2009年7月8日水曜日

Peter Monks » Code Movement vs Content Movement

Peter Monks » Code Movement vs Content MovementAlfresco Blog




Code moves forward. Content moves backward.


こんにちは。aegif 技術担当役員の石井です。



Alfresco Blogの記事の紹介です。content here

というBlogのCode moves forward. Content moves backward.という記事に対するコメント記事です。元記事の書き手はAlfrescoの開発者向け書籍の謝辞で「We miss you」と言われていた人ですね。(先日、トレーニング受講者の方と英語圏の書籍、特に技術書の謝辞には様式があるという話で少しだけ盛り上がったのを思い出しました)



一般にCMS、Webコンテンツの管理システムのメリットとして挙げられるものの第1は、コンテンツとデザイン(レイアウト)の分離を推し進め、コンテンツの書き手がコンテンツそのものに注力できるようになること、だと言えるでしょう。この場合、レイアウトと言われるものは、テンプレートエンジンのテンプレートファイルであったりCSSなどのスタイル情報であったりするわけですが、CMSを導入しているなど高度なサイトの場合はプログラム言語で記述されたモジュールなども最終的なレンダリング結果を左右するという意味で同様に取り扱う必要がでてきます。その意味で、もう少し広くここではコードと呼んでいるのだと思います。



元記事では、コードは開発環境→テスト環境→本番環境(ステージング環境を含む)という順番で「前に進んでいく」方向でデプロイされていくが、コンテンツは通常本番環境上(くどいようですが、ここでの本番にはステージングも含まれます)で日々生み出されているため最新のコンテンツを元に開発やテストをするためには、本番環境→テスト環境あるいは本番環境→開発環境という形で「後に戻る」方向で情報をコピーする必要がある、という点を指摘しています。



CMSにはいろいろな製品があるので、すべての製品について総括的な評価は難しいのですが、1つの哲学として、コードとコンテンツは同じコインの裏表として統一的に管理すべきである、というコンセプトがあります。実際、コード(断片)をコンテンツと同じレベルのオブジェクトとして管理するCMSというのも珍しいものではありません。そして、そこに一定の利便性があることは間違いないですし、なんとなくそれが(教科書的な意味で)戦略として正しいものであるようなイメージを私も持っていました。



今回の記事でも指摘しているように、確かにコードとコンテンツでは作成するチームの人員もリリースサイクルも異なることが多いわけで、そのことは十分承知していたのですが、そこは理論上正しいルールと現実の業務のギャップとして評価し、どこまで理論側に近づけることができるのかという勝負だと考え勝ちだったと思います。



このように韻として馴染みやすい標語をつけてBlogで考えを整理してもらうと、パッケージが持っている思想とユーザの期待のギャップの典型として捉え、分析時やパッケージ選定時の評価フレームワークの一部として利用できるようになるので非常にありがたいです。



(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)