2006年6月30日金曜日

ECMとは何か <1>

ECM Enterprise Content Management、日本語では企業向けコンテンツ管理ということになりますでしょうか。いわゆる3文字略語というのはマーケティング主導、イメージ先行といいますか、いざその本当の意味は何かと問いかけられると言葉に窮してしまうところがあります。



この傾向は何も我々日本人だけのことではなく、海外においてもECMとは何か、かつて言われたEDMS(Enterprise Document Management 文書管理)とはどう違うのか、Webで利用されているCMS(Content Management System)との違いは何か、なんていうことが議論になっているようです。(他の業務アプリケーションでも例えば”SFAとCRMでは何が違うのか”、なんていう話をよく目にしますね)



そもそもこういった業界3文字略語が意味しているのものが、理念・コンセプトなのか具体的な製品なのか、というところからして意見が分かれそうです。ここでは、あくまで理念・コンセプトと捉えてみたいと思います。



まず、ECMとEDMの違い、文書管理(あるいはドキュメント管理)とコンテンツ管理ではどう違うのか。話を企業向け商用ソフトウェアの世界に限定するのであれば、これはPCの利用が推進されて電子メール、音声、動画、写真等「文書」という言い回しが不適切だと思われる電子データが増えてきたので、広く「コンテンツ」と呼ぶことにした、ということのようです。情報の共有化が促進され、ありとあらゆる情報を、検索し再利用することで作業の生産性を上げる、ということが理想とされています。



先ほど、企業向け商用ソフトウェアの世界、つまりはエンタープライズの世界に限定すれば、という前提を入れたは、このエンタープライズというキーワードを外したCMSという言葉にはまったく別のニュアンスがあるからです。通常CMSといいますと、今ではWebコンテンツマネジメント、Webサイトの管理システムを意味することが多いようです。この傾向はオープンソースの世界では特に顕著で、例えばXoopsやMambo 、Joomlaなどがその代表といえるでしょう。バージョン管理、ユーザ権限管理などの文書管理と同じアイデアが盛り込まれてはいますが、その対象はあくまで(たとえ社内向けであれ)Webサイトであり、基本的な管理単位はページです。それに対し、文書管理ツールにそのルーツをもつECM製品では、PCのデスクトップで扱われる「ファイル」の単位がそのまま管理単位になります。



Web由来のCMSでも拡張により「添付ファイル」を扱えたり、ECM製品がWebパブリッシングの追加機能をもっていたり、ということで実際にはこのボーダーはあいまいになってきています。例えばAlfrescoでもHTMLやテキストファイルはWebアプリケーション上で直接編集が可能で、その意味ではWebコンテンツ管理をすでに実現しているとも言えますし、今後さらにその分野に強力な機能強化が計画されています。(この点については後日また詳しくお伝えするつもりです)



# 実はECMという用語にはAIIMという団体が”公式な定義”を発表しているんですが、それについてもまた後日。



(文責 Ishii Akinori)



オープンソース ECM の決定版!?

弊社が主力サービスとして取り扱っているイギリス発のオープンソース ECM(Enterprise Content Management 企業向けコンテンツ管理)製品、Alfrescoのご紹介をさせて頂きます。



Alfresco はハイエンドな文書管理システムとして名高い商用アプリケーション Documentum の共同設立者の一人 John Newton をはじめとする文書管理コンテンツ管理の専門家集団によって新たに作られたオープンソースソフトウェアです。



我々は、このAlfresco、言い換えれば「オープンソースによる企業向けコンテンツ管理システム」には市場を大きく変える可能性があると信じ、彼らのパートナーとして日本における普及に努めていくつもりです。企業向けコンテンツ管理システム ECMは今や企業にとっての必需品であり、それをより多くの企業に広げていくためにはオープンソースこそが唯一妥当な戦略である、そんな彼らのビジョンに強く共感しています。



文書管理/コンテンツ管理の重要性は長年にわたって指摘され続けてきたことであり、また近年ではコンプライアンス強化を目指し市場は活発になりつつあることは疑いありません。しかし、企業の根幹をなす業務システムでもなく、ウィルス対策やアクセス制限などの直接的なセキュリティ対策ソリューションでもないこの種のソフトウェアは、いわば一種の「贅沢嗜好品」としての扱いを受けてきました。この傾向は日本国内で特に顕著であるといえます。そのことは企業向けコンテンツ管理システムのユーザが製薬業界や金融業界などIT投資に積極的かつ特殊なニーズがある業界に偏っているという現状からもよくわかります。必需品であるはずなのに、一部の人にしか行き渡っていないという現状があるわけです。



Alfresco はオープンソースであり、自己リスクでの使用に関しては完全にフリーです。15年以上コンテンツ管理アプリケーションを開発し続けてきたチームが、これまでの経験・教訓・ノウハウを踏まえた上で、最新のテクノロジーを使って再設計したシステムです。当然、多言語化もその前提に含まれており、日本語の文書も扱うことができます。



弊社ではアジア圏唯一のパートナーとして、これからも更なる多言語対応への協力を推し進めると共に、近日中に日本語によるコミュニティサイトを構築する予定で Alfresco社と準備を進めています。メニューの日本語化などのノウハウについてもこのBlogかそのサイトで積極的に公開していく予定です。



ぜひこの”コンテンツ管理業界のイノベーション”の成果をご体験ください。



(文責 Ishii Akinori)



2006年6月28日水曜日

Blogスタート

本日、私たち株式会社イージフ(以下、及び今後 aegif)のBlogを開始しました。



aegifは公認会計士とITコンサルタントの協働による新会社で、企業内の文書管理や内部統制についてのサポートをメインの業務としています。この3ヶ月は事業の基礎固めのための準備活動をやってきました。



今回、企業向けコンテンツ管理システムAlfrescoを開発しているイギリス企業Alfresco Softwareとパートナーシップを締結、日本においても広く働きかけをしていくべき状況になりました。近日中には技術情報の中心とすべくコミュニティサイトも立ち上げる予定です。



このBlogでは文書管理、オープンソース等の技術情報から、内部統制などの会計的なトピック、コンサルティング方法論など幅広い話題を取り扱って行きたいと思います。



それでは、今後ともよろしくお願いします。



(文責 Ishii Akinori)