々と混乱があり、結局最後まで募集ページにはどのようなタイトル・内容の講演が並ぶのかという説明を掲載できませんでした。であるにも関わらず、大変多くの方に集まって頂き、お借りした会場(かなり広いところなのですが)が満席となりました。大変ありがたいことだと思います。

ECMサミットは(無料セミナーであることもあり)JIIMAの取り組みの中でも集客がしやすく、またアンケートの回収率も高いことで(内部では)知られています。そのため、リピーターの方が数多くいらっしゃるものだとばかり考えていたのですが、今回アンケート項目を増やしてこれまでの参加回数を問うたところ、意外にも初来場の方の比率が高いということがわかりました。大変驚いています。また、集計の合理化という観点も含めて、Webフォームのアンケートサイトを用意し、アンケート用紙にもそのQRコードを印刷するという方法をとらせて頂きましたが、回答の半数近くがWeb経由という結果になりました。ご協力ありがとうございました。

引き続き、テーマの募集を行っています。ECMベンダ各社にまとめて聞いてみたいこと、などでも結構です。お気軽にお声がけください。

(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)

2016年1月21日木曜日

ECMサミット2016(冬)やります

気がつくと、前回のECMサミット2015以降更新がなかったですね・・・

前回のものについての報告記事は月間IMに書いたのでそちらの紹介なんかもさせて頂くつもりだったのですが、気がついたら次の告知が必要な時期になってしまいました。

ecm-portal

ECMサミットとは

くり返しのご案内になりますが、私が委員長をやらせて頂いている日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)のECM委員会主催のイベントで、主要ECMベンダが一同に会して業界の最新動向などをお伝えするイベントです。

ECMは海外での事例の豊富さと比較して、日本ではあまり導入が進んでいない領域です。日本企業のITに対する取り組みや、日本人の就業感など、内外差の理由は色々なところにありそうですが、それらを再検討する上でもこのあからさまに普及度合にギャップがあるソリューション分野というのは興味深いのではないでしょうか。(普及啓発をミッションとしている人間が言ってしまうのは無責任かもしれませんが)

~ECMのミライ~ 知識・協働・ディカバリーの先へ

というテーマになっています。

今回のテーマの狙い 地味な裏メインテーマ『eディスカバリー』

さて、実は数年前にも少しだけ取り扱ったことがあるテーマでもあるのですが、私自身ここ数年の間、eディスカバリーについてももう一度取り上げたいと考えていました。社内にある文書情報を未整理な状態で放置することが、直接的なダメージになりうる、ということを端的に示したテーマだからです。

残念ながら国内企業の多くは、海外企業(より具体的にはアメリカ企業)と裁判になった場合に、タイムリーに証拠となりうる情報を提出するためのインフラを持ちません。アメリカの裁判制度においては、これは非常に大きな弱点となります。日本における文書情報のあり方がこうした問題に対応するのを苦手としていることは、それほど一般に知られていることではないと思いますが、いつの間にかハンデ付きの戦いに巻き込まれてる、という状況をなくしていくために、広く伝えて行く必要を感じていました。

ただ、ECMはディスカバリー(ここでは、アメリカの証拠収集手続を意味しています。それをさらに電子的な情報に拡大したのがeディスカバリー)対策のためのソリューションではありません。ECMを入れることが、ディスカバリー対策の意味ですぐに効果を発揮するかというと、残念ながらそこまでのインパクトはないでしょう。あくまで、対策の土台となる情報の整理ができあがる、というだけです。ディスカバリー自体はあくまで法律分野の問題です。

ちょっと正確性を欠く表現かもしれませんが(ご指摘、お待ちしております)、アメリカのディスカバリー制度では「係争相手が持っている文書」を提出させることができることになっています。我々が想像する裁判は、それぞれが自分に有利な証拠(だけ)を持ち寄って議論を戦わせる、というイメージだと思いますが、アメリカのルールにおいては、裁判の目的に沿っていものであれば本来持ち主が出すつもりのない資料も証拠として無理矢理提出させられてしまうわけです。

これはちょっと不思議な話です。自分に不利になるはずの証拠文書を指定されて開示しろ、と言われても、それは嘘やハッタリの類いかもしれないわけです。実際、該当する資料が無かった場合、当然拒否することになるわけですが、そこで「悪魔の証明」、すなわち、その資料が存在しないことの証明責任を求められることになってしまいます。であれば、難癖の付け放題になってしまうのではないか?

しかし、この制度は長きにわたって存続運用されています。もちろん、裁判所の目が光ってるということもあるとは思いますが、「悪魔の証明」がある程度簡略化されている、ということも重要なポイントです。

「どのような文書情報を、どれくらいの期間、どのように保管しているか」

というルールを定め、その様に運用していると見做されれば、そして裁判に関係ある情報を全量とりまとめて提出できる能力さえあれば、「その中に無ければ無い」と主張できるわけです。

これが、例えばメールはすべて5年で削除というルールがあるのにそれ以前のメールをローカルにバックアップを保存してしまう従業員がいたりすれば、運用実態に疑義が生じてすべてのPCの中身をひっくり返さないと結論がでないことになります。ルール通りに運用されていても、〇〇という製品に関係する資料をすべて、という指定に対してメタデータやインデックスなどの整備がされていないと、本当にすべてを引き出せているかどうかが曖昧になってしまいます。その場合も一目でチェックが必要になるでしょう。(この場合の人目は法律の専門家であることが求められる、とするとその費用が莫大なものであることが想像できると思います)

このあたりの状況を改善するためには、社内の文書情報の管理ルールと、それを支えるシステムの整備が有効である、という結論になるわけです。

でも、いくら大切と言われても裁判の話に興味がある人なんてごく少数ですよね

表テーマ 完成図書管理の限界

ということで、eディスカバリーからは一旦離れて、サブタイトルに知識・協働・ディスカバリーと並べていることの意味についてご説明させて下さい。

要するに、今の日本企業が持つ文書管理規程、文書に関するルールは紙の文書の取り扱いを前提としていて、そのことと現実世界の要請との歪みがとても大きくなってしまっている。それが端的に表れてるのが、ナレッジマネジメントやコラボレーションなどの生産性向上の取り組みとディスカバリーの領域である、ということです。

電子的な文書の比率はどんどん高まっていますが、文書管理規程とIT関連のセキュリティなどの規程と個人情報に関する規定はすべて独立して構成されていることが多いと思います。施策や、場合によっては運用したり管理したりする組織も違っているかもしれません。

こうした環境の中で、文書管理の規程やシステムの役割は、社内で正式にオーソライズされた文書を恭しく正式の最新版として取り扱う、というところに重点が置かれてしまっています。

つまり、「正式な最新版=完成図書」がコンテンツとして完成するまでの過程については、主な関心領域ではありませんでした。

しかし、このコンテンツの作成過程もITサポートによって効率が向上することは自明です。実際多くのツールが提供されてきました。最近では社内SNSだけでなくチャットツールなどのチーム作業への貢献度が見直されたりもしています。もちろん電子メールにより社内外のやりとりもこの領域の情報をふんだんに含んでいます。

昨今問題になっている日本のホワイトカラーの生産性の問題、特に個人による仕事(情報)の抱え込みもここで発生しています。

生産性向上ツールはあると嬉しい。それが会社の正式な文書体系と繋がってるとより美しい。だけれども、投資にあうリターンがあるかどうかは不明だし、従業員も積極的に活用してくれそうにない。したがって様子見、あるいは中央集権的な仕組みには手を出さす部門単位の細かい施策から試す(そして新たなサイロを)、、、というのがECM(だけではなさそうですが)の和製アンチパターンであると言えると思います。

さて、ディスカバリーの話に戻ります。先ほどは、国内企業の不利を正すため、というようなある種きな臭い理由付けをしてしまいましたが、ここにもう一つこのテーマが国内でのECM活用に繋がるはずだ、と私たちが考えるようになったポイントがあります。

完成図書だけが証拠ではないのです。現代の業務環境においては、ディジタル情報の形で文書・コンテンツが生成されていく過程の付帯情報も自動的に大量に生み出され、原理的にはその補足と管理も可能なのです。そして、司法もそのようなかつては揮発してしまった「言った言わない」のような情報までも、証拠性を認めうるとしています。しかも、先述の悪魔の証明の議論までついてくるのです。

eディスカバリー制度というものの存在が、生産性向上のような攻めのニーズだけでなく、コンプライアンス的な守りのニーズの文脈からも、紙を前提とした完成図書管理が時代遅れであることを端的に示している、と言えると思います。

ECMサミットでは私は冒頭のナビゲーションと最後のご挨拶だけですが、より深い知見や経験を元に各社のスピーカーから、さらに具体性をもったお話が聞けるのではないかと思います。

例によって大変冗長な記事になってしまいましたが、是非とも会場に足を運んでいただけらたら、と思います。

よろしくお願い致します。

(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)

2015年3月4日水曜日

ECMサミット、やりました!

JIIMA ECM委員長としてのお仕事のご報告です。

先日、2月25日に恒例の第11回となるECMサミットを開催しました。今回は、OnBaseのHyland Softwareさん、LivelinkのOPENTEXTさんという専業ベンダ2社、IBMさんとOracleさんのビッグベンダ2社、にご参画頂きました。

そもそもECMサミットって?

公益社団法人 日本画像情報マネジメント協会(JIIMA)のナレッジ系委員会であるECM委員会が主催する、セミナーイベントです。競合関係にある主要ECMベンダが呉越同舟的に同じテーマに沿ってプレゼンをするという特徴を持っています。概ね年に2回ほど実施しています。今回のような冬開催枠では例年キヤノンマーケティングジャパン様から会場をお借りしています。(もう一方はJIIMA最大のイベントであるe-ドキュメントJAPANにあわせて開催しています)

今回のテーマは?

11回目ともなると恒例行事です。今回は、これまでのECMサミットのテーマの遍歴とアンケート集計結果などを参考に、少し変化球的なテーマを設定しました。~主要ベンダー、インテグレータが振り返る成功事例~ECM導入プロジェクトの落とし穴です。このテーマには3つの狙いがありました。

  • 事例紹介がもっとも集客力のあるコンテンツである
  • 泥臭い具体的な話を聞きたいというニーズに対してプロジェクトの立ち場から応えることができるかもしれない
  • プロジェクトの担い手であるインテグレータの視線から語ることで参加ECMベンダに対して立体感のある描写ができるかもしれない

セミナーイベントをやるからにはたくさんの人に聞いて欲しいですし、我々は「普及啓発」をミッションとする委員会ですので、その趣旨においても集客力は重要なポイントです。とはいえ、呉越同舟的なイベントという特殊性のこともあり、ベンダ各社の発表の負担を大きくすることも避けたいところです。どうしても営業・マーケティング部門を通じてご相談させて頂くため、製品のメリットを解説する講演になりがちで、実際そうした指摘も度々なされてきました。(これは我々が技術を軸に集まっている集団であって特定の業種のお客様を集客する器ではない、という点からくる面ももちろんあります)

今回は、各社のパートナに客観的になぜその製品・会社をパートナに選んだのか、なんていうスタンスで語ってもらうことで、このあたりのハードルを少しでも躱していきたいと考えました。また、事前の説明無く当日各コマの前に「他社との違いを一言で説明して下さい」というリクエストを入れることで、串刺しできる視点を持ち込むという試みにも(勝手に)チャレンジさせてもらいました。

どんな講演があった?

いくつかの資料はECMポータルからダウンロード可能になるので、そちらを見て頂くのが良いかと思います。各社、事例の具体性も、発表の分担の仕方も、成功要因と考えている部分やその表現の仕方も、それぞれに異なっていました。ただ、あえていうのであれば、やはり専業ベンダとビッグベンダの間の違いが大きいという印象を私は持ちました。

講演のタイトルは、専業ベンダ2社のものが「業務は現場で起きている」「ECM実践例とプロジェクト成功のための勘所」という非常に抽象的なものである一方で、ビッグベンダ2社は「いよいよ公開!保険会社における先進ケース管理」「国内グローバル製造業が実現した販促物の配信と効率的なマスター管理」というかなり具体的なものを掲げていました。

このあたり、ECM(OPENTEXTさんはそれを拡張したEIMのコンセプトを打ち出していますが)を専門としているか、自社ソリューションラインナップのあくまで一部分として捉えているか、という違いがよくでていたと思います。

しかし、専業ベンダ2社の発表内容が抽象的だったかというと、もちろんそんなことはありませんでした。専業ベンダとしての蓄積と自信から抽出された言葉というのは、結果として抽象的な表現になるんだな、という感想を持ちました。Hyland SoftwareさんとパートナPFUさんの発表は、(紙からの)電子化文書についての多数の経験からでてきた具体的な「検討漏れ」のお話でしたし、OPENTEXTさんとパートナであるキヤノンマーケティングジャパンさんの発表は短期間では実現不可能な統合管理のメリットをいかに具体的に道筋をつけて実現していくのか、という示唆に富んだものでした。

対する2社の発表は、まさに満を持した形で発表された先進ケース管理(動的ケース管理、アダプティブケースマネジメントなどとも呼ばれます)の国内事例と、誠実にメタデータ設計を考えるときに常に問題となるマスター管理という、いわば玄人好みなテーマでした。さらに、Oracleさんの発表の実態はさらに検索性能への拘りという、非常にテクニカルである一方でエンドユーザの理解という意味ではかなり重みのあるテーマを扱ったものでした。

まとめ

さきほど、アンケートの集計がようやく終わったのですが、お陰様で過去の実績とくらべても好意的なフィードバックを多く頂いてるようでした。ご来場頂いた皆様、ありがとうございました。残念ながらご参加頂けなかった皆様、次回は是非よろしくお願いします!

次回は、今月18日からのAIIMカンファレンスについてのお話になると思います。

(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)

2014年11月9日日曜日

騎士団の招集に応じて(?)

OOTB!

OOTBという文字の並びを見ると、私の場合は『アウト・オブ・ザ・ボックス』かな?と思います。パッケージ製品をカスタマイズせずに利用する、というニュアンスの言葉で、いわゆるIT系の人が相手でも通じるとは限らない表現である気もします。(Python界隈の人だと『バッテリーインクルーデット』っていう別の表現もありますが、あくまで「カスタマイズ」の有無に関するものなので、実際には全然違う意味で使われる言葉になっています)

さて、妙な前置きが長くなってしまいましたが、パートナーシップは解消したものの依然として弊社のビジネスの中核を担う技術であるAlfrescoのお話です。

ここをご覧になっている方は大抵よくご存じであると思いますが、弊社がそのパートナシップの環から外れた後もAlfrescoは順調に業績を伸ばし、経営陣も入れ替えてIPOに向かって邁進し、業界に確固たる地位を築いています。国内でもパートナー企業が増えているので、以前に比べより多くの人にその情報が届く状況になってきたかと思います。

ハイブリッドクラウド構想とハイエンド指向を推し進め、大規模案件でも不安のない製品としてのポジションをオープンソース製品が勝ち得たことは非常に大きな意味があると思います。

そうした派手な方向とはまた別の指向で、そこまで大規模ではない事案へのフォローですとか、開発者コミュニティの育成という意味でのコミュニティの活性化という面でAlfrescoが話題になることはこれまであまりなかったように思います。強いて言えば、ecmarchitect.comの管理人でコミュニティアワードを受賞していたジェフ・ポッツ氏がコミュニティオフィサーという肩書きでAlfrescoにジョインした時くらいでしょうか。(そのジェフさんも先頃退職されてしまいましたが)

蜂の騎士団の結成

ようやく本題です。OOTBとはOrder of the beeの頭文字を並べたものです。ハリーポッターのフェニックス騎士団と同じ訳し方をするのであれば蜜蜂騎士団、という感じでしょうか。Alfresco Software社とは独立した形でAlfrescoのエコシステムを成長させていくために集ったコミュニティメンバーの組織です。その中には顧客側の人もいれば、Alfresco Software社の社員もいます。独立したエンジニアもいれば、我々のような会社もいるようです。

私自身も個人の名前で登録してもらっていますが、会社もプロフェッショナルネットワークのページに載せてもらいました。再びアジア初だったみたいですね。

(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)

NewImage

2014年10月30日木曜日

韓国のu-Paperlessというイベントで講演をしてきました

人生初の釜山です。u-Paperless 2014という韓国のDCA Digital Content Associationという日本で言えばJIIMAにあたる団体主催のイベントでドキュメントプロセスアウトソーシング DPO Document Process Outsourcingというテーマで講演をしてきました。(ちなみに、すごく正直なことを言うと、DCAに対しては韓国はこういう活動に政府の後押しがあって羨ましい、という気持ちを持っています。イベントも立派でした。)

様々なトラブルがあったのですが、なんとか生き延びました。

ECM委員長になっての初仕事というつもりで半ば軽い気持ちで引き受けたのですが、(あ、初仕事はeドキュメント JAPAN版ECMサミットでしたね)、思いの外立派な会場で、完全に気合い負けしてしまいました。講演後の食事の席などで、各国の皆さんから暖かい言葉をかけられ、個別に深掘りしたような話もできたので、会場で見られただけの他の出席者の方には大変申し訳ないのですが、私としては収穫の大きいイベントでした。

講演したテーマについては勝手に資料を公開して良いのかどうかまだ判断がつかないので、簡単にここにまとめてしまいますと、

  • DCAより歴史の古い(!)JIIMAの視点からみると、文書管理にはマイクロフィルム・デジタルイメージング・ボーンデジタルの大きな潮流あるいは「時代」があったと言える
  • マイクロフィルムはアナログからアナログ、デジタルイメージングはアナログからデジタル、ボーンデジタルは文字通り始めからデジタルのものの取り込み
  • それらの技術の提供者がオペレーションまで一括で引き受けるアウトソーシングには結構な歴史がある
  • 技術者依存、ハードウェア依存、ソフトウェア実装、という形で後に行くほど取り扱いに(つぶしが利かない技術という意味での)専門性が不要になっていく
  • アウトソーシングの分野でもBPO一般の事業をやっているプレイヤーや、所謂一般事務派遣に強い会社からのドキュメント関連プロセスへの参入がある
  • e-Governmentのランキングなどから見ても韓国はボーンデジタルへの移行という意味で日本の先を行っている
  • 日本の場合はドキュメントイメージングが主戦場であるという認識だが、そこにボーンデジタル時代の技術が援用できているという面白さもある
  • 例えば(現地で紹介した事例)では3、4ヶ月でこれだけの処理能力があるセンターが立ち上がっている
  • 新しい技術の活用とともにスキャニング前の事前準備の段階にノウハウの集積があるという点も重要である。このステップで時に10倍近くの生産性の差が生じると言われている
  • ドキュメントイメージングの必要性は今更指摘するまでもないところだが、このように事業者側の組織的な学習の実態もあるので、業界全体は今後も成長を続けると考える

というような内容でした。いや、絶対こんなにちゃんと喋れてないですけど。後で英訳してメールも送っておこうかな…

会場であったBEXCO

(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)

2014年10月2日木曜日

JIIMAのECM委員会で委員長をやらせて頂くことになりました

2ヶ月以上ぶりです。この所、社長の方が結構頑張ってコンスタントに記事をあげている感じなので、一段と心苦しい限りです。



さて、以前から予告めいたお話はそこかしこでさせて頂いておりましたが、今月から、公益社団法人 日本文書情報マネジメント協会JIIMAのECM委員会の委員長を務めさせて頂くことになりました。中学時代以来の委員長ポジションです。



JIIMAには幾つか委員会があるのですが、ECM委員会はその中でも「ナレッジ系」と言われる系統に属しています。資格試験やセミナーイベントなどの事業運営とは異なる、知識の収集整理と普及啓発を目的とした組織です。



これまで委員会を引っ張ってきた前任の方が初代委員長で(どこまで細かい情報を出していいのか判断が難しいので、少しぼかしますが)、EDMSと呼ばれていたころのECM製品を日本に最初に持ってきた人達の中の1人にあたります。まさに国内のECM市場を作ってきた人達なわけです。JIIMAは元々マイクロフィルムを扱う人達の業界団体で、ついこの間まで日本画像情報マネジメント協会という名前でしたし、マイクロフィルムからスキャナベースのイメージングという「紙の電子化」を経て、その上でECMに取り組んできた経緯があります。



対する2代目の私は、社会人キャリアのほぼ最初の時点からECM製品を取り扱ってきました。言わば、ECMネイティヴな世代と言えるかもしれません。年齢的にも結構な若返り人事ではありますし、伝統的なバックグラウンドに欠ける面があるという不安もあります。しかし、折角のチャンスですし、国内でのECMのさらなる普及とより一層の利活用を目指して頑張っていきたいと思います。



告知 大事なお知らせ



別に委員長になったからということではなく、これまでも委員として積極的にアピールしなければならなかった話ではあるんですが、今月JIIMA最大の恒例イベントであるeドキュメントJAPANが開催されます。我々ECM委員会が絡む企画として、2日目である16日に、これまた恒例のECMサミットを予定しています。皆さん是非お越し下さい!



ECMサミットは、主要ECMベンダさんが呉越同舟的に一堂に会して共通したテーマでプレゼンを行ってくれる珍しいタイプのセミナー企画で、今回で第10回目になります。同一カテゴリのソフトウェア製品のプレゼンを連続聴講するという経験は、他ではなかなかないことだと思います。ECMそのものずばりに関心がなくても、業務アプリケーション分野に携わる方であれば、面白いと感じて頂けるのではないかと思います。(各社が同じ事を言っているように見えるのか、それとも全然異なる戦略を取っているように見えるのか、そしてその印象を有無原因は何なのか、なんていうのは割と一般的な関心時だと思うので)



...本当は、これまでの委員会活動で色々なことを教えて頂いた尊敬すべき諸先輩についてのお話もしたかったんですが、変に湿っぽくなるか、単なるガジェット好き集団だと誤解されるか、のどちらかである気がして仕方が無いので、断腸の思いで割愛したいと思います。



皆様今後ともよろしくお願い致します。



(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)




2014年7月10日木曜日

文書・コンテンツ・ファイル 半構造データ(XML)とCCMS

最近、自社関連の各Blogが、書き出し部分にスマートに近況報告的な世間話を混ぜ込んでいくスタイルに収斂しつつあることに危機感を感じています。



前回の、補足でもあるのですが、ECMはファイルが基本の管理単位になります。従って、図面管理においても物理的には1ファイルにまとめてある中で「特定のページをめがけたリンクを埋め込みたい」、というニーズがある場合は、そのまま適用するのは難しくなります。(例えば1ページ毎のレンディション(PDF版)を別途作成し、そちらを参照させる、などのテクニックはありますが)



今回は、ファイルが主役である、という特性を改めてご説明した上で、CCMS(Component Content Management System) コンポーネント・コンテンツ・マネジメントシステムというコンセプトについてもご紹介したいと思います。



ECMの基本とする管理単位が「ファイル」であるということ



あちこちの講演でも繰り返しご紹介していますが、ECMはかつてはEDMS、電子的文書管理システムといわれたコンセプトの後継にあたります。時期としてはおおよそ2000年あたりにこのキーワードの交代劇が発生しました。なぜ、文書(Document)をコンテンツ(Contents)と読み替えることになったのでしょうか?



1つには、Webに代表されるインターネット技術の台頭があります。HTMLで記述される「ページ」は、その呼び名とは裏腹にあえて再現性の低い印刷工程を通さないと「頁」もなく、文書という従来からある言い回しに収まらないインパクトを持つものでした。また、技術的にも、体裁情報を定義したスタイルシートや画像ファイルなど複数の「ファイル」によって構成されていますし、特定のポイントを指さすリンク構造も持っています。そのため、当時はWebページを管理するためのコンテンツ管理システム、WCM(Web Content Management)の製品が多数出荷されました。このジャンルは後にPHPベースのシンプルで安価な製品群が席巻し、カジュアルにCMS(Content Management System) コンテンツ管理システムと言った場合、一般的にはECMの様な文書管理ではなくこれらのWebコンテンツの管理システムを指すようになっています。



2000年代においては、EDMSから進化したECM製品もWebコンテンツの管理機能を取り込もうとしていましたし、Javaで構築されたような重厚なWCM製品もECM的な文書管理やワークフロー、コラボレーション機能などを製品に取り込む努力をしていました。例えば、2005年に立ち上がったAlfrescoにおいても、WCMモジュールが後から追加されています。この時は、「重厚なWCM製品」の代表格であったInterwovenのチームのエンジニアを引き抜いて、かなり大がかりなフォルダ仮想化技術を実装していました。これは素晴らしい機構でしたが、ここでお話しているようにECMがファイルを基本単位としている一方でWebコンテンツはその枠組みに収まらないというギャップがあり、Alfrescoの内部構造に異なる2つのリポジトリエンジンを抱える構造を余儀なくされていました。結果、数年後彼らはこの重厚な仕組みを放棄して軽量なWebページ作成機能を別途開発します。そしてさらに、現在ではWebサイト側にもそれなりに複雑な要件があるケースではDrupalなどのPHPベースのCMSを別途立ててインテグレーションしたり、Liferayを並立させたりする構造が一般的になっています。



それだけ何を基本の管理単位としてシステムを設計するのか、というのは大きな問題であるということだと思います。



ワンソースマルチユース



全社的にECMが導入された場合、所謂コンテンツ・文書・非構造データについても、ワンファクト・ワンプレイスが実現します。冗長なコピーを作る必要がなく、漏洩の恐れもなく、必要な時に必要な人に必要なコンテンツへのアクセスを提供できます。(かなりの理想論ですが)



一つの文書が、色々な目的で使い回されることになります。



ワンソースマルチユースというキーワードがありますが、これはここでいうような「複数の業務プロセスや部門から横断的に同一のコンテンツが利用可能になる」というのとは少し違うニュアンスを持った言葉です。具体的には、コンテンツの意味内容をXMLなどのプレーンな形式で管理し、体裁情報をスタイルシートとして別管理しておけば、印刷用、Webページ用、ダイジェスト出力用、など同一の内容で体裁が異なる出力結果を得られる、という状態を指しています。これにより、意味内容に変更があった場合は1カ所だけ修正すれば、すべての出力結果にその修正を反映させることができるようになるわけです。



弊社の取り扱い製品のラインナップの中では、Alfresco上にDITAというXML標準を扱う機能を実装したComponizeが、このワンソースマルチユースを実現するための仕組みになります。



DITAの詳細の説明はここでは省きますが、トピックという単位で意味内容を表現した(主にテキストの)部品をなるべく文脈に依存しない形で構成し、マップという単位でそれらのトピックの構造をまとめあげ(目次を定義して、どの順番でトピックを並べるのか、を決めてあげます)、そこにスタイルシートを適用して体裁情報を加えた出力結果を得る、という仕組みです。意味と体裁、ではなく、意味の断片と構造と体裁、を独立したコンポーネントとして管理するわけです。



これらの管理をシステム的にサポートするのが、CCMS コンポーネント・コンテンツ・マネジメントです。この仕組みでは最終的には1つのファイルとして提供されるマニュアルの中の特定の箇所をめがけてリンクをはったり、そこを書き換えたりということも可能になるわけです。



CCMSではファイルが基本単位になっていない?(=ECMとは相性が悪い?)



DITAはXMLの規格ですから、通常ECMが扱うような文書ファイル、Word Excel Powerpoint PDF、の類いに比べてHTMLやWebページに近い技術です。そう考えると、ECMによるWCMの取り込みが失敗に終わった歴史を振り返るに、Alfresco上にDITAコンテンツの管理機能を実装するというComponizeの取り組みは一見筋が悪いものにも見えてきそうです。



しかし、私はこれは非常に洗練された仕組みだと考えています。つまり、出力結果の1ファイルに主眼を置いてしまうと、その構成要素は複雑に絡み合う複数の部品となり、ECMが苦手とする領域に踏み込んでいるように見えますが、通常直接編集を行う個別のトピックを定義するファイルに注目して考えた場合は、依然として1ファイルが基本の単位になっているからです。



AlfrescoもECM製品として十分な「ファイル同士の」関連付け機能を備えていますので(残念ながら基本のUIからはその機能は見えづらいのですが、内部機構には強力な仕組みがあります)、どのトピックがどの出力結果に利用されているか、などの情報はファイルを基本単位としたまま適切に管理されています。



これらはDITAという標準規格がしっかりと定義されていて、わざわざ関連付けまで含めた管理機構を実装するに足るメリットがあるからこそ実現している仕組みであるとも言えるでしょう。



DITA/CCMSのメリットや必要性



残念ながらこれでワンソースマルチユースの洗練された管理機構を実現できるのはDITAが対象としているようなマニュアルや仕様書などのテクニカルドキュメントだけですが、その導入メリットは非常に高いものであると考えられます。



もちろん、管理の仕組みが大きく変わるだけでなく文書の作成方法も従来通りとは行かないため学習コストは相対的に高くなりますし、いかにDITAが洗練された規格であったとしても、既存の規格を知らずに作成されたコンテンツをその枠組みに押し込むには難しい判断を求められるケースも多くなります。(最近では、規格自体のアップデートなどもあり得るので、その動向に目配せをしながら判断した方がより望ましい、なんていう面もあります)



それでも、最終的なコンテンツの管理コストを下げ、陳腐化したコンテンツが滞留しないようにしていくことのメリットは非常に大きいはずです。未だ多くの企業においてはコンテンツの整備は製品・サービスそのものの提供と比べると副二次的なものであるという扱いを受け、管理人員が十分に提供されない状況があります。製品・サービスそのものと違い、コンテンツは何もしなければ堆積していきます。活用機会を失うだけでなく、誤った情報が残り続けることで、様々な領域で問題を生じる可能性があるわけです。



こうした観点から、広く技術系のコミュニケーションに問題意識を持っている方も徐々に増えているのではないかと思います。Componizeはクラウド上でのトライアルも可能な製品ですので、是非お気軽にお声がけを頂けると幸いです。



あー、また長文ポストになってしまった。一応、営業っぽいメッセージも入れたから許して欲しい、という業務メッセージを追加して、結びの挨拶とさせて頂きます。



(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)




2014年7月8日火曜日

文書管理と図面管理

最近、図面管理についてのご相談を頂くことが増えてきました。がっちりしたPLM(製品ライフサイクル管理)やPDM(製品データ管理)のコンセプトを実装した製品は複雑で高価、顧客にとって不要な機能を包含したものになりがちなため、文書管理ソフトウェアを使って図面を管理できないか、という着眼点からのお問い合わせ、というのがある種のパターンになりつつあります。



非常に大雑把なくくり方をすると、PLMをゴールとした場合のCAD図面の管理体制には以下の様な成熟度が考えられます。(図にするのであれば高い成熟度を上に持ってきたいところですが、Markdownで書いているので、ひとまず項番=Lvという解釈で下へ行くほど成熟度が高くなります)




  1. 図面ファイルを単なるファイルとして管理し、メールやファイルサーバで管理

  2. ローカルではCADツール付属の図面管理機能で図面番号などの属性を管理

  3. シンプルな図面管理ソフトウェアを使って共有

  4. PDMツールを導入し、パーツ品番の管理や各種採番などもシステム化

  5. PLMツールを導入し、関係各所とも一貫した情報管理を実施



紙図面を脱却し、パーツ情報の共有や生産情報などの基幹系システムとの連動を実現できるようなシステム的にユニークで一貫したIDの管理など、図面情報の高度化が希求されています。



IDの管理や図面全体に割り当てられるような図面番号や顧客名などの属性情報の管理などについては、まさしく文書管理やECMで行われていることと同じ機能が求められています。そのため、高価なPDMなどを導入しなくても当面必要な管理精度や検索の利便性などについては文書管理でもできそうだな、という印象を持たれる方も多いわけです。



しかし、パーツの管理や、パーツそのものに付加された属性まで管理しようとすると、なかなかに複雑になります。ECM製品であれば文書同士の関連情報を保持することも可能なので、サーバ内でパーツの図面と製品全体の図面を結びつけておくこと自体は可能ですが、CADファイルの中身を書き換える機能があるわけではないので、それを持ってパーツ側での仕様変更を製品図面に反映させる、などの機能を実現するのは無理があります。(せいぜい、パーツ図面の更新時に利用してる製品の一覧を表示するくらいでしょうか)



文書管理ソフトウェアやECM製品は、各文書の内部構造に踏み込んだ処理はあまり得意ではありません。



全文検索インデックスをつけるというのがこれらのツールにとって最も内部に踏み込んだ処理、と言っても良いかもしれません。もちろん、文書管理ツールで図面管理を考えておられる方が関心を持っている、プレビューやサムネイル作成の機能などもファイルの中身を使っての処理ですし、Excelの特定セルを読みこんで属性値として割り当てるとかPDFの属性情報を吸い上げるなんていう処理もありえます。しかし、これらの機能も、本体そのものはそのままの形で保持することを前提として、プレビュー用の補助ファイル(レンディションと呼びます)や属性値を周囲に配置することを目的としたもので、図面の内部へ変更を自動反映していくような位置づけのものではありません。



では、図面管理は専用のソフトウェアで行うべきであり、文書管理ソフトウェアやECM製品を無理矢理適用するのは間違っているのでしょうか? 



(例によって議論の幅が拡がり過ぎてしまいそうなので、ここから先は文書管理ソフトウェアというよりはECM製品を前提に続けたいと思います。弊社には文書管理ソフトウェア並に低価格なECM製品もありますし!



図面管理分野でECMが活躍する局面



上述したPLMを頂点とした図面管理は、製品を設計し、材料を調達、製造して、販売し、(場合によっては)保守をする、というストレートな製品出荷を前提としています。そして、製品の種類が多ければ多いほど、効果が大きいと予想されます。また、どちらかといえば製品のライフサイクルが短く、どんどん新しいものを出荷する、というスタイルに向いているとも言えるのではないでしょうか。



しかし、製造業にも色々なスタイルがあります。例えば、私の実家は天井クレーンの製造販売を行っていますが、基本的には個別受注生産で、どの案件にどのパーツを使ったのかという情報は必要ですが、そのパーツも他社からの購入品であるため個別に図面を管理したりはしていません。では、図面管理の必要が無いかと言えばそんなことはありません。顧客毎、案件毎の管理をロングスパンで行う必要があります。クレーンは何年も使い続ける装置ですので、初期設置時はなかった安全装置を後で取り付けたり、古くなった部品を新しいものと交換する際に従来の部品が手に入らず新しい互換品を採用したり(あるいは互換品がなくて修正工事を行ったり)ということをしていきます。これらの情報が散逸してしまっては都合が悪いわけです。



もっと大きなビジネスをしている製造業でも、標準品の図面管理と、案件毎のカスタマイズによる施工図面を二重に管理せざるを得ないケースはたくさんあると思います。図面の内部に踏み込んでCADの内部で扱えるパーツ間の関係などにフォーカスするのではなく、図面の外にある(あるいは業務的な意味で設計の外にある)情報とのリンクを取り扱いたいのであれば、ECM製品を利用する意味合いが出てきます。



非常に大雑把なまとめ方をすると、製品と部品の関係をメインで取り扱いたいのであれば図面管理、製品と案件(工事)などの関係に着目する必要があるのであればECM製品を検討するのが良いのではないかと思います。



実際には他にも色々なケースが考えられますし、そういった事例もいくつか持っていますので、ご関心をお持ちの方はお気軽にお声がけ頂けると幸いです!



(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)




2014年5月16日金曜日

JIIMAセミナー2014 登壇します

JIIMAセミナー2014 これからの経営が求めるクラウド・ビッグデータ時代の文書情報マネジメント~紙から電子の社会をめざして~: "ECMサミット2014/May 『米国におけるECM市場の潮流(ECM最新動向)』"





5月28日のJIIMAのイベントに参加します。AIIMカンファレンスの視察報告をさせて頂きます。



一応、ECMサミットとしての開催になっていまして、Hylandの新井さんや富士通総研の小林さんと日米のECM市場の違いについてパネルディスカッションといいますかインタビュー形式のコマにも参加させて頂く予定です。



ちゃんとやれるだろうか・・・



視察報告は色々と詰め込もうとすると破綻しますし、(私が考えるところの)キーとなる要素に絞り込むとあっというまに終わってしまう恐れも。



関心を持って頂いた方にはイベント後にフォローをさせてもらうのが良いような気もしますが、なかなかそこまで引っ張るような牽引力がないんですよね。色んな意味で。



頑張ります。



(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)




2014年4月4日金曜日

AIIM Conference 2014 に行ってきました

AIIM Conference 2014 - About the Event


 


またもや長い間放置してしまいました。復活したての弊社社長Blogにも激励が寄せられ、本人の腰が引け始めた感がありますので、私が逃げ道になるわけにもいかないという事情もあって久々の更新です。


行ってきました、というタイトルにしましたが、実はまだ米国に滞在中です。今回もJIIMA ECM委員として派遣されていますので、帰国後に月間IMへのリポート掲載と、AIIMのイベントでの講演を予定しています。詳しい話はまたそこで改めてさせて頂く予定です。


今回の会場はフロリダ州オーランドです。同じくフロリダ州のタンパで行われた新人研修、数年前のAlfresco社のパートナーイベント、結婚十周年旅行、に続いて4回目の訪問になります。英語に自信が無く不安そうな私に声をかけてくださる皆さんが「米国は初めて?」と聞いてくるのが心苦しくてなりません。


前回のAIIM Conference 2013ではソーシャルやモバイルなどの今風なテクノロジの導入による(企業内の)情報爆発というのが1つのテーマでしたが、今回もその路線が踏襲されているという印象です。ただ、情報爆発という言葉ではなくInformation Chaosという表現に集約し、その対応策の1つとしてInformation Governanceというキーワードを推している様に感じました。他にも、ここ数年で経営学(?)界隈で目にするようになったResilienceという言葉も出てきましたし、Data Guardianなんていう言い回しも複数の発表のタイトルに含まれているなど、細かい差違もありますが、基本となるテーマはInformation Governanceと考えて良さそうでした。


では、Information Governanceとはなんなのか(とりあえず次からはカタカナでインフォメーションガバナンスと書くことにします)、というのは発表者によって定義にもぶれがあった気がするのでもう少し時間をかけて考えをまとめたいところではあるんですが、今ざっとわかっているところを書き散らしておきます。


まず、この用語、インフォメーションガバナンスというのはそれほど新しいものであはりません。日本語では情報統治、という訳語で、情報セキュリティの文脈から情報の活用を推進する上でより広範囲のガバナンスの必要性が訴えられた時に用いられた用語です。そういう意味では10年近い歴史がある考え方になります。ただ、その時点ではあまりコンテンツ管理と結びつけて語られることはありませんでした。


今回の発表の構成は、この概念にECM及びレコードマネジメントの業界から再び光をあてようとしている、という事だと思います。


レコードマネジメントではレコード(記録)の識別という考え方があります。まず、その組織にとって「記録」と見なすべき情報がどんなものであるかを定義し、その条件に当てはまるものを「記録」として管理していく、という流れになります。昨今のビジネス(及びIT)の環境の変化は、この流れを維持できないものにしている、というのが、情報爆発改め情報カオス問題なわけです。記録の定義を杓子定規に捉えると重要な情報を無視することになってしまいますし、逆に理想的に考えると対象が増えすぎて管理体制が追いつかなくなります。そこで、文書でもコンテンツでも記録でもなく、広く「情報」を対象としつつこれまでと同様の「管理」ではなく新しい考え方を導入する余地を残したガバナンス、の組合せこそが今後進むべき道であると考えられているのではないでしょうか。


実際の施策としてはポリシーを定義して各情報リソースをチェックしていく、というそれほど目新しさを感じない作りになっていそうです。そこにどれだけ機械的な分析をかませるかはまだ今後の課題であるように感じました。(技術的な課題というよりは、どこまでそういったものに頼ってもよいか、という態度の問題が主な課題だと思いますが)。すでに幾つか製品はでていますし、そういったものの中にはCMISドライバもあるので、弊社のNemakiWareをそうした文脈の中で導入してもらう線もあるかもしれません。その意味でももう少し掘り下げて見たいテーマであると言えそうです。



(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2013年11月4日月曜日

そして、自社セミナもやります

イベント情報 | お知らせ | aegif: "弊社が中心となり開発を進めているOSS(CmisSync, NemakiWare)の機能や活用方法、最新情報をご紹介いたします。また、両製品に共通するトピックであるCMIS規格の概要や動向についても、これまでオープンソースECMを扱ってきた弊社視点でご紹介させていただきます。ぜひ皆様のIT投資への一助としてご活用ください。 "





前回の投稿に続きセミナ関係です。



今月19日じ弊社主催のセミナを行います。これまで取り扱ってきているLiferayやAlfrescoの新しい活用方法ですとか、自社製品CmisSyncやNemakiwareについてのご紹介をさせて頂く予定です。



前回の投稿でご紹介したCMISがどんな規格かというような話も冒頭で少しご説明させて頂く予定です。



しかし、私自身が細かく決めているわけではないのですが、こういう企画というのは本当に難しいですね。ご紹介したいお話はたくさんあるのですが、なかなか絞りきれません。



どの分野でも同じかもしれませんが、とりあえず来て頂いて休憩時間などでお話するか、ご挨拶だけさせて頂いて後日詳しい説明をしに伺うか、というところで具体的に見えてくるものがあるのが実情だと思います。とすると、極論登壇時のテーマは何でもよい、もしくは見た目にキャッチーなテーマであるほど良い、ということになりそうですが、そこまで割り切って進められる程講演テクニックに自信がもてるわけでもないですし…



(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)




2012年4月13日金曜日

企業内情報システムにおけるユニバーサルデザインについて(?)

実は5年くらい前から持っていながら全然実行に移せていないアイデアなんですが、ECMのようにアクセス権管理を主とするシステムのUI設計には、ユニバーサルデザイン的なガイドラインを作る余地があるのではないかと思います。


「全体に公開」「グループにのみ公開」「自分のみアクセス可能」な情報・コンテンツは一貫して色分けしておくことで、アクセス時に直感的にその領域の管理状況が把握できるようになる。


のではないでしょうか。


ではどんな色に? と考えると、3段階の公開レベルですので青赤黄の信号機カラーにすれば良さそうです。それについては反対意見はあまりないのではないかと思います。しかし、ここで1つ問題があります。果たして最もオープンな「全体に公開」と、最も安全な「自分のみアクセス可能」はどちらが青(グリーン)であるべきでしょうか?


一般的には、前者の青(グリーン)とみなす人が多いかなとは思うのですが、(特にECMのインプリの現場では)自明だとは言えないのではないでしょうか。アクセス権の絞り込みを機密性の観点で、「部内費だからグループ限定」などの目的で設定している場合もあれば、情報共有の観点で「まだドラフト状態なので自分のみアクセス可能」という目的で設定している場合も両方あり得る、というような、ECM自身が抱えている各機能がリポジトリの上にのるアプリケーション・業務プロセスによって異なる使われ方をする、という特徴によるものであると思われます。(アプリケーションとしてもミドルウェアとしても利用される、と言い換えても良いかもしれません)


ということで、誰か先行事例があればそこにあわせようと思っていたのですが、なかなかこれというものに巡り会わないうちに、世の中がソーシャルブームになってしまいました。こうなってくると、部署内ではなく「友達」もしくは「友達の友達」への開示が「黄」ゾーンという形になるでしょうか? Google+のサークルの色分けが参考になるかとも考えましたが、やはり目的が違うのでスマートな印象の青や緑のタグがつくデザインになってしまっています。


ソーシャル系のツールが本格的に企業内に入ってきて、BYODも進んでいってしまうとなると、どの範囲でつぶやいているのか、つぶやかれているのか、を直感的に示すデザインには一層のメリットがありそうだと思うのですが。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2011年11月18日金曜日

ケースマネジメントと管理会計

http://www.wdc-jp.biz/jasmin/2011_fall/sub.php?open_key=D3-4: "BPMと記録管理の連携方式の考察"


今年からJIIMAのECM委員会に参加させて頂いているんですが、最近そのメンバーの一人であるNRIワークプレイスサービスの松本さんとケースマネジメントについてのお話を色々とさせてもらっています。


松本さんはACMなどで話題になりつつあるケースマネジメントの考え方が、主に記録管理の分野で銀の弾丸扱いされているのではないか、という懸念をもたれているそうです。


確かに、ケースマネジメント的な考え方というのは、ある仕事の単位の中での業務の手順その他にバリエーションが多く柔軟な対応が求められる場合において、非常に強力な解決策となるものですが、(システム的なサポートは適宜行うとしても)、やはり事案横断の分析の可能性やフローを固めることで生まれる自動化などの発展性を犠牲にする面があると思われます。柔軟性を得たいがためだけに安直にケース単位の情報・記録管理だけをやればよい、という風潮になってしまうことは避けるべきだ、というのが松本さんの意図であると思います。柔軟性にともなうトレードオフというのはシステムの世界ではよくある話ですので、違和感のないストーリーと言えるのではないでしょうか。


さて、では何か他に対案があるのか、ということになりますが、そこで松本さんは「ユニット」による業務の分割、とその管理単位のBPMへのマッピングという手法を提唱されています。(リンク先はその発表第一弾の概要です)


詳細は私もわかっていない部分もあるので割愛しますが、ここでいうユニットとは(おそらくは野村総研で採用されている)管理会計上の最小単位ということのようです。「プロセス」は「部門」を横断しますが、その構成要素たる「ユニット」は「部門」の中に収まるように設計されていて、計数的な報告・分析はすべてこの「ユニット」単位で行うことが義務づけられている、という世界観です。組織変更の場合は「部門」間で「ユニット」を引き渡す形になるのだそうです。


ここまで割り切った「ユニット」が定義され、実際に管理会計レポートのための報告体制までできあがってる企業というのは非常に限られていると思いますが、仮にこうした体制ができているとしたら、それを前提としたBPMが従来の色々な課題を回避できうる、というのはかなりあり得そうな話だと思います。この成熟度まで行くのが難しい、といわれれば、それはもちろんそうですが、記録管理や業務プロセス管理というのは安全性の向上や業務効率の向上という具体的なメリットを生む行為であり、意思決定サポートのためとして考えられてきた管理会計制度の整備が、具体的なパフォーマンス向上につながるという絵を見せることができるのであれば、それは非常に価値が高いことだと思います。


今後とも継続的に松本さんの取り組みに注目し、できる限り一枚かませて頂こうと考えています。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)












2011年10月21日金曜日

InfoTalk/20111021 - 産業技術大学院大学

InfoTalk/20111021 - 産業技術大学院大学: "「Enterprise市場から見たWebとSocial」"


今日こそはランチミーティングに参加、と思ったのですが、社長が時間をけちりたがるので社内ミーティングスペースで実施することになってしまいました。空腹のあまりおかしなことを書いてしまうかもしれません。


本日18時、産業技術大学院大学で毎月行われている勉強会イベント、InfoTalkに参加させて頂く予定になっています。Enterprise市場から見たWebとSocialという、怪しい表題です。柄にも無く砕けた感じの話をする、、、という課題を勝手に設定しています。事前に講演内容のダイジェストをお送りすることになっていたのですが、ちょうど忙しい時期でなかなか手が着けられず、締め切りぎりぎりでひねり出した格好です。徹夜に近い状況だったため、眠気のあまりおかしな副題をつけてしまいました。(もし、万が一、愉快な内容を期待して来られる方がいらしたら本当に申し訳ないです)


エンタープライズソフトウェアの世界を少し相対化した整理と、Technology Populismの話が、エンタープライズソーシャルに繋がるような話をできればいいな、と思ってはいるんですが、対象自体がまだまだ混沌としている状況なので、実際の発表はかなりとっちらかってしまうかもしれません。聞いて頂いた方のフィードバックをもらえればそれを反映したバージョンの発表資料を後日ここでも紹介したいと考えています。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2011年10月5日水曜日

eドキュメントJAPAN 2011 49th 画像情報マネジメントショウ

eドキュメントJAPAN 2011 49th 画像情報マネジメントショウ


イージフとして加盟させて頂いた後、最初のJIIMA主催イベントeドキュメントJAPANの日が近づいて来ました。今回はAIIMのボードメンバーでAlfrescoの会長でもあるJohn Newton氏の講演があります。私も通訳役で参加の予定です。


■■■■■■テーマセミナー ■■■■■■

〜オープンソースの視点から見るECMのグローバル市場〜

10:00 - 10:50@607会議室

米国では従来の統制主体のECMから、クラウドやソーシャルネットワーキングといった
新しいトレンドとともに消費者志向のECMへと進化しています。
欧州ではコスト削減だけでなく“自由”という観点でオープンソースの採用が進み
革新的な使用方法が生まれています。
本講演では国によって適用方法の異なるECMのグローバル市場について説明いたします。

■■■■■■スポンサードセミナー ■■■■■■

〜オープンソースで実現するソーシャルコンテンツマネジメント−Alfresco−〜

12:20-13:10@703会議室

オープンソースECMの特徴はコストだけでなく、柔軟性や技術革新の速さもその一つです。
急成長するWebやソーシャルの世界とコンテンツ管理の融合についてAlfrescoを例にご紹介します。

┏┓ セ ミ ナ ー の 詳 細
┗■―□―■―――――――――――――――+++

□会場
| 東京ビックサイト 東ホール、会議棟
| http://www.bigsight.jp/general/access/index.html
□参加費
| ドキュメントJAPAN 2011への入場が必要になります。
| 下記サイトから事前登録にて入場無料、当日2,000円
| http://expo.nikkeibp.co.jp/e-doc/2011/registration/index.html


 


 


よろしくお願いします。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2011年6月22日水曜日

FatWire買収

Oracle buys FatWire



[From FatWire: Web Content Management (WCM) for the Enterprise]

Oracle社による新たな買収のお話です。WCMの有力ベンダ、FatWire Softwareがターゲットになったようです。


業界にとっては非常に大きなインパクトがあるニュースのはずなのですが、もはや感覚が麻痺していてOracle社が何を買っても驚くには値しないような気がしてしまいますね。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)




2011年5月21日土曜日

Jiveについて

Jiveそれは ソーシャルビジネスソフトウェア ソーシャルテクノロジーをビジネスへ導入したい企業向けの CMSの最終進化形SNS(コミュニティサイト)



[From 株式会社アプリケーションプラネット]

本日ようやく(?)日本におけるJive展開を担われているアプリケーションプラネットの備前社長とお会いすることができました。


海外において有名企業への大規模導入が多数なされていることや、基本的な対象組織のサイズ感がAlfrescoと一致していること、またECMとは異なる切り口でプラットフォーム指向を持った製品であること、などを確認できました。Alfresco社が今、ソーシャルコンテンツマネジメントの文脈の中でJive連携を強くアピールしている理由がある程度納得できたように思います。


一方で、Alfresco ShareやLiferay Social Officeなどとアプリケーション領域としてかぶるところもあるので、連携をとる上での難しさも色々でてくるだろうな、というところも予想通りではありましたが。


備前社長は「ソーシャル」というのは、「真理のようなもの」であって、大なり小なり、あるいは遅かれ早かれ企業向けシステムも含むほとんどありとあらゆるシステムが「ソーシャル化」する流れにある、というようなことをおっしゃられてました。(細かい表現の面で、実際の発言とはずれがあるかもしれません・・・)


「疎結合」とか「カプセル化」などと同じ、大抵の場合に通用する「1つの正解」というような意味でしょうか。


私自身は文書管理、コンテンツ管理にバックグラウンドがあると自認しているので、ソーシャルプラットフォームを、「アクセス権管理の煩雑化」や「インボックスの分散・信頼度低下」などの管理精度を高度化する際に生じてくる種々の問題に対する解答、という形に見ている面があります。結局は管理対象の量と、求める管理精度の深さ、ユーザのスキルとアテンションなんかによって、最終的な落としどころが見えてくるわけですが、ソーシャル的な基盤はその意味で守備範囲が広いのではないかと思います。


国産ツールのように対象スコープの中の世界を作り込むのではなく、ソーシャルをキーワードにプラットフォーム指向を突き進めるJiveのような製品が、リスク・効果・コストのバランスを見た上で正解となるケースは理論上結構多いだろうと思います。(単に理論上の話なので、それをしっかり顧客に伝えられるかどうかとなるとまた全然別の話ですけどね)


上手い具合にJive Alfrescoの連携ソリューションを国内にも紹介するチャンスがあるといいんですが。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)




2011年5月10日火曜日

ECMの成熟度モデル

(だいぶ前の話ですが)MIKE2.0に合流したECM3.orgのECM Maturity Modelのマトリクス部分だけ日本語化したものを公開したいと思います。もともと社内作業で製作したものなんですが、よく考えたらオリジナルがCCで公開されているので、出本さえ明らかにしてあれば、公開可能なんですよね・・・


Ecm3.jaをダウンロード


翻訳自体はこのモデルのバージョン1.0の時点でのものですが、2.0になってもマトリクスのところには手が入っていなかったようなので、内容そのものは今でも有効なのではないかと思います。



(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)



2011年4月26日火曜日

Per AIIM Survey, Dealing With Content Chaos Key Issue for Organizations - Digital Landfill


The overriding trigger to initiate a new or replacement ECM project is that content chaos is getting out-of-hand.

[From Per AIIM Survey, Dealing With Content Chaos Key Issue for Organizations - Digital Landfill]

AIIMの調査のダイジェストがプレジデントであるJohn Mancini氏のBlogで紹介されています。(本文はAIIMのサイトからダウンロードできます)


「あなたの組織において新しいECMシステムの構築計画の最も強い動機となる(単一の)要因は何ですか?」に対する回答のグラフが示されています。回答数143件で、新規とリプレースの両方を対象とした質問ということです。


1位は20%を超えた回答を集めた、



  • 「コンテンツの混沌状態がいよいよ手を着けられなくなりつつあり、またそれをコントロールしなければならない(Our content chaos is getting out-of-hand and we need to control it)」


です。続く2位から4位が、



  • 「システム統合計画の一環として(We are consolidating our existing systems)」


  • 「遠隔拠点・家庭・外出先からのユニバーサルアクセスを実現するため(Need to provide universal access in branches, at home and on-the-move」


  • 「コストを削減し、効果を高めるため(Need to cut costs and improve efficiency)」


というもので、このあたりまではそれぞれが10%以上の回答を得ています。


Mancini氏は、この結果に対して、多くのユーザがコンテンツの混沌状態(Content Chaos コンテンツカオス)による非効率とリスクについての理解を深めてきている証拠だろうとしています。また、次に来る動機から、レガシーシステムよりも現代的なECM基盤の方が理に適っている面が強調されていると見ているようです。


結果について驚くべき点はありませんし、Mancini氏の分析も妥当なものであるように思います。すくなくとも、こういう設問のアンケートに対しては多くの人がこのように答えるであろうし、その背後にある考え方も氏の分析した通りでしょう。しかし、ECMビジネス、それも日本市場においての現場の感覚としては、やはりECMありきでシステムのプランニングをする、という前提はそのまま適用できないのではないかとも思います。


例えば、この調査でも5位以下の回答を列挙してみますと、



  • 「増え続ける業界規制や訴訟などコンプライアンスの課題がある(We have compliance issues with increasing industry regulation and litegation litigationのtypo?)」


  • 「コラボレーションとプロジェクトコーディネートを改善するため(Need to improve collaboration and project coordination)」


  • 「ナレッジ共有を最大化したい(Keen to maximize knowledge-sharing in the business)」


  • 「Sharepointを文書管理にも活用したい(Want to use Share Point for document management)」


なんていうもう少し個別の課題(訴訟対応、コラボレーション、ナレッジマネジメント、既存の基盤を使った文書管理の強化)が挙がっています。


どちらかと言えばこれらの問題意識の方が日本のお客さんから明示的に引き出せることが多いと感じます。それもあってか国内では、個別のそれぞれの目的に合致した単独ソリューションの導入というシナリオが幅をきかせることになってしまっています。もちろんこれは単純に悪いことではなくて、例えばコラボレーションについては国産の(ECMスイートと比べてかなり低価格な)使い勝手の良い製品が育っていますし、情報漏洩を防止するようなソフトウェアも海外製よりも国産のソフトウェアが大きなシェアを持っているケースが沢山あります。ただ、ECMコンセプトのようなシステムの全体像からトップダウンで設計しようとした場合、あるいは多くのシステムとの連携を行わなければならない場合、あるいは単純に大規模なデータを取り扱う必要がある場合などに、大きなギャップに直面するという状況が生まれてしまいます。


Alfrescoも去年一昨年あたりから、明確にECMを基盤とした上で各個別の課題に具体的にアプローチするようなユースケースに向けた機能強化やアピールに力を入れています。率直にいってそれぞれの領域で国産の製品を超える使い勝手をAlfresco製品単独で実現するというのはほぼ不可能だとは思いますが、2年前に比べて着実に差は埋まってきていると思います。今後はそのあたりの国内でのアピールと、今期のコンセプトであるソーシャルを上手く絡めた情報発信をしていきたいと思います。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)