Why 8? Because no one else is using that number and AIIM can brand around it.
[From 8 ECM Predictions for 2010 - Content Log]
時間が遅くなってしまいましたが、予告通りJohn Newton氏による2010年ECM業界8つの予想、という記事のご紹介をしたいと思います。
まず、冒頭で、AIIMのチェアマンに何故”8つ”なのか、と質問をしたら、他の人達が使ってない数字だからAIIMのブランド構築になる、という返事が返ってきたというエピソードを語っています。つまり、8という数字そのものには本来意味はない、と。というのも彼が挙げた項目というのが実は10個あって、7+1や8+1などという枝番を付けることで無理矢理8つに押さえるということをせざるを得なかったということらしいです。ここではまずフラットにその10個の項目のタイトルを並べてみます。
- Economy's affect on ECM.(経済がECMに与える影響)
- ECM in the developing world.(先進国以外の市場におけるECM)
- SharePoint in 2010.(2010年におけるSharePoint)
- The E in ECM.(ECMのE、エンタープライズ)
- WCM and ECM.(WCMとECM)
- The Cloud and ECM.(クラウドとECM)
- CMIS.(CMIS)
- Content Platform vs. Content Application.(コンテンツプラットフォームとコンテンツアプリケーション)
- Open Source makes strange bedfellows.(オープンソースによって奇妙な友情が生まれる)
- Social Software and ECM.(ソーシャルソフトウェアとECM)
とりあえず、今日のところは冒頭3つの概要をご紹介したいと思います。
「経済がECMに与える影響」経済ほどECM業界に強い影響を及ぼす要素はない、基本的に不景気はエンタープライズソフトウェアの購買を強く抑制する、としつつも、経済の回復期はECMにとって非常に大きなチャンスである、と主張しています。回復期は完全に業績が良くなっているわけではないため、人件費をかかえるリスクよりもシステムによる合理化がより魅力的に捉えられるはずだ、というのがその根拠のようです。そして、今後の経済状況自体は相変わらず不透明だがECMに関しては、良い条件が揃っていると主張しています。まあ、このあたりは立場もあるので鵜呑みにはできませんが、彼のようにECM業界を長い間リードしてきた人間が、どう景気の回復期というものを捉えているのか、という点が垣間見えるようで興味深いです。オープンソースビジネスが不景気に強いという話は何度も出てきていますが、この記事はAIIMのコンテキストで書かれていることもあり、この議論についてはオープンソースは関係無く、ECMの特性をどう捉えるかという話ですのでなおさら面白いと思います。
「先進国以外の市場におけるECM」やはりインドと中国があるのでアジアが最も注目される地域という扱いのようです。一般論として先進国がすでに投資したITインフラ技術に関する成果を安価に利用できるため、アジアはもちろん東ヨーロッパのIT市場も予想よりも早いペースで成長を遂げている。結果として情報の量ももの凄い勢いで増加しているためECMの活躍の余地が見えてきている。しかし、プロプライエタリの高価なソフトウェアがこれらの市場に受け容れられることはまずないだろう、、、という感じで、これらの地域におけるオープンソースの可能性について指摘をしています。実際Alfrescoの周辺で考えればインドのパートナはかなり活躍しているので、この指摘には一定の根拠があるわけですが、Alfresco以外のオープンソース”ビジネス”がこれらの市場でより有利に展開できるものなのかどうかは、簡単には結論がでない問題なのではないかと思います。
「2010年におけるSharePoint」SharePointは真のECMではない、という主張をしても始まらない。データを掌握して、ナレッジワーカのためのアプリケーションプラットフォームとして成長を遂げてきている。データベースにコンテンツをまるごと押し込めるというアーキテクチャの上の無理やMicrosoft製品で統一された世界観でなければメリットを活かしきれないという問題点こそあるものの、それ以外の点では例え他のECMベンダが、きめ細かいOffice連携やより良いWeb技術のサポートや新しいレコードマネジメントの機構を備えて見たところで万全とは言い難い。この傾向は次のバージョンであるSharePoint 2010への移行期間を経てますます加速する可能性があると見ているようです。このあたりはAlfrescoの対SharePointマーケティングで主張している内容とほぼ同じですね。確かにMicrosoft製品で統一されたまま今後も運用されていくということが所与の条件なのであれば、他の製品の優位性を主張するのは難しいというのは我々も実感しています。最初から非常に大きなリポジトリを作らなければならないことが明らかな場合であれば、また話が違ってくるところもあるかもしれませんが、やはりスモールスタートがデファクトスタンダードになりつつある状況下では、それは非常にレアなケースと言わざるを得ません。
続きは明日以降にしたいと思います。簡単な内容紹介とコメントを、と思ったのですが、直訳を並べた方が親切だったかもしれないですね・・・ 今更軌道修正は難しいのでこのまま進めるつもりですが
(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)