2011年4月26日火曜日

Per AIIM Survey, Dealing With Content Chaos Key Issue for Organizations - Digital Landfill


The overriding trigger to initiate a new or replacement ECM project is that content chaos is getting out-of-hand.

[From Per AIIM Survey, Dealing With Content Chaos Key Issue for Organizations - Digital Landfill]

AIIMの調査のダイジェストがプレジデントであるJohn Mancini氏のBlogで紹介されています。(本文はAIIMのサイトからダウンロードできます)


「あなたの組織において新しいECMシステムの構築計画の最も強い動機となる(単一の)要因は何ですか?」に対する回答のグラフが示されています。回答数143件で、新規とリプレースの両方を対象とした質問ということです。


1位は20%を超えた回答を集めた、



  • 「コンテンツの混沌状態がいよいよ手を着けられなくなりつつあり、またそれをコントロールしなければならない(Our content chaos is getting out-of-hand and we need to control it)」


です。続く2位から4位が、



  • 「システム統合計画の一環として(We are consolidating our existing systems)」


  • 「遠隔拠点・家庭・外出先からのユニバーサルアクセスを実現するため(Need to provide universal access in branches, at home and on-the-move」


  • 「コストを削減し、効果を高めるため(Need to cut costs and improve efficiency)」


というもので、このあたりまではそれぞれが10%以上の回答を得ています。


Mancini氏は、この結果に対して、多くのユーザがコンテンツの混沌状態(Content Chaos コンテンツカオス)による非効率とリスクについての理解を深めてきている証拠だろうとしています。また、次に来る動機から、レガシーシステムよりも現代的なECM基盤の方が理に適っている面が強調されていると見ているようです。


結果について驚くべき点はありませんし、Mancini氏の分析も妥当なものであるように思います。すくなくとも、こういう設問のアンケートに対しては多くの人がこのように答えるであろうし、その背後にある考え方も氏の分析した通りでしょう。しかし、ECMビジネス、それも日本市場においての現場の感覚としては、やはりECMありきでシステムのプランニングをする、という前提はそのまま適用できないのではないかとも思います。


例えば、この調査でも5位以下の回答を列挙してみますと、



  • 「増え続ける業界規制や訴訟などコンプライアンスの課題がある(We have compliance issues with increasing industry regulation and litegation litigationのtypo?)」


  • 「コラボレーションとプロジェクトコーディネートを改善するため(Need to improve collaboration and project coordination)」


  • 「ナレッジ共有を最大化したい(Keen to maximize knowledge-sharing in the business)」


  • 「Sharepointを文書管理にも活用したい(Want to use Share Point for document management)」


なんていうもう少し個別の課題(訴訟対応、コラボレーション、ナレッジマネジメント、既存の基盤を使った文書管理の強化)が挙がっています。


どちらかと言えばこれらの問題意識の方が日本のお客さんから明示的に引き出せることが多いと感じます。それもあってか国内では、個別のそれぞれの目的に合致した単独ソリューションの導入というシナリオが幅をきかせることになってしまっています。もちろんこれは単純に悪いことではなくて、例えばコラボレーションについては国産の(ECMスイートと比べてかなり低価格な)使い勝手の良い製品が育っていますし、情報漏洩を防止するようなソフトウェアも海外製よりも国産のソフトウェアが大きなシェアを持っているケースが沢山あります。ただ、ECMコンセプトのようなシステムの全体像からトップダウンで設計しようとした場合、あるいは多くのシステムとの連携を行わなければならない場合、あるいは単純に大規模なデータを取り扱う必要がある場合などに、大きなギャップに直面するという状況が生まれてしまいます。


Alfrescoも去年一昨年あたりから、明確にECMを基盤とした上で各個別の課題に具体的にアプローチするようなユースケースに向けた機能強化やアピールに力を入れています。率直にいってそれぞれの領域で国産の製品を超える使い勝手をAlfresco製品単独で実現するというのはほぼ不可能だとは思いますが、2年前に比べて着実に差は埋まってきていると思います。今後はそのあたりの国内でのアピールと、今期のコンセプトであるソーシャルを上手く絡めた情報発信をしていきたいと思います。


(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)