「業務の可視化、は誰の責任か」という問いから
[From aegif blog: 「業務の可視化、は誰の責任か」という問いから考えた事 (1)]
先日のポストに対し、「結局、誰の責任なの?」というある種もっともな質問が寄せられました。
先日の記事は、あくまでその問いに触発されて考えた事を書き散らしたものなので、問いそのものに答える意図はなかったのですが、確かにそこを無視した記述をしてしまったのは「看板に偽り」の類と見なされてもしかたがないかもしれません。
しかし、率直に言って「状況による」としか言いようがない話であることも事実です。こういう場合は、どういう状況によるのか、をもう少し掘り下げてみるべきですね。
- 何のために可視化をするのか。システム化か、業務改善か、制度対応か。
- システム/業務/統制などの各観点を網羅的に理解している人材がいるか。いないとしてそのポジションに一番近いのはだれか。
得意な人、目的に関してポイントを外さない記述ができる人、がやった方が良い、という原則は1つあると思います。
ただ、そもそも業務の可視化や要件定義の文書化に関してユーザ部門側の負担が増えて来つつあるのは事実です。特にパッケージベースのシステムが増えてきた中で、そのメリットを十分に受けるためには、現業部門との緊密な協力体制が必須です。システムサイドの人材の独断により現業部門にとって使用に耐えないシステムができあがってしまう、という悲劇は過去に何度も繰り返されています。その意味で、現業部門を強く巻き込むアプローチ自体には大きな意義があると言えるでしょう。
その意味で、やはり現業部門といいますかユーザ部門がオーナーシップを持つべきタイプのタスクであり成果物であると考えます。スキルや時間的なリソースの問題で対応する余裕がないということであれば、(かなり我田引水ですが)我々のようなコンサルタントを使うという方法もあります。最近ではBABOKという「ビジネスアナリシス」の知識体系も公開されています。こうした技術を活用して、品質の高い業務の可視化と評価を行いつつ、システム側にシステム要件定義を渡していく、というのが現状妥当と考えられているフローになるのではないかと思います。
(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)