株式会社イージフ CTO 副社長 石井昭紀のBlogです。 ITコーディネータで、移動式クレーン運転士です。 ECMやOSS関連コンサルティングの話題を中心に投稿頻度に波のある運用を続けています。
2008年9月12日金曜日
Alfresco Provides First Draft CMIS Implementation via Alfresco Labs
こんにちは。aegif技術担当役員の石井です。
先日、Alfresco社から重要な発表があったのですが、ご紹介が遅れてしまっていました。予てよりIBMやEMCをはじめとする大手ベンダーと協力して策定していたECMのためのSQLにあたる規格、CMISの仕様のドラフトが作成されOASISに提出されました。しかも、単に紙上でのスペックに留まらず、Alfrescoの新バージョン上で試験実装まで完了しているとのことです。
CMISはContent Management Interoperability Serviceの略で、日本語に訳すと「コンテンツ管理の相互運用サービス 」とでも言ったところでしょうか。以前はiECMという名前で検討されていたものの進化形ということになると思います。他にもこの分野における標準化の動きとしてはJCR(JSR-170)などの規格がありましたが、今回はIBM、EMC、Microsoftに加えAlfresco、Opentext、Oracle、SAPなども含めた広範な賛同者がいるということと、言語を限定しない仕組み(例えばJCRは基本的にJavaのみ)という所が新しく、実際に普及に対する期待がもてるのではないかと思います。
例えば最新版からAlfrescoに付属しているSharePoint的な第2のクライアント「Share」なども、この仕組みを使って将来他のECMリポジトリ上で実行させるようなことも可能になるかもしれません。
仕様の中身の具体的なポイントやAlfresco最新バージョンについてのお話も、また機会をみてさせて頂こうと思います。
��文責 Ishii Akinori ITC)
2008年8月17日日曜日
CRIX International Eases Pharmaceutical Processes with Red Hat and Alfresco Solutions
こんにちは。aegif技術担当役員の石井です。
金融業界と並んでいわゆるECM製品の中心的な市場である製薬業界に関連したAlfrescoのニュースがあがっていました。
米国食品医薬品局 FDA由来の非営利コンソーシアムであるCRIX(Clinical Research Information Exchange)が、コラボレーション基盤にAlfrescoを採用したそうです。他にもRHELやJBoss Portalなどもあわせて採用されているようなので、積極的にオープンソース製品を採用したのだということがわかります。やはり公共的な組織によるオープンソースの採用が進んでいるということでしょうか。
製薬業界はその複雑なワークフローと文書に対する法的な保管要件の厳しさから文書管理システムの大口顧客でありつづけた経緯があります。今回のリリースの段階ではまだワークフロー自体は深く追求されていないようですが、将来プランとしてjBPMを積極的に活用したワークフローの実現についても言及されています。
��文責 Ishii Akinori ITC)
2008年8月15日金曜日
Alfresco Wins InfoWorld’s “Bossie” Award for Second Consecutive Year
こんにちは。aegif技術担当役員の石井です。
またアワードについてのリリースが出ています。AlfrescoのLabs(少し前までCommunity Networkと言われていたいわゆる無償版のことです)がIDGの2008年のベスト・オブ・オープンソース賞”Bossie”を獲得しました。もちろん企業向けアプリケーションの部門で、です。今回は、前年度に受賞した製品が引き続き受賞したというケースが非常にまれで、Alfrescoはそのうちの1つ、ということのようです。(他にはVoIPのAsteriskとCRMのSugarCRMが同じく連続受賞のようですね)
これまで、AlfrescoはハイエンドECM製品と同等の安全性・スケーラビリティと共有フォルダ同様の操作性の両立、ということを製品の特徴として強調してきたと思います。しかし、今年に入ってからは、Microsoft社のSharePointのプレゼンスが急速に高まっているということもあり、そのオープンソースオルタナティブ、という側面もまたクローズアップされるようになってきました。共有フォルダはOSのファイル管理の使い勝手をそのまま延長したものであり、SharePointはOffice製品とのシームレスな連携、つまりは操作性の高さをそのセールスポイントの1つとしています。「安全性・スケーラビリティと操作性の両立」、さらには「それをオープンソースで実現する」、というAlfrescoの戦略と実績が今回も高く評価された、ということだと思います。
��文責 Ishii Akinori ITC)
2008年8月12日火曜日
Canonical To Offer Alfresco Labs Pre-Packaged Within Ubuntu Distribution
こんにちは。aegif技術担当役員の石井です。
ビジネス上のインパクトはあまりないかもしれませんが個人的には少しだけ嬉しいニュースが入ってきました。ubuntuのCanonical社が提供するパートナーリポジトリにAlfrescoのLabs3が含まれるようになってそうです。LinuxマシンのセットアップからAlfrescoのサンドボックス構築までが非常に簡単になりました。Zimbraあたりも同じ仕組みで提供されているので企業向けのアプリケーションの検証環境としてもなかなか面白いのではないでしょうか。
#日本語ランゲージパックも常に最新のものを同梱できるようになるといいのですが・・・
��文責 Ishii Akinori ITC)
2008年8月2日土曜日
Alfresco Gives Microsoft Office Users a SharePoint Alternative
こんにちは。aegif技術担当役員の石井です。
ついに、Alfresco無償版の新バージョンの姿が明らかになりました。今までCommunity Networkという名前で公開されていた無償版ですが、今回からAlfresco Labsという名前で公開されています。プレスリリース自体の表題にも含まれていますが、今回は対SharePointの姿勢をより一層強調したバージョンになりました。AlfrescoはSharePointよりも大規模なリポジトリを扱っていたいわゆるEDMSの流れを組む製品ですが、Alfresco自体がオープンソースモデルによって比較的低価格を実現したという点と、AIIMでも話題になるほどSharePointの機能強化やMicrosoft社の強力なプロモーションもあって、SharePointファミリと比較されることが多くなってきています。
これまでのところAlfrescoのメリットとして我々では、「スケーラビリティ」「非MS製品への対応力」「追加開発の容易さ」などを強調してきました。逆に言えば、規模と利用頻度がある程度予測でき、常に最新のWindows OSとOfficeファミリを利用していく方針が正式に決定していて、なおかつ複雑なシステム連携が必要とされない状況であれば、Alfrescoをわざわざ持ち出す理由はないだろうな、という認識でした。やはりすべてを同一ベンダの製品で統一することによる操作感上のメリットというのは否定しがたいものがあります。Alfrescoも独自にWordやExcelのアドインを提供することでそれらの製品から透過的にAlfrescoリポジトリにアクセスできるようにしていましたが、あくまでアドインですので、操作性も完全に統一されているわけではありませんし、なによりAlfrescoのコンセプトの1つであるゼロフットプリントに抵触してしまっています。今回のバージョンでは強力に機能強化されたRESTful APIとスクリプティングの機能を使って、SharePointのサービスと同等のインターフェースを実装する方針を採用したようです。これによりクライアントのWordやExcelはSharePointへ接続しているつもりで(つまりは統一的な操作感を維持したままで)よりオープンで強力なAlfrescoリポジトリへアクセスできるようになります。RESTful APIの強化自体もかなり可能性を感じさせるポイントなのですが、このSharePointコンパチブルという方向性はそれを端的に示すものとしても非常に面白いのではないかと思います。
他にも重要な点としてAlfresco Shareというクライアント製品が同梱されるようになっています。今までのWebclientとは別に、これもまたSharePointライクといいますか、コラボレーション環境としての使い方にフォーカスした作業環境を実現するWebアプリケーションに仕上がっています。Siteという単位で複数のプロジェクト単位の作業領域を作成することができ、そこには文書の保管庫の他にディスカッションやカレンダーが含まれています(以前のバージョンでもプロジェクトスペースとして提供されていた機能が大幅に強化されたイメージだと考えてください)。このSiteはAlfresco上は特殊なスペース(フォルダ)として作成されているので通常のWebclientからも中身を確認することは可能ですが、Alfresco Shareを通じたアクセスをした場合により利便性の高い環境を提供できるようになっています。たとえばSiteごとに「自分がチェックアウト中のファイル」「誰かがチェックアウト中のファイル」などの条件でフォルダ構造を無視したファイルのフィルタリング表示が標準で設定されていて、そこにカテゴリなどの独自のフィルタ定義を混ぜ込むことができたり、Site毎とSite横断のカレンダーイベントを一覧でみることができたり、と文書を中心とした業務ポータルの土台としてかなりの完成度を持っているのではないかと思います。このあたりは近いうちにもっと突っ込んだご紹介(たとえばセミナーなど)をしたいと思います。
��文責 Ishii Akinori ITC)
2008年7月30日水曜日
Documentum 6.5リリース
こんにちは。aegif技術担当役員の石井です。
Alfrescoにとっては競合になりますが、コア開発メンバーの古巣であるDocumentumのチームが新製品をリリースしました。EMC買収後のバージョンアップの中でも特に大きな意味を持つリリースになりそうです。
特に目を引くのは、Web2.0対応(タスク指向のコラボレーション環境の提供)と軽快なドキュメントモデル(High-Volume)の採用の2点です。
Documentum製品はクライアントサーバ型のデスクトップクライアントからWebベースのクライアントへと移行してきた歴史を持っています。ユーザに対する操作モデルの改変だけでなくJavaアプレットを含めた実装テクノロジも変遷をとげており、その流れの中からでてきたWeb2.0的インターフェースというのは興味深いと思います。Alfrescoの場合は次のバージョンで現在の「Web2.0」インターフェースであるJSF+Ajaxのものを棄てて、さらに新しい展開を見せる予定なので、その比較というのもAlfresco側の形が見えてきた段階でやってみたいと思います。
次にHigh-Volumeについてですが、大量の帳票データなどDocumentumのようなECM製品が持つ重厚なコンテンツモデル(標準ですべてのファイルに割り当てられる属性情報)を一元的に割り付けられることが不合理なものに対して、より軽快なモデルを適用するという考え方のようです。確かにマニュアル編集が全く発生しないファイル群にバージョン管理用の管理データがぶら下がるというのは合理的ではありません。Alfrescoは基本モデルにはあまり属性情報を定義せず「アスペクト」という形で後から割り振る仕組みなので、こういった問題ははじめから存在しないわけですが、他の製品からHigh-Volumeというキーワードで新しくこういう仕組みがリリースされるというのは、面白いと思います。Alfrescoは後発であることのメリットを活かして、従来型のコンテンツに対してもHigh-Volumeなものにも統一的な仕組みで対応できるようにしているのに対し、Documentumは基本設計自体を2本並列させることにしたわけです。統一することのメリットも専門特化することのメリットもそれぞれ当然あると思われますので、今後はECM製品選定の切り口としてこういった下層の基本設計がより明示的に問われることになるかもしれません。
(文責 Ishii Akinori ITC)
Rivet Logic and Alfresco Selected by New Gravity Ventures to Develop Large Scale Social Networking Application Using the Facebook® Platform
ConnectedWeddings.com
こんにちは。aegif技術担当役員の石井です。
先日もご紹介した通り、Alfrescoは企業向けシステムとしては珍しく、SNSサービスのFacebookとの連携を実現しています。Facebookは国内の主要なSNSであるmixiなどとは違ってそのシステム内に日記などのコンテンツをためていくというよりは、各種の外部Webアプリケーションへのインターフェースを集約する個人向けポータル的な利用がなされています。ユーザはFacebookにさえログインすれば複数のアプリケーションからの情報を一覧でき、またFacebook上で繋がっている友人知人とそのアプリケーションを共有することもできます。アプリケーションプロバイダはFacebookの豊富なユーザ層が潜在顧客となり、またSNSならではのユーザ同士の人間関係にのった展開も期待できます。
今回発表されたのはAlfrescoそのものへのアクセスを提供するという話ではなく、このエコシステムにのった新しいサービスがその基盤としてAlfrescoを採用した、というニュースです。ConnectedWeddings.comというサービスで、Facebook上で結婚式の準備を進められるというもののようです。案内を送ったり、会の写真を共有したり、と色々な展開が期待できそうです。
国内でもAlfrescoを基盤としてSaaSモデルで新しいサービスを立ち上げるという事例が増えてきています。顧客のデータを格納する保管庫として一定以上の安全性を確保するためにAlfrescoを活用し、認証基盤やユーザプールを(あるいはGUIも)Facebookに任せるというコンセプトは非常に合理的です。今後はこういうスタイルのサービスが増えてくるのではいかと思います。
(文責 Ishii Akinori ITC)