2008年7月30日水曜日

Documentum 6.5リリース

リンク: Press Release: Content Management Meets Web 2.0 Without Enterprise Risk: EMC Delivers Version 6.5 Of Documentum ECM Suite.



こんにちは。aegif技術担当役員の石井です。



Alfrescoにとっては競合になりますが、コア開発メンバーの古巣であるDocumentumのチームが新製品をリリースしました。EMC買収後のバージョンアップの中でも特に大きな意味を持つリリースになりそうです。



特に目を引くのは、Web2.0対応(タスク指向のコラボレーション環境の提供)と軽快なドキュメントモデル(High-Volume)の採用の2点です。



Documentum製品はクライアントサーバ型のデスクトップクライアントからWebベースのクライアントへと移行してきた歴史を持っています。ユーザに対する操作モデルの改変だけでなくJavaアプレットを含めた実装テクノロジも変遷をとげており、その流れの中からでてきたWeb2.0的インターフェースというのは興味深いと思います。Alfrescoの場合は次のバージョンで現在の「Web2.0」インターフェースであるJSF+Ajaxのものを棄てて、さらに新しい展開を見せる予定なので、その比較というのもAlfresco側の形が見えてきた段階でやってみたいと思います。



次にHigh-Volumeについてですが、大量の帳票データなどDocumentumのようなECM製品が持つ重厚なコンテンツモデル(標準ですべてのファイルに割り当てられる属性情報)を一元的に割り付けられることが不合理なものに対して、より軽快なモデルを適用するという考え方のようです。確かにマニュアル編集が全く発生しないファイル群にバージョン管理用の管理データがぶら下がるというのは合理的ではありません。Alfrescoは基本モデルにはあまり属性情報を定義せず「アスペクト」という形で後から割り振る仕組みなので、こういった問題ははじめから存在しないわけですが、他の製品からHigh-Volumeというキーワードで新しくこういう仕組みがリリースされるというのは、面白いと思います。Alfrescoは後発であることのメリットを活かして、従来型のコンテンツに対してもHigh-Volumeなものにも統一的な仕組みで対応できるようにしているのに対し、Documentumは基本設計自体を2本並列させることにしたわけです。統一することのメリットも専門特化することのメリットもそれぞれ当然あると思われますので、今後はECM製品選定の切り口としてこういった下層の基本設計がより明示的に問われることになるかもしれません。



(文責 Ishii Akinori ITC)



Rivet Logic and Alfresco Selected by New Gravity Ventures to Develop Large Scale Social Networking Application Using the Facebook® Platform

リンク: Alfresco Press Releases - Rivet Logic and Alfresco Selected by New Gravity Ventures to Develop Large Scale Social Networking Application Using the Facebook® Platform.

ConnectedWeddings.com



こんにちは。aegif技術担当役員の石井です。



先日もご紹介した通り、Alfrescoは企業向けシステムとしては珍しく、SNSサービスのFacebookとの連携を実現しています。Facebookは国内の主要なSNSであるmixiなどとは違ってそのシステム内に日記などのコンテンツをためていくというよりは、各種の外部Webアプリケーションへのインターフェースを集約する個人向けポータル的な利用がなされています。ユーザはFacebookにさえログインすれば複数のアプリケーションからの情報を一覧でき、またFacebook上で繋がっている友人知人とそのアプリケーションを共有することもできます。アプリケーションプロバイダはFacebookの豊富なユーザ層が潜在顧客となり、またSNSならではのユーザ同士の人間関係にのった展開も期待できます。



今回発表されたのはAlfrescoそのものへのアクセスを提供するという話ではなく、このエコシステムにのった新しいサービスがその基盤としてAlfrescoを採用した、というニュースです。ConnectedWeddings.comというサービスで、Facebook上で結婚式の準備を進められるというもののようです。案内を送ったり、会の写真を共有したり、と色々な展開が期待できそうです。



国内でもAlfrescoを基盤としてSaaSモデルで新しいサービスを立ち上げるという事例が増えてきています。顧客のデータを格納する保管庫として一定以上の安全性を確保するためにAlfrescoを活用し、認証基盤やユーザプールを(あるいはGUIも)Facebookに任せるというコンセプトは非常に合理的です。今後はこういうスタイルのサービスが増えてくるのではいかと思います。



(文責 Ishii Akinori ITC)



2008年7月28日月曜日

アドビ システムズ社、LiveCycle Enterprise Suiteを拡張した新製品「Adobe LiveCycle Enterprise Suite Update 1」を発表

リンク: About Adobe - Press Room -アドビ システムズ社、LiveCycle Enterprise Suiteを拡張した新製品「Adobe LiveCycle Enterprise Suite Update 1」を発表.



こんにちは。aegif技術担当役員の石井です。



ミドルウェアとしての(バックエンドエンジンとしての)ECMの利用という意味でまた一つ面白い事例がでてきました。AlfrescoのOEMプログラムを活用してAdobe社が自社のPDF関係製品ファミリーを拡充しています。



実は先日、米国ワシントンDCでAlfrescoの新しいトレーニングを受講してきたのですが、そこにもAdobe社からの受講者が数名来ていました。Alfrescoのコンセプトからすると印刷禁止などのクライアント依存技術は積極的に採用されづらかったため、従来からもAdobe社製品との連携の事例はあったのですが、それがまた一つ推し進められた形とも言えるかもしれません。ECMの製品の活用方法のショーケースとしても、これからのPDF文書の管理レベルのリファレンスとしても、非常に興味深い製品であると思います。



(文責 Ishii Akinori ITC)



2008年7月26日土曜日

Alfresco Software Receives 2008 Editor’s Choice Award from Business Computing Magazine

リンク: Alfresco Press Releases - Alfresco Software Receives 2008 Editor’s Choice Award from Business Computing Magazine.



こんにちは。aegif技術担当役員の石井です。



先月の上旬のことですので、若干ご紹介の時期を逸した感もありますが、Alfrescoがまたアワードを受賞したという話題がプレスリリースで紹介されていました。



ビジネスコンピューティングマガジン(Business Computing Magazine)の2008年エディターズチョイスという賞だそうです。ビジネスコンピューティングマガジンは2005年からWeb出版の形でビジネスユーザ向けにITの情報を発信している雑誌で、毎月各種プロプライエタリのものも含めたビジネスソフトウェア、ハードウェアなどのレビューを掲載しています。最新号ではAlfrescoに対して、オープンソースのCMSの中で最高ランクのものであること、Web2.0関係の機能が充実していること、特にネガティブな要素がみあたらないこと、などが目立った特徴として記載されています。



他にはいくつかの仮想化のソフトウェアや、Spam Firewallをはじめとするインテリジェントなネットワーク機器などが紹介されており、英語圏ではコンテンツ管理がビジネスユーザ向けのメディアでも一定の存在感を持っているということがよくわかります。



(文責 Ishii Akinori ITC)



2008年7月24日木曜日

Capgemini incorporates Alfresco into the French Air Force Document Information System

リンク: Alfresco Press Releases - Capgemini incorporates Alfresco into the French Air Force Document Information System.



ごぶさたしています。aegif技術担当役員の石井です。



前回の投稿からもまたかなり間があいてしまいました。弊社としてもAlfrescoに絡んだビジネスは継続的に展開中で、近くまた色々と発表させて頂くものもある予定なのですが、そういった話題の多さが逆に一つ一つのトピックをBlog記事化するモチベーションを阻害していたようです。Alfrescoの注目度は日に日に増しているため、日本語での情報発信という意味で我々の責任も重くなってきています。このBlogだけではありませんが今後はさらにアウトプットを増大させる努力をしていくつもりです。



さて、前回からのブランクの間にAlfresco社からも何件か重要なプレスリリースがありました。これから数回にわけてご紹介していきたいと思います。



まず、第一弾ですが、キャップジェミニ社と共同でフランス空軍の技術文書センターへのAlfrescoの導入に成功しました。「文書管理機能における所定の要求水準を満たす」「オープンソースで、なおかつ各種の標準に準拠している」という二つの基準をもって製品選定をした結果、Alfrescoが選ばれた、という経緯がリンク先のプレスリリースの中で紹介されています。



「オープンソースであること」そのものが要件となっているという部分は、非常に欧州的であると感じますね。機能要件に関しては以下のようなものが列挙されています。



* 紙文書のデジタル化(別のサービスと連携)

* 空軍文書リポジトリの管理

* 電子出版と配信

* 指図の管理と計画

* 各種アクティビティのモニタリング



このプロジェクトもプロプライエタリのECM製品上に構築されたシステムをオープンソース製品(Alfresco)で置き換えていく、というやりかたで実装されています。2002年から計画されたプロジェクトで、2007年11月に第一フェーズが完了。プロジェクト全体としては2009年3月に開発を完了する予定のようです。ECM製品は重厚な追加開発をされていることが多いため、今後はこういう案件はさらに増えていくのではないかと思います。



(文責 Ishii Akinori ITC)