2011年4月12日火曜日

怠慢のつけ

 またしてもBlogの更新をさぼってしまっておりましたが、今回はその間にあまりにも沢山のできごとがありました。


 まず、途中まで書き上げていた記事に、弊社の5周年というものがあります。2月22日が創業記念日でした。今年の2月22日にaegifは創業からまる5年を経たことになります。創業メンバーとしてはそれなりに感慨深いものがあったような気もしますが、特にこれというイベントも行いませんでしたし、ノベルティグッズみたいなものを作ったりもしませんでした。


 実はその直前に求人についての考え方の記事を連投していたこととも関係あるのですが、今年に入ってからは特にビジネスも調子を取り戻しつつあり、このところ小休止状態になってしまっていた規模の拡大に向けて動きだそうとしていました。それも含めて皆忙しくしていたということもあるかもしれません。(つい過去形で記述してしまいましたが、人員の募集への積極的な姿勢自体は今も変わっていません)。10周年を祝う機会があればその時はもう少し派手にやっても良いのかなとは思いますが、案外10周年も同じようにあっさりと過ぎ去ってしまうような気もします。思うに、たとえば創業○周年パーティ! というイベントをやるとして、自分で自分を祝うということ自体が実はピンと来ていないところがあります。これが他の人のことであれば、純粋におめでたいことであり、無理に理由をつけでも祝い事をすべきタイミングだと思えるのですが、自分たちのこととなるとちょっと冷めるというか気後れをする部分もあり、行動が鈍ります。そうこうするうちに半年や1年なんてあっというまに過ぎ去ってしまうので・・・


#このあたりの感情的な動きについてはあくまえ私個人のものですし、うちの社長はむしろ派手好きで自分大好きなので、5周年をスルーしてしまったのは本当にたまたま忙しかったから、だと思います。ただ、派手好きな社長がいたとしてもちゃんと前もって計画をしないとこの種のイベントはすぐに過ぎ去ってしまうということは改めてよくわかりました。


 そして、3月に入って震災がありました。まだこの問題は総括して振り返るような段階にないと思いますが、ほぼ東京圏でのみ完結するビジネスを行っている(お客様はもう少し広い範囲にいらっしゃいますが)弊社にとって、直接のダメージはほぼなかったと言えます。防災の責任者としての私の怠慢から非常時の行動指針の周知徹底などはまったくできていませんでしたが、オフィスに勤務しているメンバーが率先して電子メールでの安否確認を行ってくれたこともあり、大きな混乱もありませんでした。六本木ヒルズは揺れ自体は長時間続いたようですが、エレベータの運行も比較的早い段階で復旧しましたし、電気も自力で発電して東京電力側へ供給しているほどだそうですからまったく途切れることがありませんでした。私は外出中だったのですが、結局徒歩でオフィスに戻り朝まで交通機関の復旧を待つことにしました。


 直接の被害を受けていない会社として、メンバー個人と連動する形での寄付を行うことにしましたが、他の形で寄与できることがないという点には忸怩たるものがあります。Goolgeと自社を比較してもはじまりませんが、Google社では安否確認のサービスを緊急で立ち上げたりGoogle Appsの当該地域での利用を無償化したりという施策を打たれています。自社の強みや日頃生み出している付加価値の部分をそのまま提供することで、その時自らが背負い込むコスト以上の便益を提供できているわけです。これは、素直に羨ましいと思います。我々は起業によって大きな行動の自由を手に入れていますし、幸いにして優秀なメンバーにも恵まれています。もちろん、資金力にはきつい制約がありますが、それでも自分はそれらのアドバンテージを十分に活かしていないのではないかと思えてなりません。大きな課題です。


 もちろんビジネス自体は継続しています。3月の後半にはAlfrescoのキックオフミーティングに参加して来ました。多くの人に日本の状況について温かい言葉をかけて頂きました。刺激になった点も多々あります。去年に限ったことではありませんが、彼らのビジネスは急速に成長しています。特に今後は国内でのパートナーシップ展開に力を入れていきたいという気持ちを強くしました。我々だけの限られたリソースでは、とてもついて行けない規模になってきています。欧州、北米に比べて国内のAlfrescoの導入実績は極めて少数ですし、今後はBRICsにも抜かれかねない状況です。これはほぼ、日本企業がECMを必要とした場合に、他国にくらべて高コストで身動きのとりづらいプロプライエタリ製品かスケールが期待できない小規模向け製品しか利用できていないということを意味しています。そして、その責任のうちの幾分かは我々にあります。今年は、これまで以上に積極的な情報発信と、パートナー候補となるSIerさんへの支援に力を入れていきたいと思います。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)