2009年8月21日金曜日

Documentum IRM SDKの公開

EMCジャパン、文書保護/管理ツールにSDK搭載で対応範囲を拡大--無料トライアルも実施 - ソフトウェア - ZDNet Japan







こんにちは。aegif 技術担当役員の石井です。



Developer版の無償公開に続き、EMC Documentum陣営から興味深い発表がありました。DRM機能モジュールであるDocumentum IRMのSDK公開とeRoomと連携した無償トライアル環境の提供です。



元記事にも説明がありますが、Documentum IRM(Information Rights Management)は、各クライアントにダウンロードされたコンテンツがクライアント環境内でオープンされるときに適切な権限の有無をサーバに問いあわせて毎回チェックするという仕組みです。類似の製品としてはMicrosoftのRMS、AdobeのLiveCycle Rights Management(Policy Server)などがあります。



クライアント側でファイルオープンを監視する必要があるので、当然クライアント側に専用のモジュールが必要になります。これは現状のAlfrescoのゼロフットプリントポリシに反することもあり、Alfrescoではこういった種類の機能は提供されていません。(したがって、Adobe LiveCycle Rights Managementなどとの連携を行うことになります)



Documentum IRMはOffice文書とPDFという主要なファイル形式とそれらの編集閲覧ツールからみた場合、MicrosoftともAdobeとも独立したサードパーティ製品であるため、両方の形式に対して幅広い機能を提供することができています。しかし、あくまでサードパーティ製品であるが故に、MicrosoftのRMSを利用するための機能がMicrosoft Officeに、LiveCycle Rights Managementを利用するための機能がAdobe Readerにあらかじめ組み込まれているのに対し(ネイティブアプリに対するプラグインも提供されているようですが)、Documentum IRM Clientという専用モジュールの追加インストールが必要になってしまいます。これは、クライアント管理の側面や、将来のバージョンアップにリスクを残す可能性があるため、ある種のデメリットであると評価されるべきだと思います。もちろん、今回のSDK公開のモチベーションにも関係するさらにもう一つの観点として、それら主要2ツール以外のCADなどのツールへの対応力は”サードパーティ”としてこの種のツールにリソースを振り分けてきたベンダの強みだと思いますが。



(Alfrescoの肩を持っているということもあって)個人的には、今大きく環境が変わろうとしているオフィススイート製品のファイル形式よりもある程度枯れてきていて閲覧環境も普及しているPDFに限定してIRMに取り組んだ方が、”現時点では”合理的なのではないかと考えています。現在我々もAlfrescoとLiveCycleの連携事例の調査をしているところなので、何か面白いことがわかればまたご報告させて頂きます。



(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)