2014年4月4日金曜日

AIIM Conference 2014 に行ってきました

AIIM Conference 2014 - About the Event


 


またもや長い間放置してしまいました。復活したての弊社社長Blogにも激励が寄せられ、本人の腰が引け始めた感がありますので、私が逃げ道になるわけにもいかないという事情もあって久々の更新です。


行ってきました、というタイトルにしましたが、実はまだ米国に滞在中です。今回もJIIMA ECM委員として派遣されていますので、帰国後に月間IMへのリポート掲載と、AIIMのイベントでの講演を予定しています。詳しい話はまたそこで改めてさせて頂く予定です。


今回の会場はフロリダ州オーランドです。同じくフロリダ州のタンパで行われた新人研修、数年前のAlfresco社のパートナーイベント、結婚十周年旅行、に続いて4回目の訪問になります。英語に自信が無く不安そうな私に声をかけてくださる皆さんが「米国は初めて?」と聞いてくるのが心苦しくてなりません。


前回のAIIM Conference 2013ではソーシャルやモバイルなどの今風なテクノロジの導入による(企業内の)情報爆発というのが1つのテーマでしたが、今回もその路線が踏襲されているという印象です。ただ、情報爆発という言葉ではなくInformation Chaosという表現に集約し、その対応策の1つとしてInformation Governanceというキーワードを推している様に感じました。他にも、ここ数年で経営学(?)界隈で目にするようになったResilienceという言葉も出てきましたし、Data Guardianなんていう言い回しも複数の発表のタイトルに含まれているなど、細かい差違もありますが、基本となるテーマはInformation Governanceと考えて良さそうでした。


では、Information Governanceとはなんなのか(とりあえず次からはカタカナでインフォメーションガバナンスと書くことにします)、というのは発表者によって定義にもぶれがあった気がするのでもう少し時間をかけて考えをまとめたいところではあるんですが、今ざっとわかっているところを書き散らしておきます。


まず、この用語、インフォメーションガバナンスというのはそれほど新しいものであはりません。日本語では情報統治、という訳語で、情報セキュリティの文脈から情報の活用を推進する上でより広範囲のガバナンスの必要性が訴えられた時に用いられた用語です。そういう意味では10年近い歴史がある考え方になります。ただ、その時点ではあまりコンテンツ管理と結びつけて語られることはありませんでした。


今回の発表の構成は、この概念にECM及びレコードマネジメントの業界から再び光をあてようとしている、という事だと思います。


レコードマネジメントではレコード(記録)の識別という考え方があります。まず、その組織にとって「記録」と見なすべき情報がどんなものであるかを定義し、その条件に当てはまるものを「記録」として管理していく、という流れになります。昨今のビジネス(及びIT)の環境の変化は、この流れを維持できないものにしている、というのが、情報爆発改め情報カオス問題なわけです。記録の定義を杓子定規に捉えると重要な情報を無視することになってしまいますし、逆に理想的に考えると対象が増えすぎて管理体制が追いつかなくなります。そこで、文書でもコンテンツでも記録でもなく、広く「情報」を対象としつつこれまでと同様の「管理」ではなく新しい考え方を導入する余地を残したガバナンス、の組合せこそが今後進むべき道であると考えられているのではないでしょうか。


実際の施策としてはポリシーを定義して各情報リソースをチェックしていく、というそれほど目新しさを感じない作りになっていそうです。そこにどれだけ機械的な分析をかませるかはまだ今後の課題であるように感じました。(技術的な課題というよりは、どこまでそういったものに頼ってもよいか、という態度の問題が主な課題だと思いますが)。すでに幾つか製品はでていますし、そういったものの中にはCMISドライバもあるので、弊社のNemakiWareをそうした文脈の中で導入してもらう線もあるかもしれません。その意味でももう少し掘り下げて見たいテーマであると言えそうです。



(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)