2014年10月17日金曜日

ECMサミット2014を無事に終えました

ナビゲーターとして、さも挨拶やらラップアップやらをやりそうなプログラムでしたが、ただの発音が不明瞭な棒立ち司会としての仕事しかやれませんでした。が、とにもかくにもECM委員長としての初のイベントから生還しました。残念ながらOracleさんだけは情報非公開ですがECMポータルのこちらのページから、各スピーカーの方々の発表資料をダウンロードして読むことができます。(OPENTEXTさんは差し替え修正が発生したようなので、公開が少しずれ込む予定です。)



ということで、現地であまり押しつけがましく語り出すのも良くないかと考えて控えさせて頂いた(?)、大まかな感想とまとめについて、ここにメモを残しておきたいと思います。



まず、この競業関係にあるビッグベンダによる競演形式についても、さすがにこれだけの回数繰り返してきていると各社も距離感が掴めてきているのか、テーマに謳われていなくても、必ず(社名の公開有無や国内外などの条件の差違こそあれ)具体的なケースについてのお話を入れてきて下さいました。やはりそういう要素がないとお客様が飽きてしまってあまり高い評価が得られないという傾向は確かにあります。



一方で、明日を語る、最新動向、というテーマですから、(世間一般でも言われているような意味での)デジタル化など新しい社会動向に対応する形でのビジョンやコンセプトについてのお話も、ある種似通った形になりました。コンセプト+事例、ですね。



ECMは伝統的には「紙情報の電子化」というコンセプトを引き継いでいます。電子情報にすることで得られるコスト削減や利便性を実現する一方でコンプライアンスなどの課題解決にも資する、というのが最初の存在意義。次いで、そこで実現された高い機能や性能が、Born Digital、紙を経由せずに始めから電子的に作られるコンテンツの統一的管理基盤として認められたのが、ECMとしてのアイデンティティでした。さらに、いわゆる業務システム/業務プロセスの枠を超え、世の中全体がデジタル化していっている今、適切に電子化されたプロセスとコンテンツはさらにレバレッジを効いた大きな効果を生み出せるようになってきている... というのが各社がほぼ共通したメッセージとして語っていたところではないかと思います。



主催者の1人としてここで付け加えたいのは、ここで語られた新しいワークスタイル、ワークフロー、現代的なコンテンツの活用法のすべてを、新たなサイロを生むこと無く実現するためには、ECMプラットフォームが必須である、ということです。さらには、そうした実現能力を持つECM製品の技術の大半を、すでに見て頂いているということでもあります。



「デジタル化に対応した(そのメリットを最大化できるような)新しい仕組みを導入したい」「これ以上の情報(システム)のサイロ化は進行させたくない」を両立させるようなまだ見ぬ銀の弾丸というのは存在しないということです。あるのはECMという(海外では良い意味でそれなりに枯れた)技術の集積のみです。   



...あ、弊社aegifだけは別、って話をこの流れでするのは良くないですよね?



他には、ケースマネジメントがある意味で典型的なECMの活用技法として定着しつつあるということ、プラットフォームとしてこそ輝くという点では一致していても、コーディングなしに拘るか標準技術の組合せをアピールするかという点で差が出ている、なんていうのも面白い点でしたね。専業ベンダーさんよりも、ビッグベンダー陣営の方が標準規格の推進に熱心であるような技術構成になっているという傾向なども綺麗にやり方が別れているようでした。目指すところはある程度重なっていても、実現方法はポジションによって結構変わってくるわけですね。その辺りもひっくるめてのアドバイザリー、というのも面白いかな、と思わないでもないんですが、委員としてはともかく本業的には今やうちもベンダーですから、独立した助言にはなり得ないんですよね。



次回は来年2月です。ECMサミットとしての単独イベントで、さらに盛りだくさんの内容になる予定です。是非とも多くの方にご参加頂ければと思います。



(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)