おはようございます。aegif 技術担当役員の石井です。
先日、内部統制についての取り組みとAlfrescoについて簡単に触れさせて頂きましたが、その内容が誤解を招きかねないものだったという指摘を社内から受けました。内容自体が不適切だったわけではありませんでしたが、私にとって新鮮な指摘であったため、そのやりとりについても追加でご紹介させて頂きたいと思います。(実際には、前回の投稿の内容だけでなく、外部のお客様と内部統制やAlfrescoについてお話をさせて頂く機会全般についての指摘でしたが)
その指摘とは、「結局、Alfrescoが内部統制対応に使えるのか使えないのかよくわからない(事業内容として親和性が高いと言っているのに、現行の内部統制プロジェクトで推薦していないというのは矛盾ではないのか?)」というものでした。
前回も少し触れましたが、我々は現行の内部統制対応プロジェクトに関しては、コンサルタントとしていたずらに「日本版SOX法対応パッケージ」というような言い回しをするわけにはいかないという事情があります。現在の日本版SOX法という文脈においては、業種や各企業の個別の事情を超えた統一的な基準というのは存在していないからです。また、金融庁や各監査法人や公認会計士協会が発信している情報を読む限り、必ずしもIT投資をしてIT基盤を技術的に強化することが求められているとも言いづらい状況があるわけです。我々が現在取り組んでいる内部統制関連のお仕事の中では日本版SOX法への対応プロジェクトが主流ですから、その要求に対する答えとしてAlfrescoを位置づけるのは難しいということになります。
しかし一方で、単なる日本版SOX法に対する法対応としての作業と、”内部統制の強化”というコンセプトの間には大きなギャップがあり、その線引きに今現在も多くの企業で悩みを抱えている状態だと思います。我々の上記の矛盾点もそこに起因しているといえそうです。
つまり、「Alfrescoは日本版SOX法対応(プロジェクト)ツールではないが、内部統制の強化を実現できる製品である」というメッセージをもっと明確に打ち出す必要があったと反省しました。
ここしばらくの間、日本版SOX法対応のプロジェクト支援ツールとして、フローチャートなどの文書化を行うためのドローイングツールと、それらの文書を管理するための文書管理ツールが必要である、というのがある種の定説とされてきました(現在は運用面に着目したツールに関心が移りつつあるようですが)。そういう意味では、Alfrescoも内部統制文書のための文書管理ツールとして使うことはもちろん可能です。しかし、Alfresco導入のメリットはそこに留まるものではありません。弊社としては、より実質的な効果を上げられるところを対象にした導入を提案していきたいと考えています。
#Alfresco社以外のECMベンダーが、あまりSOX法対応のみを対象とした取り組みに熱心でないように見えるのもそのあたりに理由があるのではないかと考えています。
(文責 Ishii Akinori)